オウンドメディアリクルーティング|特徴・コンテンツ例・手順などを解説
オウンドメディアリクルーティングとは、自社メディアを運用して人材を採用する、採用手法のことです。近年は誰でも簡単にインターネットで情報収集できるため、効果的な採用方法のひとつとして、オウンドメディアリクルーティングが注目を集めています。
本記事では、オウンドメディアリクルーティングを徹底解説。メリットやデメリットなどの特徴をはじめ、実施するにあたり必要なコンテンツ、運用手順、おすすめサービスなどを紹介していきます。
「オウンドメディアリクルーティングを始めたいけど、どうすればいいかわからない…」「どんなコンテンツを用意すればいいの?」とお困りの方は、ぜひ本記事をチェックしてください。
目次[非表示]
- 1.オウンドメディアリクルーティングとは?
- 1.1.オウンドメディアの種類
- 1.2.求人サイトとの違い
- 2.オウンドメディアリクルーティングが注目される理由
- 2.1.採用難易度が上がっているから
- 2.2.求職者がインターネットで情報収集しているから
- 2.3.働き方が多様化しているから
- 3.オウンドメディアリクルーティングのメリット
- 3.1.採用のミスマッチを防止しやすくなる
- 3.2.自社の認知度向上につながる
- 3.3.自社の魅力を伝えやすくなり採用力アップにつながる
- 4.オウンドメディアリクルーティングのデメリット
- 5.オウンドメディアリクルーティングの主要なコンテンツ
- 5.1.企業に関する情報
- 5.2.求人に関する情報
- 5.3.社内の雰囲気が伝わる情報
- 6.オウンドメディアリクルーティングを行なう手順
- 6.1.① 採用のターゲットを明確化する
- 6.2.② 自社の魅力を洗い出す
- 6.3.③ コンテンツを制作する
- 6.4.④ 効果測定しながらコンテンツを継続的に改善する
- 7.オウンドメディアリクルーティングにおすすめのサービス
- 8.まとめ
オウンドメディアリクルーティングとは?
オウンドメディアとは、自社で保有・運営するメディアのこと。つまりオウンドメディアリクルーティングとは、「自社で保有・運営するメディアで求人情報や企業情報を発信し、人材を採用すること」を指します。
「Owned Media Recruiting」の頭文字をとって「OMR」と呼ばれることもあります。まずは、オウンドメディアリクルーティングの特徴などを詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの種類
「オウンドメディア」と呼ばれるメディアには、いくつか種類があります。企業の採用活動でよく使われるのは、企業サイト・採用サイト・ブログです。
企業サイト |
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採用サイト |
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ブログ |
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それぞれ主な役割やターゲットが微妙に異なっているとおわかりいただけるでしょう。また、上記以外にも企業のSNSアカウントや、動画メディアのアカウントをオウンドメディアとして、リクルーティングに活用する場合もあります。
オウンドメディアリクルーティングを行なう際は、「採用活動にかけられる金銭的・人的コスト」「メディアに求める効果・役割」などを考慮して、運用するメディアの種類を決めるとよいでしょう。
採用サイトについてより詳しく知りたい場合は、こちらの記事をあわせてご覧ください。
▼採用サイト|掲載すべき効果的なコンテンツと作成時のポイント
求人サイトとの違い
オウンドメディアと間違えやすい媒体に、求人サイトがあります。求人サイトは「求人サイトの運営会社が保有・運営しているメディア」です。そのため、人材を募集したい企業が自分たちで保有・運営しているオウンドメディアとは異なります。
求人サイトは運営会社ごとに、掲載できる求人の情報量・デザイン・レイアウト・掲載期間などに定めがあります。人材を募集したい企業は、運営会社の制限に則って求人情報を掲載します。
しかしオウンドメディアは、企業が自社で保有・運営しているため、諸々の制限がありません。掲載する情報を自由に決められるのが、オウンドメディアの利点です。
オウンドメディアリクルーティングが注目される理由
採用市場や働き方の変化により、オウンドメディアリクルーティングが多くの企業から注目されるようになりました。オウンドメディアリクルーティングの重要性を見ていきましょう。
