早期離職のコスト損失はどれくらい? 費用項目と金額の目安を解説

早期離職のコスト損失はどれくらい? 費用項目と金額の目安を解説


採用にはコストがかかりますが、採用した社員が離職した場合もさまざまなコストが発生します。

入社した従業員が早期離職すると、新たな人材確保のために人事・採用部門の業務負担が増えますが、ここでも人件費が発生します。そのほか、再度採用を行うためのコスト、入社者の研修に費やしたコストなど、早期離職による損失によって企業経営にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

「離職に伴ってどれくらいのコスト損失があるのか」「コスト損失を抑えるにはどのような対策が必要か」などと、採用に関わるコストの見直しを検討されている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、離職によるコスト損失の項目や一般的な相場、損失を防ぐための対策について解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.離職によってどのようなコスト損失があるのか
  2. 2.早期離職による損失額の目安
  3. 3.早期離職が起こる原因
  4. 4.離職によるコスト損失を防ぐための対策
    1. 4.1.採用ミスマッチの防止
    2. 4.2.フォローアップの実施
  5. 5.まとめ


離職によってどのようなコスト損失があるのか

従業員が離職すると、採用活動や教育などにかかったコストの損失が発生します。主な費用項目には、以下が挙げられます。


▼離職によるコスト損失

コストの種類

内容

採用活動のコスト

  • 求人広告の掲載料
  • 採用ツールの利用料
  • 採用担当者の人件費 など

入社後のコスト

  • 教育・研修にかかった費用
  • 教育担当者の人件費
  • 離職した従業員の給与
  • 社会保険料
  • 福利厚生費 など


また、離職による損失はコストだけではありません。人材不足で既存の従業員の業務負担が増えたり、モチベーションが低下してほかの従業員の離職を招いたり、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。



早期離職による損失額の目安

入社した従業員が3ヶ月で早期離職した場合、従業員一人当たり約187.5万円のコスト損失が発生するという試算があります。

内訳はおもに、採用経費・在籍費用・教育研修費などです。採用経費や離職者の人件費といった直接的なコストだけでなく、採用担当者や教育担当者の人件費といった間接的な損失の金額も換算します。

具体的な損失額の目安は以下のとおりです。


▼入社後3ヶ月で離職した場合のコスト損失(概算)

3ヶ月での離職による費用損失


なお、採用コストの相場や計算方法などについては、こちらの記事で解説しています。

  採用コストの相場とは?|節約術や削減事例まで徹底解説 - エン転職|【公式】企業様向けサイト 経費削減で採用コスト(採用単価)を抑えたい方、必見!採用にかかる費用の抑え方、平均相場を公開しています。コスト削減の驚くべき方法や企業が陥りがちな落とし穴もわかりやすく解説。自社の採用コストが適正なのか、ぜひチェックしてみてください。 エン・ジャパン株式会社


早期離職が起こる原因

早期離職が起きてしまう主な原因は、以下が考えられます。


▼早期離職が起こる主な原因

原因

具体的な内容

業務内容

  • 仕事内容が合わない
  • 社風が合わない

人間関係

  • 上司とのコミュニケーションがうまく図れない
  • 同僚と合わない

労働環境

  • 給与が合わない
  • 評価制度があいまい
  • 休日が少ない
  • 残業が多い


これらに共通する内容といえるのが「入社前に思い描いていたものと実際にギャップがある」という点です。

入社前にイメージしていた社風や仕事内容にズレがある場合、従業員が不満に感じたり、モチベーションが低下したりする可能性があります。また、上司や同僚と相性が合わず、人間関係にストレスを抱えている場合も、働きづらさを感じやすくなると考えられます。

そのほか、「給与が仕事内容に見合わない」「評価制度があいまい」「思っていたよりも残業が多い」「休暇が取りにくい」といった労働環境への不満も、離職につながる原因の一つといえます。


