スタートアップの採用が失敗しやすい理由と採用成功のための戦略を解説
スタートアップとは、一般的に「設立2~3年程度で従業員数が10名未満の企業」を指すことが多い言葉ですが、明確な定義はありません。従業員数が多くても、設立から間もない企業を広義の意味でスタートアップと呼ぶケースもあります。
スタートアップの採用では、「社員が少なく採用活動に労力をかけられない」「事業を立ち上げたばかりで採用にお金をかけられない」などの困難が生じやすいもの。限られたリソースで自社に適した人材を採用するのは大変ですよね。
本記事ではスタートアップの採用にお悩みの方へ、失敗しやすい理由や失敗例、採用成功のポイントなどを具体的に解説していきます。スタートアップの採用に成功した事例も紹介しますので、ぜひお役立てください。
▼本記事をより詳細に、分かりやすく解説した「スタートアップ企業の採用成功マニュアル」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます▼
また、スタートアップも含めた中小企業が陥りがちな採用課題と、その解決策は以下の記事でまとめております。あわせてご覧ください。
▼中小企業の採用課題とは?新卒・中途採用どちらでも使える具体的な解決策
目次[非表示]
- 1.スタートアップの採用が失敗しやすい理由
- 1.1.求人で大手企業と差別化しにくいから
- 1.2.採用活動にお金をかけられないから
- 1.3.採用活動に人員を割けず時間をかけられないから
- 2.スタートアップによくある採用の失敗例
- 2.1.求人に応募が集まらない
- 2.2.応募者を見極められない
- 2.3.ハイスキルな人材を求めすぎている
- 3.スタートアップの採用を成功させるポイント
- 3.1.プラン料金だけで掲載順や情報量が決まらない求人媒体を選ぶ
- 3.2.求人を条件面以外で差別化する
- 3.3.採用ページでより多くの情報を提供する
- 3.4.採用戦略をしっかり練る
- 3.5.評価基準と欲しい人物像を明確にする
- 3.6.採用広報を行って求職者へ能動的に働きかける
- 4.スタートアップで成功しやすい採用方法
- 4.1.求人サイト
- 4.2.ダイレクトリクルーティング
- 4.3.リファラル採用
- 5.スタートアップの採用で必要な知識とスキル
- 5.1.採用戦略の知識
- 5.2.会社のビジョンを正しく伝える知識
- 5.3.必要な人材を見極めるスキル
- 6.スタートアップの採用事例
- 7.まとめ
スタートアップの採用が失敗しやすい理由
まずは、スタートアップの採用が失敗しやすい主な理由を3つ解説します。
求人で大手企業と差別化しにくいから
スタートアップの企業は設立間もないため、資金や人員が少なく、大手企業に比べるとどうしても待遇面で劣りがちです。給与や休日数、労働時間などの条件があまり良くないと、求職者からマイナスなイメージを持たれやすくなります。
また、人員が少なく採用に詳しい社員がいない場合、自社求人をより魅力的に書いたりすることは難しいでしょう。その結果、せっかく求人を公開したのに求職者の興味を惹けないというケースが起こりやすくなります。
採用活動にお金をかけられないから
一般的な求人サイトは、料金の高いプランほど求人の掲載順位が上になり、求人に記載できる情報量も増えます。つまり採用にお金をかけられる企業ほど、サイトで検索上位になり、多くの情報を掲載できるため、求職者の目に留まりやすくなるのです。
しかし、スタートアップ企業が採用に多額のコストをかけるのは、なかなか難しいもの。コストをかけられないことで求人の露出量・情報量が減り、自社求人を求職者へアピールしにくくなってしまうのです。
採用活動に人員を割けず時間をかけられないから
スタートアップの企業は社員数がとても少ないため、基本的に日々の業務をこなしながら並行して採用活動も行なっていく状態になります。
社員数が豊富な企業に比べると、採用活動に割ける人員と時間がかなり限定されてしまうため、「忙しくて応募者への連絡が遅くなる」「求人に記載する情報を精査できない」などの問題が起こりやすくなります。
スタートアップによくある採用の失敗例
つぎに、スタートアップによくある採用の失敗例を具体的に3つ解説します。
求人に応募が集まらない
世の中には多くの企業があり、求人サイトには数千~数万という膨大な数の求人が掲載されています。つまり求人を公開すると、必ず他社と比較されてしまうのです。
・プランにお金をかけられないため検索上位に表示されない
