【企業向け】面接後の辞退が起こる原因と10個の防止対策
少子高齢化により労働人口が減少しているため、採用市場は求職者に有利な「売り手市場」となっています。採用市場が売り手市場化すると、求職者の選考辞退や内定辞退が増えやすくなるため、企業としては辞退防止の対策を講じる必要があります。
本記事では、採用選考で面接後の辞退を防止する対策について解説します。面接後の辞退が起こる主な原因と、10個の防止策を紹介しますので、ぜひ選考時にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.面接後の辞退が起こる主な原因
- 1.1.面接での説明内容と求人情報に齟齬があった
- 1.2.他社で選考通過した・内定が出た
- 1.3.社内の雰囲気が悪かった
- 1.4.面接官の態度や対応が悪かった
- 2.面接後の辞退を防止する10個の対策
- 2.1.求人情報と面接での説明内容に乖離をなくす
- 2.2.一次面接で応募者から他社の選考状況を聞き出す
- 2.3.求職者が来社した際の対応方法を社員に周知する
- 2.4.面接官へマナー研修を行なう
- 2.5.面接前にメールや電話で応募者へ連絡する
- 2.6.面接で自社を魅力づけして応募者を惹きつける
- 2.7.面接で入社後の雰囲気を具体的に伝える
- 2.8.面接で自社の良い点と課題点をどちらも伝える
- 2.9.面接で応募者の疑問・悩み・不安を解消する
- 2.10.面接後のアフターフォローを丁寧に行なう
- 3.まとめ
面接後の辞退が起こる主な原因
面接後の辞退を防止するにあたり、原因を把握しておく必要があります。まずは、面接後の辞退が起こる主な原因を4つ解説します。
以下のグラフは、日本最大級の中途採用向け求人サイト「エン転職」のユーザーに行なったアンケート調査の結果です。「転職活動で面接後に辞退したことがある」と回答したユーザーに対して、その理由を聞いたところ、以下のような結果となりました。
出典:エン転職 アンケート集計結果 第98回「選考辞退」について
回答の上位となっている4つの理由について、詳しく解説します。
面接での説明内容と求人情報に齟齬があった
エン転職のユーザーに行なったアンケート調査では、「求人情報と話が違った」が1位となっています。求人に記載されていた情報と面接で聞いた説明に齟齬があると、求職者が企業に不信感を覚え、辞退につながってしまうのです。
アンケートには、以下のような声が寄せられていました。
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求人情報と面接での説明に齟齬があると、求職者から辞退される可能性が高くなります。求人を出す段階で、公開する情報に誤りがないかよく確認しましょう。
他社で選考通過した・内定が出た
求職者は複数の求人に応募し、採用選考を並行して受けているケースが多くあります。そのため対応が遅いと、「他社で選考通過した」「他社から内定をもらった」などの理由で、自社の採用選考を辞退される可能性が高くなります。
エン転職ユーザーへのアンケート調査では、以下のような声が寄せられていました。
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採用選考の対応は、なるべく早めに行ないましょう。採用担当者が複数いる場合は、求職者の情報をスムーズに共有できるよう、連携体制を整えておくことが大切です。
社内の雰囲気が悪かった
エン転職ユーザーへのアンケート調査では、面接後に選考辞退した理由の3位に「雰囲気が悪かった」が上がっています。
面接を社内で実施する場合、求職者が受付や廊下などで面接官以外の社員と接することもあるでしょう。社員の対応が悪いと、「入社後もぞんざいな扱いを受けるのではないか」と不信感を持たれる原因になります。
また、「労働環境が不便・不衛生」など、快適に働けない職場である場合も、求職者が不安を感じて選考辞退につながります。アンケート調査では、企業の対応や雰囲気について、以下のような声が寄せられていました。
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面接官の態度や対応が悪かった
面接官は求職者にとって「企業の顔」です。面接官の態度や対応は、企業イメージに直結しやすいため、求職者の辞退率に強く影響します。
