【企業向け】仕事の価値観を見極める重要性と活躍人材を採用する方法
労働者の仕事に対する価値観は、時代とともに変化するものです。現代社会人が抱く価値観の傾向を把握しつつ、自社とマッチする人材を見極めて採用する必要があります。本記事では仕事の価値観について、以下の内容を深掘りしていきます。
・企業が求職者の価値観を確認すべき理由・メリット
・現代社会人の仕事に対する価値観の傾向
・仕事の価値観が自社に適しているか見極める方法
「社風に適した価値観の人材を採用したい」「自社に長く定着し、活躍してくれる人材を確保したい」とお考えの方は、ぜひ本記事を人材見極めにお役立てください。
目次[非表示]
- 1.仕事で重要視される価値観とは?
- 1.1.企業が採用で仕事の価値観を確認すべき理由
- 1.2.現代社会人の仕事に対する価値観の傾向
- 1.3.仕事の価値観が変化する要因
- 2.企業が仕事の価値観を見極めて採用するメリット
- 2.1.採用のミスマッチを防げる
- 2.2.自社で活躍する人材を確保できる
- 2.3.社風に馴染み長く定着する人材を確保できる
- 3.仕事の価値観を見極める方法
- 3.1.面接で仕事の価値観について質問する
- 3.2.自社のコンピテンシーモデルを明確化する
- 3.3.適性検査を活用する
- 4.仕事の価値観を見極める面接質問例
- 5.まとめ
仕事で重要視される価値観とは?
採用選考で求職者へ「仕事の価値観」について問う企業は多くあります。仕事で重要視される代表的な価値観には、以下のようなものが挙げられます。
- 何のために働くのか
- 働くうえで重視することは何か
- 仕事を通して何を達成したいのか
- どんなことにやりがいを感じるのか
- 仕事とプライベートのどちらを重視するか
上記のほかにも社風や経営方針、経営理念などに合わせて、企業ごとに重要視する価値観は異なります。
企業が採用で仕事の価値観を確認すべき理由
企業が採用選考で仕事の価値観を確認すべき最も大きな理由は、「企業と求職者のミスマッチを防いで活躍人材を確保するため」です。
企業が大切にしている考え方と合わない人材を採用すると、人材側に「社風が合わなくて馴染めない」「働き方が自分の理想と異なる」などの不満や不安が生じ、早期離職につながるリスクがあります。企業側としても、コストをかけて採用した人材がすぐに離職してしまうのは痛手です。
対して、企業の価値観に合う人材を採用できた場合は、入社した人材が長く定着し、安定的に業績を上げて活躍してくれる可能性が高いでしょう。自社に定着・活躍してくれる人材を確保するためには、求職者の価値観を見極めて採用する必要があります。
現代社会人の仕事に対する価値観の傾向
現代社会人の仕事に対する価値観には、どのような傾向があるのでしょうか。一般財団法人エン人材教育財団が、2022年に調査した資料「仕事価値観及びキャリア満足度に関する年代別調査」を参考に見ていきましょう。
以下の結果は、22歳以上~50歳以上の働き世代1500人へアンケート調査したものです。
「何のために仕事をするのか」を質問した結果、どの世代も「生活のため」と回答する人が多い傾向となっています。
また、22歳以上~30歳未満の数値を見ると、「スキルアップのため・人や社会の役に立つため・人として成長するため」の3項目にも肯定的であるとわかります。
次に、「仕事に対する姿勢」と「ワークライフバランス」についての調査結果を見ていきましょう。
「仕事に対する姿勢」と「ワークライフバランス」のグラフを見比べてみると、どの世代も共通して「仕事に一生懸命取り組みたい」という考えがありつつも、どちらかというとプライベートを重視する結果となっています。
仕事への価値観に正解/不正解はありません。また、価値観は時代とともに変化していく流動的なものです。
採用選考で仕事の価値観を見極めるときは、現代社会の傾向を把握しつつ、求職者一人ひとりに向き合って内面を深掘りする姿勢が大切です。
仕事の価値観が変化する要因
近年、仕事の価値観が変化した要因には、以下の3点が挙げられるでしょう。
