採用戦略とは何か?│戦略の立て方とメリットを徹底解説!
・「採用活動の計画や改善が上手くいっていない」と感じる
・よく聞く「戦略的な採用」について詳しく知りたい
・そもそも「採用戦略」はなぜ必要なのだろう?
・自社に合った採用戦略の立て方を教えてほしい……
本記事では、上記のような疑問や悩みにお応えします。よく耳にするけれど、具体的にどのようなものか分かりにくい「採用戦略」。その詳細はもちろん、必要とされる背景や具体的なメリット、採用戦略の立て方などを分かりやすくご紹介します。単なるケーススタディーではなく “自社に置き換えて使える内容” ですので、ぜひご活用ください。
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目次[非表示]
- 1.会社を発展させる採用戦略とは?
- 2.「採用戦略」と「採用計画」の違いとは?
- 3.採用戦略を立てるべき理由
- 3.1.中小企業ほど採用戦略が重要
- 3.2.人材獲得競争の激化
- 4.採用戦略を立てるメリット
- 4.1.求人に応募が集まりやすくなる
- 4.2.理想の人材を採用しやすくなる
- 4.3.選考辞退・内定辞退が減少する
- 4.4.入社後の早期離職を防止できる
- 5.採用戦略を立てる注意点
- 6.成功する採用戦略の立てる10の手順
- 6.1.経営計画・事業計画から採用計画を作成する
- 6.2.採用戦略を実行に移す体制の構築
- 6.3.採用スケジュールをシミュレーション
- 6.4.自社の魅力を整理する
- 6.5.「採用上の競合」を調べてみる
- 6.6.自社のアピールポイントを決める
- 6.7.採用ツールの検討
- 6.8.採用手法の検討
- 6.9.選考方法のすり合わせ
- 6.10.結果を振り返り、次の採用戦略に反映
- 7.採用戦略を簡単に立てる方法
会社を発展させる採用戦略とは?
「採用戦略」とは、自社を成長させる人材を採用するための戦略を指します。
企業にはそれぞれ、数年後・数十年後を見据えた目指す姿があり、実現のために経営や事業の戦略を立てていることでしょう。そして、戦略を実行するためは優秀な人材の獲得が欠かせません。つまり、全社的な経営戦略や事業戦略に紐付けて「必要な人材をどのように採用するか」を策定したものが採用戦略なのです。
当然ながら、経営戦略や事業戦略が異なれば採用戦略も異なります。「全ての企業に当てはまる万能な採用戦略」は存在せず、自社の目指す姿に合わせた戦略を立てることが必要です。採用は人事が単独で行なう業務ではなく、経営と連動した全社的なものとして考えていきましょう。
「採用戦略」と「採用計画」の違いとは?
「採用戦略」と「採用計画」は言葉の響きは似ていますが、全く異なるものです。「必要な人材をどのように採用するか」という採用戦略を考える前に、まずは採用計画を立てる必要があります。
採用計画とは、「○○年までに売上を○○億円へ伸ばす」といった事業計画に紐づく「今期中に○○部門で○○人を採用する」という計画のこと。そして、その計画を実現するための効果的な手段を考えることが採用戦略です。
採用活動はいわば、競合企業との “優秀な人材の取り合い” です。そんな中、戦略なしに場当たり的な採用活動を行なっていては採用計画の達成は難しいもの。活躍可能性の高い人材の採用するために、あらかじめ計画達成への道筋を考えておく必要が出てきます。
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採用戦略を立てるべき理由
あらためて「なぜ採用戦略を立てるべきなのか」について整理しましょう。その理由を、社会的な背景や採用市場の動向をふまえてご説明します。
中小企業ほど採用戦略が重要
次のグラフは、厚生労働省の調査に基づく「企業は人手不足を感じているかどうか」というデータです。
グラフから分かる通り、2009年のリーマンショック以降は人手不足を感じる企業が増えていることが分かります。特に、緑の線で表わされている中小企業は、赤の線で表されている大手企業と比較して、人手不足を強く感じている状況です。
