出戻り社員を雇うメリット・デメリットと再雇用のポイントを解説


「出戻り」のイメージ画像


「出戻り社員」は自社を退職後、他社へ転職したり独立したりして業務経験を積んだのち、自社で再雇用された社員のことです。近年、企業の採用競争が激化している影響により、人材確保のために元社員を「出戻り社員」として迎え入れる企業が増えています。
 
本記事では、出戻り社員を雇うメリット・デメリットや再雇用のポイントなどを解説します。出戻り社員の雇用制度の事例も紹介しますので、「元社員の再雇用を検討している」という方は、ぜひチェックしてください。


目次[非表示]

  1. 1.出戻り社員とは?
    1. 1.1.出戻り社員が注目されている理由
    2. 1.2.少子高齢化による労働人口の減少
    3. 1.3.労働者の働き方の多様化
  2. 2.出戻り社員を雇うメリット
    1. 2.1.即戦力人材を確保できる
    2. 2.2.採用コスト削減につながる
    3. 2.3.採用のミスマッチを防ぎやすい
  3. 3.出戻り社員を雇うデメリット
    1. 3.1.既存社員の反発を招く可能性がある
    2. 3.2.会社の変化に対応できない人もいる
    3. 3.3.人事評価や待遇の決定が難しい
  4. 4.出戻り社員を雇用するときのポイント
    1. 4.1.再雇用の制度を整える
    2. 4.2.再雇用後の待遇を明確に定める
    3. 4.3.退職への誤解が広まらないようにする
  5. 5.出戻り社員の雇用制度の例
  6. 6.まとめ


出戻り社員とは?

出戻り社員とは、自社を退職後に他社へ転職したり、独立したりして業務経験を積んだのち、自社で再雇用された社員のことです。
 
ただし一般的には、定年退職後に再雇用された社員を出戻り社員とは言いません。出戻り社員は、前社を定年以外の理由で退職後、ある程度期間を開けて再雇用された人のことを指します。


出戻り社員が注目されている理由

近年、出戻り社員を積極的に迎え入れる企業が増えています。出戻り社員の雇用が注目されている主な理由には「労働人口の減少」「働き方の多様化」が挙げられます。


少子高齢化による労働人口の減少

日本の社会は少子高齢化によって、労働人口が減少しています。働き世代の人口が減っているため、企業間の採用競争が激化し、人材を確保するのが難しくなっているのです。
 
採用の難易度が上がるなかで、即戦力となれる人材や、自社の社風・業務にマッチする人材を確保するための手段として、出戻り社員の雇用に踏み切る企業が増えています。


労働者の働き方の多様化

現代の日本はIT技術の普及や、厚生労働省による「働き方改革」の推進などにより、労働者の働き方が多様化しています。

働き方が多様化するとともに、従来の終身雇用制度が形骸化してきたため、労働者は活発に転職活動を行うようになりました。雇用の流動化が進む社会では、優秀な人材ほど積極的に転職活動を行なう傾向があります。

しかし、いったん他社へ転職した元社員が、何らかの理由により「また前の会社で働きたい」と考えるケースもあるでしょう。そういった場合に、出戻り社員を迎え入れる体制があれば、即戦力人材の確保につながります。

出戻り社員は、採用難易度が上昇している現代において、自社にマッチする人材を確保するために有効な手法として注目されているのです。


出戻り社員を雇うメリット

ここからは出戻り社員を雇うメリット・デメリットを解説します。まずは、出戻り社員の具体的なメリットから見ていきましょう。


即戦力人材を確保できる

前述したように、出戻り社員は採用難易度が上昇しているなかで、即戦力人材を確保するために有効な手段として注目されています。
 
出戻り社員は自社で働いた経験のある人材なので、未経験者を雇ってゼロから教育するよりも、早く活躍してもらえるでしょう。教育コストが軽減されるだけでなく、他社への転職や独立によって得た経験を自社に還元してもらえるメリットもあります。


