地方での採用を成功させる6つのポイント|成功事例も紹介
少子化による労働力人口の減少に加え、都市部へ人材が流出していることもあり、地方企業の採用活動は年々難易度が上昇しています。
「求める人材となかなか出会えない…」「どうすれば地方企業で採用の成功率をあげられるのだろう?」とお悩みの採用担当者は多いのではないでしょうか。
本記事では、地方企業での採用を成功させる6つのポイントを解説しています。おすすめの採用手法や、成功事例もあわせて紹介しますので、地方での採用活動にお悩みの方はぜひご覧ください。
目次[非表示]
- 1.地方採用の状況
- 1.1.労働力人口の減少
- 1.2.都市部への人材流出
- 1.3.有効求人倍率は増加傾向
- 2.地方採用に起こりがちな問題
- 2.1.採用課題が不明確
- 2.2.採用ターゲットが不明確
- 2.3.母集団形成が不十分
- 3.地方採用を成功させる6つのポイント
- 3.1.自社の採用課題を明確化する
- 3.2.採用ターゲットを明確化する
- 3.3.ターゲットへの訴求を強化する
- 3.4.U/Iターン人材にもアプローチする
- 3.5.オンライン選考の環境を整える
- 3.6.地方で働くことへの安心感を発信する
- 4.地方採用におすすめの採用手法
- 4.1.engage(エンゲージ)
- 4.2.ダイレクトリクルーティング
- 4.3.全国に利用者がいる求人サイト
- 5.地方採用の成功事例
- 5.1.株式会社ダイワエクセル
- 5.2.株式会社ここいえ
- 6.まとめ
地方採用の状況
まずは、地方採用が現在どのような状況になっているのか解説します。地方企業が置かれている状況や、採用市場の傾向を把握しておきましょう。
労働力人口の減少
日本は現在、少子高齢化の一途をたどっています。国土交通省が公表した資料「地方における人口・労働力の変化」では、以下の数値が試算されています。
「中枢・中核都市一時間圏外(地方圏)」のグラフでは、労働力人口が2050年には-40%をさらに下回ってしまうと表記されています。
また地方圏と同様に、都市部のグラフでも軒並み労働力人口が減少しています。今後は日本全国で採用難となる可能性が高いといえるでしょう。
都市部への人材流出
労働力人口が減少していているだけでなく、都市部へ人材が流出していることも、地方企業の採用が難航しやすい一因となっています。国土交通省が発表した下記の資料によると、東京・大阪・名古屋圏への人口集中が顕著で、東京は特に大きく人口が増加しているとわかります。
出典:国土交通省「東京一極集中の是正方策について」
都市部への人口流出が続いているということは、労働にあたり十分なスキルをもった人材が都市部へ集中しやすくなっている状態といえます。
加えて少子高齢化により、今後は都市部でも労働力人口が徐々に減少していく見込みです。都市部の大企業が地方に居住している人材にも目をつけて、採用活動を拡大する可能性も考えられるでしょう。これらの状況から考えると、地方採用は今後ますます難しくなっていくと予想されます。
有効求人倍率は増加傾向
有効求人倍率とは、求職者に対する求人数の割合のこと。倍率が1を上回れば上回るほど、「求職者より人材を採用したい企業の方が多い」という状況になります。
有効求人倍率は増加傾向にあります。厚生労働省が発表した資料を見てみましょう。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年3月分及び令和4年度分)について」
厚生労働省の資料によると、有効求人倍率は上昇傾向にあります。令和元年から一気に下降していますが、これは新型コロナウイルス感染症の影響が出ていると考えられます。
有効求人倍率は、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くにつれて、また徐々に上昇していく可能性があります。地方採用の難易度は、今後も下がりにくいと考えられるでしょう。
地方採用に起こりがちな問題
続いて、地方企業での採用に起こりがちな問題を3つ解説します。
採用課題が不明確
地方の企業では「人事部など採用専門の部署がないため、他部署の従業員が通常業務と並行しながら採用活動を行なっている」など、採用活動をスムーズに進めるための体制が整えられていないケースがあります。その結果、自社の採用課題とその対策がわからないまま漠然と採用活動を展開し、採用が難航してしまうのです。
自社に適した人材を確保するための施策をきちんと講じなければ、採用活動に無駄な費用や労力がかかってしまいます。ただでさえ人材が不足しているなか、「コストをかけたのに必要な人材を確保できなかった…」という状況に陥ってしまう可能性もあります。
採用ターゲットが不明確
自社の採用課題が不明確なだけでなく、採用ターゲットもきちんと決め切れていないケースが少なくありません。採用ターゲットを明確にしておかないと、自社にマッチしない人を採用してしまったり、自社に適している人を不採用にしてしまったりする恐れがあります。
自社の採用ターゲットが明確化できていない場合、ターゲット層となる求職者への応募訴求も不足してしまいます。「自社に適した人材が多く登録していそうな求人媒体を使って効果的にアプローチをする」などの施策が打てないため、採用活動が無駄に長引いてしまう可能性があるのです。
