リクルーターとは|役割やメリット、選出基準、導入方法を解説

「リクルーター」のイメージ画像


近年は少子高齢化による労働人口の減少などが影響し、企業の採用難が続いています。こうした状況を打破し、自社に適した人材を採用するため、「リクルーター」を選出して求職者へ能動的にアプローチする企業が多くなっています。
 
本記事ではリクルーターについて徹底解説。リクルーターの役割や選出基準、リクルーター制度の導入方法などを紹介します。
 
「採用活動の成功率を上げたい」「リクルーター制度が気になっているが、どう始めたらよいかわからない…」とお悩みの方は、本記事を参考にリクルーターを選出してみてください。


目次[非表示]

  1. 1.リクルーターとは?
    1. 1.1.リクルーター制度
    2. 1.2.リクルーター面談
  2. 2.リクルーターの役割
    1. 2.1.母集団形成
    2. 2.2.企業の魅力づけ・入社意欲の形成
    3. 2.3.企業への理解促進
    4. 2.4.情報収集・採用したい求職者を選定
    5. 2.5.入社までのサポート・囲い込み
    6. 2.6.内定者フォロー
  3. 3.リクルーターのメリット
  4. 4.リクルーターのデメリット
  5. 5.リクルーターを選出する基準
    1. 5.1.新卒採用の場合
    2. 5.2.中途採用の場合
  6. 6.リクルーター制度の導入方法
    1. 6.1.制度と体制を整える
    2. 6.2.リクルーターを選出する
    3. 6.3.リクルーターを育成する
    4. 6.4.リクルーター制度を開始する
  7. 7.リクルーター面談の注意点
    1. 7.1.リラックスして話せる雰囲気をつくる
    2. 7.2.誠実で丁寧な対応を心がける
    3. 7.3.コンプライアンスを守る
  8. 8.まとめ


リクルーターとは?

リクルーターとは、企業の採用活動を担当する人のこと。採用活動の成功率を上げるため、
企業と求職者の間に入り、求職者と直接コミュニケーションをとって、面談や採用候補者の推薦などを行ないます。
 
自社の社員をリクルーターとして選出する場合もあれば、外部業者にリクルーターを依頼する場合もあります。
 
自社の社員からリクルーターを選出する場合、どのような社員を選ぶかは企業によりさまざまです。新卒採用と中途採用で、担当社員を変更する企業も多くあります。


リクルーター制度

リクルーター制度とは、自社から選出または外部業者へ依頼したリクルーターを活用し、採用活動を遂行する制度のことです。リクルーターは求職者へ直接アプローチし、企業の魅力づけや母集団形成などを行ないます。
 
採用したい人材を見つけた場合は、早い段階で面談などをとりつけて囲い込みを行ない、良い人材が競合他社へ流れてしまうのを防ぎます。


リクルーター面談

リクルーター面談とは、求職者とリクルーターが面談をすることです。多くの場合、採用面接のようにかしこまった形式ではなく、雑談やグループワークのような形式で、リラックスした雰囲気のなか実施されます。
 
リクルーター面談は企業にとって、リクルーターを通して求職者の本音・本心を聞ける貴重な機会です。また、リクルーターが自社のリアルな一面を求職者へ伝えることで、求職者も企業への理解を深められるメリットがあります。


リクルーターの役割

リクルーターの具体的な役割を6つ解説します。採用活動のうち、どこまでの業務を担うかは企業の方針により異なりますが、ここでは一般的な役割を紹介します。


母集団形成

母集団形成とは、企業が自社の求人に応募してくれる人材や、採用候補となる人材を集めることです。母集団形成をしっかり行なっておくと、採用成功率の向上やミスマッチの防止に役立ちます。
 
求職者と直接コミュニケーションをとるリクルーターは、採用活動において母集団形成を担います。企業説明会に同行し、参加してくれた求職者をフォローするなどして、採用候補となる人材を集めるのです。
 
母集団形成の具体的な方法や手順については、以下の記事で詳しく解説しています。効率的な母集団形成の方法を知りたい方は、ぜひご覧ください。
 
▼採用は母集団形成がカギ! 効率的にターゲットを獲得する方法とは

  採用は母集団形成がカギ! 効率的にターゲットを獲得する方法とは 採用活動を効率的に進めるには、自社のターゲット層に合致する応募者が多く含まれた母集団を形成することが重要です。この記事では、採用の母集団形成を行う方法とポイント、母集団形成に成功した事例について解説します。 エン・ジャパン株式会社


