採用マーケティングで欲しい人材の獲得を目指す! メリットと進め方
近年、採用の売り手市場が続いており、企業間における人材獲得競争が激しくなっています。
「自社が求める人材となかなか出会えない」「採用手法を見直したいけれど、自社に合ったアプローチの方法が分からない」などと対応に苦戦している人事・採用担当者もいるのではないでしょうか。
自社が求める人材を効率的に採用していくには、企業の認知から選考、入社に至るまでの各プロセスにおいてターゲット層を意識したアプローチを行うことが重要です。そこで取り入れたいのが“採用マーケティング”です。
この記事では、採用マーケティングの基礎知識と取り組むメリット、具体的な手順について解説します。
目次[非表示]
- 1.採用マーケティングとは
- 2.採用マーケティングのメリット
- 3.採用マーケティングの進め方
- 3.1.①自社や環境を分析する
- 3.2.②ターゲットを設定する
- 3.3.③キャンディデイト・ジャーニーマップを作成する
- 3.4.④採用ファネルごとに採用チャネルを設定する
- 3.5.⑤採用チャネルでのアプローチ方法を決定する
- 3.6.⑥効果測定を実施する
- 4.まとめ
採用マーケティングとは
採用マーケティングとは、マーケティングに用いられるフレームワークやファネルなどの手法を取り入れて採用活動を行うことです。
▼フレームワークとファネルの意味
項目 |
意味 |
フレームワーク |
課題の発見や意思決定などを行う際の思考の枠組み |
ファネル |
顧客による商品の認知から購入、第三者への紹介までの行動プロセスを段階的に示した図 |
採用マーケティングにおいては、求職者による企業の認知から入社に至るまでの一連のプロセスをファネルに当てはめて施策を実施します。
採用ファネルの各プロセスでターゲット層の行動・課題・ニーズを分析して、アプローチの手法や提供するコンテンツを検討することで、自社が求める人材からの応募・採用につなげられます。
採用ファネルの種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
採用マーケティングのメリット
採用マーケティングに取り組むことによって、以下のメリットが期待できます。
▼メリット
- 効率的に母集団を形成できる
- ミスマッチを防げる
- 採用コストの削減につながる
採用ファネルの各プロセスでターゲット層に向けた戦略的な情報提供を行うことによって、認知の拡大や興味関心の醸成を図れます。やみくもに情報発信を行う場合と比べて、より効率的に母集団を形成しやすくなります。
また、ターゲット層を明確にしたうえで課題・ニーズに応じて詳細な情報を提供すると、企業や仕事内容への理解が深まります。これにより、選考段階や入社後のミスマッチを防止できます。
効率的な母集団形成やミスマッチの防止ができれば、採用工数が抑えられて採用コストの削減につながります。さらに、採用ファネルごとにターゲット層と接触できる採用チャネルを設計すると、採用広報や広告運用などにかかるコストの削減にも結びつきます。
採用マーケティングの進め方
採用マーケティングを実施する際は、自社が置かれた状況を振り返り、ターゲットを踏まえて採用チャネルやアプローチ方法を検討していくことがポイントです。
①自社や環境を分析する
自社そのものや自社を取り巻く採用市場の環境について分析を行います。
分析を通して自社の強み・弱み、置かれている状況を明確にすることで、「誰に何を、どのようにアプローチするか」といった方向性を定めやすくなります。
3C分析やSWOT分析、STP分析などのフレームワークを用いると、多角的かつ客観的な視点で自社・環境を分析できるようになります。
▼採用マーケティングに用いられるフレームワーク
フレームワーク |
分析項目 |
目的 |
3C分析 |
|
自社の立ち位置を分析して、求職者へのアピールポイントを検討する |
SWOT分析 |
|
自社の内部環境と外部環境を分析して、求職者へのアプローチ方法を検討する |
STP分析 |
|
自社の立ち位置を把握して、細分化したターゲットに特化したアプローチを策定する |
また、自社分析を行う際は、競合他社と比較した際に自社が選ばれる理由となる“独自の強み”を意識することが大切です。この強みはUSPと呼ばれます。
採用活動に使えるフレームワークについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
②ターゲットを設定する
自社が求める人材を明確にしてターゲットを設定します。
ターゲットを設定すると、ファネル上の行動プロセスや課題・ニーズを把握しやすくなり、求める人材に絞って的確なアプローチ方法を検討できるようになります。