・求人の情報が薄くて自社の魅力を伝えられない
このような理由で自社求人が埋もれてしまったり、他社求人より見劣りしてしまったりすると、応募が集まりにくくなります。とくに求人サイトには大手企業も多いので、差別化するためにもスタートアップならではの魅力を伝えることが大切です。
応募者を見極められない
応募者のなかから、求める人材にぴったりな人を見極めるのは難しいものです。とくにスタートアップは、採用専門の社員が書類審査や面接を行えるとは限らないので、採用の知識や経験が少ない分、難易度が高くなります。
せっかく応募者が集まっても人材を見極められないと「実務経験と実際の能力に差があった」などのミスマッチが起こりやすくなるほか、採用すべき人を落としてしまう恐れもあります。
ハイスキルな人材を求めすぎている
社員数の少ないスタートアップでは、即戦力になれる人材が重宝されます。ゆえに「アレもできてほしい・コレもできてほしい」「○○の資格も持っていてほしい」など、ついハイスキルな人材を求めすぎてしまうのです。要求が多すぎると応募者は集まりにくくなります。
また、ハイスキルな人材を採用するために、高給なポストや裁量の大きいポストを無理やり設けたものの、実際に採用した人が適さなかったという失敗例も少なくありません。
スタートアップの採用を成功させるポイント
ここからは、スタートアップの企業で採用を成功させるポイントを紹介します。一般的に、「スタートアップは会社の規模が小さく、まだ知名度がないから採用が難航するのでは?」と考えられがちですが、そうとは限りません。
規模や知名度以外の部分で差別化を図って採用活動をすれば、スタートアップでも求める人材と出会える可能性はグンと高くなります。
プラン料金だけで掲載順や情報量が決まらない求人媒体を選ぶ
より多くの求職者に求人を見てもらうためには、求人の「掲載順」が重要です。加えて、自社の魅力をより多く伝えるためには、求人の「情報量」も必要です。
この「掲載順」と「情報量」は、一般的な求人サイトだとプラン料金で決まります。しかし『エン転職』のように、プラン料金だけで掲載順・情報量が決まらない求人サイトもあります。こうした求人サイトを選ぶと、採用に大きなコストをかけられなくても、求人の露出を増やし、多くの情報提供が可能となります。
求人を条件面以外で差別化する
スタートアップの企業は多くの場合、大企業よりも求人の条件面で劣りやすい傾向があります。求人を条件面以外の部分で魅力づけし、競合他社からの差別化を図りましょう。
例えば、スタートアップが他社の求人と差別化しやすい要素として、以下のような点が挙げられます。
・上役と距離が近いため社内の風通しが良い
・仕事の自由度が高くアイデアを具現化しやすい
・入社してすぐから責任ある重要な仕事に取り組めるため成長できる
自社の魅力を掘り起こし、求職者の興味関心を惹ける点は何か具体的に考えてみましょう。
また、効果が出る求人広告の書き方は以下の記事でご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
▼求人広告の書き方|求職者にアンケート調査して分かった効果を出す方法
▼本記事をより詳細に、分かりやすく解説した「スタートアップ企業の採用成功マニュアル」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます▼
採用ページでより多くの情報を提供する
スタートアップは設立して間もない企業であるため、求職者から「この会社は本当に存在するのか?」「本当に安全な会社なのか?」と不安を覚えられやすいものです。
自社のホームページなどに採用ページを設け、より多くの情報を提供することで、求職者の「実態がわからない」という不安を払しょくし、信頼度を高めましょう。
また、自社で採用ページを設けると、求人サイトなどの決まったフォーマットでは表現できなかった「自社の魅力や働くメリット」などを自由に記載できます。自社求人の魅力をより多く情報提供できるため、求職者へのアピールになるでしょう。
『engage』など、無料で採用ページを作成できるサービスもありますので、ぜひご活用ください。
▼無料で求人掲載・採用ページが作成できる『engage』
採用戦略をしっかり練る
採用戦略とは、必要な人材をどのように採用するか、具体的な作戦を決めて取り組むことです。
スタートアップは基本的に組織が小さいため、給与や福利厚生などの条件面で求人を差別化するのが難しくなりがち。知名度が高く、待遇の良い大企業に応募が集まりやすいなかで人材を確保するためには、戦略的な採用活動を行っていく必要があります。