- 厚生労働省による「働き方改革」の推進
- IT技術の発展と普及
- 転職ハードルの低下
「働き方改革」とは、厚生労働省が「多様な働き方を選択できる社会の実現」を目指して推進している政策・制度のこと。長時間労働の是正やリモートワークの普及など、従来どおりのフルタイム出社だけではない、多様な就労スタイルが推進されています。
また、自分の望むキャリア形成や生活スタイルを叶えるために、転職をポジティブに考える人が増えていることも、仕事への価値観が変化している要因のひとつです。
働き方の多様化とともに、キャリア形成やライフスタイルへの価値観も多様化している可能性が高いため、企業の採用担当者には、応募者の考え方をしっかりと見極める力が求められています。
企業が仕事の価値観を見極めて採用するメリット
企業が仕事の価値観を見極めて採用する主なメリットは次の3つです。
- 採用のミスマッチを防げる
- 自社で活躍する人材を確保できる
- 社風に馴染み長く定着する人材を確保できる
逆に言えば、求職者の価値観をしっかり見極めておかないと、採用後に上記と反対の問題が生じる可能性があります。
採用のミスマッチを防げる
採用担当者が、求職者の仕事への価値観をしっかり見極められると、採用のミスマッチを防止できます。採用のミスマッチとは、企業側と求職者の認識に相違が生じている状態のまま採用してしまうことです。
採用のミスマッチが起こると、せっかく入社した人材が「想像していた社風・働き方と違った…」などの理由で早期離職する可能性があります。採用選考の段階で、求職者の価値観をきちんと見極められれば、自社の社風や働き方に適した人材を採用できるでしょう。
採用ミスマッチが起こる理由や防止策は、以下の記事で詳しく解説しています。ミスマッチにお悩みの方は、ぜひご覧ください。
▼採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策
自社で活躍する人材を確保できる
仕事への価値観を見極めて採用することは、活躍人材の確保にもつながります。面接などで求職者が持つ仕事の価値観をあらかじめ確認することによって、自社で大切にしている理念や社風、働き方などに適した人材を採用できるからです。
また、自社で大切にしている価値観や考え方とマッチする人材は、社内の活躍人材と性格・行動特性などが似ている傾向があります。反りの合う人材が集まって円滑にコミュニケーションをとることにより、業務遂行がスムーズになるため、会社の業績アップにもつながるでしょう。
社風に馴染み長く定着する人材を確保できる
求職者の仕事への価値観を見極めて採用すると、社風によく馴染み、長く定着する人材を確保できます。自社で大切にしている理念や社風に適した人材は、いわゆる「カルチャーフィットする人材」です。
カルチャーフィットする人材は社内によく馴染むため、一時的に活躍するだけでなく、長く定着・活躍してくれます。少子高齢化による労働人口減少により、企業の人材獲得競争が激しくなっている昨今。自社に定着する人材を確保できるのは、企業にとってメリットといえるでしょう。
カルチャーフィットに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。カルチャーフィットする人材を確保したいとお考えの場合は、こちらもご覧ください。
▼カルチャーフィットとは? 採用に取り入れる手順や見極め方を解説
仕事の価値観を見極める方法
仕事の価値観を見極める方法を3つ紹介します。価値観は「はい/いいえ」で明確に答えるのが難しいため、見極めるにも工夫が必要です。適切な面接質問やツールを活用し、求職者の内面を掘り下げましょう。
面接で仕事の価値観について質問する
最も一般的な方法は、採用面接で仕事の価値観について質問することです。過去の経歴や保有スキルに関する質問だけでなく、求職者の考え方や価値観がわかる質問も行ないましょう。
また、面接で仕事の価値観を質問するときは、質問内容だけでなく、「どのような回答をする人材が自社に適していると言えるのか」という評価基準を設けることも大切です。明確な評価基準がないと、採用担当者が合否を判断しづらくなってしまいます。