採用コスト削減につながる

出戻り社員の雇用は、採用コストの削減にもつながります。通常、採用活動には求人媒体の利用費や選考プロセスにかける手間など、多くの金銭的・人的コストがかかります。
 
出戻り社員を雇用する体制が整っていれば、求人媒体の利用期間を短縮し、費用を節約できるでしょう。
 
また元社員ならば、性格やスキルなどを企業側がある程度把握できているはずです。そのため適性検査を省いたり、通常なら数回実施する面接を1回に省略したりするなどして、採用プロセスを簡略化し、人的コストを削減することも可能となります。


採用のミスマッチを防ぎやすい

出戻り社員は、もともと自社で働いていた人材であるため、ある程度は自社の業務や社風に対する適性があります。入社してから「想像していた会社と違った…」と思われる可能性が低いので、ミスマッチのない雇用が実現できるでしょう。
 
採用ミスマッチには、早期離職のリスクがあります。ミスマッチの対策方法を確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
 
▼採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策

  採用ミスマッチの理由とは? 早期離職を防ぐための4つの対策 企業が採用活動を行うなかで、採用ミスマッチが生じて早期離職につながってしまうケースがあります。従業員が早期離職すると、採用コストの損失につながるほか、ほかの従業員のモチベーション低下や生産性の低下を招く可能性があるため、対策が求められます。この記事では、採用ミスマッチが起こる主な理由と早期離職を防ぐための対策について解説します。 エン・ジャパン株式会社


出戻り社員を雇うデメリット

続いて、出戻り社員を雇う主なデメリットを3つ解説します。具体的なデメリットを把握し、対策を講じておきましょう。


既存社員の反発を招く可能性がある

出戻り社員を雇うことで、既存社員の反発を招いてしまう可能性があります。たとえば以下のようなケースです。

  • 自社に貢献し続けた社員よりも、出戻り社員の待遇が良い
  • 既存社員と出戻り社員の人間関係が、もともと良好でない

 
上記のほかにも、既存社員が出戻り社員に対して「またすぐに退職するのでは?」と疑念を抱き、信頼関係が構築できないケースも考えられるでしょう。
 
出戻り社員を雇用することで、既存社員が戸惑ったり、モチベーションが下がったりしないようにフォローする必要があります。


会社の変化に対応できない人もいる

出戻り社員のなかには、会社の変化に対応できない人もいます。自社で働いた経験を有しているのはメリットでもありますが、経験があるゆえに、過去のやり方に固執してしまう人もいるので注意しましょう。
 
出戻り社員にとって古巣とはいえ、会社を離れていた期間が長ければ、多くの変化に戸惑ってしまうものです。出戻り社員が変化した職場環境に対応できるよう、業務研修や面談などを適切に実施しましょう。


人事評価や待遇の決定が難しい

出戻り社員には、人事評価や待遇の決定が難しい側面もあります。先述したように、ずっと自社に貢献し続けている既存社員に比べて、出戻り社員の待遇が良い場合、既存社員から反発される可能性があるためです。
 
しかし、外部で積み上げてきた経験値を踏まえると、退職前と同じ待遇で雇うのも難しいでしょう。外部で培った経験が評価に反映されず、退職前と同様または退職前よりも低い待遇となる場合、出戻り社員本人が不満を感じて、再び離職する可能性もあります。


出戻り社員を雇用するときのポイント

続いて、出戻り社員を雇用するときのポイントを3つ解説します。


再雇用の制度を整える

出戻り社員を雇用するときは、再雇用の制度をきちんと整えましょう。「どのような基準をクリアした人材が再雇用されるのか」など、再雇用の条件を制度として明確化しておくことで、既存社員の納得感を高められます。
 
元社員を再雇用する制度は、一般的に「アルムナイ制度」と呼ばれています。アルムナイ制度に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、制度を整える際の参考にしてください。
 
