面接で人材を見極めるポイント|確認すべき内容や面接官のNG行動も解説
採用面接は、応募者が自社に適した人材かどうかを見極める重要な機会です。しかし見極めるといっても、「具体的には何を確認するべきなのか?」「人材を見極めるためのコツは?」とお悩みの面接担当者も多いでしょう。
本記事では、面接で人材を見極めるポイントについて詳しく解説します。面接で確認すべき内容や、面接官がやってはいけないNG行動なども紹介しますので、採用面接を行なう際の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.面接官が確認すべき内容
- 1.1.応募者が自社の採用ターゲットと合っているか
- 1.2.ターゲット要項以外にプラスとなる要素があるか
- 1.3.自社の社風に合う人材か
- 1.4.常識・良識がきちんとある人材か
- 2.面接で人材を見極めるポイント
- 2.1.評価基準を明確に定義する
- 2.2.リラックスして話せる雰囲気をつくる
- 2.3.応募者の回答を深掘りして質問する
- 3.面接の基本的な流れ
- 4.面接官の役割・心構え
- 4.1.応募者を見極めてミスマッチを防止する
- 4.2.応募者に対し自社を魅力づけする
- 4.3.面接官が「会社の顔」となることを意識する
- 5.面接官がやってはいけないNG行動
- 5.1.業務に関係のない内容を質問する
- 5.2.応募者へ高圧的に接する
- 6.まとめ
面接官が確認すべき内容
まずは、採用面接で面接官が応募者に確認するべき内容を4つ解説します。面接を行なうときは、以下の4点を念頭に置き、応募者を総合的に深掘りできるようにしましょう。
応募者が自社の採用ターゲットと合っているか
面接では「応募者が自社の採用ターゲットと合っている人物かどうか」を見極める必要があります。どの企業も求人を作成する段階で「こんな人材が欲しい」と想定している人物像があるはずです。応募者が自社の希望する人物像に当てはまるかどうかを面接で詳しく確認しましょう。
採用ターゲットは、なるべく具体的に決めておくのがおすすめです。「どんなスキル・資格をもつ人材がよいか」「どんな業務経験のある人材がよいか」などを具体的に決めておくと、評価基準が明確になるため、応募者を選考しやすくなります。
採用ターゲットの決め方について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼採用ターゲットを決めて訴求力アップ! 決め方やポイントを解説
ターゲット要項以外にプラスとなる要素があるか
採用ターゲットを決める際に設定した項目だけでなく、ほかにプラスとなりそうな要素をもっているかどうかも、あわせて確認します。応募者が実際に入社したらどんな影響がありそうか予測し、プラスに働きそうな要素があれば、積極的に評価しましょう。
たとえば「募集しているのは事務職だが、応募者のコミュニケーションスキルが高い」「募集しているのは営業職だが、応募者がオフィスソフト系の資格を保有している」などのケースです。業務には直接関係がなさそうなスキルだったとしても、一緒に仕事をするなかで役立つ場面があるかもしれません。
自社の社風に合う人材か
応募者が「自社の社風や企業文化に合うかどうか」もチェックしましょう。たとえ募集する業務内容に適したスキルをもつ人材だったとしても、性格・価値観・物事の考え方などが自社に合わないと、早期離職される可能性があるからです。採用面接では、業務経験や保有スキルを調べるだけでなく、応募者の人柄も深掘りしましょう。
常識・良識がきちんとある人材か
たとえ業務スキルが高かったとしても、常識・良識のない人を採用してしまうと、仕事中にトラブルが起こる可能性があります。社内の人間関係に悪影響が出たり、業務が滞ったりする恐れがあるので、応募者に社会人としての基本的なマナーが身についているか確認しましょう。
- 身なりに清潔感はあるか
- TPOに合わせた服装や髪形か
- 仕事に対してまじめで熱意があるか
- きちんとコミュニケーションがとれるか
- 書類の提出期限や面接時間などを守れるか
こういった項目もあわせてチェックするのがおすすめです。
面接で人材を見極めるポイント
では、実際に面接で人材を見極めるためには、どうすればよいのでしょうか。ここからは、見極めのポイントを3つ解説します。
評価基準を明確に定義する
まずは、応募者が自社の求める人物像と合っているか見極めやすくするために、面接の評価基準を定めましょう。面接の評価基準は、できるだけ明確に定めるのがおすすめです。評価基準を明確化すると、面接官が複数いる場合でも判断に一貫性が生まれます。
面接の評価項目や評価基準を一覧化した「面接評価シート」を作成し、その項目に沿って応募者を評価していくとよいでしょう。