・いつまでに、どんな人を、何名採用するか
・自社求人をどんな要素で魅力づけする
採用計画とそれを実現するための手段を具体的に考え、少ないリソースで効率よく採用を進めていけるよう工夫しましょう。
評価基準と欲しい人物像を明確にする
評価基準と欲しい人物像があいまいなまま採用活動を進めると、自社に適さない人を採用してしまう危険性が高くなります。
・どんな性格や価値観の人が欲しいのか
・どんなスキルや実務経験のある人が欲しいのか
・それらを書類審査や面接でどう判断するのか
欲しい人物像と評価基準を具体的に考えておくと、限られたリソースのなかでも適した人材を採用しやすくなります。
採用広報を行って求職者へ能動的に働きかける
採用広報とは、求職者に自社求人への応募を促す広報活動のことです。ホームページでの情報発信や、SNSでの発信などが含まれます。
設立したばかりで知名度が低い場合は、採用広報を積極的に行って求職者へ能動的に働きかけたほうが、希望する人材と出会える可能性が高くなるでしょう。
たとえば、採用にあまりコストをかけられないとしても、SNSを活用すれば無料で求人情報を発信できます。良さそうな人へ直接メッセージを送るだけでも、求める人材に自社の求人を見てもらえる可能性が高くなります。
スタートアップで成功しやすい採用方法
スタートアップで成功しやすい採用方法を3つ紹介します。どの方法もメリットが異なるため、自社に適したやり方を考慮したうえで活用しましょう。
求人サイト
求人サイトを活用するおもなメリットは、次の3点です。
・Web上で多くの求職者へ情報提供できる
・プロに求人制作を任せられる
・採用がうまくいかない場合に相談できる
近年はインターネットで仕事を探す人が増えているため、求人サイトの数も多くなってきています。サイトによって利用料金やプラン内容、記載できる情報量などが異なるので、気になるサイトがあれば気軽に問合せしてみましょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業の採用担当者がスカウトメールなどで求職者へ直接アプローチする採用方法です。
求人サイトはプランの優劣で求人が埋もれてしまうこともあります。一方でダイレクトリクルーティングの場合は、求人をひらいてもらえるか否かはスカウトメールの内容次第。つまり、採用担当者の腕や熱意によって、スタートアップの企業でも応募を獲得するチャンスを高めることが可能です。
求職者へ能動的に働きかけるので、求人を公開して待っているだけの状態よりも、適した人材を効率よく採用できます。即戦力が必要で、業務経験が豊富な人材を採用したい場合におすすめです。
リファラル採用
「リファラル」とは、紹介や推薦といった意味をもつ言葉。つまり「リファラル採用」とは、自社の社員や知人などから良さそうな人材を紹介してもらって採用する方法をいいます。
リファラル採用のメリットは、ほかの方法に比べると手軽で、「紹介インセンティブ」以外にはコストがかからないことです。社員の知り合いであれば、ある程度は人柄や能力の予測がつきやすいため、的外れな人材を採用してしまう失敗を防ぎやすくなるでしょう。
ただ一方で、「自社に適した人材がなかなか見つけられない」というケースも多く、安定的・継続的に紹介をしてもらい続けるのは困難です。リファラル採用は、採用活動の補助的な役割として、求人サイトの活用などと並行して行うのがよいでしょう。
スタートアップの採用で必要な知識とスキル
スタートアップは、社員数が少ないなかで採用活動を行わなくてはなりません。自社の求人へ応募者を集めるところから書類選考、面接に至るまでの過程を、少人数で進めていく必要があります。
ここからは、スタートアップの採用担当者にどのような知識とスキルがあるとよいか解説していきます。
採用戦略の知識
先にも述べたように、スタートアップは給与・労働時間・福利厚生などの待遇面で求人を差別化しにくい傾向があります。求人をサイトに掲載して待ちの姿勢でいるだけでは、希望する人材を早く確保できる可能性は低いでしょう。
スタートップの採用担当者には、「いつまでにどんな人材を何名採用するか」といった採用計画と、その計画をどのような手段で達成するかを考え、戦略的に採用を進める知識が求められます。
以下の記事では、採用戦略についてより詳しく説明されています。採用戦略の知識を深めたい方は、ぜひご覧ください。
▼採用戦略とは何か?│戦略の立て方とメリットを徹底解説!