▼アルムナイ制度で即戦力を採用! メリット・デメリットや導入事例を解説

  アルムナイ制度で即戦力を採用! メリット・デメリットや導入事例を解説 近年、コロナ禍の影響によって転職者数の減少が見られており、労働市場の動きに停滞が見られています。一方、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少によって、コロナ感染拡大前からの人手不足は依然として続いています。 そのような状況のなかで、「新たな人材を確保するのが難しい」「自社の要件にマッチする転職希望者となかなか出会えない」などの課題を持つ人事・採用部門の担当者さまもいるのではないでしょうか。 そこで注目されているのが、“アルムナイ制度”です。アルムナイ制度は、新たな人材確保が難しい採用市場において、安定した経営資源を確保するために有効な採用手法と期待されています。 この記事では、アルムナイ制度の概要とメリット・デメリット、導入事例について解説します。 エン・ジャパン株式会社


再雇用後の待遇を明確に定める

再雇用の条件を決めるとともに、再雇用後の待遇も明確に定めておきましょう。再雇用後の待遇は、主に以下の3パターンに分けられます。

  • 退職前と同じ待遇にする
  • 外部での経験値を考慮して高待遇とする
  • ブランクがある点を考えて少し待遇を下げる

 
出戻り社員の待遇を決めるときは、同業他社の相場や既存社員とのバランスなどに配慮し、自社としての方針を明確に定めましょう。基本的な方針を定めたうえで、出戻り社員本人と丁寧に話し合い、企業側と社員側が双方納得できる待遇とするのが理想的です。


退職への誤解が広まらないようにする

再雇用の制度を定める場合、既存社員の退職への認識に誤解が生じないよう、注意する必要があります。

「退職してもまた簡単に復帰できる」などの誤った認識が広まると、既存社員のモチベーション低下や、安易な退職につながる可能性があるためです。再雇用には一定の条件があり、誰でも簡単に復帰できるわけではない点を周知させましょう。


出戻り社員の雇用制度の例

最後に、出戻り社員の雇用制度を設けている事例について解説します。総合人材サービスを提供しているエン・ジャパン株式会社では、退職した社員を再雇用する「Welcome Back制度」を導入しています。
 
▼「Welcome Back制度」の概要

対象者

元社員
(正社員・契約社員・パート/アルバイト)

対象となる退職理由

介護・出産・育児・配偶者の転勤・留学・ボランティア・転職・その他会社が認めたもの


※ただし以下の理由は除く
・懲戒による退職
・原則、勤務期間3年未満(やむを得ない理由の場合を除く)

再雇用時の選考

書類選考免除

再雇用時の処遇

退職時の処遇を参考に本人の能力、および期待成果を見極めて決定

再雇用時の雇用形態

正社員・正社員時短勤務・正社員テレワーク・契約社員

再雇用時の応募方法

・人材戦略室へ連絡
・在職社員を通して連絡


「Welcome Back制度」で再雇用された人材は、外部で得た経験や知識を活かして、再びエン・ジャパン株式会社で活躍しています。本制度のように、再雇用の条件やプロセスを制度として明文化することで、社内外に周知しやすくなります。
 
「Welcome Back制度」の詳細は、以下のページでご確認いただけます。再雇用制度の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
 
▼エン・ジャパン、当社を退職した社員を再雇用する制度「Welcome Back制度」導入!

  再雇用制度 「Welcome Back制度」導入! | エン・ジャパン(en Japan) 人材総合サービスを提供する、エン・ジャパン株式会社、ニュースリリースのページです。 エン・ジャパン(en Japan)


まとめ

出戻り社員を雇うメリット・デメリットや再雇用のポイント、再雇用制度の事例を解説しました。出戻り社員には「即戦力人材を確保できる・採用コストを削減できる」などのメリットがあります。
 
しかし、既存社員への配慮が必要になるなどの注意点もあるため、元社員を再雇用するときは、慎重に行ないましょう。


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エン転職 採用ノウハウ編集部
エン転職 採用ノウハウ編集部
「エン転職 採用ノウハウ編集部」は、HR業界で活躍している複数のメンバーで構成されています。構成メンバーは、現役の人事労務、1000社以上の企業を支援してきた採用コンサルタント、10年以上の経験を持つ求人専門のコピーライターなど。各領域の専門的な知識に基づき、企業の経営者・人事・採用担当者のお役に立てるように記事を執筆しています。 ※「エン転職 採用ノウハウ」はエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。
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