企業の魅力づけ・入社意欲の形成

リクルーターは面談などを通して企業を魅力づけし、求職者の入社意欲を形成します。自社の魅力や仕事の魅力を求職者へ伝えて、選考参加や内定承諾へつなげる役割があるのです。
 
求職者の志向性をヒアリングし、それに応じた自社の魅力を伝えることで興味関心を高めます。また、新卒採用のように内定から入社まで時間がかかる場合は、内定者と定期的に連絡を取ってフォローし、内定辞退を防ぎます。
 
求職者へ企業の魅力を伝えるためには、どんな魅力があるのか洗い出しておくことが大切です。魅力の洗い出し方や考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。
 
▼会社の魅力を効果的に伝える方法とは? 魅力の考え方・洗い出し方も解説

  会社の魅力を効果的に伝える方法とは? 魅力の考え方・洗い出し方も解説 本記事では、会社の魅力をどう伝えるか悩んでいる方向けに、「会社の魅力になる要素・会社の魅力を明確にする方法・会社の魅力を上手に伝える方法」などをまとめました。自社の魅力を明確化して求職者へ伝え、スムーズな採用活動につなげていきましょう。 エン・ジャパン株式会社


企業への理解促進

求職者が企業への理解を深められるようフォローするのも、リクルーターの役割です。リクルーター面談などを実施し、求人情報や企業サイトを見るだけではわからない自社の魅力や課題点、今後の目標、ビジョンなどを求職者へ伝えます。
 
自社の良いところだけでなく、課題点もあえて伝えることで、求職者が企業への理解をより深められるようになります。結果的に「思っていた会社と違った…」などの理由で選考辞退・内定辞退されるのを防ぎやすくなり、入社を促進する効果が期待できるでしょう。


情報収集・採用したい求職者を選定

リクルーターの最終的な目標は、企業に適した人材を確保することです。下記のような方法で求職者の情報を収集し、採用したい人材を自社に惹きつけ、選定しやすい環境をつくることが、重要な業務のひとつとなります。

  • 同業他社の採用情報などをチェックし、競合の状況を観察する
  • 企業説明会や面談などで求職者と直接コミュニケーションをとる
  • ソーシャルメディアやニュースをチェックし、求職者の動向を調査する
  • 厚生労働省などの公的機関から発表される採用に関する情報を確認する

求職者の動向を積極的に調査し、採用したい人材を惹きつけるためにはどのようなアプローチが効果的か、戦略を練ります。その後、求職者と接点を持つなかで良さそうな人材を選定し、採用選考に進むよう促したり、人事部へ採用候補者の推薦を行なったりします。


入社までのサポート・囲い込み

採用したい人材が選定できたら、入社までのサポートを実施し、採用候補者が他社へ流れてしまわないよう囲い込みます。リクルーターが採用候補者と定期的にコンタクトをとり、選考や入社に対する不安・疑問を解消する機会をつくるのが一般的です。


内定者フォロー

リクルーターは、候補者が無事内定したら、内定者フォローも行ないます。内定者が入社にあたって不安に感じていることなどをヒアリングして解消したり、職場見学の機会を設けたりして、安心感・信頼感を醸成します。
 
具体的な内定者フォローのやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。代表的な手法7つに加えて、フォローのポイントなども紹介していますので、ぜひご覧ください。
 
▼内定者フォローで内定辞退を防ぐ! フォロー内容やポイントを解説

  内定者フォローで内定辞退を防ぐ! フォロー内容やポイントを解説 本記事では内定者フォローの一般的な流れや、よくあるフォロー内容、内定者フォローで大切なポイントについて解説します。適切な内定者フォローを行ない、内定辞退を防ぎましょう。 エン・ジャパン株式会社


リクルーターのメリット

リクルーターを自社で選出または外部業者へ依頼するメリットは、以下の通りです。

  • 求職者の志向を詳しく把握できる
  • 企業側と求職者の相互理解を深められる
  • 企業に適した人材を早い段階で囲い込める
  • 求職者の入社意欲を醸成し、志望度を向上できる

