ポテンシャル採用とは?メリット・デメリットや成功させるポイントをご紹介

「ポテンシャル採用」のイメージ画像


採用市況において「売り手市場」が続く昨今、注目されている「ポテンシャル採用」。求職者の人柄や資質といった「将来性」を重視して行う採用方法のことです。


「ポテンシャル採用」のメリットは、ただ求人への応募数を増やすだけではありません。中長期的な活躍やカルチャーフィットも期待され、特に人材が不足している業種をメインに利用されています。


この記事では、ポテンシャル採用の導入を検討されている方のために、ポテンシャル採用の用語解説だけでなく、ポテンシャル採用が「注目される背景」「導入するメリット・デメリット」「成功させるポイント」などをご紹介します。



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目次[非表示]

  1. 1.ポテンシャル採用とは
    1. 1.1.ポテンシャル(潜在的な能力)とは
    2. 1.2.例えば、どのような採用のこと?
    3. 1.3.新卒採用や、経験者・即戦力採用とはどう違う?
  2. 2.ポテンシャル採用が注目されている背景
    1. 2.1.「売り手市場」継続による採用難
    2. 2.2.採用難により未経験者採用に方針転換する企業が増加 ​​​​​​​
    3. 2.3.未経験の職種にチャレンジしたい若手層が増えている
  3. 3.ポテンシャル採用のメリット
    1. 3.1.求人への応募数を増やしやすい
    2. 3.2.「組織の若返り」ができる
    3. 3.3.カルチャーフィットする人材を採用できる
  4. 4.ポテンシャル採用のデメリット
    1. 4.1.採用要件に合わせた育成が必要 
    2. 4.2.潜在能力だからこそ見極めが難しい
  5. 5.ポテンシャル採用を導入するときのポイント
    1. 5.1.ポテンシャル採用に特化した求人を作成する
    2. 5.2.ポテンシャル採用に特化した面接の質問を用意する
    3. 5.3.客観的評価ができるツールの導入
  6. 6.ポテンシャル採用の面接における見極めポイント
    1. 6.1.社会人基礎力の見極め
    2. 6.2.退職理由の見極め
    3. 6.3.キャリア観の見極め
  7. 7.ポテンシャル採用の実際の導入事例
    1. 7.1.採用成功事例|空港で働く若手人材を募集、3名の入社が決定
    2. 7.2.採用成功事例|応募750名・入社6名、若手人材の大幅採用に成功
  8. 8.まとめ


ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、求職者のポテンシャル(潜在的な能力)を選考基準に置いた採用方法のことです。主に、将来性を持った若手人材の獲得を目指します。まずは応募数の増加に期待できるのはもちろん、中長期的な活躍や、カルチャーフィットが見込まれます。「将来有望な多くの人材に出会いたい」「自社で長く活躍してくれる人材を求めている」といった方はぜひこの記事をご参考ください。


ポテンシャル(潜在的な能力)とは

そもそもポテンシャルとは、将来的に発揮することが見込まれる能力・資質のことです。採用シーンにおいては、将来性がある人材や、成長の可能性がある人材に対して、「ポテンシャルが高い」といった言葉が使われます。


例えば、どのような採用のこと?

「潜在的な能力と言われても、いまいちピンとこない」という方も多いでしょう。ここで、ポテンシャル採用の具体的な例をいくつか挙げてみます。

  • 不動産の営業募集で、職種・業界経験はないものの、「コミュニケーション能力」や「問題分析力」が高いなど中長期的には活躍を見込めそうな人材を採用
  • 企業理念を大事にする企業において、理念に深く共感し、その実現に向けて主体的に動ける人材を採用


新卒採用や、経験者・即戦力採用とはどう違う?

