内定者フォローの内容とイベント例、内定辞退を防ぐポイントも解説
採用した人材が、入社前に内定辞退してしまうのを防ぐため、いかに内定者をフォローするかが重要視されています。しかし、具体的にどのような方法で内定者をフォローすればよいのか、判断に迷う方も多いでしょう。
本記事では内定者フォローの一般的な流れや、よくあるフォロー内容、内定者フォローで大切なポイントについて解説します。適切なフォローを行なって内定辞退を防ぐため、ぜひ本記事をお役立てください。
目次[非表示]
- 1.内定者フォローとは?
- 2.内定者フォローが重要である理由
- 3.内定者フォローの一般的な流れ
- 4.内定者フォローのよくある内容やイベント例
- 4.1.個別面談
- 4.2.内定者懇談会
- 4.3.座談会
- 4.4.内定者のコミュニティーをつくる
- 4.5.社内見学・職場体験
- 4.6.社内報の送付
- 4.7.社内イベントへの招待
- 4.8.オンライン研修・通信教育・eラーニング
- 4.9.研修合宿
- 5.内定者フォローで大切なポイント
- 5.1.定期的に連絡する
- 5.2.内定者同士で交流する機会をつくる
- 5.3.社員とコミュニケーションをとる機会をつくる
- 5.4.業務内容をオープンにする
- 5.5.働く準備を整えられるようにする
- 6.まとめ
内定者フォローとは?
内定者フォローとは、企業が内定を出した人材に対して行なうフォロー施策のこと。内定者フォローを行なう主な目的は、以下の通りです。
- 内定者の辞退を防止する
- 入社までの準備をスムーズに進める
- 内定者の入社や業務へのモチベーションを上げる
内定者フォローの代表的な施策には、内定者懇談会や社内見学、内定者研修などがあります。入社時期や内定者の状況に応じて、フォロー施策の内容を決めるとよいでしょう。
内定者フォローが重要である理由
近年、内定者フォローは内定辞退を防ぐため、非常に重要であるとされています。内定者フォローが重要視されている主な理由は、以下の2つです。
採用市場が「売り手市場」であるため
日本社会は現在、少子高齢化により労働人口が減少しています。基本的にはどの業界も、ひとりの人材を複数の企業が取り合う状況となっており、企業同士の人材獲得競争が激化しているため、採用市場は求職者に有利な「売り手市場」であるといえます。
採用市場が売り手市場となっているなかで、自社に適した人材を確保するためには、「求職者から選ばれる企業になる」必要があります。競合他社との採用競争に勝ち、求職者から選ばれる企業になるために、内定者をフォローアップする施策が重要視されているのです。
入社するか否かの主導権が求職者側にあるため
採用市場が現在ほど売り手市場でなかったころは、入社するか否かを決める主導権が企業側にあったため、基本的に「企業が内定を出せば、人材が入社してくれる」という状況が当たり前でした。
しかし現在は、ひとりの求職者が複数社から内定を出されるケースも増えているため、企業が内定を出したからといって、必ず入社してもらえるとは限りません。つまり現在は、入社するか否かの主導権が求職者側にある状態といえます。
内定後から入社までの間も定期的にフォローしてくれる企業と、内定者に対して何もフォローしない企業では、どちらが求職者から選ばれやすいかは明白です。
入社までのフォロー体制の有無で、企業の印象が左右されるため、内定者フォローを積極的に実施して辞退を防いだほうがよいでしょう。
内定者フォローの一般的な流れ
内定者は一般的に、以下のような不安を抱えています。
「会社の内情がわからない。求人と実際の待遇に相違はないだろうか?」
「人間関係がわからなくて不安。きちんと職場に馴染めるだろうか?」
「自分のスキルで、業務にきちんと対応できるか不安…」
内定者が抱えがちな不安を解消して内定辞退を防ぎ、安心して入社してもらうための施策が必要なのです。内定者フォローは、一般的に以下のような流れで行われます。
順序・目的 |
概要・ポイント |
適したイベントの例 |
① 内定者の入社意思を確認 |
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② 内定者同士で連帯感を醸成 |
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③ 自社への理解促進 |
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④ 業務への理解促進 |
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⑤ 入社に向けた準備 |
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上記すべてを実施するのは、なかなか大変でしょう。社内のリソースが足りないときは「面談のみ行なう」など、部分的に実施するだけでも、内定辞退を防ぎやすくなります。
