【面接官の基礎知識】面接の進め方と押さえておくポイント
採用活動で行う面接には、自社が求める人材にマッチする応募者を見極めたり、会話を通して企業と応募者がお互いの理解を深めたりする目的があります。
効率的かつ精度の高い面接を行うには、応募者の本音や適性を把握するための質問と、魅力づけ行うための情報を提供することが重要です。
面接官を担当することになった人事・採用担当者のなかには、「どのような流れで面接を行うのか」「質問や評価を行うときに押さえておくポイントはあるのか」などと疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、面接官向けの基礎知識として、基本的な面接の進め方と押さえておくポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.採用面接の基本的な進め方
- 1.1.①アイスブレイク
- 1.2.②企業や求人に関する説明
- 1.3.③応募者による自己PR
- 1.4.④企業から応募者への質疑応答
- 1.5.⑤応募者から企業への質疑応答
- 1.6.⑥クロージング
- 2.面接の際に押さえておくポイントとコツ
- 2.1.①面接官としての心得を意識する
- 2.2.②評価項目・基準を統一する
- 3.まとめ
採用面接の基本的な進め方
1対1で実施する採用面接では、応募者との質疑応答が中心となります。事前に質問や流れの想定シナリオを考えておくことがおすすめです。
一般的な採用面接の流れは、以下のとおりです。
①アイスブレイク
応募者と最初に顔を合わせた際に、アイスブレイクを実施します。アイスブレイクとは、初対面の人との緊張をほぐすためのコミュニケーションのことです。
選考に関する質問をする前にアイスブレイクを取り入れることで、応募者の緊張がほぐれて話しやすい雰囲気をつくれるようになります。その結果、応募者とのコミュニケーションを活発にしたり、本音を引き出したりする効果が期待できます。
▼アイスブレイクの例
- 「今日はとても暑い(寒い)ですね」
- 「ここ(面接会場)までに道に迷わなかったですか?」
- 「今日は電車で来られたのですか?」
②企業や求人に関する説明
質疑応答を始める前に、企業や求人の趣旨について簡単に説明をします。
企業や求人の内容について応募者との認識をすり合わせておくと、「思っていた仕事と違った」というミスマッチを防げるようになります。
また、面接官の自己紹介を併せて行うことで、そのあとコミュニケーションで応募者が心を開きやすくなると期待できます。
▼最初に説明しておくとよい内容
項目 |
内容 |
面接官の情報 |
|
会社の概要 |
|
求人募集の目的 |
|
募集内容 |
|
③応募者による自己PR
面接官の自己紹介と企業や求人の説明が終わったあとは、応募者に自己PRをしてもらいます。その際は、履歴書や職務経歴書の内容と相違がないかを確認するとともに、論理的な話し方ができているか、募集する仕事内容に応じた自己アピールが出来ているかなどもチェックすることがポイントです。
▼自己PRの質問例
「簡単で構いませんので、これまでの経歴も踏まえて自己紹介をお願いします」
④企業から応募者への質疑応答
応募者による自己PRを終えたら、面接官から応募者への質疑応答を行います。
質疑応答では、応募者の職務への適性・能力・人柄・価値観などを知るための情報を引き出す必要があります。一問一答で終わらせずに、「なぜ」の質問を繰り返して本音を深掘りしていくことが重要です。
質問する内容には、志望動機や前職での職務内容、退職理由、希望とする働き方、キャリアプランなどを含めるようにします。
▼企業から応募者への質疑応答の例
- 「なぜ当社に応募したのですか?」
- 「差し支えなければ、前職を退職された理由をお聞かせいただけますか?」
- 「前職では主にどのような業務をされていたのですか?」
- 「働くうえで何を重視されますか?」
- 「将来のキャリアプランをお聞かせください」
▼見極めたい項目別の質問例を120個まとめた資料を、以下から無料でダウンロードいただけます。ぜひ実際の面接でお役立てください。
⑤応募者から企業への質疑応答
面接官による質疑応答のあとは、応募者からの質問に回答する時間を設けます。
