離職防止のための取り組みとは? 重要性と原因別の対策法
企業における人材不足感が高まる今、求人募集をかけても思うように応募が来ないケースもあり、自社が求める人材を獲得することは簡単ではなくなっています。
安定した事業運営の資源となる人材を確保していくには、新たな人材確保のために採用力を強化するだけでなく、在籍している従業員の離職を防止して定着化を図ることが必要といえます。
「入社後にすぐに離職してしまう」「優秀な人材がなかなか定着しない」という悩みを抱える企業では、離職につながる原因を知り、定着化を図るための対策を講じることが重要です。
この記事では、従業員の離職防止に取り組む重要性と、原因別の対策法について解説します。
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なお、人が定着しない職場の特徴については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
目次[非表示]
- 1.企業が離職防止に取り組む重要性
- 2.【原因別】離職防止のための対策法
- 2.1.①人間関係に問題がある
- 2.2.②労働条件に不満がある
- 2.3.③将来性
- 2.4.④採用段階の情報不足
- 2.5.⑤採用段階で仕事・会社のよい側面を伝えている
- 3.まとめ
企業が離職防止に取り組む重要性
離職防止の取り組みが重要とされる理由には、主に2つが挙げられます。
▼離職防止の取り組みが重要とされる理由
- 人材獲得競争の激化によって採用の難易度が高まっている
- 転職が当たり前になり、短期での人材流動が見られている
近年、有効求人倍率は1.0以上で推移しており、企業における人材需要に対して供給が追い付いていない状態です。
▼有効求人倍率の推移
画像引用元:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和5年4月分)について』
少子高齢化による労働力人口の減少が進むなか、人手不足はさらに深刻化すると見込まれており、それに伴い企業間の人材獲得競争も激しくなると予測されます。
今後、新たな人材獲得の難易度が高まることを踏まえると、今いる人材の流出を防ぐための離職防止策にも力を入れる必要があります。
また、厚生労働省の『令和2年 転職者実態調査の概要』によると、転職者のうち直近の勤め先での勤務期間は“2年以上5年未満”が26.9%を占めており、もっとも多くなっています。特に25〜29歳の年代では、46.8%の人が2年以上5年未満で転職していることが分かります。
▼転職者のうち直近の勤め先での勤務期間
画像引用元:厚生労働省『令和2年 転職者実態調査の概況』
これらの結果を見ると、採用コストをかけて採用しても、さまざまな理由で短期離職する人が出てくる可能性があると考えられます。人材の定着化を図るためには、離職する原因を踏まえたうえで必要な離職防止策を講じることが重要です。
出典:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和5年4月分)について』『令和2年 転職者実態調査の概況』
また、社員が早期離職してしまった際にどれくらいのコスト損失が発生するのかについては、以下の記事で解説しておりますので、あわせてぜひご覧ください。
▼早期離職のコスト損失はどれくらい? 費用項目と金額の目安を解説
【原因別】離職防止のための対策法
従業員の早期離職を防ぐには、原因に応じた対策が求められます。ここからは、離職原因別の対策法について解説します。
①人間関係に問題がある
上司や同僚との人間関係の問題によって、離職につながるケースがあります。
人間関係の問題には、社内で良好な人間関係を築けずに孤立していたり、ハラスメントを受けていたりすることが挙げられます。このような問題は、従業員のストレスとなり、居心地の悪さを感じたり、心身への負担につながったりする恐れもあります。
人間関係の問題を防ぐためには、従業員とコミュニケーションを取る機会を設けることや、悩み・不安を相談できる体制を整えることがポイントです。
▼対策法
- 定期的に従業員との個別面談を実施する
- 部下に対して丁寧な指導・フォローができるように上司のマネジメント研修を行う
- 従業員の人間関係やストレスの状況に応じて、人員配置を変更する
②労働条件に不満がある
給与や待遇、仕事内容に不満があり、離職につながるケースもあります。
「業務内容や量と給与が合わない」「有給休暇やボーナスなどが低い」と感じると、より条件のよい企業へと転職を考える従業員もいます。また、「想像していた仕事内容と違う」「自分のスキルを生かせる仕事をしたい」という理由で転職を決めるケースもあると考えられます。
労働条件に対する不満を理由とした離職を防ぐには、従業員が働きやすさを感じつつ、モチベーションややりがいを見い出せるようにすることがポイントです。
▼対策法
対策法 |
具体例 |
勤務制度を見直す |
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福利厚生を充実させる |
