採用動画のメリットとは? 効果的な動画を制作するポイントと事例を紹介


「採用動画」のイメージ画像


昨今はインターネットを使った採用活動が盛んとなり、採用手法が多様化しています。従来の求人広告だけでなく、SNSや動画メディアの活用など、さまざまなやり方で求職者にアプローチする企業が増えてきました。そのうちの1つに採用動画があります。
 
本記事では、近年注目されている採用動画のメリットや、求職者に響く動画を制作するポイントを解説します。採用動画を制作し、採用に成功した事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。


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目次[非表示]

  1. 1.採用動画の重要性
  2. 2.採用動画の効果・メリット
    1. 2.1.多くの情報をコンパクトにまとめて発信できる
    2. 2.2.文字では伝わりづらい魅力を伝えやすくなる
    3. 2.3.母集団形成しやすくなる
    4. 2.4.採用のミスマッチを防止しやすくなる
  3. 3.採用動画を使って採用成功した事例
    1. 3.1.動画で社風が一目瞭然!応募ほとんどなしから8名採用へ
    2. 3.2.20秒の動画で応募なしから60名応募・5名入社!
  4. 4.求職者に響く採用動画を制作する5つのポイント
    1. 4.1.採用動画の制作目的を明確化する
    2. 4.2.採用のターゲットを明確化する
    3. 4.3.動画の活用場面を決めてニーズに沿った情報を盛り込む
    4. 4.4.自社の魅力も明確化して盛り込む
    5. 4.5.採用動画の発信方法をしっかり検討する
  5. 5.採用動画の費用相場
  6. 6.採用動画の制作費用を抑えるポイント
    1. 6.1.制作の一部を社内で行なう
    2. 6.2.制作する動画を短めにする
    3. 6.3.自社の社員を出演者にする
  7. 7.まとめ


採用動画の重要性

こちらは総務省が行なった調査をもとに作成した、情報通信メディア利用率のグラフです。グレーが全年齢、グリーンが20代となっています。

就活で動画を見る割合

出典:総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 」


グラフを見るとYouTubeの利用率が高く、動画メディアが情報収集において欠かせない存在となっていることがわかります。特に20代の利用率が非常に高いため、若手人材は動画から得られる情報を重要視していると予測できるでしょう。
 
今や多くの人々が、インターネットで情報収集するのが当たり前の時代となりました。インターネットを通しての情報発信が、採用のカギを握ると言っても過言ではありません。求職者へより訴求力のある情報を発信するための手段として、採用動画は重要性を増してきているのです。


採用動画の効果・メリット

まずは、採用動画の効果とメリットについて解説します。採用動画で自社をアピールすることには、母集団形成や魅力発信、採用ミスマッチ防止などの効果があります。


多くの情報をコンパクトにまとめて発信できる

動画はテキストの「5000倍」多く情報を伝えられるといわれています。採用動画はテキストだけでは冗長的になりがちで伝わりづらい企業情報を、コンパクトにまとめて、わかりやすく求職者へ伝えられる点がメリットです。
 
組織目標や経営理念など一見すると難しい内容でも、動画にすると求職者へ伝わりやすくなるでしょう。また、動画はテキストに比べて視覚的にインパクトがあるので、文章だけで自社を訴求するよりも印象に残りやすくなります。


文字では伝わりづらい魅力を伝えやすくなる

採用動画を制作すると、求人の文面だけでは伝わりづらい企業の魅力を伝えやすくなります。求人へ応募するにあたり、職場の雰囲気・社風・人間関係などの情報を知りたいと考える求職者は多いですが、それらは文字だけではなかなか伝わりづらいものです。
 
たとえば求人に「和気あいあいとした会社です」と記載するだけでは、本当に人間関係が良い職場なのか、リアルな雰囲気は伝わらないでしょう。
 
しかし動画であれば、従業員同士が話しているときの表情や距離感など多くの情報を得られるため、文字だけではわかりづらい魅力がリアリティをもって伝えられるようになります。


母集団形成しやすくなる

採用動画には母集団形成しやすくなるメリットもあります。採用動画を使っての情報発信をとおして、母集団形成のために欠かせない「求職者との接点増加」と「競合他社との差別化」が行なえるからです。
 
たとえば求人サイトに求人を掲載するだけでなく、採用動画を制作してSNSや動画メディア、自社サイトの採用ページなどに載せておくと、自社の求人が求職者の目に留まる可能性が上がるでしょう。
 