母集団形成が不十分
地方では都市部への人材流出などによる労働力人口の減少が著しいため、そもそも人材の母集団が少なくなっています。それに加えて地方の中小企業は、全国規模の大企業に比べると知名度が低い傾向にあるため、なおさら自社の母集団を形成しにくい状況にあるといえるでしょう。母集団形成が不十分なままだと、求人を公開しても応募が集まりにくくなってしまいます。
地方採用を成功させる6つのポイント
ここからは、地方での採用を成功させるポイントを6つ紹介します。すぐに行なえる対策もあるので、採用活動の改善にお役立てください。
自社の採用課題を明確化する
まずは自社の採用課題を明確化し、それに対する改善策を考えましょう。地方の企業が抱えやすい採用課題には、以下のようなものが挙げられます。
- 求人に応募が集まらない
- 採用活動に十分な時間をかけられない
- 自社求人についてうまく情報発信できない
こういった採用課題に対し、原因を予測して、改善策を立てていきます。自社の課題に適した対策を講じれば、ただ漠然と採用活動を行なうよりも、効率的に求める人材を採用しやすくなるでしょう。
こちらの記事では、採用課題についてより詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼採用課題一覧|主要な7パターンの解決策と具体的な企業事例を公開
採用ターゲットを明確化する
採用課題を明確化するとともに、採用ターゲットの明確化にも取り組みましょう。採用ターゲットを明確化させると、自社に適した人材を見極めやすくなります。
採用ターゲットを決めるときは、「どんなスキル・経験をもった人材がよいか」「どんな性格・価値観をもった人材がよいか」などを、なるべく具体的に考えるのがおすすめです。
加えて、自社が提供できる魅力と合わせて「今回の就職・転職活動で何を叶えたい人か」も
あわせて考えましょう。
「より稼ぎたい人」「よりスキルが身につく環境が良い人」「よいプライベートを大切にできる仕事がいい人」「よりやりがいや意義を感じられる仕事がいい人」など。採用ターゲットが叶えたい仕事探しの軸をイメージしておくと、後工程の求人・面接で何を訴求すべきかが明確になります。
採用ターゲットの決め方は、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼採用ターゲットを決めて訴求力アップ! 決め方やポイントを解説
ターゲットへの訴求を強化する
採用ターゲットが決まったら、ターゲットへ向けての訴求を強化しましょう。採用ターゲットとなる人物から、「魅力的な企業だ」「応募したい!」と感じてもらえるようにアプローチしていくのです。
- 求人の文章を採用ターゲットに刺さるような内容へ整える
- 採用ターゲットが利用していそうな媒体に求人を掲載する
このようなアプローチを行ない、自社求人がターゲット層の目に触れやすくなるよう工夫しましょう。
U/Iターン人材にもアプローチする
地方採用では、U/Iターン人材に目を向けることも大切です。現時点で地方に住んでいる人だけでなく、U/Iターンを希望している人にもアプローチできると、自社求人への応募者を増やせる可能性が高くなります。
U/Iターン人材にアプローチしたい場合は、求職者へダイレクトにメッセージを送れる「スカウトメール機能がついた求人サイト」か「ダイレクトリクルーティング」を利用するのがおすすめです。また、求人の文面で「満員電車に乗らなくて済む」「都市部に比べて家賃が安い」など、都会にはない魅力を打ち出すのもよいでしょう。
オンライン選考の環境を整える
- 応募書類を紙でなくPDFなどの電子ファイルでの提出可とする
- Zoomなどを使ってオンライン面接を取り入れる
上記のようにオンライン選考の環境を整えることも、地方採用の成功につながる要素となります。求人への応募から内定を出すまでの一連の流れをオンライン化することで、求職者の応募へのハードルを下げられる可能性があるからです。
特にU/Iターンを希望している人には、「現時点では都市部に住んでいて、インターネットで地方の求人を検索している。採用が決まってから引っ越しを考えたい」という人も少なくありません。そういった人材を逃さないためにも、オンライン選考の環境を整えておきましょう。
地方で働くことへの安心感を発信する
誰もが慣れない環境で働くことには不安を覚えるもの。求職者が地方の企業で働く生活をうまく想像できず、興味はあるものの応募をためらってしまうケースがあります。
「社員に1日の過ごし方をヒアリングして自社サイトに掲載する」など、地方の企業で働く暮らしについて情報発信し、求職者に安心感をもってもらえるようにしましょう。
また家賃の補助や、引っ越し費用の補助などの福利厚生制度を設けて、移住支援に積極的な姿勢であることをアピールするのもよいでしょう。
地方採用におすすめの採用手法
地方採用を成功させるためには、適した採用手法を選定することも大切です。ここからは、地方採用におすすめの採用手法を3つ紹介します。
engage(エンゲージ)
engage(エンゲージ)は、40万社以上が導入する利用企業数No.1の採用支援ツールです。無料で求人を掲載したり、自社の採用ページを作成したりできます。