住宅手当や通勤交通費、社員食堂の無料化、リフレッシュ休暇などの社内独自の福利厚生を設ける |
労働条件の改善を図る |
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③将来性
キャリアアップや成長を見込めない職場では、モチベーションとやりがいを見い出しにくくなり、離職につながりやすくなります。
また、会社の事業内容や業績に対する不安から、将来性を危惧して離職に至るケースもあると考えられます。
モチベーションの低下や将来の不安などによる離職を防ぐためには、企業の目標を共有したり、従業員の成長を支援する制度を導入したりすることが有効です。
▼対策法
- 事業の中長期的な目標や将来のビジョンを共有する
- スキルアップのための研修制度や資格取得支援制度を導入する
- 従業員のニーズに合ったキャリアプランを用意・支援する
④採用段階の情報不足
採用段階で企業の情報が不足していると、「入社前のイメージと違った」「聞いていたことと違う」などの不満によって、早期離職につながることも少なくありません。
求人広告に記載している仕事内容が概要説明程度の場合、従業員との認識の相違が生まれやすくなります。情報不足による早期離職を防ぐには、採用段階で詳細な情報を伝えておくことが重要です。
▼対策法
- 仕事内容や扱う商品・サービスについて求人で詳しく説明する
- 求人で伝えきれない情報は採用ページや面接で補足する
- 動画で仕事風景を見せて、働くイメージを持ってもらう
なお「採用段階の情報不足」以外にもミスマッチが起きる原因は多数あります。採用ミスマッチが起きる理由については以下の記事でご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
▼採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策
⑤採用段階で仕事・会社のよい側面を伝えている
会社や仕事のよい面だけを訴求していると、入社後にギャップを生みやすくなり、離職につながってしまう可能性があります。
入社後のギャップをなくして早期離職を防ぐには、ポジティブな面だけでなく、業務内容や給与・待遇などに関する現状課題を包み隠さずに伝えることが重要です。
▼対策法
- 業務内容や給与・待遇の実情を正しく記載する
- 現状課題と課題解決のための取り組み状況を伝える
- 採用メッセージで会社の理念や風土を伝える
なお、採用メッセージの作り方については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
▼より詳細な離職防止のノウハウ・具体的な対策を解説した「退職を防ぐ20の対策」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます。
より詳細な離職の原因については以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。
▼離職を招く原因とは? 人材定着化に向けた6つの解決策
まとめ
この記事では、離職防止のための取り組みについて以下の内容を解説しました。
- 企業が離職防止に取り組む重要性
- 離職防止に向けた原因別の対策法
人材獲得競争の激化によって採用の難易度が高まっているなかで、事業運営のための人材を安定して確保するには、離職を防ぐための取り組みが欠かせません。具体的には、社内で良好な人間関係を構築するとともに、労働条件や各種制度の見直しを図ることが挙げられます。
また、入社後の早期離職に至る原因の一つには、採用段階で伝える情報が不足していたり、よい側面だけ伝えていたりして、採用ミスマッチが生じていることも挙げられます。採用ミスマッチを防ぐには、求人広告で詳細な情報を伝えるとともに、仕事の厳しさや現状課題についても正直に伝えることがポイントです。
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エン転職では、求人に「仕事の厳しさ」「向いていない人」という項目を設けることで、「思ったよりキツい」「求人のイメージと違った」といったギャップを軽減しています。これにより、早期離職や採用後のミスマッチの防止につながります。
また、すべてのプランにおいて、A4用紙4枚分の原稿に加えて、写真3点・動画1点の多くの情報量を掲載できるため、情報不足によるミスマッチも防ぎやすくなります。
こうした取り組みによって、エン転職経由の入社者の定着率は格段に高いとご好評いただいております。
採用でお悩みの際は、以下のエン転職お問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
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なお、採用ミスマッチを防ぐ方法については、こちらの記事をご覧ください。
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