例えば、面接の評価項目として「目標達成の志が高い方」を設定したとします。この目標達成の志を見極めるために、どんな質問をして、どんな回答があれば〇なのか、△なのか、×なのかを明文化したものが面接評価シートです。
面接評価シートを活用すると、面接官による評価のズレや、感覚に頼った面接を防止できるので、見極めの精度を高めることができます。
▼面接評価シートのテンプレートは以下から無料でダウンロードいただけます。ぜひ面接でお役立てください。
面接評価シートの詳しい作成手順や運用のコツは、こちらのページで説明していますので、ぜひご覧ください。
▼面接評価シートとは? 採用に活用できる作り方の手順と運用のコツ
リラックスして話せる雰囲気をつくる
面接の場では、多くの応募者が緊張しています。緊張状態だといつも通りに話せないので、面接官の前で本来の自分を出すのは難しいでしょう。
応募者が委縮したままだと、面接官も応募者を正確に評価できない状況となってしまいます。面接官が自らリラックスして話せる雰囲気をつくり、応募者の緊張を和らげてあげましょう。
面接の最初にアイスブレイクの時間をとるなどして、相手の緊張をほぐすのがおすすめです。応募者に「楽しく話ができた」とポジティブな印象をもってもらえれば、その後の選考辞退や内定辞退を防止できる可能性も高くなります。
応募者の回答を深掘りして質問する
面接で質疑応答をするときは、一問一答形式でやり取りするのではなく、応募者の回答をなるべく深掘りしましょう。応募者の回答に対してさらに追加質問をすることで、その回答の奥にある本音や考え方などが見えてきます。
応募者の深掘りをするための面接手法として「STAR面接」と呼ばれるものがあります。採用担当者が面接に不慣れな場合でも、STAR面接のフレームワークに沿って質問をしていくと、自然と応募者を深掘りしていけるのです。
STAR面接の具体的なやり方は、以下の記事で詳しく解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
▼誰でも応募者を深掘りできる面接フレームワーク│STAR面接とは?
また、こちらの記事では「職業適性」や「人間性」など、見極めたい項目に応じた質問例を100個紹介しています。どんな質問をするべきか迷っている方には、こちらの記事もおすすめです。
▼【面接官必見】採用面接の質問100選!見極めたい能力別の質問を紹介
▼見極めたい項目別の面接質問を120個まとめた「面接質問集120選」は以下から無料でダウンロードいただけます。ぜひ面接でお役立てください。
面接の基本的な流れ
面接の基本的な流れは、以下の通りです。
- アイスブレイク
- 面接官の自己紹介・自社や求人についての説明
- 応募者の自己紹介・自己PR
- 面接官から応募者へ質問
- 応募者からの質問に回答
- クロージング
面接では質疑応答への反応だけでなく、「全体を通しての態度」「言葉遣い」「応募者から面接官への質問内容」なども総合的に見て、応募者への理解を深めることが重要です。
「面接に慣れていない」「もっと具体的な流れが知りたい」という方は、以下の記事も参考になりますので、ぜひご覧ください。
▼【面接官の基礎知識】面接の進め方と押さえておくポイント
面接官の役割・心構え
ここまで「応募者をいかに見極めるか」という視点で解説をしてきました。しかし採用面接では、面接官も「応募者から見られている」という意識をもって行動することが大切です。以下で、採用面接における面接官の具体的な役割と、心構えについて説明します。
応募者を見極めてミスマッチを防止する
面接官のもっとも重要な役割は、応募者を見極めて採用ミスマッチを防止することです。採用ミスマッチとは、企業と求職者の認識にズレが生じたまま採用してしまうこと。業務内容や待遇、社風などの認識が双方でズレた状態で採用してしまうと、せっかく確保した人材が入社後すぐに退職するなどのリスクがあります。
面接官は「自社で働くのに適したスキルをもっているか」「自社の社風とマッチしそうな人柄か」などの観点から応募者を見極めるだけでなく、企業と応募者の認識にズレが生じないようにしなくてはなりません。
面接の場で改めて求人に記載した内容を口頭説明したり、応募者の働く上での希望を聞き出して、自社と本当に合致するかを判断したりするなどの工夫が求められます。
応募者に対し自社を魅力づけする
応募者へ自社の魅力をアピールすることも、面接官の大切な役割のひとつです。質疑応答で応募者を見極めるだけでなく、自社に入社するメリットを伝えることも忘れないようにしましょう。
応募者は内定を出せば必ず入社してくれるわけではありません。複数の企業へ同時に応募し、求人の条件や面接の雰囲気などを比較して、最終的にどこの企業へ入社するか決めている可能性があります。
