内定辞退者への返信方法とメール文例をケース別に紹介

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採用担当をしていると、応募者から内定辞退の連絡を受ける機会があります。内定を辞退されると「せっかく良い人材が見つかったのに逃してしまった…」と残念な気持ちになるものですが、「なんとか内定辞退を再考してもらいたい」と考える方も多いと思います。

一度内定辞退の決断をした方の意思を覆すのは簡単ではないからこそ、メール文面も慎重に検討する必要があります。また仮に、内定辞退を承諾する場合も、採用担当者は「企業の顔」として誠実な対応をしなくてはいけません。

本記事では、応募者から内定辞退の連絡があった場合に企業側がどう対応すればよいか、メールの返信方法や文例、返信する際のポイントなどを解説していきます。メールの文例は内定辞退を承諾するケースと引き留めるケースに分けて紹介しますので、ぜひお役立てください。


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目次[非表示]

  1. 1.内定辞退者へ対応するときの注意点
    1. 1.1.内定辞退者へ必ず返信する
    2. 1.2.内定辞退者の気持ちに寄り添い、感情的に返信しない
    3. 1.3.内定辞退への回答と、応募への感謝をきちんと伝える
  2. 2.内定辞退者へ返信するメールの文例&作成時のポイント
    1. 2.1.ケース1:内定辞退を承諾する場合
    2. 2.2.ケース2:内定辞退を引き留める場合
  3. 3.内定辞退を防ぐコツ
    1. 3.1.求人の文面や選考過程で「魅力づけ」する
    2. 3.2.自社の良い部分と課題の部分をあらかじめ伝えておく
    3. 3.3.内定後のフォローをきちんと行う
  4. 4.まとめ

 

内定辞退者へ対応するときの注意点

内定辞退者へ対応するときにもっとも大切な心構えは、「自社にネガティブな印象を持たれないように配慮する」ことです。以下でご紹介するポイントを守り、内定辞退者に対しても丁寧に礼儀正しく、マナーを守って接するよう心掛けましょう。


内定辞退者へ必ず返信する

応募者から内定辞退の連絡を受けたら、なるべく早めに、必ず返信するよう気を付けましょう。返信まで長時間空いたり、返信されなかったりすると、応募者が不安になってしまいます。

仕事は1日の大半を占めるので、応募者もどこの会社に入ろうか真剣に選んでいるはずです。また、最終選考まで参加したということは、途中までは入社の意思がありながらも、何か重要な事情があって内定辞退を決めたと考えられます。

真剣に考えた末、勇気を出して内定辞退の連絡をしたのに企業から返信が来ないと、「辞退の連絡が採用担当者に確認されず、このまま入社することになってしまったらどうしよう…」「企業側は迷惑だ!と怒っているのかもしれない…」と不安になってしまいますよね。

なるべく早めに返信して内定辞退者の不安を払しょくし、安心させてあげましょう。相手の不安を取り除いてあげると、好印象をもってもらえます。


内定辞退者の気持ちに寄り添い、感情的に返信しない

内定辞退の連絡を受けたとしても、辞退者を責めたり怒ったりするなどの感情的な返信をしてはいけません。内定辞退を承諾するにしても引き留めるにしても、円満に話を終えられるよう配慮し、自社に悪い印象を持たれないようにしましょう。

企業が応募者を選考するのと同様に、応募者も企業を選んでいます。「誰にでも職業選択の自由がある」「入社して、定着してもらうまでが採用活動」という気構えで応募者に接し、高圧的な態度にならないようにすることが大切です。

SNSや口コミサイトなどで個人が自由に情報を発信できる昨今。感情的な対応をすると「この会社は高圧的で悪印象だった」とネットに書き込まれてしまう恐れもあります。


内定辞退への回答と、応募への感謝をきちんと伝える

内定を辞退されたら、承諾する・引き留めるなどの辞退への回答に加えて、求人への応募や選考に参加してくれたことへの感謝を伝えましょう。

敬意を払って対応した方が、たとえ入社されなかったとしても顧客になってもらえるなど、別の場面で自社に貢献してもらえる可能性が高まるでしょう。

企業が採用活動に時間と労力をかけているのと同じように、応募者も書類作成や面接への参加など求職活動に気力体力をつかっています。その事実を忘れず、応募者とのやり取りを最後まで誠実に進めるようにしましょう。


