採用単価とは? 削減方法6選|新卒・中途採用の平均相場も紹介
少子高齢化の影響で、労働人口が減少している昨今。人材獲得競争の激化により、企業の採用活動にかかる費用は上昇傾向にあります。
「成功率を落とさずに採用活動のコストを削減したい」「採用単価はどのくらいの金額が平均的なのだろうか?」とお悩みの人事・採用担当者は多いのではないでしょうか。
本記事では採用活動のコストについて解説。新卒・中途採用における採用単価の平均相場や、成功率を落とさずに採用単価を削減する方法などを紹介していきます。採用活動のコストでお悩みの方は、ぜひお役立てください。
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目次[非表示]
- 1.採用単価とは?
- 1.1.採用コストと採用単価の違い
- 1.2.採用単価を計算するための要素
- 1.3.採用単価の計算方法
- 2.採用単価・採用コストの平均相場
- 2.1.新卒・中途採用の平均採用単価
- 2.2.企業規模別の平均採用コスト
- 2.3.業種別の平均採用コスト
- 3.採用単価を削減する方法6選
- 3.1.採用成功率の高い手法を選ぶ
- 3.2.無料で使える求人媒体を活用する
- 3.3.採用広報を強化する
- 3.4.選考フローを見直して内部コストを削減する
- 3.5.選考辞退や内定辞退を防ぐ
- 3.6.ミスマッチを防ぎ早期離職を防止する
- 4.採用単価の削減に役立つおすすめサービス
- 4.1.engage(エンゲージ)
- 4.2.エン転職
- 5.まとめ
採用単価とは?
採用単価とは「一人当たりの採用コスト」を指す言葉です。以下で、採用コストとの違い・採用単価の内訳・計算方法について詳しく解説します。
採用コストと採用単価の違い
「採用コスト」と「採用単価」は、似たような意味で使われる言葉ではありますが、定義が少し異なります。
- 採用コスト=採用活動にかかった費用の総額
- 採用単価=一人当たりの採用にかかった費用
つまり採用単価とは、「従業員を一人採用するのにいくら費用がかかったのか?」をあらわした数値ということです。
採用単価を計算するための要素
採用単価を計算するための要素には、「外部コスト」と「内部コスト」があります。外部コストは、採用活動で外部サービスを利用したときに支払う費用のこと。内部コストは、採用活動にあたり社内で発生した費用のことです。
外部コストの例 |
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内部コストの例 |
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採用単価を計算するときは、内外両方のコストを確認する必要があります。特に、内部コストは外部コストよりも正確な金額がわかりづらいので、「なかったこと」にしてしまわないよう注意しましょう。
たとえば利用料無料の求人媒体を活用し、外部コスト0円で従業員を採用できたとしても、内部では採用活動のための人件費などがかかっています。そのため利用料無料の媒体を活用したからといって、「採用コストが0円だった」とはいえないのです。採用単価を抑えたいときは、内外両方の費用を削減する意識が大切です。
採用単価の計算方法
採用単価は、こちらの計算式で算出できます。
(外部コスト+内部コスト)÷ 採用人数 = 採用単価
たとえば「外部コスト50万円、内部コスト50万円をかけて5名採用した」という場合の採用単価は、以下の金額となります。
(外部コスト50万円+内部コスト50万円)÷ 5名 = 採用単価20万円
従業員数が1,000人を超える大企業と、100人以下の中小企業では、採用にかかる内外のコストが大きく異なります。自社の採用活動のコストパフォーマンスが妥当かどうかを判断するときは、採用コスト(=外部コスト+内部コスト)ではなく、採用単価を基準にして考えるとよいでしょう。
採用単価・採用コストの平均相場
続いて、新卒・中途採用における平均採用単価と、企業模別・業種別の平均採用コストを紹介します。近年の採用市場の傾向や、自社と同規模・同業種の平均相場を確認してみましょう。
新卒・中途採用の平均採用単価
株式会社リクルートが運営する「就職みらい研究所」が行なった調査によると、新卒・中途採用の平均的な採用単価は、以下の結果となっています。
- 新卒採用:93.6万円
- 中途採用:103.3万円
参考:就職みらい研究所「就職白書2020」
2018年度の調査結果では「新卒採用:71.5万円/中途採用:83.0万円」となっていました。日本は少子高齢化の影響で労働人口が減少しているため、人材を確保するために必要な宣伝費などの負担が増えており、採用単価が上昇していると考えられます。
また、新卒採用よりも中途採用の方が、やや高コストな傾向にあるようです。中途採用では即戦力を求める企業が多いもの。ある程度コストをかけないと、自社に適したスキルや業務経験をもつ人材を見つけることが難しいため、採用単価が高くなっていると予想されます。
企業規模別の平均採用コスト
マイナビが公表した「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」では、企業規模別の通年採用コストの数値が、以下の結果となっています。
企業規模別の通年採用コストの平均値は以下の通りです。
- 50名以下:104.2万円
- 51~300名:277.5万円
- 301~1000名:360.6万円
- 1001名以上:1004.7万円
参考:マイナビ「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」