採用難易度が上がっているから
社会の少子高齢化が進んでいる影響で、近年の採用市場は、求職者が有利な“売り手市場”となっています。つまり、企業の人材獲得競争が激化しているため、「求人を公開して応募を待つ」という従来通りのスタイルでは、人材を確保するのが難しくなっているのです。
採用難度が高まっている状況のなかで、優秀な人材を確保するためには、求職者へ積極的に自社をアピールする必要があります。そのアピール手段のひとつとして、オウンドメディアが注目されているのです。
求職者がインターネットで情報収集しているから
インターネットが発達し、スマートフォンなどのIT機器も身近となった現代では、求職者が仕事探しをするときの情報収集方法も多様化しています。エン・ジャパン株式会社が行なった、こちらのアンケート調査結果をご覧ください。
グラフの数値から、求職者が転職活動をするにあたり、企業サイトや採用サイトを積極的にチェックしている様子が見てとれます。求職者が企業や仕事への理解を深めるためには、オウンドメディアの存在が不可欠になっているといえるでしょう。
働き方が多様化しているから
近年は、労働者の働き方が多様化しています。特にコロナ禍となってからは、リモートワークや時差出勤、時短勤務など、働き方により多くの選択肢が生まれるようになりました。 丸1日出社勤務のみという働き方が当たり前だった頃に比べると、求職者が「自分に適した働き方」を追い求められるようになったとも言えます。そのため企業も時代の変化に対応し、自社の価値観や働き方、魅力などを能動的に発信して、求職者から選んでもらうための工夫が必要となっているのです。
オウンドメディアリクルーティングのメリット
オウンドメディアがどんなものなのかが分かったところで、オウンドメディアリクルーティングの具体的なメリットをご説明していきます。
採用のミスマッチを防止しやすくなる
オウンドメディアリクルーティングを実施すると、企業と求職者のミスマッチを防止しやすくなります。オウンドメディアは企業が情報を自由に掲載できるため、最低限の求人情報だけでなく、企業理念・経営ビジョン・社風なども詳しく発信できるからです。
企業が大切にしている価値観や考え方、企業文化などを発信すると、それに共感したり魅力を感じたりした求職者から応募してもらえるようになります。その結果、実際に入社してから「想像と違った」「期待外れだった」といった理由で早期退職されるリスクを下げられるのです。
自社の認知度向上につながる
オウンドメディアの運用は、自社の認知度向上につながります。インターネット上に情報を公開し、定期的に更新していくことで、ただ求人サイトなどに求人情報を掲載しているだけでは出会えなかった人材へアプローチできる可能性があるからです。
先にも述べたように、オウンドメディアには企業サイト・採用サイト・ブログ・SNSなどの種類があります。より広い範囲へ情報発信したい場合は、「企業サイト×採用サイト」「ブログ×SNS」などのように、メディアを複数かけ合わせて運用するのが効果的です。
自社の魅力を伝えやすくなり採用力アップにつながる
オウンドメディアは、掲載する情報量に制限がないため、企業が自由に自社の魅力を発信できます。会社の魅力には「待遇・仕事内容・人間関係・教育制度・事業の将来性」など様々なものがあり、それらを伝える方法にも「テキスト・画像・動画」など複数の手段があります。
オウンドメディアを運用することで、より多くの魅力をさまざまな手段で求職者へ訴求できるようになります。その結果、自社の魅力を多角的に求職者へ伝えやすくなるので、採用力アップにつながるでしょう。
企業の採用力を向上させるコツは、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
▼採用力とは? 採用力を向上させて自社に適した人材を確保・定着させる5つのコツ
オウンドメディアリクルーティングのデメリット
ここまでオウンドメディアリクルーティングの良い面をお伝えしてきましたが、デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
サイト運営やWebマーケティングの知識が必要
オウンドメディアリクルーティングは、自社でメディアを制作・運用しなくてはならないため、サイト運営やWebマーケティングの知識が必要となります。インターネット上で情報が錯綜している現代では、やみくもにコンテンツを作って公開してもアクセスが集まらない可能性があるからです。
- どんなコンテンツを公開すれば、アクセスを集められるのか