新卒採用とは周知されている通り、高校や大学を卒業する学生を採用する手法です。学生のほとんどが職種・業種未経験のため、ポテンシャル採用の一つだと言えます。


また、経験者採用とはポテンシャル採用の反対で、採用する企業の職種・業種に関連する実務経験を持っている人材を採用することを指します。そういった人材は入社直後から活躍が見込まれるため、即戦力採用と呼ばれることがあります。


ポテンシャル採用が注目されている背景

ここ10年以上、有効求人倍率は常に「1」を上回っており、「売り手市場」の中で積極的な採用活動が行なわれました。ますます激しくなっている採用市場だからこそ、ポテンシャル採用の検討もあらためて必要となってくるでしょう。ここでは、これまでの採用市場の動向を踏まえ、ポテンシャル採用が注目されている背景をご説明します。


「売り手市場」継続による採用難

2024年2月の有効求人倍率は1.26倍です。有効求人倍率は、有効求人数を有効求職者数で割った数値。1倍より高ければ、求職者よりも採用したい企業のほうが多く、採用が難しい市況であることを示しています。10年以上前から現在まで、こうした「売り手市場」の状態がずっと続いています。

▼有効求人倍率の推移有効求人倍率の推移(令和6年2月)

画像引用元:厚生労働省『一般職業紹介状況(令和6年2月分)について


ここで注目すべきは、2020年。当時はコロナ禍初期で採用活動に消極的な企業が増えましたが、それでも有効求人倍率は1倍以上でした。つまり、採用市況の「売り手市場」は解消されづらいということです。これは社会全体として人手不足の問題が大きいことが原因の一つだと考えられます。

例えば、厚労省の調査によれば、コロナ禍で一時的に人手不足が解消されたものの、再び人手不足に陥っている現在。少子化や高齢化が急速に進んでいる中、働き手の減少は深刻な問題です。

少子高齢化は解決の目途がありません。従って人材の希少化は今後ますます深刻になり、企業の人材獲得競争は激しくなっていきます。


▼人手不足の動向

人手不足の動向

画像引用元:厚生労働省『2023年度第6回雇用政策研究会 関係資料集


採用難により未経験者採用に方針転換する企業が増加 ​​​​​​​

こうした求人サイトの競合過多により、採用難の時代へ。企業としては、人材を確保できるか?という問題が第一優先です。


本来は経験やスキルを持った即戦力を採用したいところだが、まずは採用を成功させたい。そういった考えから、「ポテンシャル」に期待した未経験者の採用へと方針転換を行なう企業が増えています。


実際に、『エン転職』に掲載された未経験者歓迎求人の割合は、2023年時点で80%を占めており、2020年から25%増加しています。


▼未経験者歓迎求人の割合

未経験者歓迎求人のグラフ

エン・ジャパン調べ


未経験の職種にチャレンジしたい若手層が増えている

ここまで、企業の頭を悩ませる問題として、採用難の背景について触れてきました。だからこそ、少しでも採用の成功率を高めるために、ポテンシャル採用に関する企業の関心が高まっていることはお分かりいただけたと思います。


一方で、「求職者」のポテンシャル採用への関心はどうなっているのでしょうか。実は求職者もポテンシャル採用を望んでいる人が多いことがわかっています。


エン・ジャパンが行なったアンケート調査によると、「転職を機に、未経験の職種にチャレンジしてみたいと思いますか?」という質問に対して、20代の求職者の89%が「チャレンジしてみたい」と回答。全年齢で見ても、80%が「チャレンジしてみたい」と回答しています。ポテンシャル採用を利用して新たに挑戦したい、という若手層は多いでしょう。


ポテンシャル採用のメリット

上記の通り、近年様々な企業で導入されることが増えてきたポテンシャル採用。では、具体的にどのようなメリットがあって、企業に選ばれているのでしょうか。簡単にまとめると、以下の3つです。ここから詳しくご紹介します。

  • 求人への応募数を増やしやすい
  • 「組織の若返り」ができる
  • カルチャーフィットする人材を採用できる


求人への応募数を増やしやすい

経験やスキルを重視する採用に比べて、よりたくさんの幅広い人材と出会えることがポテンシャル採用のメリットです。というのも、求職者にとっては応募ハードルが下がり、企業や仕事に興味・関心を持っている人材がより応募しやすくなります。


20代を中心とする若手層からの応募が期待できるポテンシャル採用によって、多種多様な人材との出会いに期待できるでしょう。例えば、職種・業種未経験の人材などの採用。そうなれば、新たなアイデアや意見が生まれやすくなり、事業の発展につながるというメリットもあります。


「組織の若返り」ができる

社員の高齢化や、年齢構成の「ゆがみ」といった課題を抱える企業も多いです。そこで、ポテンシャル採用を導入し、潜在能力や将来性を持った若手人材を採用するのも一つの手。次世代を担う人材が入社し、中長期的に活躍していくことで、組織運営に不安を感じることなく事業を継続できるでしょう。