エン転職ユーザーへのアンケート調査でも、「面接官の態度や対応が悪かった」という辞退理由が上位になっていました。具体的なエピソードとしては、以下のような声が寄せられています。
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面接を実施するときは、求職者に誠実な対応をするよう心がけましょう。面接官として好印象な態度をとるだけでなく、不適切な質問をしないよう注意する必要があります。
面接後の辞退を防止する10個の対策
ここからは、面接後の辞退を防止する10個の対策を紹介します。すぐに実施できる対策もありますので、選考時にぜひお役立てください。
求人情報と面接での説明内容に乖離をなくす
前述したように、求人に記載されていた情報と面接で聞いた説明に齟齬があると、求職者が企業に不信感を持ってしまいます。選考辞退を防止するには、求人情報と面接で行なう説明内容の乖離をなくすことが重要です。
特に、業務内容や待遇に関する情報に乖離があると、不信感が強くなります。求職者の生活に関わる重要な項目であるため、伝えるべき情報を求人上で誠実に開示しましょう。
一次面接で応募者から他社の選考状況を聞き出す
「他社で選考通過した/内定が出た」という理由で辞退されるのを防ぐため、なるべく一次面接の時点で、応募者から他社の選考状況を聞き出しましょう。他社の選考スケジュールがわかれば、それよりも早く対応することで人材を取られずに済みます。
また、応募者が他社の選考状況を正直に申告するとは限らないため、「他社の選考は受けていない」と回答された場合も、二次面接の案内や内定出しは速やかに行ないましょう。
自社の結果通知を待っている間に、他社で興味深い求人を見つけて応募してしまう可能性もあります。選考の対応はなるべく迅速に行ない、人材を取り逃がさないようにしましょう。
求職者が来社した際の対応方法を社員に周知する
求職者にとっては「社員のイメージ=企業のイメージ」となるケースが多いものです。アンケート調査の結果にあったように、面接官以外の社員の対応や雰囲気も、求職者の志望度に強く影響します。
求職者が面接で来社したり、選考について電話したりした際の対応方法を全社員に周知し、好印象を残せるようにしましょう。接した社員の対応や社内の雰囲気が良ければ、「この会社で働きたい」と思ってもらえる可能性が高くなります。
面接官へマナー研修を行なう
面接官のイメージも企業イメージに直結しやすいため、良い印象を持ってもらえるよう丁寧に対応しましょう。
面接官のなかには、採用市場が求職者に有利な「売り手市場」となっていることを理解できず、「企業側が選ぶ立場」と古い感覚のまま高圧的な態度をとってしまう人もいます。また、法令で禁止されている不適切な質問を行ない、求職者を不快にさせるケースもあります。
面接官の対応が原因で辞退されるのを防ぐには、マナー研修などの教育プログラムが必要です。研修を行なって面接官の対応が改善されれば、面接後の辞退率が低下するでしょう。
なお、面接官が好感度を高めるポイントや、面接でしてはいけないNG質問については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、採用面接を行なうときの参考にしてください。
▼面接官の態度で気をつけることは? 応募者からの好感度を高める4つのポイント
▼【質問例つき】面接で聞いてはいけないこととは? 令和の時代で禁止されている質問例を紹介!
面接前にメールや電話で応募者へ連絡する
「応募者から二次面接前にドタキャンされてしまった」などの状況でお困りの場合は、面接前日にメールや電話でリマインドするとよいでしょう。面接日程を応募者へ改めて通知することにより、ドタキャン防止につながります。
また、面接日程に関する連絡をするときは、面接官の情報をあわせて伝えると効果的です。面接官の氏名や役職、パーソナリティなどの情報を応募者へ事前に与えておくと、不安感が軽減され、辞退を防止しやすくなります。
なお、面接のリマインドメールについては、以下の記事で詳しく解説しています。メールテンプレートも掲載していますので、ぜひお役立てください。
▼【採用担当者向け】面接案内メールの書き方とマナー。未返信と辞退を防ぐポイントとは?
