退職面談で人材定着の手がかりを得る! 質問の流れと注意点とは
人手不足が進み、採用の難易度が高まっている今、経営を支える人材にいかに長く定着してもらえるかが重要な課題となります。
退職を希望する従業員が現れた場合には、退職する理由や職場の問題点などをヒアリングしてフィードバックをもらうために“退職面談”を実施することが重要です。
退職者に直接話を聞くことで、人材の定着率を高める手がかりを得る機会となることが期待されます。
「退職者の本音を引き出すにはどのような質問をするとよいのか」「退職面談を行うときの注意点とは何か」と疑問をお持ちの人事・採用担当者さまもいるのではないでしょうか。
この記事では、退職面談の目的と質問の流れ、実施する際の注意点について解説します。
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目次[非表示]
- 1.退職面談を実施する目的
- 2.退職面談における5つの質問
- 2.1.①退職理由に関する質問
- 2.2.②会社の評価に関する質問
- 2.3.③次の仕事に関する質問
- 2.4.④退職を考え直してもらう質問
- 2.5.⑤スケジュールに関する質問
- 3.退職面談を行うときの注意点
- 3.1.最初に労いの言葉をかける
- 3.2.ヒアリングに徹する
- 3.3.退職者が信頼できる面談担当者を選ぶ
- 4.まとめ
退職面談を実施する目的
退職面談とは、退職する従業員と人事・採用担当者が実施する面談のことを指します。退職の手続きを終えたあとや、退職する直前に実施することが一般的です。
退職面談は、退職者を引き留めることが主な目的ではなく、以下の2つを目的に実施します。
▼退職面談の目的
- 退職の原因を把握して業務や職場環境の改善を図るため
- 退職する従業員の傾向を分析して次回の採用施策に役立てるため
退職の理由が社内の働き方や職場環境にある場合、放置するとさらなる離職を招く可能性があります。退職面談を通して退職につながった原因を分析することによって、人材の定着化に向けた改善策を講じられます。
また、退職の理由とともに退職者の特徴や傾向を分析すると、今後の採用施策を見直すことも可能です。退職していく身だからこそ率直に話せる内容もあるため、退職者の意見は貴重と考えられます。
なお、部下に退職を相談された場合の対応についてはこちらの記事をご覧ください。
退職面談における5つの質問
退職面談を実施する際は、退職手続きに関する事項やフィードバックを得るための具体的な内容についてヒアリングを行います。基本的な質問の例は、以下のとおりです。
①退職理由に関する質問
退職の意思を最終確認してから、その理由を尋ねます。
退職理由を尋ねる際、会社への気遣いから本当の理由を話すことをためらう従業員もいると考えられます。エン・ジャパンが実施したアンケートによると、「10人中7人は企業にホンネの退職理由を伝えていない」という調査結果が出ています。
▼退職理由のホンネに関する調査結果
画像引用:エン・ジャパン『退職理由のホンネと建前[2022年版]』
特に退職の理由が企業側にある場合には、今後の改善に向けて本音を話してもらう必要があるため、退職者が話しやすい雰囲気をつくることが大切です。
▼退職理由に関する質問例
- 「なぜ退職をしようと思ったのですか?今後の改善のために差し支えなければ教えてください。」
- 「退職を考えるきっかけとなった具体的な出来事はありますか?」
②会社の評価に関する質問
退職者からのフィードバックを今後に生かすために、会社のよい点と問題点の両方について評価してもらうための質問を行います。
職場環境・人間関係・待遇面・スキルアップ支援などの多様な観点で意見をもらうようにすることがポイントです。
▼会社の評価に関する質問例
- 「〇〇さん(退職者の名前)にとって、会社の良い点・悪い点はどこですか?」
- 「職場環境や人間関係に不満は感じていましたか?」
③次の仕事に関する質問
次の仕事に関する質問は、退職者が「今の仕事に足りていない」と感じることを間接的に把握するために行います。