いざ求人を出した場合、知名度が高い大手企業に応募が集まりやすい傾向があるのは事実です。そのため、中小企業はおのずと人材の獲得に苦労し、人手不足に悩まされ続けやすくなります。だからこそ、戦略的に採用を行ない、自社に合った人材の獲得に成功するための道筋を作っておかなくてはならないのです。
「うちは採用人数が少ないから戦略は必要ない」といったことはなく、中小企業ほど採用戦略が重要だと言えます。
人材獲得競争の激化
事業継続という観点から見ても、採用戦略は重要です。下記の、厚生労働省が発表している有効求人倍率の推移をご覧ください。
有効求人倍率は「求職者1人あたりに対して何件の求人があるか」を示す指標であり、高ければ高いほど「採用する企業にとっての競争相手が多い状態」と言えます。2009年のリーマンショック以降は有効求人倍率が右肩上がりで伸び続け、2019年は「過去最高の採用難」とまで言われていたほどでした。
2020年に入ってからは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて有効求人倍率は低下。しかしこの傾向はあくまで一時的なもので、2022年には1.35倍まで上昇しています。さらに、少子高齢化の進行・労働人口の減少は今後も進むでしょう。採用難が緩和されるとは考えにくく、むしろ人材獲得競争は激化していく見込みです。
だからこそ、事業継続という観点からも、中長期的な視点をもって採用戦略を立てることが重要なのです。
採用戦略を立てるメリット
次に、採用戦略を立てるメリットをお伝えします。採用活動の様々な面で好影響が現れますので、一つひとつ具体的に紹介していきます。
求人に応募が集まりやすくなる
どの企業も「応募者を集めたい」という考えは共通だと思います。同時に、上手くいかずにつまづきやすいのも応募者集め。優れた採用戦略は、この「応募者の獲得」を促進するのです。
では、優れた採用戦略とは何でしょうか。具体的な内容や考え方は後述しますが、端的に言うと「採用上の競合をふまえて、どのような “勝ち筋” で採用を成功させるか」までを考えた戦略です。人材獲得競争が激化する中でも、競合と差別化を図れる戦略を立てることが、応募者を集めやすくするための近道です。
理想の人材を採用しやすくなる
採用戦略を立てることは、適切な人材の採用を実現しやすくなるというメリットも持っています。「採用の成功」は単に入社者が決まることではなく、活躍人材の採用ができることですよね。
経営戦略や事業戦略に紐付いて採用したい人物像を定め、その採用に向けた選定方法・評価方法を決めておけば、選考過程での認識のズレが減少します。戦略の明確化と共有は、適切な人材を採用するカギです。
選考辞退・内定辞退が減少する
理想的な採用活動を成功させるために注意したいのは、ただ応募数を増やせれば良いのではないということです。人材獲得競争が激化する中で、選考中の辞退・内定後の辞退も増加しています。そのため採用戦略を考える上では、選考段階からの辞退防止策も組み込んでいけます。
採用計画と比較して進捗状況をチェックすることで、計画とのズレを把握。辞退が起きていれば、いつ・なぜ・どれだけの辞退が起きているのかを振り返り、改善策を戦略の中に盛り込んでいける点がメリットとなります。
入社後の早期離職を防止できる
採用戦略の立案は離職の防止にもつながります。下記はエン・ジャパンが独自に調査した、早期離職とコストの関係性を表す図です。
採用にかかる費用・在籍中の人件費・教育研修費を概算すると、1名あたり約187.5万円。入社3ヶ月で離職してしまうとこれだけの損失が出ます。生産部門の場合も、入社者が上げる予定だった売上も損失額に加算されるでしょう。
さらに、離職による周囲のモチベーションの低下・連鎖退職などのリスクもあります。せっかく入社した人がすぐに辞めてしまうと、いつまでも採用計画は達成できずむしろ余分なコストがかかってしまうことに。だからこそ採用戦略を立てる際には、「早期に離職しない人材」を採用する方法も考えます。
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採用戦略を立てる注意点
採用戦略は、事業計画に紐づいた採用計画を実現するための効果的な手段を考えること。ただし、考える際には注意が必要です。