- 求職者からの応募を増やすには、何の情報をどのように載せるべきなのか
上記のように、コンテンツの企画立案から掲載する情報の洗い出し、ページの制作・更新に至るまで、すべてを自社で行なわなくてはなりません。オウンドメディアを本格的に運用していくため、専任の社員を育成する企業もあるほどです。
短期間では効果が出にくいうえ費用もかかる
オウンドメディアリクルーティングは、短期間ですぐに効果が出るものではありません。中長期的にコンテンツ制作に取り組み、発信情報を増やしていくことで徐々に効果が出るストック型の採用手法です。
また、オウンドメディアを新しく作るにあたり、数十万円~数百万円のサイト制作費用がかかります。クオリティの高いメディアを求めるほど、費用はかさんでいくでしょう。短期的に見ると金銭的コストが高いため、長期的な目線で考えて運用していく必要があります。
社員の協力が必要で人的コストがかかる
オウンドメディアを運用するときは、金銭的コストだけでなく、社内の人的コストがかかる点にも考慮しなくてはなりません。より訴求力の高いサイトを制作するためには、下記のように社員を巻き込んだ取り組みが必要になるためです。
- 経営層や社員へインタビューする
- 現場の写真や動画を撮影する
- 社員の誰かが自らブログ記事を書く
人手不足な場合は、メディア制作を外注することも可能です。しかし、自社社員がある程度はきちんと手を加えた方が、よりリアルな会社の雰囲気を求職者へ伝えられます。信頼度が高く、訴求力のあるコンテンツを作るためには、社員の協力が欠かせないのです。
オウンドメディアリクルーティングの主要なコンテンツ
ここからは、オウンドメディアリクルーティングを実施するにあたり、どのようなコンテンツを制作すればよいのか解説していきます。
主要なコンテンツは「企業に関する情報・求人に関する情報・社内の雰囲気が伝わる情報」の3つです。3種類の情報をバランスよく発信するよう心掛けましょう。
企業に関する情報
まずは、サイトを訪れた人に自社がどういった企業なのか知ってもらうため、会社概要や企業理念、事業内容などの企業に関する情報を掲載します。
エン・ジャパン株式会社が行なったアンケート調査によると、求職者が企業情報で特に重視しているのは、「事業・サービス内容」「社風」「企業理念・ビジョン」の3つです。
企業情報を載せるときは、「求職者へアプローチする」という視点をもち、求職者の共感を得て応募につながる書き方を考えましょう。
たとえば、ただ単に事業内容を述べるのではなく、「こんな思いで事業展開している」「この事業を通して●●を実現したいと考えている」など、企業が大切にしている考えや価値観、将来のビジョンを一緒に掲載すると、共感した求職者からの応募を集めやすくなります。
求人に関する情報
リクルーティングのためにオウンドメディアを作るのであれば、求人情報は欠かせません。新たな人員に任せたい仕事内容・応募にあたって必要な資格やスキル・応募方法・選考方法など、求人サイトに掲載するような情報はひと通り載せておきましょう。
エン・ジャパン株式会社が行なったアンケート調査では、求職者が仕事に関する情報で重視している項目は「仕事の詳細」「仕事のやりがい」「仕事の難しさ」の3つという結果が出ています。
仕事内容を詳細に記載するほか、仕事のやりがいだけでなく難しさも合わせて載せておくと、入社後に「想像より大変だった…」と早期退職されるリスクを軽減できます。
社内の雰囲気が伝わる情報
企業情報と求人情報のほかに、社内の雰囲気が伝わる情報も掲載しておくと、求職者が企業への理解をより深められます。社内のリアルな雰囲気が伝わりやすいコンテンツには、以下のようなものが挙げられます。
- 社員紹介・社員インタビュー
- オフィスツアー・現場レポート
- 社員の1日の流れ
- 社内イベントのレポート
また、福利厚生などの待遇面も大切な要素です。求人への応募を集めるためには、求職者が感じる仕事への不安を払しょくする必要があるので、安心材料となる情報は積極的に掲載しましょう。
たとえば有給休暇の取得率や、産休・育休の取得率などを情報開示すれば、求職者から「ワークライフバランスの良さそうな会社だ」とポジティブに評価してもらえるでしょう。
オウンドメディアリクルーティングを行なう手順
オウンドメディアリクルーティングを行なう際の大まかな手順を解説します。オウンドメディア制作は、いきなりコンテンツを作るのではなく、前段階の準備が大切です。以下の手順で準備~運用を進めてみましょう。
① 採用のターゲットを明確化する
採用活動に使うオウンドメディアを立ち上げるにあたり、まずは採用のターゲットを明確化します。