面接で自社を魅力づけして応募者を惹きつける
面接で自社を魅力づけして、応募者を惹きつけることも辞退防止につながります。面接官になると、つい一方的に応募者を評価してしまいがちですが、面接は本来「応募者と企業がお互いに理解を深める場」です。
企業側が応募者を評価するように、応募者も企業側をさまざまな角度から評価しています。面接の質疑応答を通して、「応募者が企業や仕事に求めること」を聞き出し、自社がそのニーズに応えられる企業である旨をアピールしましょう。
たとえば、応募者のキャリアプランや目標について質問し、「あなたのやりたいことは自社で達成できます」と伝えられれば、志望度アップにつながります。面接は応募者を見極める場であると同時に、自社を改めて魅力づけする場でもあることを意識して対応しましょう。
面接で入社後の雰囲気を具体的に伝える
求職者に対して、面接で入社後の雰囲気を具体的に伝えることも、辞退防止につながります。たとえば以下のような情報を与えると、「入社後どのような生活になるのか」をイメージしやすくなるため、求職者が安心できるでしょう。
- 入社後の具体的な働き方
- 配属予定の部署の雰囲気
- 一緒に働く先輩社員の雰囲気
安心感は入社意欲を高める効果があります。求職者から「ここで働いてみたい」と思われる可能性が上がるので、面接後の選考辞退を防止できるでしょう。
面接で自社の良い点と課題点をどちらも伝える
面接で自社について説明するときは、優れた部分だけでなく、課題点も正直に開示したほうが「透明性の高い誠実な企業」という良いイメージにつながります。
どれほど優秀な企業であっても、必ず課題点はあるものです。自社の良い点ばかり伝えてしまうと、逆に信頼度が下がってしまうので、現状をきちんと説明しましょう。
また、ネガティブな情報は一次面接のときなどに、早めに伝えたほうがよいでしょう。選考が進んでから伝えるよりも、早い段階で伝えたほうが、最終選考前や内定通知前といった採用の最終段階で辞退されることを防げます。
面接で応募者の疑問・悩み・不安を解消する
面接で応募者の疑問や悩み、不安を解消すると辞退防止につながります。面接中に応募者から面接官へ質問する時間を設けて、入社前の疑問や不安を解消しましょう。
応募者からの質問に回答するときは、不安な気持ちに寄り添うことが大切です。たとえば、応募者から「業務未経験ですが問題ないでしょうか?」と質問された場合、「仕事についていけないかもしれない」と不安に感じている可能性があります。
以下のように丁寧な回答をすると、不安が払しょくされるでしょう。
- 自社の研修制度や教育システムを説明する
- 独り立ちするまでのプロセスを丁寧に説明する
- 同じように未経験で入社した先輩社員の現在の様子を話す
応募者の不安に寄り添い、丁寧な回答をすることにより、安心感が醸成されて入社意欲がアップします。面接を通して、入社にあたっての疑問・悩み・不安を解消できるようにしましょう。
面接後のアフターフォローを丁寧に行なう
面接終了後のアフターフォローを丁寧に行なうことも、辞退防止策のひとつとして効果的です。求職者は選考中、さまざまな不安を感じてしまうもの。企業への不安感が強くなると、「他社のほうが採用される可能性が高いかもしれない」と考え、辞退につながってしまいます。
たとえば「面接官の対応がドライで、どう思われたかわからない…」と強い不安を感じると、自信の無さから辞退されやすくなります。この人材を採用したいと感じたときは、面接の場で「あなたの経験をぜひ弊社で活かしていただきたい」などの感想を率直に伝えたほうがよいでしょう。
なお、選考辞退を防ぐ方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。「面接前の辞退も多く悩んでいる」という方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
▼選考辞退にもう悩む必要なし!辞退を防ぐ方法を紹介(事例付き)
まとめ
面接後の辞退が起こる主な原因と、10個の防止策について解説しました。面接後の辞退が起こる主な原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 面接での説明内容と求人情報に齟齬があった
- 他社で選考通過した・内定が出た
- 社内の雰囲気が悪かった
- 面接官の態度や対応が悪かった
辞退を防止するには、上記の要因を払しょくする必要があります。特に、求人情報の内容と面接での説明に乖離があると、辞退率が非常に高くなるので注意しましょう。
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掲載できる情報量が多いため、求人情報と面接での説明内容に齟齬が生じにくくなります。企業や仕事の魅力づけも十分に行なえるため、入社意欲を高めやすく、辞退防止につながるでしょう。
面接後の辞退にお悩みの方は、以下のエン転職お問い合わせ窓口より、ぜひお気軽にご相談ください。
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