外国人採用を徹底解説! メリットや採用の流れ・注意点・成功のポイント
社会の少子高齢化により、労働力不足が懸念されている昨今。企業が人手不足を解消するための方法として、外国人採用に注目が集まっています。
本記事では外国人採用について、メリット・デメリットや採用の流れ、採用時の注意点などを解説。さらに、外国人採用を成功させて優秀な人材を確保するためのポイントもあわせて紹介します。
「外国人採用の必要性を感じているが、具体的にどうすればよいかわからない…」とお悩みの方は、ぜひ本記事を採用にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.外国人採用の現状と今後の動向
- 2.外国人採用のメリット
- 2.1.グローバルな人材を確保できる
- 2.2.若手の労働者を確保できる
- 3.外国人採用のデメリット
- 3.1.コミュニケーションをとりにくい場合がある
- 3.2.採用するときの手続きが難しい
- 4.外国人採用の流れ
- 4.1.① 求人への応募を集める
- 4.2.② 応募者の在留資格を確認する
- 4.3.③ 面接などの選考を行なう
- 4.4.④ 雇用契約を締結する
- 5.外国人を採用するときの注意点
- 5.1.国籍・人種・宗教などによる差別をしない
- 5.2.考え方や価値観の違いを理解する
- 6.外国人採用に成功するためのポイント
- 6.1.待遇面を十分に整える
- 6.2.社員のコミュニケーション能力・英語力を強化する
- 7.まとめ
外国人採用の現状と今後の動向
厚生労働省が発表した資料によると、外国人労働者の数は年々増加しています。こちらのグラフは、在留資格別に見た外国人労働者数の推移です。
出典:厚生労働省「外国人労働者をめぐる現状と課題」
また、同資料のアンケートに回答した企業のうち、外国人の人材を「すでに受け入れている」と回答した企業は、2019年~2021年にかけて微増しています。外国人採用は、手続きが煩雑であるなど難しい点もありますが、労働力確保のために受け入れ態勢を整える企業が、少しずつ増えているようです。
さらに同資料では、「介護・看護業」や「宿泊・飲食業」など、人手不足が特に問題となっている業界で、外国人の受け入れニーズが高いことなども発表されています。今後も人手不足を解消するための手段のひとつとして、外国人採用を実施する企業は増えていくと予想されるでしょう。
外国人採用のメリット
外国人採用の主なメリットは、「グローバルな人材を確保できること」と「若手労働者を確保できること」です。下記で詳しく解説します。
グローバルな人材を確保できる
外国人採用を行なうと、言語能力が高いグローバルな人材を確保できます。外国人採用の対象となる人は、母国語(第一言語)だけでなく、日本語や英語など多言語を習得しているケースが多いからです。企業が自社の事業を海外へ進出させたりする際にも、大きな戦力となるでしょう。
また、「海を越えて他国で働こう!」と考え、実際に行動を起こせる人には、就労意欲が高く前向きで優秀な人材が多いものです。日本とは異なる文化圏で育った価値観や発想を活かして、新たなアイデアを生み出すなど、企業に良い影響を与える可能性があります。
こちらの記事では「英語力の高い人材を採用する方法」や「中国語を話せる人材を採用する方法」について詳しく解説しています。英語力・中国語力のある人材を確保したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▼英語を話せる人材を採用するには?採用事例や雇用上の注意をご紹介
▼中国語を話せる人材を採用するには?【雇用上の注意点も徹底解説!】
若手の労働者を確保できる
日本は少子高齢化によって労働力人口が減少しているため、若い労働力の確保が年々難しくなっています。外国人採用を実施することで、若手の労働者を確保しやすくなるため、人手不足解消に役立ちます。
外国人採用のデメリット
外国人採用のデメリットには、「コミュニケーションの難易度が上がること」「手続きが難しいこと」が挙げられます。
コミュニケーションをとりにくい場合がある
言わずもがな外国人の人材は、日本以外の国にルーツをもっているため、コミュニケーションの難易度が高くなってしまうケースがあります。
