面接の評価基準を設定する方法とポイント。自社が求める人材を見極めるには
採用面接では、候補者の職務適性や性格特性などを客観的かつ公正な基準で評価することが求められます。採用のミスマッチや面接官の主観による判断のばらつきを防ぐためには、面接の評価基準を明確に定めておくことが重要です。
面接の評価基準を定めて面接官に共有することで、選考過程で複数の面接官が面接を行う場合にも統一した基準で客観的な評価を行えるようになり、候補者を見極める精度が高まると期待できます。
人事・採用担当者のなかには「面接の評価基準をどのように定めればよいのか」「候補者の評価基準を決めるときの注意点はあるのか」などの疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、面接の評価基準を定める方法やポイントについて解説します。
なお、採用面接で活用できる質問についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。併せてご確認ください。
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目次[非表示]
- 1.面接の評価基準を設定する方法
- 1.1.①採用したい人物像を明らかにする
- 1.2.②評価項目と基準を定める
- 1.3.③評価項目に適した評価方法を決める
- 2.面接の評価基準に基づいて適正な判断をするためのポイント
- 2.1.①評価基準のチェックポイントを具体的に表現する
- 2.2.②候補者への質問例を用意しておく
- 2.3.③コメントの記入欄を設ける
- 3.まとめ
面接の評価基準を設定する方法
面接の評価基準を設定する際は、選考フローや募集する職種・役職に応じて評価項目を変更する必要があります。一般的な設定方法は以下のとおりです。
①採用したい人物像を明らかにする
面接の評価項目や評価基準を設定するにあたって、自社が採用したい人物像を明らかにする必要があります。
年代やスキル、職務経歴などの基本情報に加えて、性格・人柄・価値観などのパーソナルな要素まで具体化したペルソナを設定することが重要です。
▼ペルソナの設計例
項目 |
内容 |
氏名 |
転職 花子 |
性別 |
女性 |
年齢 |
35歳 |
学歴 |
大学卒(転職大学国際学部) |
家族構成 |
一人暮らし |
居住地 |
東京 |
年収 |
450万円 |
経験・資格 |
海外留学経験あり・TOEIC600点 |
趣味 |
海外旅行、映画鑑賞 |
性格 |
明るく社交的で、初対面の人とのコミュニケーションを円滑にとれる |
希望する働き方 |
休日を大切にしたい、働く場所・時間を自由に選びたい |
応募企業に求めるもの |
プライベートと両立しながら働ける環境、チームで協力しながら取り組む企業風土 |
仕事での目標・挑戦してみたいこと |
ビジネスでの英語力を高めたい。海外転勤をしてみたい |
なお、ペルソナの設計方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
②評価項目と基準を定める
自社が採用したい人物像に備わっている能力・スキル・性格などの要素を踏まえて評価項目を定めます。また、評価項目に対して具体的な評価基準を設けます。
▼基本的な評価項目と評価基準
評価項目 |
評価基準 |
知識 |
一般教養、英語力、保有資格 |
身だしなみ |
ビジネスマナー、表情、話し方 |
コミュニケーション能力 |
傾聴力、表現力、発信力 |
行動力・思考力 |
主体性、計画性、柔軟性、チームワーク、マネジメント力 |
性格・志向性 |
社交性、責任感、価値観、ストレス耐性 |
志望理由 |
入社意欲の強さ、説明の説得力 |
企業への理解 |
業界や事業への理解の深さ、ビジョンへの共感、キャリアプランの合致度合い |
自己PR |
業務への活かし方、成功・失敗体験からの学び |
③評価項目に適した評価方法を決める
2で定めた評価項目ごとに、「どのような観点で候補者の評価をしていくか」といった点数のつけ方を決めます。
評価方法には、主に3つの方法があります。
▼面接の評価方法
評価方法 |
点数のつけ方 |
加点方式 |
|
減点方式 |
|
段階評価 |
例1.[1・2・3]または[1・2・3・4・5]の数値を用いた評価
例2.とてもよい・よい・普通・やや悪い・悪い]などの言葉を用いた評価
例3.[A・B・C・D・E]などのアルファベットを用いた評価
|
面接官が評価項目や評価基準に基づいた評価をスムーズに行えるようにするには、これらの内容を一覧化した面接評価シート(面接評価表)を作成・共有しておく必要があります。
面接評価シートの作り方についてはこちらの記事をご覧ください。
面接の評価基準に基づいて適正な判断をするためのポイント
面接の評価基準を定めたあとは、面接官による主観や判断のばらつきが生じないように候補者を公平に見極める必要があります。評価基準に基づいて適正な判断をするためのポイントには、次の3つが挙げられます。
①評価基準のチェックポイントを具体的に表現する
1つ目は、評価基準のチェックポイントを具体的に表現することです。
評価基準で定めた主体性や協調性、コミュニケーション能力などの定量的に判断できない要素は人によって捉え方が異なることから、面接官同士の判断にずれが生じやすくなります。
「どのような回答・状態のときにどの点数をつけるのか」を明確にするために、チェックポイントを言語化して具体的に表現することがポイントです。
▼チェックポイントの例
評価基準 |
チェックポイント |
主体性 |
自らで課題を発見して、自分と組織のために解決に向けた行動をとれる |
協調性 |
異なる立場・考え方を持つ人と協力しながら、自己中心ではなく組織の利益を優先して取り組める |
コミュニケーション能力 |
質問の意図を理解して回答できており、意思疎通をスムーズに行える |
②候補者への質問例を用意しておく
2つ目は、候補者への質問例を用意しておくことです。
面接の評価項目と評価基準を定めた場合でも、面接官による質問の仕方が異なる場合には、同じ基準で公正な評価ができなくなります。
評価項目に応じた質問例を用意しておくことで、面接官による対応の差を防げるほか、スムーズに質疑応答を進行できるようになります。
なお、採用面接の進め方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
③コメントの記入欄を設ける
3つ目は、面接評価シートにコメントの記入欄を設けることです。
自社が求める人材を見極める際、評価項目に沿ってすべてを定量的に評価することが難しいケースがあります。
面接官が候補者とのやり取りで感じた印象や感想、補足情報などをほかの担当者と共有して定性的な要素を評価できるように、コメントの記入欄を設けておくことがポイントです。
エン転職では、質問例つきの面接評価シートを用意しています。自社が求める人材の評価基準を整理したり、質問の仕方を統一したりするためにぜひご活用ください。
まとめ
この記事では、面接の評価基準について以下の内容を解説しました。
- 面接の評価基準を設定する方法
- 面接の評価基準に基づいて適正な判断をするためのポイント
面接の評価基準を設定しておくと、統一した基準で公正かつ客観的な評価ができるようになり、候補者を見極める精度の向上につながります。
評価基準を設定する際は、チェックポイントを具体的に表現するとともに、候補者への質問例を用意しておくこと、定性的な要素を評価するためのコメント欄を設けることがポイントです。
また、面接で自社が求める人材を効率的に見極めるには、求人募集の段階でのミスマッチを防ぐことも重要です。
『エン転職』の求人では、求人に「仕事の厳しさ」「向いていない人」という項目を設けることで早期離職の防止や入社後のミスマッチの軽減を図っています。
入社後のギャップは、早期離職を招く原因の一つです。「思ったよりキツイ…」「求人には書いていなかった…」という不満が退職につながってしまいます。
エン転職の求人では、あらかじめ仕事の厳しい側面を正直に伝えることによって、それでも働きたいと思わせる意欲を醸成します。このような取り組みによって、エン転職経由で入社した人の定着率は格段に高いとご好評いただいております。
採用でお悩みの際は、以下のお問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
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