また、採用動画に自社特有の魅力や強み、求職者へ伝えたいメッセージなどを盛り込むと、求職者の興味を惹ける可能性も高くなります。


採用のミスマッチを防止しやすくなる

採用のミスマッチを防止しやすくなるのも、採用動画の良い点です。先にも述べたように、動画は文章と比べて、会社の雰囲気や社風などをよりリアルに伝えられます。
 
従業員の作業現場を動画に撮影して、実際の仕事風景を求職者へ見せることも可能です。企業のリアルな様子が求職者に伝わると、企業への理解が深まるので、入社後に「思っていた会社と違った…」と早期離職される可能性が低くなるでしょう。


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採用動画を使って採用成功した事例

続いて、採用動画を使って人材の採用に成功した事例を2つ紹介します。長尺の動画を作らなくても、採用動画には十分な効果があるとおわかりいただけるでしょう。


動画で社風が一目瞭然!応募ほとんどなしから8名採用へ

障害者支援施設の運営や障害福祉サービス事業などを行なう「社会福祉法人心聖会 小池更生園」の採用事例です。

スタッフを募集していましたが、応募数を集められず採用活動が難航。他社との差別化を図るため、採用動画を制作しました。

▼実際の動画はこちらから確認いただけます▼

  特別賞(動画部門)社会福祉法人心聖会 小池更正園 | エン転職アワード2019 開催レポート https://employment.en-japan.com/html/topics/award2019/detail/desc4/


わずか18秒の動画ながら、人間関係が良好で、のびのびとした社風であることがよく伝わってきます。文章だけではわかりづらい職場の雰囲気を、動画を使って伝えた結果、8名の採用に成功しました。   こちらの事例をより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

 ▼採用事例|動画で社風が一目瞭然!応募ほとんどなしから8名採用へ

  採用事例|動画で社風が一目瞭然!応募ほとんどなしから8名採用へ - エン転職|【公式】企業様向けサイト 「社員の仲の良さが自慢」という企業に、ぜひ読んでいただきたい事例です。社員の仲の良さ・社風の良さは求人において大きな魅力となります。動画を上手く活用した採用事例、ぜひご参考ください。 エン・ジャパン株式会社


20秒の動画で応募なしから60名応募・5名入社!

埼玉県内で「カーブス」のフランチャイズ事業を行なう「有限会社上州屋リビング」の事例です。フランチャイズ事業であるため、同社以外にも「カーブス」を運営している企業が無数にあり、求人の差別化が難しいといった採用課題を抱えていました。

そこで「先輩・後輩の垣根がなく、チームワークが良い」という社風を求職者へ伝えて、自社を差別化するために採用動画を制作。エン転職の動画機能を活用し、コント風の動画を作って求人情報とともに掲載しました。

▼実際の動画はこちらから確認いただけます▼

  有限会社特別賞(動画部門)上州屋リビング | エン転職アワード2019 開催レポート https://employment.en-japan.com/html/topics/award2019_2/detail/desc3/


上記の動画を制作した結果、5名の採用に成功。内定辞退も0名に押さえることが可能となりました。こちらの事例について、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

 ▼採用事例|20秒の動画で応募なしから60名応募・5名入社!

  採用事例|20秒の動画で応募なしから60名応募・5名入社! - エン転職|【公式】企業様向けサイト 求人を出しても応募が集まらないという方、必見!たった20秒の動画を1つ、求人に掲載したことで応募がほぼゼロから60名まで増加した事例をご紹介します。ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。 エン・ジャパン株式会社

 

求職者に響く採用動画を制作する5つのポイント

ここからは「求職者に響く採用動画を制作するための5つのポイント」を解説します。ただやみくもに動画を作っても、応募効果は見込めません。採用のターゲットや動画の活用シーンなどをしっかりと社内で検討し、「求める人材に刺さる採用動画」を制作しましょう。


採用動画の制作目的を明確化する

まず採用動画を制作する前に、動画の制作目的を明確にしましょう。目的によって動画に盛り込むべき内容や、動画の構成が変わってくるからです。以下のように、動画の目的に合う内容を盛り込むよう意識して企画しましょう。