「日本語能力が不足していて意思の疎通が難しい」「日本人とは異なる文化や価値観、習慣をもっているため言動に驚かされる」など、日本人同士でコミュニケーションをとるときにはあまり生じないトラブルが起こりやすいものです。
仕事に対する価値観などの内面は、応募書類や資格だけでは判断できません。採用面接や電話のやりとりを通して、人材を見極めることが必要とされます。
採用するときの手続きが難しい
採用時の手続きが煩雑であることも、外国人採用のデメリットです。外国人採用を実施するときは、入管法など日本人を採用するときとは異なるルールを遵守しなくてはなりません。求人への応募が集まったからといって、すぐに仕事をお願いできるわけではないので、日数に余裕をもって採用活動を進めるようにしましょう。
外国人採用の流れ
ここからは、外国人採用の大まかな流れをご説明します。採用方法によっては以下と異なるケースもありますが、おおよその流れを理解しておくと、外国人採用のイメージが膨らみやすいでしょう。
① 求人への応募を集める
外国人を採用するときも、日本人を採用するときと同様に、まずは自社求人への応募を集めます。外国人からの応募を集める方法は、以下のやり方が一般的です。
- 自社サイトに求人を掲載する
- 求人広告サイトに自社の求人を掲載する
- 人材紹介会社に外国人の人材を紹介してもらう
- ハローワークや外国人雇用サービスセンターなどの公的機関を使って採用する
② 応募者の在留資格を確認する
求人に応募してくれた外国人が国内在住の場合は、在留資格の有無を確認しましょう。東京入管・永住・帰化申請サポート室によると、在留資格は以下のように定義されています。
在留資格とは、外国人が日本に在留する間、一定の活動を行うことができること、または、一定の身分や地位を有する者としての活動を行うことができることを示す、『入管法上の法的な資格』のことです。外国人は、この法的な資格に基づいて日本に在留し、日本で活動することができます。
引用:東京入管・永住・帰化申請サポート室「在留資格とは」
つまり、在留資格がない外国人を雇用するのは、違法行為なのです。在留資格には、日本に在留できる期間のほか、就業できる仕事内容についても定めがあります。資格で定めた範囲を超越した就労はさせられないので注意しましょう。
厚生労働省によると、在留資格は以下のカテゴリーに分かれています。
カテゴリー |
概要・許可されている就業内容など |
就労目的で在住が認められる者 |
以下のような専門的・技術的分野の仕事 |
身分に基づき在留する者 |
在留中の活動に制限がなく、さまざまな分野で働ける在留資格。 「定住者」「永住者」「日本人の配偶者」などが当てはまる。 |
技能実習 |
開発途上国への国際協力を目的に、日本で培われた技能や技術、知識を外国人に身につけてもらい、母国で役立ててもらうための在留資格。 |
特定活動 |
人の移動・貿易の自由化を協定するEPA(経済連携協定)に基づいた業務を行なえる在留資格。 外国人看護師、介護福祉士候補者、ワーキングホリデー、外国人建設就労者など |
資格外活動 |
アルバイトなど、本来の在留資格の活動を妨げない範囲であると認められる場合に、就労が許可される資格。 |
参照:厚生労働省「日本で就労する外国人のカテゴリー」
外国人を採用するときは、在留資格をきちんと確認し、在留期間および就業内容に問題がないかチェックしましょう。
③ 面接などの選考を行なう
在留資格に問題がなかった場合、面接などの採用選考を行ないます。基本的には日本人を選考する場合と同様に、応募者への理解を深めるため質疑応答などをしていきますが、以下の2点に注意するとよいでしょう。
- 日本語力の高さだけでなく、職業適性も含めて見極める
- 価値観や風習が異なることを念頭に置いて評価する
応募者の日本語力が高くても、性格や考え方、保有スキルなどが業務内容に適しているとは限りません。日本語力だけで判断せず、異なる価値観をもっていることを加味しながら、職業適性があるか見極めましょう。
④ 雇用契約を締結する