カルチャーフィットする人材を採用できる


ポテンシャル採用では、第二新卒層など、前職の企業カルチャーに染まり切っていない人材の採用が可能です。入社後は企業の文化・風土に馴染み、モチベーション高く働いてもらえることで、定着・活躍が見込めます。


ポテンシャル採用のデメリット

メリットの大きいポテンシャル採用ですが、もちろんデメリットもいくつかあります。主なデメリットは以下の2つです。詳しく見ていきましょう。

  • 採用要件に合わせた育成が必要
  • 潜在能力だからこそ見極めが難しい


採用要件に合わせた育成が必要 

ポテンシャル採用は、新卒採用ほどコストがかかりません。ただし、新卒採用は研修内容が統一されているのに対して、ポテンシャル採用では入社者の知識・経験に合わせて研修を変える必要があります。

例えば、「コミュニケーション能力が高い方」をポテンシャル採用した場合。入社者のコミュニケーション能力が高いことは共通していますが、それ以外の業界経験・入社時の知識はバラバラです。入社者一人ひとりに合わせて、柔軟に育成方法を変えるのが望ましいでしょう。


潜在能力だからこそ見極めが難しい

ポテンシャル採用では、これまでの経験や、培ったスキルを採用基準としていません。求職者の人柄や資質を見極めるためには、多くの面接を行なう必要があります。限られた面接時間の中で、ポテンシャルを見極めるのは簡単なことではありません。仕事や企業カルチャーと、求職者との相性をきちんと判断できなければ、ミスマッチが起こる可能性があります。


ポテンシャル採用を導入するときのポイント

ここまで、ポテンシャル採用のメリット・デメリットをご紹介してきましたが、「自社でも導入してみよう」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、導入する際に重要になってくるポイントを解説していきます。


ポテンシャル採用に特化した求人を作成する

ポテンシャル採用を導入し、未経験採用まで間口を広げても、簡単に採用が決まるわけではありません。なぜなら、「経験者採用」と「未経験者採用」では求人に書くべき内容が異なるからです。求人サイトへの掲載を考えている場合、ポテンシャル採用を希望する求職者の心理を押さえた求人に変更することが大切です。


以下は「ポテンシャル採用の求人」で気を付けたいポイントの一例です。

  • 仕事内容は具体的に…未経験の人材もイメージできるように
  • 向き・不向きを明らかに…求職者が自分に合うかどうか判断できるように
  • 未経験入社者のエピソードを記載…未経験の人材が共感できるように
  • 受け入れ体制を具体的に…求職者が安心して応募できるように


ポテンシャル採用に特化した面接の質問を用意する

求職者の人柄や価値観を重視する分、ポテンシャル採用では面接で見極めることが大切です。ポテンシャル採用で使用できる質問例は以下の通りです。ぜひご活用ください。


(例)営業職などのポテンシャル採用で、コミュニケーションスキルを見極めたい場合

  • 複雑な物事をわかりやすく説明するときに心がけていることはなんですか
  • プレゼンや報告書などを効果的に伝えるために大事にしていることはなんですか
  • 普段、会話をするときに気を付けていることはありますか


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客観的評価ができるツールの導入

面接質問例をご紹介しましたが、面接は人が行なう以上、偏見なく100%見極めるというのは難しいでしょう。そこで、適性検査「Talent Analytics」の併用もおすすめです。2万1000社以上で導入されてきたこのツールは、面接で見えづらい「知的能力」と「性格」「キャリアに対する価値観」を可視化することができます。


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ポテンシャル採用の面接における見極めポイント

求職者のポテンシャルを見極めるポイントは「社会人基礎力」「退職理由」「キャリアの価値観」の3つに分けられます。ここでは、面接でチェックすべきポイントを一つずつご紹介します。


社会人基礎力の見極め

余分な育成コストがかからないよう、コミュニケーションスキル、問題解決能力、情報収集力など、社会人としての基本ができているかチェックしましょう。こうした社会人としての基礎力は、書類の書き方、面接時の言葉遣いなどに表れてきます。


退職理由の見極め


転職のきっかけ、転職に至った理由、前職での環境や仕事への姿勢といった、転職の経緯を詳しくヒアリングします。そうすることで、求職者の人となりを深く理解でき、自社の考えと合いそうかチェックできるでしょう。