内定辞退者へ返信するメールの文例&作成時のポイント

ここからは、内定辞退者へ返信するメールの文例とメール作成時のポイントを「内定辞退を承諾する場合」「内定辞退を引き留める場合」の2つのケースに分けて紹介します。

誠実で丁寧な返信を心掛け、企業として最後まで良い印象を保てるよう注意して対応しましょう。


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ケース1:内定辞退を承諾する場合

まずは、内定辞退を承諾する場合の文例を紹介します。



件名「内定辞退 承諾の件について」
 
●●様

お世話になっております。株式会社●●の●●です。
この度は、数ある求人の中から弊社へご応募・選考いただき
誠にありがとうございました。

弊社としても誠に残念ではございますが、
ご辞退されるとのこと、承知いたしました。

また何かの折にご縁がございましたら、
よろしくお願いいたします。

なお、これまでお預かりした履歴書等は、
当社にて責任を持って破棄いたしますので、何卒ご了承ください。

ご丁寧なご連絡へ改めてお礼を申し上げるとともに、
●●様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

―――――――――――――――――――――
●●●●●株式会社
(部署名)
(担当者名)
 
住所:(会社住所)
E-mail:●●●●●@●●●.com
携帯番号:●●●-●●●●-●●●●
代表電話:●●●-●●●-●●●●
―――――――――――――――――――――



内定辞退を承諾するときに大切なポイントは次の4点です。順に解説していきます。


 
①   メールを新規作成する

採用に関する連絡はとても重要なので、もらったメールにそのまま返信するのではなく、必ず「新規作成」して丁寧な対応を心掛けましょう。件名は相手がひと目で内容を想像できるようにわかりやすく書き、本文もわかりやすく簡潔にまとめます。
 
②   応募・選考参加への感謝を述べる

まずは数ある企業のなかから自社の求人に応募し、選考に参加してくれたことへ感謝を伝えます。今後、社員ではなく取引先などの立場で自社との関わりが生まれる可能性を考え、好印象を抱いてもらえる文面にしましょう。
 
③   「本当に残念だが辞退を承諾した」と簡潔に伝える

辞退を承諾した旨だけ書くと、やや冷たい印象になってしまいます。辞退を承諾する場合は、「弊社としては本当に残念だが、あなたの意思を尊重して内定辞退を承諾します」という姿勢でメールを書きましょう。応募者への配慮ができているという印象をもたせることにもつながります。
 
④   選考で得た情報を適切に破棄する旨を伝える

選考では履歴書や職務経歴書など、多くの個人情報を取り扱います。選考で得た情報を適切に処理すると書かれていると、応募者は安心できるでしょう。「情報管理が適切で、きちんとしている企業だな」という印象づけにもなります。

ケース2:内定辞退を引き留める場合

つぎに、内定辞退を引き留める場合の文例を紹介します。



件名「内定辞退 再検討のご依頼」
 
●●様

お世話になっております。株式会社●●の●●です。
この度はご丁寧にご連絡をいただき、ありがとうございます。

恐れ入りますが、ご辞退された理由ついて、
もう少し詳しくご教示いただけますでしょうか。

弊社としては、ぜひ●●様と共に働きたいと考えており、
待遇や条件に関してご希望がありましたら、
可能な限り調整したいと思っております。

ご検討いただける余地がございましたら、
再度お話する機会をいただきたく、
ご都合のよい日程をいくつかご連絡いただけますと幸いです。

ご来社いただくかweb会議、もしくはお電話など、
●●様のご都合の良い方法でかまいませんので、
お話できる日程を教えていただければと思います。

お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――――――
●●●●●株式会社
(部署名)
(担当者名)
 
住所:(会社住所)
E-mail:●●●●●@●●●.com
携帯番号:●●●-●●●●-●●●●
代表電話:●●●-●●●-●●●●
―――――――――――――――――――――



内定辞退を引き留めるときに大切なポイントは次の4点です。順に解説していきます。


 
①   メールを新規作成する

内定辞退を引き留める場合も、必ず「新規作成」してメールを送りましょう。件名と本文どちらもわかりやすく簡潔にまとめ、少しでも応募者を引き留められるよう迅速な対応を心掛けます。
 