そのため面接官は、採用面接を通して応募者が「この企業に入社したい!」と感じられるように、動機づけを行なう必要があるのです。応募者に対して、自社をアピールするような意識で面接に臨むとよいでしょう。
面接官が「会社の顔」となることを意識する
『エン転職』が行なったアンケート調査によると、「求職者の7~8割が面接によって入社するか/辞退するかを決めている」という結果が出ています。
採用の場において「求職者にとっての企業の顔は面接官である」と言っても過言ではありません。面接官の印象次第で採用成功率が変わってしまう可能性があるので、求職者からなるべく好感をもってもらえるように、意識して行動することが大切です。
- 笑顔で話しやすい雰囲気をつくる
- 「自分も見られている」という意識で身なりを整える
- 求職者が自社へ感じている不安や疑問を面接の場で解消してあげる
こういった意識で面接を行なうと、求職者に好感をもってもらうことができ、採用成功率が高まるでしょう。
面接官がやってはいけないNG行動
最後に、面接官がやってはいけないNG行動をお伝えします。面接官は応募者にとって「会社の顔」となる存在です。面接官の印象が、そのまま会社の印象となってしまうため、応募者に余計な不快感を抱かせてしまわないよう気を付けましょう。
業務に関係のない内容を質問する
面接では「本来自由であるべき事項」や「応募者本人には責任がない事項」など、業務に関係のない内容をむやみに質問してはいけません。たとえば、以下のような質問は避けた方がよいでしょう。
- 両親の出身地
- 両親の仕事内容
- 結婚予定の有無
- 政治や宗教、思想に関する質問
下記の資料では、面接で避けるべきNG質問をより詳しく特集しています。無料でダウンロードしていただけますので、ぜひご活用ください
▼面接で聞いてはいけないNG質問 令和の時代で禁止されている質問例
応募者へ高圧的に接する
ひと昔前は応募者のストレス耐性などを見極めるため、あえて応募者へ高圧的に接する「圧迫面接」という手法がありましたが、現代でおすすめできる手法ではありません。
応募者は面接官の言動を通して、会社の雰囲気や人間関係などを予測します。面接官がネガティブな印象を与えてしまうと「この会社で働きたくない」と思われる可能性があるほか、SNSなどで面接官のネガティブな印象を拡散されてしまう恐れもあります。
自社を魅力的な会社だとアピールし、応募者の入社意欲を高めるためにも、相手を「人として尊重する姿勢」を忘れないようにしましょう。
まとめ
面接では応募者が「採用ターゲットと合致しているか」「社風に合う人材か」「常識・良識を備えているか」などを総合的に見極めていくことが大切です。面接の評価基準を明確化したうえで、STAR面接などのフレームワークも活用し、応募者を深掘りしていきましょう。
また、面接官は応募者にとって「会社の顔」となるため、リラックスして話しやすい雰囲気をつくり、応募者にポジティブな印象を抱いてもらえるよう意識しながら面接を進めることも重要です。応募者の緊張を和らげて、本来の自分を出してもらうことができれば、より相手の本質を見極めたうえで採用するかどうか判断しやすくなるでしょう。
上記で紹介した方法を試していただければ、面接の見極め精度は高められるはずです。しかし、面接という限られた時間内で応募者を見極めるのが大変なことには変わりありません。
選考にあたり面接官の負担を軽減するなら、求人に応募を集める段階で、自社にマッチしそうな人材からの応募率を高めることが重要です。マッチ率の高い人材から応募を集めやすくしたい場合は、ぜひ『エン転職』をご活用ください。
『エン転職』は日本最大級となる1000万人の会員を保有する、中途採用向け求人サイトです。『エン転職』では、求人に「仕事の厳しさ」「向いていない人」という項目を設けることでミスマッチの軽減を行なっています。
早期離職の原因のひとつは、入社後ギャップ。「思ったよりキツイ…」「求人には書いていなかった…」という不満が退職に繋がります。あらかじめ仕事の厳しい側面を求人上で伝え、それでも働きたいと思わせる意欲を醸成。こうした取り組みにより、エン転職経由の入社者の定着率は格段に高いとご好評いただいております。
採用でお悩みの際は、以下のエン転職お問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
▼エン転職の料金表・特徴をまとめたパンフレットは以下からダウンロードいただけます。
他にも『エン転職』には入社後の活躍・定着を促進する機能が多数。詳細はこちらの記事で解説しています。
▼エン転職の特徴を分かりやすく整理|採用成功できるヒミツを大公開