応募者からの質問は、あいまいにせず正直に回答するとともに、質問内容に合わせて自社の魅力を盛り込むことがポイントです。
質問に対してプラスαの回答をすることで、自社で働くメリットや魅力が伝わり、入社意欲の醸成につながると期待できます。
また、面接で入社意欲を高める重要な要素として「面接官の態度」があげられます。面接官の態度で気を付けたいポイントについては以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。
▼面接官の態度で気をつけることは? 応募者からの好感度を高める4つのポイント
▼応募者から企業への質疑応答の例
話し手 |
例 |
面接官 |
「聞いておきたいことや気になることはありますか?なんでもかまいません」 |
応募者 |
「残業は月にどれくらいあるのでしょうか?」 |
面接官 |
「平均〇時間ほどです。忙しい時期には事前に業務調整を行い、チームで フォローできるようにしています」 |
上記の例では、平均的な残業時間を正しく伝えたうえで、業務調整やフォロー体制によって一人の従業員に負担が偏らないように配慮していることをアピールしています。
⑥クロージング
質疑応答が終わったら、最後にクロージングを行います。
クロージングでは、面接に来てくれたことのお礼の言葉を伝えたうえで、面接後の流れや選考結果の通知を行う日程・方法などを説明します。また、応募者が退出する際は、挨拶をしてお見送りを行うことも重要です。
▼クロージングの例
- 「本日はお越しいただきありがとうございました、最後に聞いておきたいことはございますか?」
- 「〇日までに電話(またはメール)で選考結果を通知いたしますので、ご確認お願いいたします」
なお、こちらの記事では面接に使える質問集を紹介しています。併せてご覧ください。
面接の際に押さえておくポイントとコツ
面接を行う際は、面接官の言動や評価のばらつきに注意する必要があります。押さえておくポイントは、以下のとおりです。
①面接官としての心得を意識する
面接官は、企業の顔として応募者と接する人物となります。応募者への対応によって企業の印象が左右されるため、誠実な姿勢とマナーのある言動を心がける必要があります。
また、面接官個人の先入観で判断してしまわないように、公平で客観的な視点を持つことが重要です。
▼面接を行うときのポイント
- 応募者の言葉を否定せず、傾聴の姿勢を示す
- 対等な立場を意識して、相互理解を深めるためのコミュニケーションをとる
- 先入観を排除する
- NGとされる質問に注意する
なお、面接官の心得や聞いてはいけない質問については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②評価項目・基準を統一する
面接官の主観によって評価が左右されないように、あらかじめ評価項目・基準を決定しておくことが重要です。
面接評価シートを作成して評価したい項目と基準を設けることで、面接官による評価のばらつきを防止できます。また、評価項目・基準を統一すると、自社が求める人材を見極める精度が高まり、採用ミスマッチを防ぐことにもつながります。
▼面接評価シートに記載する項目
項目 |
内容 |
スキル |
|
ビジネスマナー |
|
思考・行動力 |
|
人間性 |
|
なお、面接評価シートの作り方の手順と運用ポイントはこちらの記事で解説しています。
面接評価シートはこちらからダウンロードしていただけます。ぜひご活用ください。
まとめ
この記事では、面接官の基礎知識について以下の内容を解説しました。
- 採用面接の基本的な進め方
- 面接の際に押さえておくポイント
採用面接を実施する際は、面接官と応募者の質疑応答だけでなく、本音を話しやすい雰囲気づくりや応募者の疑問・不安を解消するための情報提供が必要です。
また、応募者と直接コミュニケーションをとれるよい機会となるため、求人の内容や自社で働く魅力などを伝えてお互いの理解を深めることが大切です。
なお、面接時点でのミスマッチを防ぐには、求人募集の段階で企業情報を正しく伝えておくことも欠かせません。
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