選考を終えたら、雇用契約を締結します。労働条件通知書や雇用契約書などは、必ず書面で締結・交付しましょう。海外は日本以上に契約社会の国が多いため、「契約書に書いていないことは契約していない」という感覚をもつ外国人が多いからです。
労働条件をしっかり書面で残しておけば、認識違いによるトラブルが起きた際の証明書としても役立ちます。また、契約書類を交付する際は、なるべく採用する外国人の母国語(第一言語)でも書類作成できるとより安心です。
外国人を採用するときの注意点
外国人を採用するときは、日本人を採用するとき以上に、差別や文化の違いなどについて注意が必要です。以下で外国人を採用するときの主な注意点を2つ解説します。
国籍・人種・宗教などによる差別をしない
国籍・人種・宗教などによる差別をしないよう気を付けましょう。差別的な言動はもちろん、相手の出自を理由に選考を不利にすることもNGです。
求人に特定の人種を歓迎する文言を盛り込んだりすることも、差別につながる恐れがあるためNGとされています。また、宗教によっては特定の時間帯にお祈りをしたり、口にできない食べ物があったりするため配慮が必要です。
考え方や価値観の違いを理解する
外国人は日本人とは異なる環境で育っているため、考え方や価値観に大きな差異のあるケースが多いものです。お互いの違いを理解し、尊重する姿勢を忘れないようにしましょう。
たとえば日本では「言わなくても察する」という文化がありますが、同じ感覚を外国人に押しつけるとコミュニケーションにすれ違いが起こる可能性があるため、大事な内容はしっかり話すことが大切です。
また、日本人には「自分の仕事が早く終わったとしても、周りをフォローしてから退社する」という感覚をもつ人が多いですが、外国人にはその感覚が全くない人もいるでしょう。外国人が自分の仕事を終えて即帰宅したとしても、むやみに責めるべきではありません。
相手が自分と異なる考え方や価値観をもつことに対して、お互いに理解を深め合える関係性を築き、歩み寄る意識を忘れないように心がけましょう。
外国人採用に成功するためのポイント
最後に、外国人採用に成功するためのポイントを2つ紹介します。下記の2点を押さえておくと、より優秀な外国人の人材を確保できる可能性が高まるでしょう。
待遇面を十分に整える
まずは、給与や労働環境などの待遇面を十分に整えましょう。外国人だからといって不当に低い給与で雇ったり、休暇を減らしたりすることはできません。
賃金への考え方がシビアな人も少なくないため、平均より低い給与を設定すると、自社よりも条件の良い会社に人材をとられてしまう可能性が高くなります。労働基準法で定められた「同一労働・同一賃金」のルールに基づいて、日本人と同様の待遇を用意することが大切です。
2023年の最低賃金については、以下の記事で解説しています。待遇を決める際の参考にしてください。
▼2023年の最低賃金|引き上げによる企業への影響や採用対策も解説
社員のコミュニケーション能力・英語力を強化する
社員のコミュニケーション能力や英語力を強化することも、優秀な外国人を採用するためのポイントになります。外国人を雇用して、スムーズに仕事を進めるためには、お互いの価値観を尊重しながらコミュニケーションをとる能力が大切です。
また日本の会社が、雇用する外国人へある程度の日本語力を求めるのと同じように、外国人も日本人の社員に多言語対応力を求めているケースが多いものです。相手の母国語(第一言語)に対応するのは難しいと思いますが、公用語に対応できる社員を増やしておくだけでも、外国人からの印象が良くなるでしょう。
まとめ
近年では、「若手の労働力を確保したい」「人手不足を解消したい」といった理由から、外国人採用が注目を集めています。外国人採用を実施する企業は微増しており、今後も少しずつ増えていくと予想されるでしょう。
外国人を採用するときは、在留資格の確認漏れや、国籍などによる差別をしないよう注意が必要です。文化や習慣、価値観の相違などに対する理解を深め、お互いに歩み寄る姿勢を忘れないよう心がけることが大切です。
待遇面を十分に整え、社員のコミュニケーション能力や英語力の向上にも力を入れておくと、より良い人材を確保できる可能性が高まるでしょう。
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