動画の目的

盛り込むとよい内容

会社の人間関係や社風を知ってもらいたい

社員同士が会話している様子
社員インタビュー

業務内容や現場について知ってもらいたい

実際の仕事現場の様子
社員が働いている姿

経営ビジョンなどの企業情報を知ってもらいたい

経営ビジョン・企業理念・事業内容・事業計画など、企業の基本情報をわかりやすく説明する内容


採用のターゲットを明確化する

動画の目的とともに、自社の採用ターゲットを明確化することも大切です。「どんな人材を採用したいのか」を明確化し、ターゲットに刺さるメッセージを動画に盛り込みましょう。
 
たとえば「20~30代の若手人材を採用したい」という場合は、同世代の社員が多く働いている現場を映したり、同世代の社員へインタビューしたりするなどして、「若手が安心して活躍できる職場であること」をアピールするとよいでしょう。
 
採用ターゲットはなるべく具体的に決めるのがおすすめです。保有スキルや業務経験、人柄、価値観など、どんな人材が自社に適しているかを多角的に考えて決めていきます。採用ターゲットの決め方を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
 
▼採用ターゲットを決めて訴求力アップ! 決め方やポイントを解説

  採用ターゲットを決めて訴求力アップ! 決め方やポイントを解説 採用活動の悩みに、欲しい人材からの応募が来ないことが挙げられます。自社が求める人物からの応募につなげるためには、採用ターゲットに魅力が伝わる求人広告やコンテンツの工夫が欠かせません。本記事では、採用ターゲットを設定する目的や決め方、ポイントについて解説します。 エン・ジャパン株式会社


動画の活用場面を決めてニーズに沿った情報を盛り込む

採用動画をどの場面で活用するか決め、求職者のニーズに沿った情報を盛り込むことも重要です。場面によって求職者の求める情報が少しずつ変わるので、ニーズに合わせた動画を制作しましょう。たとえば、場面ごとに以下のようなニーズが考えられます。

動画を活用する場面

予想される求職者のニーズ

会社説明会

求職者が詳しい企業情報を知らないケースが多い。

事業内容・企業理念・経営ビジョンなどをわかりやすく説明できる動画を用意する。

自社の採用サイト

仕事内容・社風・人間関係など、対象の企業について多面的に知りたいと考えてアクセスしている可能性がある。多様なニーズに応えられるよう、動画を数本用意して他媒体よりも厚めに自社情報を伝える。

動画メディア・SNS

よりリアルな社内の様子を知りたいというニーズが考えられる。「社員が仕事の裏話を話すショート動画」「社員のリアルな1日に密着する動画」などを制作し、求人サイトに載せる情報とはひと味違う発信をする。

 
また、エン・ジャパン株式会社が行なった下記のアンケート調査によると、求職者が「企業情報を調べる中で、調べたくても調べきれなかった情報」で圧倒的に多かったのは「職場の雰囲気・社風」でした。



求職者の知りたい企業情報グラフ


雰囲気や社風はテキストでは伝えにくい要素であるため、採用動画へ積極的に盛り込んだ方がよいでしょう。


自社の魅力も明確化して盛り込む

採用動画を作るときは、自社ならではの魅力も明確化し、求職者へ訴求するのがおすすめです。自社に勤めるメリットを明確化して動画に盛り込めば、競合他社との差別化を図ることが可能となります。
 
とはいえ、「自社が競合より優れている点は何だろう?」「特に思いつくものがない…」と悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。毎日勤めていると、客観的に見れば魅力に思えることも、当たり前に感じるようになってしまうものです。
 
下記の記事では、会社の魅力を洗い出す方法について詳しく解説しています。動画制作時にぜひお役立てください。
 
▼会社の魅力を効果的に伝える方法とは? 魅力の考え方・洗い出し方も解説

  会社の魅力を効果的に伝える方法とは? 魅力の考え方・洗い出し方も解説 本記事では、会社の魅力をどう伝えるか悩んでいる方向けに、「会社の魅力になる要素・会社の魅力を明確にする方法・会社の魅力を上手に伝える方法」などをまとめました。自社の魅力を明確化して求職者へ伝え、スムーズな採用活動につなげていきましょう。 エン・ジャパン株式会社

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採用動画の発信方法をしっかり検討する

採用動画を制作するときは、動画の内容だけでなく、発信方法もしっかり検討しましょう。制作した動画をどんな方法・媒体で求職者へ届けるのか、具体的に考えていきます。動画の発信方法には、以下のようなものが考えられます。

