採用面接のアイスブレイクで候補者の本音を引き出す! 会話のポイントや注意点は?
採用面接では、候補者と直接コミュニケーションをとり、「職務への適性があるか」「企業文化や社風にマッチしているか」などを見極める必要があります。
しかし、候補者が緊張によって自身の強みをうまく伝えられなかったり、本音を隠して回答したりすることもあると考えられます。面接の緊張を和らげて本音を引き出すために、質疑応答の前にアイスブレイクを行うことが有効です。
企業の人事・採用担当者のなかには「どのような会話や質問でアイスブレイクを取り入れるとよいか」「アイスブレイクを実施する際の注意点はあるのか」などと調べている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、採用面接で実施するアイスブレイクの目的や成功させるポイント、注意点について解説します。
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採用面接でアイスブレイクを実施する目的
アイスブレイクとは、初対面の人との会話で緊張をほぐすコミュニケーション手法のことです。
▼アイスブレイクの目的
- 候補者の緊張を和らげて本音を引き出す
- 面接官の印象をよくする
アイスブレイクによって候補者の緊張をほぐすことで、落ち着いた雰囲気でコミュニケーションをとれるようになり、候補者に本音を話してもらいやすくなります。
採用面接で本音を引き出せると、書類上では把握するのが難しい能力や性格、価値観などを見極めやすくなるため、採用ミスマッチを防ぐことが可能です。
また、アイスブレイクを実施してお互いに穏やかな状態で話せる雰囲気づくりに配慮することは、面接官に対する誠実な印象につながると考えられます。
面接官の印象がよくなると企業イメージの向上にも直結するため、入社意欲が高まることが期待できます。
なお、候補者の好感度を高める面接官の態度については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
アイスブレイクを成功させるポイントと会話例
面接のアイスブレイクを成功させるには、候補者が質問に答えやすい話題や緊張感をほぐす対応に配慮することがポイントです。
①来社のお礼と面接官の自己紹介を行う
アイスブレイクの始めには、来社のお礼と面接官の自己紹介を行います。
来社のお礼と面接官の自己紹介を行うと、丁寧で誠実な印象を与えやすくなり、面接官への第一印象がよくなります。候補者に「この人なら安心して話せそう」と思ってもらうことで、緊張感を和らげられます。
また、面接官から自己紹介をすると、候補者が心を開いて自分のことを話しやすくなることも期待できます。
▼来社のお礼と面接官の自己紹介を行う会話例
「本日はご来社いただきありがとうございます。採用担当の○○です。よろしくお願いします。」
②YESとNOで答えられる質問から展開する
アイスブレイクでは、候補者に対してYESとNOで答えられる質問を投げかけることが有効です。YESとNOで答えられる質問は回答内容が限定されることから、緊張している候補者でも受け答えがしやすくなります。
誰でも答えやすい一般的な話題から始めて、そのあとに自由回答の質問につなげることでスムーズに話を広げられます。
▼候補者への質問例
質問の内容 |
会話例 |
YESとNOで答えられる質問 |
「外は暑かったですよね。この部屋の空調に問題はありませんか?」
「現在のお住まいは○○なのですね」
|
自由回答の質問 |
「ご自宅からここまで何分くらいかかりましたか?」
「本日は雨ですが、自宅を出られたときの天気はどうでしたか?」
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③面接官から自己開示をする
一方的に候補者に質問を投げかけるだけでなく、面接官の情報を自己開示することで、候補者に心を開いてもらいやすくなります。
面接官から自己開示する際は、候補者との共通点を見つけて話を広げていくと、会話のラリーが続きやすくなります。
▼自己開示を含む会話の例
- 「趣味は○○なのですね。私も○○が趣味なんですよ」
- 「○○県にお住まいなのですね。私も何度か旅行に行きました。素敵なところですね」
- 「私の近所で桜が咲き始めたのですが、お住まいの地域ではいかがですか?」
なお、採用面接の基本的な進め方についてはこちらの記事で解説しています。
面接でアイスブレイクを行う際の注意点
面接でアイスブレイクを取り入れる際には、話題や実施する時間について注意が必要です。
合否に影響しそうな話題は避ける
アイスブレイクの目的は候補者の緊張を和らげることにあるため、候補者から見て合否に関係していそうと思われる話題は避ける必要があります。
▼合否に影響しそうと思われる質問の例
- 「弊社を知ったきっかけは何でしょうか?」
- 「弊社のほかに何社ほど選考を受けていますか?」
面接官としての立場を感じさせないような、一般的な世間話や雑談を取り入れると候補者が安心して話しやすくなります。
面接で聞かないほうがよい事項には触れない
面接で聞かないほうがよいとされる事項には、アイスブレイクでも触れないようにすることが重要です。
厚生労働省では、採用選考時に本人に責任のない事項や、本来自由である事項について尋ねることは就職差別につながるおそれがあるとして、配慮が必要になると述べています。
▼就職差別につながるおそれがある事項
配慮が必要になる事項 |
具体例 |
本人に責任のない事項 |
|
本来自由であるべき事項 |
|
アイスブレイクで避けたほうがよい質問例には、以下が挙げられます。
▼アイスブレイクで避けたほうがよい質問例
- 「ご家族の方はどのような仕事をされているのですか?」
- 「尊敬する人物はいますか?」
面接で聞いてはいけない質問例については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
出典:厚生労働省『公正な採用選考をめざして』
アイスブレイクの時間をある程度決めておく
面接でアイスブレイクを行う時間については、ある程度決めておく必要があります。アイスブレイクが長くなりすぎると、質疑応答の時間が少なくなってしまいます。
目安は、面接全体の時間に対して10分の1程度といえます。ただし、アイスブレイクが短すぎても候補者の緊張を緩和できない場合があるため、様子を見ながら長さを調節することが重要です。
まとめ
この記事では、採用面接のアイスブレイクについて以下の内容を解説しました。
- 採用面接でアイスブレイクを実施する目的
- アイスブレイクを成功させるポイントと会話例
- 採用面接でアイスブレイクを行う際の注意点
採用面接では、候補者の緊張を和らげて本音を話してもらいやすい雰囲気をつくるために、質疑応答の前にアイスブレイクを実施することが有効です。
来社のお礼と面接官の自己紹介から始めて、YESとNOで答えられる質問を投げかけたり、面接官から自己開示をしたりすることがポイントです。ただし、合否に影響しそうと思われる質問と職業差別につながるおそれのある質問は避けるとともに、アイスブレイクの時間配分に注意する必要があります。
また、候補者に安心して面接を受けてもらうには、当日のアイスブレイクだけでなく、求人で事前に面接の流れや面接官の情報などを伝えておくことも重要です。
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