ダイレクトリクルーティングとリファラル採用の違いとは? 向いている企業も併せて解説
慢性的な人手不足によって人材獲得の競争が激しくなるなか、「従来の求人広告による採用手法だけでは、自社にマッチする優秀な人材確保が難しい」と悩んでいる企業も少なくありません。
こうした課題を解消する新たな採用手法の一つとして、“ダイレクトリクルーティング”が注目を集めています。
しかし、「ダイレクトリクルーティングを検討しているものの、詳しい内容は理解できていない」「よく聞くリファラル採用と何が違うのか」と疑問を持つ採用担当者も多いのではないでしょうか?
この記事では、ダイレクトリクルーティングの概要をはじめ、リファラル採用との違い、ダイレクトリクルーティングの採用手法が向いている企業について解説します。
目次[非表示]
- 1.ダイレクトリクルーティングとは
- 2.ダイレクトリクルーティングとリファラル採用の違い
- 2.1.①アプローチの主導権
- 2.2.②採用工数
- 2.3.③採用コスト
- 2.4.④入社へのつながりやすさ
- 2.5.⑤採用計画の達成度
- 3.ダイレクトリクルーティングはどのような企業に向いている?
- 3.1.経験豊富で即戦力となる人材を求めている企業
- 3.2.求人応募が少ない企業
- 3.3.母集団のマッチ度が低い企業
- 3.4.採用力を高めたい企業
- 4.まとめ
ダイレクトリクルーティングとは
ダイレクトリクルーティングとは、採用担当者から求職者に直接アプローチする採用手法です。企業が自ら採用ターゲットとなる人材を探して、転職意向にかかわらずスカウトできます。
従来の採用手法は、求人検索サイトに求人広告を出したり、人材紹介会社を利用したりと、受動的な手法が一般的でした。一方、ダイレクトリクルーティングは、企業から能動的にアプローチする“攻めの採用手法”として近年広まりつつあります。
ダイレクトリクルーティングでは、従来の採用手法で出会えなかった潜在層も対象となることから、自社が求める人材を見つけやすい点が特徴です。また、求める人材に絞って自社でスカウトしていくため、採用後のミスマッチを防ぎやすいというメリットもあります。
ダイレクトリクルーティングの詳細は、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
ダイレクトリクルーティングとリファラル採用の違い
企業側からアプローチをかける採用手法には、ダイレクトリクルーティングのほかに“リファラル採用”があります。
アプローチの主導権・採用工数・採用コスト・入社へのつながりやすさといった4つの観点からみた違いは、以下のとおりです。
▼ダイレクトリクルーティングとリファラル採用の違い
項目 |
ダイレクトリクルーティング |
リファラル採用 |
アプローチの主導権 |
企業 |
社員 |
採用工数 |
かかる |
かかるケースもある |
採用コスト |
80万円程度(3ヶ月) ※エン転職ダイレクトの場合 |
数万~数十万円 |
入社へのつながりやすさ |
長期化しやすい |
短期間で入社しやすい |
採用計画の達成度 |
コントロールしやすい |
コントロールしにくい |
ここからは、それぞれの違いについて詳しく解説します。
①アプローチの主導権
ダイレクトリクルーティングとリファラル採用では、求職者に対してアプローチを行うときの主導権に違いがあります。
ダイレクトリクルーティングでは、アプローチの主導権が企業側にあります。自社で母集団形成を行なうため、求職者の選定要件や選考基準なども自由に調整できます。
一方のリファラル採用は、社員の協力のもとで自社にマッチする知人や友人を紹介してもらう手法のため、アプローチの主導権は社員側にあります。
②採用工数
採用工数については、リファラル採用よりもダイレクトリクルーティングのほうがかかりやすくなります。
それぞれどのような業務で工数がかかるのか、一般的な業務内容をまとめると以下のようになります。
▼主な業務内容例
採用手法 |
業務内容例 |
ダイレクトリクルーティング |
|
リファラル採用 |
|
ダイレクトリクルーティングでは、候補者の選定からスカウトメールの作成、返信対応などの積極的なアプローチが必要です。採用担当者の業務工数は増えやすいですが、自社が求める人材にピンポイントでアプローチできるため、マッチ度が高くなることが期待できます。
これに対してリファラル採用では、採用担当者が候補者を選定したり、スカウトメールを作成したりする必要がないため、工数の削減につながります。
ただし、社員の紹介から採用が決まった場合はインセンティブを支給することが一般的であるため、最初に制度設計と紹介をもらえるように定期的な社内広報が必要になります。
③採用コスト
採用コストについては、ダイレクトリクルーティングと比較してリファラル採用のほうが抑えやすくなります。それぞれコストがかかる項目には、以下が挙げられます。
▼採用にかかるコスト例
採用手法 |
コスト例 |
ダイレクトリクルーティング |
|
リファラル採用 |
社員へのインセンティブ (導入する場合のみ) |
ダイレクトリクルーティングを実施するにあたって、人材データベースのサービスを活用する際は、サービス利用料や報酬の支払いが発生します。
例えば、エン・ジャパンが運営するダイレクトリクルーティングサービス『エン転職ダイレクト』では、ベーシックプラン(3ヶ月)で80万円程度の利用料がかかりますが、経験豊富なサービス事業者からのサポートを受けられるほか、採用率・定着率のアップが期待できます。
リファラル採用の場合は、紹介した社員にインセンティブを支払うケースが一般的で、採用1名あたり数万~数十万円が相場です。自社の予算を踏まえて調整できるためコストを抑えやすくなります。
④入社へのつながりやすさ
ダイレクトリクルーティングとリファラル採用は、入社へのつながりやすさについても違いがあります。
ダイレクトリクルーティングで転職潜在層にスカウトする場合、入社意欲を高めるために長期的なアプローチが必要になるケースも少なくありません。自社が求める人材を入社につなげるためには、一人ひとりの候補者とコミュニケーションを取り、信頼関係の構築が求められます。
リファラル採用の場合は、社員からの紹介となることから信頼を得やすいほか、企業情報をすでに把握している状態のため、入社につながりやすいと考えられます。
⑤採用計画の達成度
ダイレクトリクルーティングは、企業主体で採用計画を達成するまでアプローチできるため、達成度をコントロールしやすいといえます。
しかし、リファラル採用は社員の紹介を待つことしかできないため、何名採用できるか予測ができず、人事・採用担当者側のコントロールが難しいという課題があります。
なお、「ダイレクトリクルーティング」と「スカウトサービス」の違いについては以下の記事で詳細に解説しておりますので、あわせてご覧ください。
▼ダイレクトリクルーティングサービスとスカウトサービスの違いとは?