  • SNSに投稿する
  • YouTubeに投稿する
  • YouTubeに投稿した動画を自社サイトなど他媒体にも掲載する
  • 求人サイトの動画作成サービスを使って求人情報と一緒に掲載する

発信方法によって、掲載できる動画の長さが変わります。動画の長さや掲載するプラットフォームは、制作費用にも影響するので、予算との兼ね合いも考えて選びましょう。


採用動画の費用相場

採用動画の制作にかかる費用は、動画の種類や長さ、演出などによって異なります。おおよその費用相場は以下の通りです。

動画の種類

おおよその費用相場

オフィス紹介動画

50~150万円

インタビュー動画

50~100万円

会社説明会動画

100~200万円

事業紹介動画

100~300万円

コンセプトムービー

100~300万円


上記の金額は、あくまでもおおよその目安です。同じ撮影内容であっても、制作会社によって費用が変わるケースもあります。
 
採用動画の制作を外注する場合は、複数の制作会社で見積もりをとり、比較検討したほうがよいでしょう。


採用動画の制作費用を抑えるポイント

企業の採用活動には何かと費用がかかるので、「採用動画の制作費を少しでも削減したい」という方もいらっしゃるでしょう。制作費用を抑えたい場合は、以下の方法を検討するのがおすすめです。


制作の一部を社内で行なう

採用動画の制作方法は、大きく3つに分けられます。
 
①   制作をすべて制作会社に外注する
②   制作をすべて社内で行なう
③   制作の一部を社内で行なう/社内で担えない部分を制作会社に外注する
 
このうち、もっとも制作費用を抑えやすいのは②ですが、制作の全工程を社内で行なうのはなかなか難しいでしょう。
 
そこで制作工程のうち、内製化できる作業のみ社内で実施し、難易度の高い作業は制作会社に担当してもらう方法が有効です。社内で行なう作業がある分、費用を抑えられます。
 
ただし、内製化した部分のクオリティが著しく下がると、採用動画としての魅力が減ってしまう可能性があります。制作工程の一部を自社で行なうときは、制作会社にどの部分を内製化すべきか相談し、クオリティを保てるよう工夫したほうがよいでしょう。


制作する動画を短めにする

基本的に動画制作は、尺が長くなるほど費用も高額になります。採用動画の制作費用を抑えたいときは、動画の尺をなるべく短めに調整しましょう。
 

  • 映像のカット数を減らす
  • 出演する社員の人数を減らす
  • 編集時に行なう演出を簡易なものにする
  • 求職者へのメッセージをコンパクトにまとめる

 
上記のような工夫を行ない、動画の尺を短縮すると、費用が抑えやすくなります。依頼する制作会社に、見積もりの時点で尺の長さを相談するのもおすすめです。


自社の社員を出演者にする

自社の社員を出演者にするのも、費用削減につながります。出演者を自社の社員にすることで、プロの役者に出演依頼する料金を削減できるからです。
 
また、実際に働いている社員を撮影すると、リアルな職場の雰囲気が求職者に伝わりやすくなるメリットもあります。募集業務を実際に担当している社員や、紹介するオフィスで働いている社員に出演してもらうとよいでしょう。
 
ただし社員を撮影する場合は、肖像権に要注意です。出演者が退職したあとも採用動画を使い続けてよいか、しっかり確認しましょう。


まとめ

採用動画には、「多くの情報をコンパクトに発信できる」「文章では伝わりづらい会社の魅力を伝えられる」「採用ミスマッチを防止しやすい」などのメリットがあります。通常の求人広告だけでなく、採用動画も併用すると、求める人材を確保できる可能性が高くなるでしょう。
 
採用動画を作るときは、動画の目的・ターゲット・自社の魅力をそれぞれ明確化し、発信方法もしっかり検討することが大切です。また、「求職者がどんな情報を求めているのか」という視点も忘れず、ニーズに沿った構成内容で制作しましょう。
 
 
 
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エン転職 採用ノウハウ編集部
「エン転職 採用ノウハウ編集部」は、HR業界で活躍している複数のメンバーで構成されています。構成メンバーは、現役の人事労務、1000社以上の企業を支援してきた採用コンサルタント、10年以上の経験を持つ求人専門のコピーライターなど。各領域の専門的な知識に基づき、企業の経営者・人事・採用担当者のお役に立てるように記事を執筆しています。 ※「エン転職 採用ノウハウ」はエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。
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