②   内定辞退を連絡してくれたことへ感謝を述べる

世の中には内定辞退の連絡をせずに音信不通となってしまう人もいます。まずは「企業に辞退の連絡をする」という誠実な対応への感謝を述べましょう。
 
③   辞退の理由を丁寧にうかがう

内定辞退には必ず何らかの理由があるはずです。内定を辞退した人の意見から、自社の改善点が見えてくる場合があるので、辞退理由をやんわりとうかがってみましょう。

ただしメールでも対面でも、辞退者をしつこく問い詰めてはいけません。教えてもらえなかった場合は、素直に引き下がりましょう。
 
④   面談の機会をもらえないか交渉する

「ぜひ一緒に働きたいと思っている」というウェルカムな姿勢を見せて、再度面談の機会をもらえないか交渉します。同時に「希望や意見を聞いて、譲歩できる部分はなるべく譲歩する」と企業から歩み寄る姿勢を示すことで、内定を辞退するかどうか再考してもらえる可能性が高くなります。

内定辞退を申し出た企業へ直接出向くのは気が引けるかもしれないので、面談の方法はいくつか候補を挙げて相手に選んでもらいましょう。


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内定辞退を防ぐコツ

最後に、内定辞退を防ぐためのコツを3つ紹介します。昨今の採用市場は売り手市場(求職者に有利な市場)になっているので、求人に掲載する情報や選考方法などに「入社したくなるような工夫」が必要です。
 
求職者に自社を選んでもらえるよう多角的に工夫していくと、内定辞退を防ぎやすくなるでしょう。内定辞退を防ぐコツについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


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求人の文面や選考過程で「魅力づけ」する

求人の文面や面接などの選考過程で「この人たちと一緒に働きたい!」「この仕事をやってみたい!」と思ってもらえるような魅力づけをすると、応募者から選ばれやすくなります。企業の魅力とは、給与や労働時間などの待遇面だけではありません。

・仕事を通してどう成長できるのか
・仕事を通して周りからどんな評価が得られるのか

など、いろいろな魅力があるので、自社の魅力は何か深掘りして考えてみましょう。

また、選考過程で応募者の悩みや不安な気持ちに寄り添い、採用担当者がメンター的な存在となって信頼度を高めることも、企業の魅力の1つとなり得ます。

採用担当者を通して企業のファンとなってもらい、選考が進むにつれて応募者の気持ちが入社に向かって盛り上がるような演出ができると、内定辞退を回避できる可能性が高くなるでしょう。


自社の良い部分と課題の部分をあらかじめ伝えておく

求人の文面でも面接などの説明でも、自社の良い部分と課題となる部分を、あらかじめ正直に求職者へ伝えておきましょう。自社の良い部分ばかりをピックアップして伝え、課題となる部分を隠してしまうと、企業と求職者の間に認識のミスマッチが起こる恐れがあるためです。

自社の課題となる部分はネガティブな内容が多いもの。しかし、ネガティブな内容をあえて伝える方が信頼につながりやすいほか、「求人で書いてあった情報と面接で聞いた話に乖離があった」などの不信感が生じる状況を防ぎ、内定辞退を回避する効果もあります。

また、最初から良い部分と課題となる部分をどちらも理解したうえで入社した方が、良い部分しか知らない状態で入社するより、入社後の定着率も高くなるでしょう。


内定後のフォローをきちんと行う

応募者へ内定通知を出したあとにも、きちんとフォローを行うことで、内定辞退を防ぎやすくなります。たとえば、以下のようなフォローがおすすめです。

・社内見学の機会をつくる
・内定者同士の懇親会を行う
・内定後にカジュアルな面談の場を設ける
・内定後も気軽に採用担当と連絡をとれるようにしておく

内定をもらった人が、入社までの間に抱える疑問や不安を解消し、安心できる環境を整えてあげましょう。誠実な対応は他社との差別化にもつながるので、内定通知後も丁寧にフォローしておくことで、応募者から選ばれやすくなります。


まとめ

内定辞退の連絡に返信するときは、「企業の顔である」という自覚をもち、誠実で丁寧な対応をすることが大切です。

応募者は入社しなかったとしても今後お客様として取引する可能性があるほか、交渉によっては内定辞退を取り消して入社してくれる場合もあるため、くれぐれも失礼のないように接しましょう。

また、内定辞退が発生したら、可能な範囲で理由をうかがうことをおすすめします。自社の至らない部分を客観的な意見をもとに見つめなおし、改善する手立てになるからです。

自社の採用課題を改善し、応募者から選ばれる工夫をしていくと、内定辞退を防げるでしょう。



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求人で「この会社に入社したい!」という意欲を醸成することで、内定辞退を軽減することが可能です。また、応募を集めることはもちろん、内定辞退を防止する対策もプロが一緒に考えさせていただきます。


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