リクルーターは、求職者とコミュニケーションをとる機会が多い役割です。リクルーター面談などの活動を通して求職者を囲い込み、志向性を詳しく把握できるほか、企業側と求職者の相互理解を深め、ミスマッチを防止しやすくなるメリットもあります。
 
また、定期的にコミュニケーションをとって求職者の入社意欲を醸成し、志望度を向上させることができれば、選考辞退や内定辞退を防止できる可能性も高くなるでしょう。
 
人的リソース不足により、自社の社員からリクルーターを選出するのが難しい場合は、業務を外部業者へ依頼するのもひとつの手です。採用業務の外部委託については、以下の記事で解説しています。興味のある方は、ぜひあわせてご覧ください。
 
▼RPOとは? 委託できる業務内容やメリット・デメリットなどを徹底解説

  RPOとは? 委託できる業務内容やメリット・デメリットなどを徹底解説 RPOとは、採用業務を外部業者へ委託できるサービスのこと。本記事ではRPOについて、依頼できる業務内容やメリット・デメリットを解説します。RPOに採用業務を依頼するときの流れや、ポイントなどもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。 エン・ジャパン株式会社


リクルーターのデメリット

リクルーターを自社で選出または外部業者へ依頼するデメリットは、以下の通りです。

  • リクルーター制度を導入するためのコストがかかる
  • リクルーターを社内で選出する場合、担当社員の業務負担が増える
  • リクルーターの対応が企業のイメージダウンにつながる恐れがある

リクルーター制度を導入するにあたり、金銭的・人的コストがかかります。

社内でリクルーターを選出する場合は、担当社員が普段の仕事と並行して採用業務を進めることになるため、業務負担が大きくなるでしょう。担当社員が両方の業務に問題なく取り組めるよう、サポート体制を構築しておくことが大切です。
 
また、リクルーターは求職者からすると、企業の窓口となる存在です。リクルーターの対応の良し悪しが、企業の印象に直結するため、不誠実な言動はしないよう注意する必要があります。


リクルーターを選出する基準

ここからは、リクルーターを自社の社員から選出するときの基準について解説します。


新卒採用の場合

新卒採用の場合は、以下のような特徴をもつ社員をリクルーターに選ぶのがおすすめです。

  • 学生と年齢が近い若手社員
  • コミュニケーション能力が高く誠実な性格
  • 自社の事業や社風への理解が深く、仕事のパフォーマンスが良い

新卒採用の場合、リクルーティングの対象となるのは学生です。ベテランの社員よりも若手社員の方が、年齢が近いこともあり、リラックスして話せるでしょう。
 
また、年齢が近い社員と接する方が、入社後の様子をイメージしやすくなるメリットもあります。学生へ誠実かつフレンドリーな対応ができる若手社員を選ぶとよいでしょう。


中途採用の場合

中途採用でリクルーターを選出する場合は、採用したい人材によって、担当社員を変更するのがおすすめです。

 
▼未経験可の求人で20~30代の若手人材を採用したい場合

  • 年齢が近い若手~中堅の社員
  • コミュニケーション能力が高く誠実な性格
  • 募集業務への知識と経験があり、仕事のパフォーマンスが良い

 
▼中途採用で即戦力となれる業務経験者を採用したい場合

  • 募集業務の知識と経験が豊富な中堅~ベテランの社員
  • コミュニケーション能力が高く誠実な性格
  • 自社の理念や社風、事業への理解も深く、高い実績を残している


いずれにしても、求職者と適切なコミュニケーションをとり、誠実に対応できる能力は必須です。また中途採用の場合は、リクルーティングの対象がすでに社会経験のある人材なので、新卒採用よりも高度で専門的な質問に答えられる社員を選出する必要があります。


リクルーター制度の導入方法

続いて、リクルーター制度の一般的な導入方法を手順に沿って解説します。


制度と体制を整える

まずは自社の採用計画に沿って、リクルーター制度を構築する必要があります。自社の採用計画を立てたら、以下のような項目を定めましょう。

  • リクルーターの人数
  • リクルーターが採用する人材の人数
  • リクルーターを社員から選出するか、または外部業者へ依頼するか

リクルーターを社員から選出する場合は、担当社員が採用業務をスムーズに進められるよう、サポート体制を整える必要があります。また、リクルーターを複数用意する場合は、人によって対応の精度にバラつきが出るのを防止するため、マニュアルやガイドラインを作成するとよいでしょう。