加えて、以下のように無料でありながら地方利用者が多い媒体に、求人を複数同時掲載することも可能です。
- CMで話題の「Indeed(インディード)」
- 求人企業数No.1の社員・バイト求人サイト「エンゲージ」
- 月間利用者数700万人を突破した「求人ボックス」
- Yahoo! JAPANと連携した求人サービス「スタンバイ」
- Googleが提供する求人サービス「Googleしごと検索」
engageについてより詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
▼エン・ジャパンの新サービス「engage(エンゲージ)」を解説
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、自社の求める条件に合う求職者へ直接メッセージを送ってアプローチする採用手法です。求人サイトに求人を掲載して待つ手法よりも、自社に必要な人材へ的確にアプローチできるメリットがあります。
また、ダイレクトリクルーティングは利用前に「ターゲットとなる求職者の数」を調べてくれます。希望する地方エリアに、自社に適していそうな人材がどれだけいるか調べられるので、その数に応じて利用するかどうかを判断できます。
全国に利用者がいる求人サイト
エン・ジャパン株式会社が運営する『エン転職』など、日本全国に利用者がいる求人サイトを活用するのもおすすめです。U/Iターンを希望している求職者にも自社求人が届きやすいため、母集団を形成しやすくなるメリットがあります。
求人サイトを実際に活用する前に、募集を検討している地方エリアで採用実績があるか確認しておくと、より採用成功率を高められます。
▼エン転職の企業向けサイト
地方採用の成功事例
ここまで、地方採用の成功率を高めるポイントなどを解説してきましたが、「あまり具体的なイメージが湧かない…」という方もいるでしょう。地方採用の成功事例を2つ紹介しますので、採用成功のイメージを膨らませてください。
株式会社ダイワエクセル
「株式会社ダイワエクセル」は1962年に創業し、自動車に特化した金属表面加工を手がけている会社です。『エン転職』で製造スタッフを募集しました。
募集エリアは、愛知県で「最寄駅から徒歩1時間」という立地。「製造スタッフは応募を集めるのが難しい」「公共交通機関で通勤しにくいエリア」などの採用課題を抱えていましたが、地域特性を踏まえてターゲットを定め、会社の魅力をアピールするなどして採用に成功しています。
詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
▼「最寄り駅から徒歩1時間×製造職」を求人原稿の工夫で採用成功!
株式会社ここいえ
「株式会社ここいえ」は戸建てやマンション、リフォームなど、不動産に関わる幅広い提案を行なっている会社です。『エン転職』で事務スタッフを募集しました。
募集エリアは、兵庫県姫路市とたつの市。「エリア的に応募数を担保するのが難しい」「コミュニケーション頻度の多さから生じるミスマッチを防止したい」といった採用課題に対して、以下のようにアプローチし、採用に成功しています。
- 求人原稿のPRスペースで、自社の事務スタッフ“ならでは”の魅力を訴求
- 自社の求人がコミュニケーション能力の高い人にとって魅力的に映るよう広告設計
詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。
▼“ならでは”の魅力を見つけPR。意欲的な人材からの応募が殺到!
まとめ
地方企業の採用活動は、労働力人口の減少や都市部への人材流出、有効求人倍率の増加などにより、厳しい状況となっています。採用を成功させるためには、「採用課題と採用ターゲットを明確化して訴求を強化」「オンライン選考の環境整備」などの取り組みが必要です。
また、採用の成功率をより高めるためには、地方採用に適した手法を選ぶことも大切です。自社の採用課題や採用ターゲットに適した手法を選定し、人材獲得につなげましょう。
「さまざまなエリア・業種・職種で採用成功しているサービスに、自社採用も任せたい!」とお考えの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。『エン転職』は日本最大級となる1000万人の会員を保有する、中途採用向け求人サイトです。
『エン転職』には、多くのエリア・業種・職種で豊富な採用成功事例があります。以下は、そんな『エン転職』で採用成功した事例を集めたサイトです。エリア・職種・業種・採用のよくあるお悩み別に事例を検索することができます。
貴社が募集したい職種×エリアの事例がサイト内にない場合は、お調べすることもできます。ぜひ以下の採用事例サイトからお問い合わせくださいませ。
▼採用成功事例 │ エン転職を利用した企業の声
採用でお悩みの際は、以下のエン転職お問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
▼エン転職の料金表・特徴をまとめたパンフレットは以下からダウンロードいただけます。
他にも『エン転職』には入社後の活躍・定着を促進する機能が多数。詳細はこちらの記事で解説しています。
▼エン転職の特徴を分かりやすく整理|採用成功できるヒミツを大公開