具体的には、採用計画と現状のギャップを埋めるために見直すポイントに注意してください。ついつい、場当たり的に個別のプロセスを見直してしまいがちなのですが、そうではなく、採用活動全体を見直すようにしましょう。
たとえば、「自社の求人に興味や関心を持ってくれる求職者(母集団)が集まらない」という際。「では、もっとおおくの求人広告を出稿しよう」「求人広告だけでなく人材紹介サービスも併用しよう」という打ち手を考られるかもしれません。しかし、最も効果的な解決策ではない可能性もあります。
そもそも採用したい人材が明確ではない、魅力を感じてもらうための取り組みが不十分、採用に携わるメンバーの採用計画への理解が不足している…といったことも考えられます。
ですから、採用計画に基づいて採用活動全体を見直さなくてはならないのです。活躍可能性の高い人物像を定めるところから、定着・活躍してもらえる人材の採用成功につなげる取り組みまで、採用に携わるメンバー全員が理解できる状態を作りましょう。
成功する採用戦略の立てる10の手順
それでは最後に、具体的な「採用戦略の立て方」を解説します。実際に、ご自身の状況に当てはめながら考えてみてだくさい。
経営計画・事業計画から採用計画を作成する
採用戦略を立てる前には、まず「採用計画」を定めなくてはなりません。採用計画は個別に存在するのではなく、全社的な経営計画や各事業の事業計画と一体化したものです。
それぞれの企業には、経営理念に基づく中長期的な経営計画・事業計画があるでしょう。それらから逆算して「いつまでに・どの部署に・どのような人材が必要か」ということを検討し、計画を立てることからスタートしましょう。
より詳しい採用計画の立て方は、こちらのページをご覧ください。
採用戦略を実行に移す体制の構築
採用企画を作成したら、次は採用戦略を実行に移すための体制を確かにします。
採用活動は人事だけで行なえるものではありませんよね。経営層はもちろん、現場で働く社員とも認識を共有し、協力しなくては成功しません。それぞれの認識がズレていると、採用基準もズレて採用活動が難航してしまうためです。
ですから、全員が「採用は経営に関わる重要課題である」と捉えて、採用すべき人物像・魅力になりうる自社の強みなどを共通認識として持っている状態をつくることが大切です。
採用スケジュールをシミュレーション
続いて、「いつまでに入社してほしいか」を定めておくことも重要です。
求職者の多くは働きながら転職活動をしているため、内定後すぐに入社できるとは限りません。ですから、求人を開始する時期やその後の進め方のスケジュールも大切です。
1つの手法としては「ゴール=入社してほしい時期から逆算する」という考え方があります。一般的に、求人掲載~入社までにかかる時間は平均3ヶ月です。
もし「4月に入社してほしい」と考えているのであれば、2月初旬には求人広告の掲載をスタートしておきたいことになります。求める人材のレベルが高い・希少性の高い職種を採用する、といった採用難易度が高いケースでは、入社までの期間が3ヶ月よりも長くなると想定して、スケジュールに余裕をもたせると良いでしょう。
自社の魅力を整理する
次に、自社は採用に有利な立場なのか否かを把握しましょう。そのために、自社の魅力を整理します。
会社としての安定性や将来性、扱う商品・サービスの強み、仕事のやりがい、待遇面、働き方、人間関係、オフィス環境など、魅力となりうるものは様々です。ときには、一見すると取り立てて魅力的ではないと思えた条件が、人によっては喜ばしい特徴である場合もあります。
魅力を洗い出すときには、様々な観点から見ていきましょう。現場で働く中途入社者に対して「何が魅力的で入社したのか」「前職と比較してどこが魅力的か」といった内容をヒアリングすることも有効です。
「採用上の競合」を調べてみる
採用活動は人材獲得の競争ですから、競争相手を知ることは欠かせません。自社の魅力も、他社と比較することで初めて際立つと言えます。よって「採用上の競合となる求人は何か」「働き方や待遇などはどのくらいのラインが一般的か」ということは必ず把握しましょう。
「採用上の競合」とは、自社が採用したいと考える人材を取り合うことになる求人のことを指します。どのような求人があるのかを知るためには、大手転職サイトで、同エリア・同業種・同職種の求人を探してみてください。競合の数や働き方や待遇などの相場を知ることができます。