離職を招く原因については以下の記事で詳細を解説しておりますので、併せてご覧ください。


▼離職を招く原因とは? 人材定着化に向けた6つの解決策

  離職を招く原因とは? 人材定着化に向けた6つの解決策 早期離職による人材の流出は、採用・育成コストの損失や、既存従業員の離職連鎖など、企業にとって大きなダメージになる可能性があります。どのような理由で離職するのかを把握して、解決することが重要です。今回は、従業員が離職する原因と具体的な解決策について解説します。 エン・ジャパン株式会社




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離職によるコスト損失を防ぐための対策

早期離職によるコスト損失を防ぐためには、入社前に企業への理解を深めてもらうことや、業務・職場に慣れてもらうためのサポートを実施することが重要です。ここでは、人事・採用部門が行う対策について解説します。



なお、より詳細な離職防止の取り組みは以下の記事でご紹介しております。あわせてぜひご一読ください。


▼離職防止のための取り組みとは? 重要性と原因別の対策法

  離職防止のための取り組みとは? 重要性と原因別の対策法 企業における人材不足感が高まる今、求人募集をかけても思うように応募が来ないケースもあり、自社が求める人材を獲得することは簡単ではなくなっています。 安定した事業運営の資源となる人材を確保していくには、新たな人材確保のために採用力を強化するだけでなく、在籍している従業員の離職を防止して定着化を図ることが必要といえます。 「入社後にすぐに離職してしまう」「優秀な人材がなかなか定着しない」という悩みを抱える企業では、離職につながる原因を知り、定着化を図るための対策を講じることが重要です。 この記事では、従業員の離職防止に取り組む重要性と、原因別の対策法について解説します。 エン・ジャパン株式会社



採用ミスマッチの防止

従業員の早期離職を防ぐためには、入社前と入社後のギャップをなくして採用ミスマッチを防ぐことが重要です。

求人募集を行う際は、企業理念や社風、仕事内容、労働条件などの詳しい情報を提示して、企業理解を深めてもらうようにします。

また、カルチャーフィットの観点から求職者が自社にマッチするかを見極めたり、仕事の厳しさを正直に伝えたりすることもポイントといえます。

会社説明会やセミナーなどを通して、実際の業務内容を伝えて雰囲気を感じてもらうことも一つの方法です。

※カルチャーフィットとは企業文化への適応性を表す言葉。社風にどれくらい合っているかといった意味合いで用いられる。


採用のミスマッチが起きる理由については以下の記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。


▼採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策​​​​​​​

  採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策 企業が採用活動を行うなかで、採用ミスマッチが生じて早期離職につながってしまうケースがあります。従業員が早期離職すると、採用コストの損失につながるほか、ほかの従業員のモチベーション低下や生産性の低下を招く可能性があるため、対策が求められます。この記事では、採用ミスマッチが起こる主な理由と早期離職を防ぐための対策について解説します。 エン・ジャパン株式会社




フォローアップの実施

職場の人間関係や仕事の不満による早期離職を防ぐには、入社後のフォローアップを行うことが欠かせません。


▼フォローアップの例

  • 業務の習得状況に応じて教育・研修を実施する
  • メンター制度を導入する
  • 定期的に上司・管理者との面談を実施する


仕事や職場の人間関係に慣れてもらえるようにフォローアップを実施することで、従業員の不安・ストレスを和らげて定着化につなげられます。


まとめ

この記事では、早期離職のコスト損失について以下の内容を解説しました。


  • 離職によるコスト損失の項目
  • 早期離職によるコスト損失の相場
  • 早期離職が起こる原因
  • 早期離職を防ぐための対策


従業員が入社してすぐに離職すると、採用活動や教育・研修などにかかったコストの損失につながり、企業経営にもさまざまな影響を与える可能性があります。早期離職の原因の多くは「入社前・入社後のイメージや働き方にギャップがある」ことと考えられます。

離職によるコスト損失を防ぐには、定着・活躍する人材を見極めてミスマッチを防ぐことや、定着化を図るためのフォローアップを行うことがポイントです。入社後に活躍・定着する人材を採用したいとお考えであれば、ぜひ『エン転職』をご活用ください。

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