自社が求める架空の人物像を詳細に定義したペルソナを作成しておくと、社内で人材のイメージを具体化しやすくなります。
▼採用活動におけるペルソナ設計
項目 |
内容 |
氏名 |
転職 花子 |
性別 |
女性 |
年齢 |
35歳 |
学歴 |
大学卒(転職大学 国際学部) |
家族構成 |
一人暮らし |
居住地 |
東京 |
年収 |
450万円 |
経験・資格 |
海外留学経験あり・TOEIC600点 |
趣味 |
海外旅行、映画鑑賞 |
性格 |
明るく社交的で、初対面の人とのコミュニケーションを円滑にとれる |
希望する働き方 |
休日を大切にしたい、働く場所・時間を自由に選びたい |
応募企業に求めるもの |
プライベートと両立しながら働ける環境、チームで協力しながら取り組む企業風土 |
仕事での目標・挑戦してみたいこと |
ビジネスでの英語力を高めたい。海外転勤をしてみたい。 |
なお、ペルソナの作り方と設計のポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③キャンディデイト・ジャーニーマップを作成する
キャンディデイト・ジャーニーマップとは、マーケティングで用いられるカスタマー・ジャーニーマップを採用活動に置き換えた図のことです。
設定したターゲットが「どのように自社を認知して興味を持ち、応募から選考を経て入社に至るか」といったプロセスをストーリーとして組み立てることがポイントです。
採用ファネルを基にキャンディデイト・ジャーニーマップを作成することで、ターゲットの行動や各プロセスで生じやすい課題・ニーズを想定しやすくなり、アプローチ施策の策定に役立てられます。
▼キャンディデイト・ジャーニーマップを作成するポイント
- 認知から入社までに発生する求職者との接点を洗い出す
- 各プロセスでの求職者の行動・思考・感情を時系列で整理する
- 各プロセスで求職者が求める情報を洗い出す
④採用ファネルごとに採用チャネルを設定する
キャンディデイト・ジャーニーマップを作成できたら、採用ファネルの各プロセスで採用チャネルを設定します。採用チャネルは、ターゲットとする求職者にアプローチする手段または媒体のことを指します。
▼採用チャネルの具体例
- 求人サイト
- オウンドメディア
- 会社説明会
- SNS など
採用チャネルの種類や選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
⑤採用チャネルでのアプローチ方法を決定する
求職者の行動プロセスに沿って採用チャネルを設定したあとは、採用チャネルごとの具体的なアプローチ方法を決定します。
アプローチ方法を決める際は、各採用チャネルの性質とペルソナを基に「どのような課題・ニーズを抱えているか」「何を知りたいと思っているか」を考えてコンテンツを企画することがポイントです。
▼コンテンツの例
- 求人サイトに載せる求人広告の情報
- オウンドメディアで公開する記事
- 会社説明会で使用する動画資料 など
⑥効果測定を実施する
採用マーケティングで成果につなげるには、一つひとつの施策に対する効果測定を実施して改善につなげることが重要です。
施策ごとに具体的な数値目標を設定しておくことで、アプローチによる効果を定量的に測定しやすくなり、課題の発見や改善策の検討につなげられます。
▼効果測定を実施する項目例
- 媒体別のエントリー数
- オウンドメディアの訪問者数
- 説明会への参加者数
- 面接案内メールの返信率 など
なお、採用活動における歩留まりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、採用マーケティングについて以下の内容を解説しました。
- 採用マーケティングの意味
- 採用マーケティングに取り組むメリット
- 採用マーケティングの進め方
マーケティングの考え方を採用活動に取り入れることによって、自社を取り巻く環境やターゲットを意識した的確なアプローチを行えるようになります。効率的な母集団形成やミスマッチの防止、採用コストの削減などのメリットが期待できます。
採用マーケティングに取り組む際は、事前の分析やキャンディデイト・ジャーニーマップの作成を行ったうえで、採用ファネルの各プロセスに応じた採用チャネルやコンテンツを決めることがポイントです。
また、企業の認知から興味関心の喚起、応募に至るまでの行動を後押しするには、質の高い求人広告を活用することも有効です。「求人で自社の魅力を最大限アピールしたい」「求人で競合他社と差別化を図りたい」とお考えの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
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