人事マネジメントとは?考えるポイントとフレームワークを解説
「人事マネジメント(人材マネジメント)」という言葉を耳にするものの、具体的に何をすべきかお悩みの人事・採用担当者の方も多いと思います。
そこで本記事では、人事マネジメントの基礎知識や、考える際のポイントとフレームワークを、具体的な例を交えて詳しく解説していきます。ぜひ貴社の人事体制強化にお役立てください。
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人事マネジメント(人材マネジメント)とは?
人事マネジメントとは、一言で言うなら「企業の人的資本(人的資源)」を適切に管理することです。企業の4大経営資源「ヒト・モノ・カネ・情報」の中でも、とりわけ重要度が高い「ヒト」を最大限に活用することで、【目的】の達成を目指します。
ここで言う、人事マネジメントの【目的】とは企業によって異なります。以下はその一例です。
人事マネジメントの目的一例 | |
経営目標の達成 |
企業が掲げる大目標である「経営目標」の達成 |
企業理念の浸透 |
企業理念を社内に浸透させ風土情勢する |
企業の持続的な発展 |
競争力を獲得することで企業経営を継続 |
チーム目標の達成 |
人材の適切な採用・育成などによりチームの目標を達成 |
生産性の向上 |
人材の適切な配置・管理によりチームや個人の生産性を向上 |
人事マネジメントの目的として、多くの記事で【経営目標の達成】【企業の持続的な発展】などが真っ先に挙げられているため、非常にレベルが高いものに見えてしまいがちです。経営にかかわらない人事・採用担当者の方の中には、「自分には関係なさそう…」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、【チームの目標達成】【チームの生産性向上】などの短期の目標を達成するのにも、人事マネジメントは有効です。手軽に始められる人事マネジメントもあるため、後ほど詳しく解説していきます。
人事マネジメントで行なうべき5つの内容
人事マネジメント(人材マネジメント)で行なう内容を大きく分けると、「採用・育成・評価・配置・定着」の5つに分けられます。
採用
優秀な人材を獲得するために、採用プロセスを戦略的かつ効果的に改善します。求める人材に合った採用手法の選択、数ある求人の中で自社に応募してもらうための求人戦略、内定承諾率を高めるための面接改善などが挙げられます。
「採用戦略」については以下の記事でも詳しく解説しておりますのでご参考ください。
▼採用戦略とは何か?│戦略の立て方とメリットを徹底解説!
育成
従業員のスキルや知識を向上させるために、適切なトレーニングプログラムや継続的な学習の機会を提供します。また、従業員がキャリア目標を持てるように、適切なキャリアプランを立案し、成長をサポートするのも人事の大切な役目です。
評価
能力・成果を適切に評価する制度を策定します。その上で、評価を上司から定期的にフィードバックする機会を持つことが大切です。納得度が高い「評価制度」であれば、従業員の満足度が向上し、定着率アップにも期待できます。
また、「評価」と「報酬」が連動していることも重要です。
配置
従業員を最適なポジションに配置します。個人の希望や適性に応じて配置を決めるだけでなく、経営目標や事業優先度を考慮した部門をまたぐ異動なども、関係者と相談しながら決定します。
定着
従業員の離職を防止する取り組みです。例えば、入社者と人事による定期面談の機会を設けたり、ハラスメントなど上司に直接相談できないときの問い合わせ先を設置したり。従業員が安心して長く働けるための仕組みづくりを行ないます。
人事マネジメントの重要度が高まる理由
人材は企業の財産であり、競争力の源泉となるものです。優秀な人材を採用し、その能力を伸ばし、定着を促す「人事マネジメント」は以前から重要視されていました。
ただ、ここ数年で「人事マネジメントの重要度」は増しています。その背景にあるのが、「採用難」です。以下は、採用難易度を測る指標の1つである「有効求人倍率」の推移。毎月、厚生労働省が最新の値を公開しています。
有効求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるのかを示したものです。有効求人倍率が高いほど、1人の求職者を多くの会社でとりあうことになるため、採用が難しいと言えます。
「少子高齢化・労働人口の減少」が進む日本では、この有効求人倍率が「1倍」を下回ることがここ数年ありません。新型コロナの影響が大きかったコロナ禍初期でも、1倍を超えていました。
しかも、少子高齢化はとどまる見込みがないため、今後ますます採用難は顕著になってきます。今年よりも来年、来年よりも再来年はさらに採用が難しくなる見込みです。これまでと同じ採用手法・採用活動では上手くいかないケースが増えてくるかもしれません。
だからこそ、人事マネジメントの重要性が増しています。より採用の成功率を高めるために。採用が難しいからこそ離職を減らすために。優秀人材の採用が難しいのを、既存社員の育成等でカバーするために。人事マネジメントを見直す企業が増えています。
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人事マネジメントを構築する3つのポイント
人事マネジメントを構築する上で意識したいポイントを3つご紹介します。
経営戦略と人事戦略を連動させる
経営目標を達成するために必要な、「人材」に関するさまざまな課題を解決するのが、人事の役目です。
例えば、「3年で売上を5倍にする」という目標を会社が掲げていた場合、3年後までに売上を5倍にするために必要な従業員数の弾道、必要な人員を採用するための採用計画、採用した人員の退職を減らすための体制改善、従業員拡大で不足するマネジメントポジションの育成計画などが、連動して決まっていきます。
データに基づいて意思決定を行なう
「良い人がいたら数名採用したい」「なるべく早く採用したい」「退職は今よりもう少し減らしたい」といった漠然とした目標を立てていると、人事マネジメントは上手くいきません。
いつまでに何名採用していないと、経営目標に支障が出るのか。今年中に退職率を何パーセント下げないと、採用計画目標を引き上げる必要が出てくるのか。
このように具体的な数字・データに基づいて人事マネジメントを行なうことで、達成進捗などの振り返りを行ないやすくなり、目標を実現しやすくなります。また、データに基づいた提案を行なうので、経営層や現場社員の協力も仰ぎやすくなるはずです。
採用市況に合わせて柔軟に変化させる
人事マネジメントは、一度決めたら安心というわけではありません。採用市況の変化、新しい採用サービス・テクノロジーの登場などに合わせて、柔軟に変更する必要があります。
コロナ禍初期が参考になる例です。当時は不要不急の外出が叫ばれ、新卒採用の合同説明会が次々と中止になりました。採用計画に大幅な狂いが生じる中、早急にオンライン面接に対応したり、新卒採用の不足分を第二新卒で代替したり、柔軟に人事マネジメントを見直した企業ほど、採用目標を達成することができました。
※参考:はじめてのオンライン面接ガイド|導入の流れや面接マナーまで解説!