「どんなスキル・業務経験をもった人がほしいのか」「どんな性格特性をもった人がほしいのか」など、採用のターゲットとなる人物像を明確にして、そのターゲットに刺さるコンテンツを作ることが重要です。
採用ターゲットが決まっていない場合は、こちらの記事を参考にターゲット像を定めてみましょう。
▼採用ターゲットを決めて訴求力アップ! 決め方やポイントを解説
② 自社の魅力を洗い出す
採用ターゲットが決まったら、自社の魅力を洗い出します。オウンドメディアを通して求職者へ伝えるべき自社の魅力は何か、明確にしましょう。
会社の魅力には「待遇・仕事内容・人間関係・教育制度・事業の将来性」など多くの要素があります。しかし毎日仕事をしていると、外部の人から見れば魅力的なことでも、社員にとっては当たり前になりがちです。
「自社の魅力って何だろう?」とお困りの方は、こちらの記事を参考に、会社の魅力を洗い出してみましょう。
▼会社の魅力を効果的に伝える方法とは? 魅力の考え方・洗い出し方も解説
③ コンテンツを制作する
採用ターゲットと会社の魅力を明確化できたら、コンテンツ制作に進みます。コンテンツ制作の方法は、大きく分けて以下の3つです。
- 自社でサイト制作する
- 外部のWeb制作会社へ依頼する
- サイト制作支援ツールを使って制作する
サイト制作支援ツールとは、エン・ジャパン株式会社が運営するengage(エンゲージ)のように、コーディングなどの専門知識がなくても簡単にサイト制作が可能なツールのことです。どの方法でコンテンツを作るかによって、コストが大きく異なるため、採用活動の予算を考慮しながら決めましょう。
④ 効果測定しながらコンテンツを継続的に改善する
オウンドメディアは公開して終わりではありません。「どのページにどれくらいの閲覧数があるか」などを解析ツールで効果測定しながら、継続的にコンテンツを更新・改善していく必要があります。
- 人気のコンテンツはどれか
- どうすればより多くのアクセスを集められるのか
- どうすれば採用ターゲットからの応募を増やせるのか
こういった観点から分析し、より採用に効果的な媒体となるよう、自社のメディアを育てましょう。
オウンドメディアリクルーティングにおすすめのサービス
最後に、オウンドメディアリクルーティングにおすすめのサービスを紹介します。エン・ジャパン株式会社が運営するengage(エンゲージ)は、無料で採用サイトを作れる優れた求人媒体です。
国内利用企業数全国No.1の採用支援ツールで、40万社以上の企業からご利用いただいています。テンプレートが豊富で、洗練されたデザインの採用サイトをすぐに制作できるほか、掲載情報を入力する操作も簡単です。
このほかにも、以下の表のようにさまざまなメリットがあります。
「手軽にサイト制作したい!」「まずは無料で採用サイトを導入してみたい」という方は、下記のページからお気軽にお問い合わせください。
▼engage(エンゲージ)
まとめ
オウンドメディアリクルーティングとは、「自社で保有・運営するメディアで求人情報や企業情報を発信し、人材を採用すること」です。オウンドメディアリクルーティングは、働き方の多様化や、採用難易度の上昇などの影響で、近年注目を集めています。
オウンドメディアリクルーティングには、「採用のミスマッチを防止できる」「自社の魅力を伝えやすくなる」などのメリットがあります。
求職者のニーズを考慮しつつ、「企業情報・求人情報・社風が伝わる情報」の3つの情報をバランスよく発信し、中長期的にコンテンツを改善することで、自社の採用力向上につながるでしょう。
オウンドメディアだけでなく、求人サイトなどほかの媒体も併用すると、より採用活動が効率的に進められます。求人でも自社の魅力をしっかり訴求することによって、求職者をより惹きつけやすくなるためです。
求人にこだわるのであれば、日本最大級の中途採用向け求人サイト『エン転職』の活用がオススメです。エン転職は「料金プランによって求人の情報量が変わらない」ため、一番お求めやすい料金プランでも、企業や仕事の魅力を求職者へ最大限にアピールできます。
どの料金プランでも、A4用紙4枚分の求人原稿に加えて、写真3点、動画1点といった多くの情報量を掲載可能です。採用でお悩みの際は、以下のエン転職お問い合わせ窓口より、お気軽にご相談ください。
▼エン転職の料金表・特徴をまとめたパンフレットは以下からダウンロードいただけます。
他にもエン転職には採用を成功に導く様々な特徴があります。エン転職の料金表・パンフレットダウンロード、サービスの詳細確認はこちらから行なえますので合わせてご覧ください。
▼エン転職のサービス紹介サイト