内定者フォローのよくある内容やイベント例
内定者フォローの一般的な流れがわかったところで、よくある内容やイベント例について解説していきます。下記の内容を自社に適した方法へ落とし込んで内定者フォローを行なえば、内定者の不安が解消され、入社に対する安心感をもってもらえるでしょう。
個別面談
個別面談には、内定者に来社してもらう対面形式と、ZoomなどのWeb会議ツールを使うオンライン形式があります。内定者に遠方の人が多い場合は、オンラインで行なうと、移動にかかる負担を軽減できるでしょう。
企業の担当者は適度に雑談を交えつつ、内定者から「自社へ感じている疑問」や「入社にあたっての不安」などをヒアリングしていきます。それらを解消し、内定者と少しずつ距離感を縮めながら、入社の意思を固めてもらえるようケアしましょう。
内定者懇談会
内定者が複数いる場合は、内定者同士で交流の機会をつくるケースがあります。内定者を集めてランチ会を開いたり、社内でレクリエーションを行なったりするなど、企業によって交流方法はさまざまです。
内定者懇談会では、自社の社員が業務内容や職場の雰囲気などを伝えるほか、内定者同士で親睦を深められるような企画も行ないます。同期入社となる人々とコミュニケーションをとっておくことで、内定者の孤独感や緊張感を和らげられます。
座談会
自社の社員と内定者が、リラックスしてコミュニケーションがとれる機会を設けたい場合は、座談会がおすすめです。
一般的に座談会は、話す内容やテーマをあらかじめいくつか決めておき、複数人のグループに分かれてコミュニケーションをとります。個別面談よりもカジュアルに交流できる場なので、内定者に職場の人間関係や雰囲気を伝えやすいでしょう。
座談会については、以下の記事で詳しく解説しています。座談会の準備方法や進め方、成功させるためのポイントなどを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
▼座談会とは? 開催するメリットやスムーズに進めるコツを解説
内定者のコミュニティーをつくる
内定者同士で気軽に交流できる社内コミュニティーをつくっている企業もあります。
たとえば社内SNSを構築したり、内定者フォロー専用のコミュニティーツールを活用したりして、同期入社となる内定者をひとつのグループに集め、自由に交流してもらうなどの方法があります。
同期入社する内定者同士で、気軽に情報交換できるコミュニティーを設けることにより、入社までの不安や緊張を軽減させられるでしょう。
社内見学・職場体験
内定者の「業務内容や職場の雰囲気を詳しく知りたい」というニーズに応えるため、社内見学・職場体験を実施する企業もあります。
社内見学・職場体験は、内定者が入社後に配属する部署のオフィスや工場などへ出向き、実際の仕事現場を見学してもらいます。簡単な作業を社員と一緒に行なってもらうのもよいでしょう。
先輩社員とコミュニケーションをとる機会や、従業員同士が話している現場を直接見る機会があると、職場の雰囲気を把握しやすいため、内定者の不安感が和らぐでしょう。
社内報の送付
社内報や会社案内などを内定者へ送付するケースもあります。内定者フォローのために制作したものでなくても、内定者が自社の理念や社風、業務などについて理解を深められる資料があれば、活用するとよいでしょう。
社内イベントへの招待
社内でレクリエーションのようなイベントを開催している場合は、内定者を招待するのもひとつの手です。先輩社員と内定者が、肩の力を抜いて楽しめる企画を用意し、お互いにコミュニケーションをとりましょう。
社内イベントを通して、内定者が「自分は歓迎されている」と感じられる場をつくると、入社意欲を高めることができます。「あなたと一緒に働きたいと思っている」「あなたが入社してくれるのを楽しみにしている」といったポジティブなメッセージを内定者へ伝えて、入社に前向きな気持ちをもってもらえるようにしましょう。
オンライン研修・通信教育・eラーニング
入社の時期が近付いてきたタイミングで、オンライン研修や通信教育を行なう場合があります。内容は新卒採用・中途採用・アルバイト採用などの雇用形態や、入社後に担当する業務などによって異なります。
内定者フォローとして実施するオンライン研修・通信教育によくある内容は、以下の通りです。
- ビジネスマナーなど会社員として働くうえでの基礎的な内容
- 事業内容や理念などを学び、企業理解を深める内容
- 業務に必要な専門的知識の入門編を学べる内容
オンライン研修・通信教育を入社前に行なうと、内定者が企業や仕事への理解を深められます。企業側にとっても、入社後に実施する新入社員研修の業務負担を軽減できるメリットがあります。
研修合宿