※参考:第二新卒の採用ノウハウを大公開!|新卒採用の代わりになる?
人事マネジメントのフレームワーク
人事マネジメントは、「採用・育成・評価・配置・定着」の5つの項目が歯車のようにかみ合わさり、それぞれ影響を与えています。そのため、1つの項目に課題を見つけたら、単独で解決するのではなく、各項目の見直しが必要になります。
例えば、「定着」に課題がある場合。「採用」の段階で採用基準に問題があるかもしれません。「育成」が上手くいかずに辞めている可能性もありますし、「評価制度」に不満を持っている可能性もあります。入社後の「配置」や異動の自由度の低さが原因かもしれません。
このように、多角的に人事マネジメントの課題を洗い出していく必要があります。この課題の洗い出しに役に立つのが、フレームワーク。マーケティング領域で使用されることが多いですが、人事マネジメントに転用することも可能です。
数あるフレームワークの中でも、人事マネジメントに活用しやすいものをご紹介します。
3C分析
3C分析とは、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの要素で自社の立ち位置を分析するフレームワークです。
顧客を「求職者」にすれば、採用における自社の強み・弱みを把握しやすくなります。顧客を「従業員」として考えれば、社員が自社のどこを魅力に感じていて、どこが競合他社に劣るのかを分析して、「定着率改善」に役立てられます。
要素 |
分析項目 |
自社(Company) |
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顧客(Customer) |
|
競合(Competitor) |
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SWOT分析
SWOT分析とは、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4項目から企業の内部環境と外部環境を分析するフレームワークです。
要素 |
分析項目 |
強み(Strength) |
待遇・福利厚生、商材・サービス、保有技術、ノウハウ、人材、職場 環境などの強みとなるもの |
弱み(Weakness) |
競合他社と比べて劣っている・足りないもの(企業規模が小さい、 福利厚生が少ないなど) |
機会(Opportunity) |
業界の注目度向上や新規開拓数の増加、技術開発など、企業にとって 追い風となる要因 |
脅威(Threat) |
社会情勢の変化や法規制の強化、業界全体の人材不足など、企業に とって向かい風となる要因 |
4つの項目を洗い出したあと、それぞれの内容を掛け合わせることがポイントです。
例:「脅威 × 強み」
市場規模自体は縮小傾向(脅威)。しかし、自社は5年連続増収・増益(強み)。業界全体が苦戦している中でも、増収・増益している理由(商品サービスの強み)などを採用活動で打ち出すことで、同業界からの経験者・即戦力を採用しやすくなるかもしれません。
例:「弱み × 強み」
給与は低い(弱み)。しかし、仕事内容はとても簡単で、マニュアル通り。イレギュラーもほとんど起こらない(強み)。この場合は、「こんな簡単な仕事で、そこそこの給与がもらえる」という打ち出しを採用活動ですることで、応募が見込めるかもしれません。
3C分析とSWOT分析は、人事マネジメントで活かしやすいフレームワークの代表例としてご紹介しました。この他にも活用できるフレームワークはありますので、以下の記事をご参考ください。
※参考:採用活動に使えるフレームワークの種類と活用メリット
まとめ
「人事マネジメント(人材マネジメント)」は【経営目標の達成】【企業の持続的な発展】といった長期目標の達成のためだけでなく、【チームの目標達成】【チームの生産性向上】などの短期の目標を達成するのにも有効です。
ここ数年で人事マネジメントの注目度は高まりましたが、少子高齢化・労働人口の減少が進む日本では、これから先さらに重要になってきます。
人事マネジメントを構築する際は、「経営戦略」と紐づけながら、「フレームワーク」を活用するのが有効です。3C分析・SWOT分析などを取り入れることで、採用を有利に運べるはずです。
一方で、採用担当者お一人でこうした人事戦略を考えるのには非常に労力がかかります。これから採用・育成・定着を見直していきたいとお考えであれば、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
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