平均値を見ると、従業員数が増え企業規模が大きくなるにつれて、採用コストが増加していくとわかります。また、従業員50名以下の企業でも、平均値的には104.2万円というやや高額な採用コストをかけているようです。
しかし割合のグラフを見てみると、従業員50名以下の企業のうち60%以上が1~49万円で採用活動をしているとわかります。企業規模に応じて高コストになることを念頭に置きつつ、自社の規模に合う採用人数なども含めて考え、予算計画を立てるとよいでしょう。
業種別の平均採用コスト
同じくマイナビ「中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」から、業種別の通年採用コストの平均値を見てみましょう。
従業員数 |
業種別:通年採用コストの平均値 |
IT・通信・インターネット |
574.4万円 |
メーカー |
654.8万円 |
商社 |
310.0万円 |
サービス・レジャー |
445.6万円 |
医療・福祉・介護 |
382.1万円 |
流通・小売・フードサービス |
264.6万円 |
マスコミ・広告・デザイン |
108.4万円 |
金融・保険・コンサルティング |
638.0万円 |
不動産・建設・設備・住宅関連 |
359.9万円 |
運輸・交通・物流・倉庫 |
577.7万円 |
環境・エネルギー |
543.7万円 |
公的機関 |
107.8万円 |
参考:「マイナビ 中途採用状況調査2022年版(2021年実績)」
一覧を見ると、業種ごとに通年採用コストの平均値がかなり違うとわかります。「IT・通信・インターネット」「金融・保険・コンサルティング」などの業種では、500万円を超える高額な採用コストがかかっているようです。
しかし「マスコミ・広報・デザイン」「公的機関」などでは、採用コストが100万円程度と低くなっています。採用コストの平均値がバラついている要因には、業種ごとに採用難易度が違うという点が挙げられるでしょう。
応募が集まりにくい業種は、求人を多くの手段で打ち出さなくてはならないため、採用コストが高くなります。その逆に、広報のための費用をあまりかけなくても人が集まりやすい業種は、コストが低くなりやすいのです。
採用単価を削減する方法6選
ここからは、採用単価を削減する方法6選を紹介します。「なるべく採用単価を抑えながら、自社に合う人材を確保したい」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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採用成功率の高い手法を選ぶ
採用手法には、以下のように多くの種類があります。
- ダイレクトリクルーティング
- ミートアップ採用
- リファラル採用
- 求人サイト
- SNS採用
- 人材紹介
数ある採用手法のなかで、どれが自社に適しているのか見極めて利用し、求める人材と効率よく出会える環境を整えましょう。
たとえば掲載料無料の求人サイトで応募が集まらなかった場合、有料の求人サイトに切り替えたり、人材紹介サービスを活用したりした方が、求める人材と早く出会える可能性が高くなります。
採用活動の長期化を避けられれば、採用に関わる人件費などが抑えられ、結果的に採用単価の削減につながるでしょう。
無料で使える求人媒体を活用する
外部の求人媒体を活用したい場合は、まず無料で求人掲載できるサービスを使ってみるのがおすすめです。無料で求人掲載できるサービスには、以下のようなものがあります。
- Indeed(インディード)
- Googleしごと検索
- Yahoo!しごと検索
- engage(エンゲージ)
無料で求人掲載できる媒体を使えば、外部コストを削減しながら求職者と接点をもつことが可能となります。
採用広報を強化する
採用広報とは、求職者に自社求人への応募を促すために行なう広報活動のことです。採用に特化したサイトをつくったり、企業ホームページに社内の雰囲気がわかる動画を投稿したりするなど、企業側が能動的に情報発信する活動を指します。
採用広報を積極的に行なうと、求人サイトに求人を掲載して待ちの姿勢でいるよりも、自社の求人が求職者の目に留まりやすくなります。
求人の露出量が増えれば、「まだ具体的な転職活動はしていないが、良さそうな求人があれば転職したいと思っている」といった転職潜在層にもアプローチできる可能性が高まるでしょう。
選考フローを見直して内部コストを削減する
先にも述べたように、採用単価を削減するためには、外部コストと内部コストを両方抑える意識をもつことが大切です。外部へ支払う費用を見直すだけでなく、選考フローも見直して、内部コストを削減しましょう。
- 選考フローを一元管理するツールを取り入れて効率化する
- 書類や面接の評価基準を明確化して評価時間を短縮する
- 面接回数を減らして採用にかかる時間と人員を削減する
- オンライン面接を導入して応募者へ支払う交通費を節約する
上記のような工夫を取り入れて選考を効率化し、採用活動にあたって社内で発生する費用を抑えましょう。
選考辞退や内定辞退を防ぐ
応募者の選考辞退・内定辞退を防ぐことも、採用単価の削減につながります。途中で選考辞退・内定辞退が起こると、再び採用活動を最初からやり直さないといけなくなるため、大きな損失となってしまうからです。
選考辞退・内定辞退への防止策を強化したい場合は、以下の記事で詳しい方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
▼選考辞退にもう悩む必要なし!辞退を防ぐ方法を紹介(事例付き)
▼内定辞退の原因は?すぐできる防止策、辞退がゼロになった方法を公開!