研修期間を設けて、内定者の研修合宿を行なう企業もあります。研修合宿は同期入社となる内定者同士で一緒に過ごす時間が長くなるため、相互理解や結束を深められる効果があります。
しかし入社前に内定者を長期間拘束し、厳しい内容で研修をすると、企業へ悪い印象をもたれてしまう可能性もあります。研修合宿は、期間と内容のバランスが大切です。
とくに中途採用の場合は、「ギリギリまで前職で働いているから参加できない」「前職を辞めてから次の会社へ入社する前にお休みが欲しい…」という人も多くいます。内定者に無理を強いない範囲で行ないましょう。
また、入社前の研修費用は基本的に会社が負担しなくてはなりません。研修への参加が義務の場合は、入社前であっても賃金が発生するなどのルールもあります。研修合宿について詳しいルールを知りたい方は、以下のページで紹介しておりますので参考にしてください。
▼入社前研修について、費用負担や賃金の支払いルールを教えてください。
内定者フォローで大切なポイント
内定者フォローで大切なポイントを4つ解説します。各フォロー内容を実施するうえで、以下の4点を意識しておくと、内定者をより効果的にケアできるでしょう。
定期的に連絡する
内定者をフォローする際は、メールなどで定期的に連絡することがとても重要です。内定を出したからといって長期間放っておいてしまうと、「このまま入社まで何の連絡もないのかな…」「入社前に確認しておきたいことがあるのにどうしよう…」と内定者の不安感が強まってしまいます。
入社までに期間が空く場合、少なくとも月に1回は、下記のような連絡を行ないましょう。
- 入社前に準備した方がよいこと
- 入社日までの流れ
- 入社当日のスケジュール
- 導入研修のおおまかな内容
このような内容をメールで内定者へ共有してあげると、入社日まで安心して過ごしてもらえるでしょう。
内定者同士で交流する機会をつくる
内定者同士で交流する機会をつくることも大切です。同期入社となる内定者が複数名いる場合は、懇親会などを実施して、内定者同士で親睦を深めてもらいましょう。
内定者は入社するまでの間、「自分は職場に馴染めるのかな…」と不安を感じているケースが多いもの。同期入社となる内定者同士でコミュニケーションをとる機会をつくると、入社への不安感を和らげられるほか、業務へのモチベーションアップにもつながります。
社員とコミュニケーションをとる機会をつくる
社員とコミュニケーションをとる機会を設けるのもおすすめです。内定者は社内の様子がわからないため、「人間関係の良し悪し」や「自分が歓迎されているかどうか」などを漠然と不安に感じている傾向があります。
そのため安心感を与えるには、社内の空気感を伝える場をつくることが効果的です。社員との交流会では、「あなたを必要としています」というウェルカムな姿勢で内定者を迎え入れましょう。
先輩社員や上司となる社員から、リアルな仕事の話を聞けると、現場の雰囲気もわかります。入社後の生活をイメージしやすくなるため、内定者により安心してもらえるでしょう。
業務内容をオープンにする
内定者フォローで業務内容について話すときは、情報をオープンにすることを心掛けましょう。仕事のやりがいや楽しい面だけでなく、大変な面や課題点などもオープンに話した方が、入社後に「想像していたよりも大変だった…」と悪いギャップを感じさせる可能性が少なくなります。
「その仕事に就くと生活がどう変化するのか」を気にする人も多いので、社員の1日のスケジュールや、業務の流れなどを教えてあげることも、内定者にとって安心材料となるでしょう。
働く準備を整えられるようにする
内定者フォローでは、内定者が働く準備を整えられるように配慮することも大切です。入社前は誰もが「本当に自分の能力でついていけるのか」「身につけた方がいい知識などはあるか」などの不安を感じています。
オンライン研修などのフォローイベントを通して、入社時に持っていたほうがよい情報を内定者へ提供し、安心感を醸成しましょう。働く準備がきちんと整えられていくことによって、内定者に前向きな気持ちをもってもらえるでしょう。
まとめ
内定者フォローとは、内定を出した人材へ入社前に面談や交流会などのケアを行なうことです。「内定者が抱えている職場や仕事への不安を解消できる」「内定辞退を防止できる」などのメリットがあります。
内定者フォローによくある方法は、個別面談・内定者交流会・職場見学・オンライン研修などです。内定者と定期的に連絡をとったり、同期入社となる人や先輩社員とコミュニケーションがとれる機会を用意したりして、内定者の不安を解消しましょう。
また、内定辞退を未然に防ぐためには、内定者フォローを実施するだけでなく、採用の段階からミスマッチを防ぐ工夫が必要です。入社後に活躍・定着する人材を採用したいとお考えであれば、ぜひ『エン転職』をご活用ください。
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