▼本記事をより詳細に、分かりやすく解説した「スタートアップ企業の採用成功マニュアル」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます▼
会社のビジョンを正しく伝える知識
人員の少ないスタートアップでは、「自社に合わない人材を採用してしまった」などの失敗が事業の運営に大きく影響してしまいます。そういった採用の失敗を回避し、いかに迅速に適した人材を得られるかが重要です。
スタートアップの採用担当者には、求人の文面や面接での会話などを通して、自社の経営ビジョンや魅力をきちんと求職者に伝え、「会社の方針に沿って長く活躍してくれそうな人材を選定する」スキルが求められます。
必要な人材を見極めるスキル
スタートアップは採用にかけられる人員が少ないからこそ、応募者のスキルや性格適性を見極める力がより重要となります。採用担当者は、履歴書や職務経歴書を鵜呑みにするのではなく、選考途中でのやりとりの良し悪しや面接での会話など、多くの観点から応募者を見極めるスキルが必要です。
また、「採用担当者が欲しいと考えている人物像と、実際に現場で必要な人物像が異なり、採用するべき人材を不採用にしてしまった」などの失敗も避けなくてはいけません。
・本当に必要な人材はどんな人なのか(人物像)
・応募者はその基準に見合っているか(評価基準)
・それらをどう判断するのか(判断方法)
この3つを具体的に考えたうえで、的確な採用活動を行いましょう。
スタートアップの採用事例
最後に、スタートアップの採用に成功した事例を2つ紹介します。どちらの会社も設立1~2年で社員数が少ない状況のなか、求人へ応募を集めて適した人材を採用することに成功しています。
立ち上げ1年目・社員数0名の会社で即戦力の採用に成功
会社名 |
株式会社アミーゴ |
設立 |
2019年 |
当時の従業員数(2021年9月時点) |
0名(代表と役員のみ) |
採用の状況 |
応募:40名 / 内定:2名 / 入社:2名 |
2019年に会社設立後、2021年11月より新しく「ノマドカフェW COFFEE」をオープンするために店長候補となるスタッフを探していました。
・立ち上げ期だからこそアイデアをカタチにできる面白さ
・自由度の高さと裁量の大きさ
この2点を軸に求職者へアピールし、なおかつエン転職の適性テストなどを導入して、見極め工数を削減。活躍できそうな人材を効率よく選考し、2名の採用に成功しました。
実際に掲載された求人広告と、詳しい採用状況はこちらの記事をご覧ください。
企業HPがない設立間もない会社で経験者の採用に成功
会社名 |
株式会社エポック |
設立 |
2020年 |
当時の従業員数(2021年5月時点) |
従業員数:3名 |
採用の状況 |
応募:17名 / 内定:1名 / 入社:1名 |
IT事業を行う会社で取引先は200社を超えていたものの、エンジニアが足りず案件受注できない状況だったため、ITエンジニアの経験者を探していました。
会社のホームページがない状態でしたが、求人の各項目で「株式会社エポックを選ぶ魅力」を追記し、求職者へアピール。並行して「気になる人材マッチング」というエン転職のアプローチ機能を活用し、経験者1名の採用に成功しました。
実際に掲載された求人広告と、詳しい採用状況はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
スタータップの採用で失敗しやすい理由や失敗例、採用成功のポイントなどを紹介しました。スタートアップの採用では、人員が少ないなかで効率よく適した人材を獲得するため、具体的な採用計画と作戦を練って、戦略的に採用を進めていく必要があります。
限られたリソースで人材を確保するのは難しいことではありますが、失敗しやすい理由と採用成功のポイントを理解し、「待遇以外の部分で求人を差別化して魅力づけする」などの対策を講じれば、希望する人材を獲得できるでしょう。
採用成功率を高めたいとお考えであれば、ぜひ『エン転職』をご活用ください。
『エン転職』は日本最大級となる1000万人の会員を保有する、中途採用向け求人サイトです。
スタートアップの企業にエン転職をオススメする理由は3つあります。
1.掲載順位がプランの料金だけで決まらず、「求職者とのマッチ度」も考慮されるため、お求めやすいプランでも高露出のチャンスがあるから。
2.求人の情報量がプランの料金によって左右されず、一律最大。お求めやすいプランでも充分な情報を提供できるから。
3.求人専門のディレクター・コピーライターがスタートアップの企業ならではの魅力を深掘りし、採用成功するための差別化方法まで考えて、求人を作成するから。
ご紹介した事例以外にも、エン転職は難易度が高いスタートアップの採用を支援してきた実績があります。採用でお悩みであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
▼エン転職の料金表・特徴をまとめたパンフレットは以下からダウンロードいただけます。
▼本記事をより詳細に、分かりやすく解説した「スタートアップ企業の採用成功マニュアル」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます▼
より詳細なエン転職への掲載料金や特徴一覧はこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。
▼エン転職の料金一覧表 │ 他社との違い・採用事例まで徹底解説