リクルーターを選出する

続いて、リクルーターを選出します。自社の社員に担当してもらうときは、社員の人柄や実績などを総合的に評価して人選します。前述した「リクルーターを選出する基準」の見出しを参考に、適切な人材を選びましょう。


リクルーターを育成する

自社の社員からリクルーターを選出する場合は、基本的に担当者の育成が必要となります。外部業者へ依頼するときは、採用のプロがリクルーターを担ってくれますが、自社の社員は採用業務に慣れている人ばかりではないからです。
 
普段は全く別の業務を担当している社員が、リクルーターを兼務するケースも多いでしょう。その場合は、リクルーターをするうえでの心構えや、具体的なノウハウを研修などによって学んでもらう必要があります。


リクルーター制度を開始する

リクルーターの選出・育成が済んだら、リクルーター制度を開始します。リクルーターが実際に求職者とコミュニケーションをとり、動向調査や企業の魅力づけなどを行なっていきます。
 
求職者とのやりとりは、基本的にリクルーターが中心となって実施することとなりますが、採用活動をすべて担当者に丸投げするのは避けましょう。
 
リクルーター担当の上長や、人事部などの関連部署と定期的にミーティングを行ない、進捗状況を共有したり、リクルーターが感じている疑問・不安を解消する機会を設けたりすることが大切です。リクルーターに寄り添うことで、採用活動がスムーズに進められます。
 

リクルーター面談の注意点

リクルーターは面談を通して、求職者の志向性を把握したり、入社意欲を醸成したりします。リクルーター面談を実施するときは、以下の3点に気を付けましょう。


リラックスして話せる雰囲気をつくる

リクルーター面談は、採用面接とは主旨が異なります。面談の主旨は、求職者の合否を決めることではなく、企業と求職者が情報交換を行なって相互理解を深めることです。求職者がなるべくリラックスできる雰囲気をつくり、就職活動や企業に対する率直な意見を話せるようにしましょう。
 
面談と面接の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。それぞれのポイントも解説していますので、あわせてご覧ください。
 
▼面接と面談の違い|それぞれの目的やメリット、成功させるポイント

  面接と面談の違い|それぞれの目的やメリット、成功させるポイント 本記事では面接と面談について、それぞれの違いを解説します。「目的とメリット、よくある形式、一般的な進め方、成功させるポイント」を解説しますので、採用活動にお役立てください。 エン・ジャパン株式会社


誠実で丁寧な対応を心がける

求職者に対して、常に誠実で丁寧な対応をするよう気を付けましょう。リクルーター面談をやってみると、求職者と話していくうちに「想像していた人材と違うな」「意外と採用基準に達していなかったな…」と感じる場面もあるかもしれませんが、相手をないがしろにしてはいけません。
 
リクルーターと同じように、求職者も面談のため時間を割いています。求職者に対する感謝を忘れず、きちんとした対応を行ないましょう。


コンプライアンスを守る

リクルーター面談を行なうときは、コンプライアンスを守りましょう。リクルーターは、求職者にとって企業の顔となる存在です。コンプライアンスをきちんと守らなければ、企業のイメージダウンにつながる恐れがあります。
 
法律を守るだけでなく、社会規範から逸脱しない言動を心がけましょう。リクルーターがきちんとコンプライアンスを守った言動を行なえば、「人材を大切にする倫理観のしっかりした企業」というポジティブなイメージを求職者に与えられるでしょう。


まとめ

リクルーターの役割や選出基準、リクルーター制度の導入方法などを解説しました。リクルーターには「求職者の志向を詳しく把握できる」「企業側と求職者の相互理解を深められる」などのメリットがあります。
 
リクルーター制度の構築と、採用活動の体制整備をきちんと行ない、適した人材を選出すれば、採用したい求職者を早い段階から囲い込めるようになるでしょう。


とはいえ、「リクルーター制度に興味はあるけど、採用成功させられるか不安」「社内にリクルーター制度を運用する人的リソースがない…」とお悩みの企業も多いでしょう。
 
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