ダイレクトリクルーティングはどのような企業に向いている?
ダイレクトリクルーティングは、効率的な母集団形成ができる、自社にマッチした人材を見つけやすいといったメリットがある一方、採用工数やコストがかかる、長期的なアプローチが必要といったデメリットもあります。
ここからは、ダイレクトリクルーティングに向いている企業について解説します。
経験豊富で即戦力となる人材を求めている企業
求人広告は世にあふれており、求人を掲載しても、経験豊富な人材や即戦力となる人材に自社の求人を見つけてもらえるとは限りません。
一方で、ダイレクトリクルーティングサービスを利用する場合、求職者の職歴を見て、経験豊富な人材や即戦力となる人材にも直接求人を届けられるため、採用の可能性が高まります。
ダイレクトリクルーティングが中途の経験者採用・即戦力採用に向いている理由は以下の記事で詳細に解説しておりますので、あわせてご覧ください。
▼ダイレクトリクルーティングが中途採用に有効な理由と実施の流れ
求人応募が少ない企業
求人広告を出しても応募が少ないといった課題を持つ企業は、ダイレクトリクルーティングが向いています。
ダイレクトリクルーティングは、企業が能動的に人材を発掘してアプローチを行なうため、知名度がなく求人広告からの応募が少ない場合でも、自社にマッチする人材を採用できる可能性が高いのが特徴です。
母集団のマッチ度が低い企業
求人広告の応募者数は多いものの、採用ターゲットとマッチする人材が少ないといった場合にも、ダイレクトリクルーティングが有効です。
ダイレクトリクルーティングでは、欲しい人材の条件を設定してマッチする人材に絞ってアプローチをするため、マッチ度の高い母集団形成を行えます。
これにより、選考プロセスでの歩留まり(※)や内定辞退を防ぐことにつながり、採用効率を高められます。
※採用活動での歩留まり(ぶどまり)とは、各選考プロセスに進んだ人数の割合のこと。
採用力を高めたい企業
採用力を高めたい企業にもダイレクトリクルーティングが向いています。
ダイレクトリクルーティングは、自社でターゲット選定やアプローチ、選考などの工程をすべて行うため、採用ノウハウを蓄積したり、データ分析を行ったりして、自社の採用力を高められます。
ただし、ダイレクトリクルーティングで成果を出すにはノウハウが必要です。採用の成功に必要なノウハウを持った外部サービスを利用するのも一つの方法です。
まとめ
この記事では、ダイレクトリクルーティングについて以下の内容を解説しました。
- ダイレクトリクルーティングの概要
- リファラル採用との違い
- ダイレクトリクルーティングが向いている企業
ダイレクトリクルーティングは、従来の採用手法では出会えなかった転職潜在層と接点を持てる、自社が求める人材にピンポイントでアプローチできるメリットがありますが、リファラル採用と比べると、採用工数やコストがかかりやすいほか、入社意欲を高めるための長期的なアプローチも必要です。
これらを踏まえると、「経験豊富で即戦力となる人材を採用したい」「求人広告の応募数が少ない」「母集団のマッチ度が低い」「自社採用力を高めたい」といった課題を持つ企業にダイレクトリクルーティングが向いているといえます。
ダイレクトリクルーティングサービスを検討するのが初めての方や、過去にダイレクトリクルーティングを導入したがうまくいかなかったという経験をお持ちの方は、『エン転職ダイレクト』を試してみるのがおすすめです。
エン転職ダイレクトでは、業界最大級となる413万人の人材データベースを保有しており、経験豊富な人材のなかから企業にマッチする人材にスカウトを行えます。候補者選定やスカウトメールの文面作成などについて、専属のカスタマーサクセスがサポートするため、初めての方もご安心いただけます。
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なお、そのほかの中途採用の手法については、こちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。