ミスマッチを防ぎ早期離職を防止する
企業と求職者のミスマッチを減らし、早期離職を防止する取り組みも、採用単価の削減に有効です。
- 求人の文面で仕事の楽しさと厳しさを両方伝える
- 面接で自社の良い点と課題点を両方伝える
- 適性検査を導入して応募者のスキルと人柄を総合的に判断する
こういった取り組みを実施し、ミスマッチを防止して早期離職される可能性を下げましょう。採用のミスマッチや早期離職への防止策を強化したい方には、以下の記事もおすすめです。ぜひ、あわせてご覧ください。
▼採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策
採用単価の削減に役立つおすすめサービス
最後に、採用単価の削減に役立つおすすめサービスを2つ紹介します。以下の2つは必要最低限の求人情報だけでなく、自社の魅力や仕事のやりがいなど、十分な企業情報を打ち出せるサービスです。
求人媒体を選ぶときは、利用料をなるべく節約しつつ、自社の情報を適切に発信できるサービスを選びましょう。
engage(エンゲージ)
engage(エンゲージ)は『エン転職』でおなじみのエン・ジャパン株式会社が運営している、国内利用企業No.1の採用支援ツールです。engageでは求人の作成・掲載だけでなく、無料で自社の採用サイトを作成することも可能です。
そのほか、応募者管理やIndeedへの自動掲載など、多くの機能が充実しています。詳細は以下のサイトをご覧ください。
▼エン・ジャパンの新サービス「engage(エンゲージ)」を解説
エン転職
エン転職は、中途採用者の定着率を高めたい方におすすめのサービスです。エン転職は入社後の定着率を高めるため、次のような取り組みを実施しています。
- どの料金プランを選んでも掲載できる情報量が一律最大
- 給与などの条件だけでなく「仕事のやりがい」も盛り込んで求人を魅力づけ
- 「仕事の厳しさ」や「向いていない人」の項目を設けてミスマッチを防止
上記のほか、採用の課題をプロに相談できる点もエン転職のメリットです。採用にお悩みの方は、エン転職お問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
まとめ
採用単価とは「一人当たりの採用コスト」を指す言葉です。採用単価は(外部コスト+内部コスト)÷採用人数=採用単価という計算式で算出できます。
採用単価を削減するには、外部コストと内部コスト両方を抑える工夫が必要です。
- 適切な採用手法や求人媒体の選定
- 採用広報の強化
- 選考フローの効率化
- 選考・内定辞退や早期離職への対策強化
こういった取り組みを継続的に行ない、内外両方のコストを節約できるようにしていきましょう。
「自社ですべての対策を実施するのは難しい」「採用についてプロからアドバイスをもらいたい」とお悩みの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
『エン転職』は日本最大級となる1000万人の会員を保有する、中途採用向け求人サイトです。『エン転職』経由で採用した入社者は、入社後に定着・活躍すると定評があります。
エン・ジャパンが「入社1年以内の離職率」に関する調査を行なったところ、『エン転職』経由の入社者は、他サイトより離職率が半分以下であると判明しました。辞めにくい人を採用しやすいので、採用単価を抑えることができます。
現在世にある多くの採用サービスが「入社後活躍」の重要性を語るようになりました。ですが、口にするのは簡単でも、サービスにまで落とし込めるかは別問題です。 エン転職は、サービス開始以来、この「入社後活躍」を信念として掲げ、実現するためのサービスを追求してきました。
入社後活躍する人材の採用支援において、最も企業のお力になれるサービスは、エン転職をおいて他にいないという自負があります。『エン転職』を活用し、早期離職を防止して、採用単価の削減につなげてください。
採用でお悩みの際は、以下のエン転職お問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
▼エン転職の料金表・特徴をまとめたパンフレットは以下からダウンロードいただけます。
他にも『エン転職』には入社後の活躍・定着を促進する機能が多数。詳細はこちらの記事で解説しています。
▼エン転職の特徴を分かりやすく整理|採用成功できるヒミツを大公開