次の仕事で求めていることや転職先を選んだ決め手について質問すると、自社で改善が必要な点、または今後取り組む必要がある点などを明らかにできます。
▼次の仕事に関する質問例
- 「転職先を決めたきっかけは何ですか?」
- 「次の仕事で何か挑戦したいことがあるのですか?」
④退職を考え直してもらう質問
退職理由によっては、退職を考え直してもらう質問を投げかけることもあります。
配置転換や待遇の見直しなど退職者の要望に応えられる内容であれば、その要望に沿うことで退職の意思が変わる可能性があります。ただし、退職の意思が強い場合には、無理に引き止めるようなことはしないように注意が必要です。
▼退職を考え直してもらう質問例
- 「育児との両立が難しいという理由であれば、時短勤務で仕事を続けることはできないでしょうか?」
- 「仕事内容が合わないという理由であれば、ほかの部署へ異動して新たなキャリアを積んでみてはどうでしょうか?」
⑤スケジュールに関する質問
退職日や業務の調整を行うために、スケジュールに関する質問を行います。
退職者が希望する退職日を踏まえて、年次有給休暇を消化する日程や担当業務の引き継ぎ、社内への周知タイミングについてなどについて話し合います。
▼スケジュールに関する質問例
- 「年次有給休暇が〇日ありますが、退職日はいつに設定しましょうか」
- 「業務の引き継ぎを考えると、〇日ごろまでに社内で周知する必要があるかと思いますがいかがでしょうか?」
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退職面談を行うときの注意点
退職面談を実施する際は、退職者が本音を話しやすいように言葉や質問の仕方に配慮する必要があります。
最初に労いの言葉をかける
退職面談を行うときは、最初に労いの言葉をかけることが大切です。
すぐに退職理由や会社への評価などをヒアリングすると、事務的な印象を与えてしまい退職者が本音を話しづらくなる可能性があります。
これまでの会社への貢献について感謝を伝えることで、退職者の緊張が解けて本音を話してもらいやすくなると考えられます。
ヒアリングに徹する
退職面談を実施する担当者は、ヒアリングに徹することが必要です。
退職者が抱える本音のなかには、仕事や職場に対する不平不満が含まれていることもあります。ネガティブな回答があった際に、言い返したり弁明しようとしたりすると、退職者が心を閉ざしてしまう可能性があります。
ネガティブな内容であっても、今後のための貴重な意見を聞く機会と捉えて、退職者の言葉を傾聴する姿勢を心がけることが大切です。
なお、部下に退職相談されたときの対処法については以下の記事でご紹介しております。退職面談の前に、部下から退職の相談を持ち掛けられた際などは、こちらの記事もご参考ください。
▼部下に退職相談されたらどうする? 人事・採用担当者の対応と離職の予防策
退職者が信頼できる面談担当者を選ぶ
退職者の本音を引き出すためには、面談の担当者が退職者にとって信頼できる人物であることが求められます。
退職者が良好な関係を築いている先輩や上司がいる場合には、人事・採用担当者にこだわる必要はありません。
ただし、退職の原因が人間関係にある場合には、日ごろ関わりが少ない人事・採用担当者こそが信頼できる相手となることもあります。退職の理由に応じて柔軟に担当者を選ぶことが必要です。
まとめ
この記事では、退職面談について以下の内容を解説しました。
- 退職面談を実施する目的
- 退職面談における質問の流れ
- 退職面談を行うときの注意点
退職面談を実施して退職理由や自社のよい点・悪い点などのフィードバックを得ることで、人材の定着化に向けた改善策を講じられるようになります。
退職者の本音を引き出すためには、労いの言葉をかけるとともに、ヒアリングに徹すること、退職者が信頼できる面談担当者を選ぶことがポイントです。
また、人材の定着化を図るには退職面談を通して職場環境や働き方を改善していくことも必要ですが、“採用段階でマッチ度の高い人を採用して早期離職を防ぐこと”も重要です。
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