なお、採用所の競合は同じ業界・職種だけとは限りません。たとえば、もしも「収入の高さが自社の魅力なので、高収入を得たいという意欲を持つ人材を狙おう」と考えているならば、採用上の競合は、広く “高収入が得られる仕事の求人” になってくるでしょう。競合の相場と比較して、本当に魅力と言えるのか? まで検討しておくと、採用成功確率が高まります。
自社のアピールポイントを決める
自社の魅力を整理し、採用上の競合や相場を把握したら、いよいよ自社のアピールポイントを決めます。
1つだけに絞る必要はありません。そして、アピールできるようにするためには、具体的に整理しましょう。たとえば「給与が高い」というアピールポイントならば、月収・年収イメージやその収入が得られる仕組みを。「人間関係が良い」というアピールポイントであれば、業務内における人間関係の良さが分かる具体的なエピソードを用意しておいてください。
あらためて決定・整理するのは大変ですが、この工程をふむことで「自社の勝ち筋」がはっきりと分かります。今後の採用活動においても継続して活かせるものですので、力を入れてください。
採用ツールの検討
自社のアピールポイントが決まったら、それに合った採用ツールを検討しましょう。採用ツールは、求人サイトや求人誌に掲載する求人広告だけではありません。下記に一例を紹介します。
・自社独自の採用サイト
・自社独自の採用パンフレット
・社員ブログ
・動画
・フェイスブックなどのSNS
アピールポイントやアピールする対象によって効果的なツールは異なりますので、求人広告と併用していくと良いでしょう。
たとえばアピールポイントが「人間関係」なら、文字だけでは伝わりにくい雰囲気を動画で伝えたり、SNSやブログを通じて現場の様子を発信したりすると効果的です。
採用手法の検討
採用ツールが決まったら、実際に使うサービスを決めます。
たとえば「求人サイト」といっても様々なサービスがあり、それぞれ特色は異なります。『エン転職』であれば、会員数1000万人(※2022年時点)のうち、若手会員比率が業界No.1という点が特徴。「入社後の活躍」まで考え抜いた正直・詳細な求人広告づくりに力を入れ、「集客力」「決定力」「定着率」の高さも強みとしています。
登録ユーザー層や得意とする領域などは、求人サイトによって千差万別です。必ず、自社の採用活動に合った求人サイトを利用するようにしましょう。
選考方法のすり合わせ
人材獲得競争が激化する中で、選考・内定辞退は増加中です。辞退を防ぐためには、選考方法のすり合わせも重要になってきます。
なぜなら「応募から何日以内に連絡する」などルールを定めていないと、選考結果の連絡を忘れてしまった・他社の内定が早く出てしまい入社意欲が下がってしまった…といったことになりかねないためです。
具体的な辞退防止の方法については、こちらから詳細をご確認ください。
結果を振り返り、次の採用戦略に反映
採用戦略は企業としての中長期的な戦略と一体化したものです。よって、1回の採用活動のためだけに立案して終わりではありません。採用活動の終了後には結果を振り返り、成功・失敗要因を分析した上で採用戦略に反映させましょう。そうしてPDCAを回すことで、自社のアピールポイントはさらにブラッシュアップされ、採用力が高まっていくのです。
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採用戦略を簡単に立てる方法
ここまで、具体的な採用戦略の立て方について解説してきました。経営に関わる重要課題である「採用」について、精度の高い戦略を考えることは決して簡単ではないことがお分かりいただけたと思います。
最も簡単に精度の高い採用戦略を立てる方法は、採用のプロである採用支援会社に相談をすることです。『エン転職』の役目は、ただ「転職サイトに求人広告を載せること」だけではありません。採用を成功させるために、企業と一緒になって採用戦略を練ることも大切な役目。『エン転職』を利用するかどうかは、採用戦略を考えてからご判断いただければと思いますので、まずはお気軽にご相談ください。
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