面接で仕事の価値観を質問するときは、以下の手順で行なうとよいでしょう。
- 自社で大切にしている考え方や理念、社風、働き方などを洗い出す
- それらに適した人材の人物像を明確化する
- 求める人物像に当てはまるか判断するための質問を用意する
- 各質問へどのように答えれば合格とするか評価基準を設ける
- 採用面接で仕事の価値観に関する質問を実施し、人材を評価する
面接における評価基準のつくり方は、以下の記事で詳しく解説しています。採用担当者の主観に頼らない、客観的な合否判定ができるようになるので、ぜひご覧ください。
▼面接の評価基準を設定する方法とポイント。自社が求める人材を見極めるには
自社のコンピテンシーモデルを明確化する
コンピテンシーモデルとは、自社で高い実績を出して活躍している社員の性格特性や、思考特性などを洗い出して設定する「理想的な社員の人物像」のことです。
自社でどのような価値観や考え方を持つ社員が活躍しているか分析・明確化し、同じ傾向を持つ求職者を採用すれば、自然と活躍人材を確保しやすくなります。コンピテンシーモデルは、以下のようなステップで設定し、選考で活用するのがおすすめです。
- 本人との面談・適性検査・周囲へのアンケートなどを行ない、活躍社員の特性を調査する
- 活躍社員に共通している特性を洗い出す
- 活躍社員に共通する特性を採用したい人材の人物像に落とし込む
適性検査を活用する
採用選考で求職者へ適性検査を行ない、自社の価値観に適しているか判断するのも効果的です。適性検査は受検者の性格特性や行動特性を、数値に置き換えてグラフ化してくれます。
本来は目に見えない受検者の内面を可視化できるので、採用すべきかどうか判断しやすくなるでしょう。適性検査を実施するなら、エン・ジャパンの「TALENT ANALYTICS(タレントアナリティクス)」がおすすめです。
選考時だけでなく、コンピテンシーモデルを明確化する際にもご活用いただけます。詳しくは以下のページで解説していますので、ぜひご覧ください。
▼エン・ジャパンの適性検査「TALENT ANALYTICS」とは?人材の見極めで悩む方、必見!
仕事の価値観を見極める面接質問例
最後に、仕事の価値観を見極めるための面接質問例を10個紹介します。「面接でどのように価値観を聞き出せばよいかわからない…」とお困りの方は、ぜひ以下の質問をご活用ください。
- あなたにとって仕事とは何ですか?
- 仕事を通して成し遂げたいことはありますか?
- 仕事を選ぶうえで重要視することは何ですか?
- 仕事をするうえで大切だと思うことは何ですか?
- どのような目標・目的を持って働いていますか?
- 仕事でどのようなことにやりがいを感じますか?
- 仕事の成果を評価するときに大切だと思うことは何ですか?
- 仕事で何か失敗をしたとき、どのように受け止めて改善しますか?
- 仕事とプライベートを両方充実させるために、どんな工夫が必要だと思いますか?
- 新しく挑戦する業務やタイトなスケジュールでの業務など、難しい仕事が舞い込んだとき、あなたはどのように考えますか?
また、仕事の価値観のほかにも、見極めたい項目別の面接質問集を以下より無料でダウンロードしていただけます。採用面接にぜひお役立てください。
▼見極めたい項目別 面接質問集120選
まとめ
仕事の価値観を見極める重要性と、活躍人材を採用する方法について解説しました。求職者の価値観を見極めて採用することは、ミスマッチを防いで活躍人材を確保することにつながります。
面接での質問内容を工夫したり、適性検査を活用したりして、求職者の仕事に対する考え方・価値観を見極め、自社に定着する活躍人材を採用しましょう。
また、自社の理念や社風、働き方に適した人材からの応募を集めたい場合は『エン転職』のご利用がおすすめです。『エン転職』は1000万人の会員数を誇る、日本最大級の中途採用向け求人サイトです。
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