採用活動に使えるフレームワークの種類と活用メリット
採用の売り手市場が続く今、人材採用における競争は激化しており、企業が求める人材を確保する難易度は高くなっています。
効率的に採用活動を進めて優秀な人材を獲得していくには、場当たり的な採用活動ではなく、戦略的な採用計画を立てることが重要です。自社の強み・弱みを洗い出したり、競合他社や採用ターゲットなどの分析を行ったりするのに活用したいのが“フレームワーク”です。
フレームワークとは、課題発見や問題解決、意思決定などを行う際の思考の枠組みです。経営戦略やマーケティング戦略などの立案に用いられており、採用活動においても有効活用できます。
この記事では、企業の人事・採用部門に向けて、採用活動に活用できるフレームワークについて解説します。
採用活動にフレームワークを使うメリット
採用活動にフレームワークを利用することで、次のようなメリットがあります。
▼メリット
- 採用の分析方法で悩まない
- 活動の方向性を統一できる
- 客観的に自社を評価できる
- 採用コストを削減できる
採用活動を見直そうとしても、何から見直すべきか悩んでしまう方も多いと思います。フレームワークを活用すると、一定のプロセスに沿って採用活動の道筋を立てることが可能です。各プロセスの課題を踏まえつつ、目標や行動を明確化することで、採用チームの認識を共有できるようになり、採用活動の方向性を統一できます。
また、市場や競合他社を分析するフレームワークを活用すると、自社の強み・弱みを客観的に掘り下げることも可能です。これにより、求職者の立場に立ったアプローチや、競合他社との差別化を図る施策を検討できます。
さらに、フレームワークを活用して、採用活動の各プロセスにおける課題や非効率な部分を洗い出すことで、効率的な採用活動へと改善を図れるメリットもあります。採用フローの短縮や担当者の業務削減によって、採用コストの削減も期待できます。
なお、フレームワークは採用戦略の立案にも役立てられます。採用戦略を立てる手順やメリットについては、こちらをご確認ください。
採用活動に使える4つのフレームワーク
採用活動では、現状を分析したり、採用ターゲットにアプローチする施策を検討したりする際にフレームワークが役立ちます。ここでは、有効活用できるフレームワークの種類を4つ紹介します。
①3C分析
3C分析とは、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの要素で自社の立ち位置を分析するフレームワークです。
自社や競合他社の強み・弱みを把握して、採用市場での立ち位置を分析することで、採用ターゲットにアピールできる要素を洗い出せます。
まずは、顧客(=自社が求める人材)のペルソナを設定して、ペルソナから見た自社・競合他社の強み・弱みを洗い出すことがポイントです。
▼3C分析
要素 |
分析項目 |
自社(Company) |
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顧客(Customer) |
|
競合(Competitor) |
|
②SWOT分析
SWOT分析とは、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つの項目から企業の内部環境と外部環境を分析するフレームワークです。
4つの項目を洗い出したあと、それぞれの内容を掛け合わせることがポイントです。(強み×脅威、弱み×機会など)自社の強みを生かしたり、弱みを強みに変えたりなど、競合他社との差別化につなげるための施策を検討できます。
▼SWOT分析
要素 |
分析項目 |
強み(Strength) |
待遇・福利厚生、商材・サービス、保有技術、ノウハウ、人材、職場環境などの強みとなるもの |
弱み(Weakness) |
競合他社と比べて劣っている・足りないもの(企業規模が小さい、福利厚生が少ないなど) |
機会(Opportunity) |
業界の注目度向上や新規開拓数の増加、技術開発など、企業にとって追い風となる要因 |
脅威(Threat) |
社会情勢の変化や法規制の強化、業界全体の人材不足など、企業にとって向かい風となる要因 |
③5A理論
5A理論とは、インターネットやSNSを用いた消費者の購買プロセスを把握するためのフレームワークです。
採用活動においては、求職者が自社を認知してから内定に至り、その後周囲の家族や友人に入社を勧めるまでの一連のプロセスを分析することを指します。
採用活動の各プロセスにおいて、採用ターゲットの心理・行動を分析することで、有効なアプローチ・フォロー方法や、提供が必要な情報などを検討できます。
▼5A理論
要素 |
分析項目 |
Aware(認知) |
求人広告や採用サイトで企業について知る |
Appeal(訴求) |
企業に興味関心を持つ |
Ask(調査) |
ネット・SNSで企業の評判を調べる |
Act(行動) |
選考を受ける |
Advocate(推奨) |
企業の評判や魅力をSNSに書く |
④4C分析
4C分析とは、顧客の視点に立ってニーズを分析するフレームワークです。
採用活動においては、顧客=自社が求める人材に置き換えて、人材から見た自社の価値や、応募につなげるための採用手法などを分析するのに役立ちます。
「求職者のニーズを満たす要素が自社にあるか」「情報収集・応募方法に負担がないか」「どのような採用手法で内定につなげるか」など、具体的な採用計画を検討できます。
▼4C分析
要素 |
分析項目 |
Customer Value |
|
Cost |
|
Convenience |
|
Communication |
|
重要なのは魅力的な求人作成につなげること
採用活動にフレームワークを活用すると、自社の課題や強み・弱みを明確にしたり、採用ターゲットへのアピールポイントを絞ったりできます。
求める人材からの応募につなげるには、これらの分析結果を踏まえて、求職者にとって魅力的な求人のコンテンツを作成することが重要です。
求人サイトを活用する場合は、求職者が求める・気になる情報を記載するとともに、求職者の視点から見た企業の魅力・強みを分かりやすく訴求することがポイントといえます。
まとめ
この記事では、採用活動に使えるフレームワークについて、以下の内容を解説しました。
- 採用活動フレームワークを使うメリット
- 採用活動に使える4つのフレームワーク
- 魅力的な求人を作成するポイント
採用活動にフレームワークを利用すると、採用チームで取り組みの方向性を統一できます。また、客観的に自社・競合他社の強み・弱みを掘り下げること、求職者の課題・ニーズの可視化も可能です。効率的かつ戦略的な採用活動を行うために、フレームワークを活用されてはいかがでしょうか。
さらに、採用ターゲットからの応募につなげるには、分析結果を踏まえつつ、求職者にとって魅力的な求人のコンテンツを作成することが重要です。「求人で自社の魅力を最大限アピールしたい」「求人で競合他社と差別化を図りたい」そのような考えをお持ちの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
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