キャリア観の見極め

入社後に求職者の望むキャリアが難しいとわかった場合、早期離職にもつながりかねません。選考段階で事前に確認しておくことをおすすめします。企業と求職者、その双方が考えるキャリアプランを共有し、うまく合致していれば、志望度アップにもつながるでしょう。


ポテンシャル採用の実際の導入事例

ここまで、ポテンシャル採用の有効性をお伝えしてきましたが、実際にどのように採用しているのか気になる方も多いでしょう。そこで、採用成功につながっている事例をご紹介します。


採用成功事例|空港で働く若手人材を募集、3名の入社が決定

「サンヨー航空サービス株式会社」は、お客様の手荷物を扱う「グランドハンドリング業務」を通じて、空の旅をサポートしてきた企業。『エン転職』でグランドハンドリングを募集しました。


複数媒体で募集を行なっていましたが、求めている20代前半の若手人材が集まらず苦戦。しかし『エン転職』では、若手会員の比率が特に高く、若手人材に刺さるアピールを行なったことで、20代の若手人材3名の採用に成功しています。


詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。


▼採用事例の詳細・実際に掲載された求人はこちら

  空港で働く若手人材を募集。 求人やスカウトの工夫で、3名の入社が決定。 空港で手荷物を扱う「グランドハンドリング」の採用事例。20代前半の「若手人材」を求める同社では、3名の採用に成功。他媒体では多くの応募がありながらも、うち4割は40代・50代に。『エン転職』でどのように「若手人材」を集めたのか、詳しく解説。 エン・ジャパン株式会社


採用成功事例|応募750名・入社6名、若手人材の大幅採用に成功

「一般社団法人日本RV協会」は、キャンピングカーの普及を目指し、多岐にわたる事業に取り組んでいる団体。『エン転職』で事務局員を募集しました。


以前は他媒体を利用していましたが、その際は十分な応募数が集まらず、若手人材からの応募があまりない状況。そこで『エン転職』掲載時は、「スカウト機能」や「掲載求人が埋もれない仕組み」を活用し、750名の応募を集めて、6名の入社につながっています。


詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。


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  応募750名、内定6名。若手&有望人材の大幅採用に成功した好事例。 一般社団法人における事務局員(団体職員)の採用事例。「若手人材からの応募が集まらない」「仕事内容にコミットした人材が集まらない」などの課題がある中、応募数750名、採用6名を実現。それらを実現できた背景を詳しくご紹介します。 エン・ジャパン株式会社


▼『エン転職』で採用成功した事例を集めたサイトです。職種・業種・エリア・採用のよくあるお悩み別に事例を検索できます。実際に『エン転職』に掲載された求人広告と、その応募数・入社数なども詳細に公開しておりますので、採用を検討する際はぜひご参考ください。

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まとめ

この記事では、ポテンシャル採用の用語解説から、導入するメリット・デメリットやポイント、事例をご紹介しました。採用難を迎える今、企業は活躍できる人材を確保するために、ポテンシャル採用の導入を検討してみても良いかもしれません。


ポテンシャル採用では自社求人への応募増加が見込まれますが、そこで大事になってくるのが、求職者にとってわかりやすい求人の作成、面接での見極めです。中長期的な活躍や、カルチャーフィットが期待できる人材の採用を目指しましょう。


ポテンシャル採用の導入を考えている場合、を活用するのがおすすめです。『エン転職』の会員数は、業界最大級の1000万人超(2024年4月時点)。中でも、会員全体の約7割が35歳以下の若手層であり、将来性のある次世代を狙うポテンシャル採用に最適です。


さらに『エン転職』では、営業とは別に、取材専門の「ディレクター」と求人専門の「コピーライター」を自社で雇用・育成しています。ポテンシャル採用に特化した求人のご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。


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エン転職 採用ノウハウ編集部
「エン転職 採用ノウハウ編集部」は、HR業界で活躍している複数のメンバーで構成されています。構成メンバーは、現役の人事労務、1000社以上の企業を支援してきた採用コンサルタント、10年以上の経験を持つ求人専門のコピーライターなど。各領域の専門的な知識に基づき、企業の経営者・人事・採用担当者のお役に立てるように記事を執筆しています。 ※「エン転職 採用ノウハウ」はエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。
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