従業員エンゲージメントとは?企業における重要性、10の施策も解説
企業と従業員のつながりを表す「エンゲージメント」は、人材流動の激しい現代において、多くの企業から注目される考え方です。本記事では、エンゲージメントの向上が何につながるのか、エンゲージメントを高めるための具体的な10の取り組みをご紹介します。
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目次[非表示]
- 1.エンゲージメントとは
- 1.1.従業員エンゲージメントとは
- 1.2.ロイヤリティ、従業員満足度との違い
- 2.エンゲージメントの必要性
- 3.エンゲージメントの診断方法
- 4.従業員のエンゲージメントを高める方法
- 4.1.企業理念の共有
- 4.2.働きやすい環境づくり
- 4.3.人事評価制度の再検討
- 4.4.キャリアパスの充実
- 4.5.スキルアップ支援の強化
- 4.6.称賛文化の醸成
- 4.7.相談できる環境づくり
- 5.採用の工夫でエンゲージメントを高める方法
- 5.1.仕事のやりがいを求人でアピールする
- 5.2.求人で仕事の厳しい側面も伝える
- 5.3.求人や採用HPで企業理念などを伝える
- 6.エンゲージメント向上の成功事例
- 7.まとめ
エンゲージメントとは
エンゲージメント(engagement) とは英語で「契約」「約束」「誓約」などを意味する言葉です。使われる領域によって様々な意味合いを持ちますが、ここではビジネス領域におけるエンゲージメントについてご紹介します。
従業員エンゲージメントとは
ビジネス領域におけるエンゲージメントは、主に企業と従業員との「つながり」を表します。従業員が所属企業に対して「愛着」や「思い入れ」を持っているか、という度合いであり、企業にとって重要課題の一つだと考えられています。
ロイヤリティ、従業員満足度との違い
エンゲージメントと似ている言葉にロイヤリティ、従業員満足度があります。
ロイヤリティは従業員の「忠誠心」を表し、主従のような意味合いで使われる言葉です。エンゲージメントとロイヤリティの違いは、企業と従業員の立ち位置にあります。エンゲージメントという言葉はあくまで対等の立場であり、企業・従業員双方がメリットを享受し合うもの。対して、ロイヤリティという言葉は、企業が優位にあり、従業員が企業に奉仕する立場という印象を与えます。
また、従業員満足度は文字通り「従業員が仕事内容や職場環境、待遇などにどれくらい満足しているか」を表します。一方、エンゲージメントは「従業員が企業に対して、どれくらい積極的に貢献したいと思っているか」を表す言葉です。
これまでの話をまとめると、ロイヤリティや従業員満足度は企業や従業員による「一方的な視点」での評価ですが、エンゲージメントは企業・従業員の「双方向的な視点」での評価であるということがポイントです。
エンゲージメントの必要性
企業にとって、従業員がいかに愛社精神を持っているかは重要です。以下では、エンゲージメントが必要な理由と、エンゲージメント向上が企業にもたらすメリットを3つご紹介します。
社員定着率が上がる
エンゲージメントが高まり、社員に「ずっとこの会社で頑張っていこう」という気持ちがあれば、おのずと企業に人材が定着していきます。反対に、もしエンゲージメントが下がり退職者が出てしまえば、既存社員に過度な負担がかかってしまうことも。優秀な人材の喪失は、中長期的な企業成長を考えたときにダメージとなります。活躍社員の退職は、ほかの社員のモチベーション低下にもつながるでしょう。
企業成長につながる
エンゲージメントが高い状態であれば、社員は仕事に打ち込むようになります。例えば、理念を基にした事業展開を行なう企業があり、社員がしっかり共感しているのであれば、理念の実現に向けて意欲的に取り組んでいくでしょう。そのためエンゲージメントの高い社員が増えれば、さらなる企業成長が見込めます。
そして、社員自身が事業貢献や会社貢献を感じ、充実感を味わうことで、さらにエンゲージメントは高まり、意欲もアップ。エンゲージメント向上と企業成長の良い循環ができていきます。
採用につながる
採用市場の「売り手市場」が続いており、採用難の時代である今、企業の「採用力」を高めることが大切です。エンゲージメントが高く、既存社員にとって「この会社で働き続けたい」という魅力があれば、求職者からも魅力的な企業だと判断されやすくなります。そうなれば、応募が集まりやすくなり、入社後の定着率アップも考えられるでしょう。エンゲージメントを高める採用手法については、後の項目でご紹介します。
エンゲージメントの診断方法
エンゲージメントの度合いの判断は、担当者の勘や経験に頼るのではなく、データで把握しておくことが重要です。社内で現状を共有できるため、目標や課題を設定し、どのように取り組んでいくか話し合う上で有効でしょう。
エンゲージメントのデータ収集にはWebアンケートツールの利用がおすすめです。例えば『HR OnBoard』や『HR OnBoard NEXT』であれば、毎月のアンケートで従業員のコンディションを測ることができ、エンゲージメント改善につなげることができます。
▼入社1年目のエンゲージメントを見える化
▼従業員のエンゲージメント変化を見える化
従業員のエンゲージメントを高める方法
上段ではエンゲージメントの診断方法をお伝えしましたが、それでは実際にどのような施策を行なうべきなのでしょうか。以下では企業の状況に合わせて様々なエンゲージメントを高める取り組みができるよう、いくつかの方法をご紹介します。ぜひお役立てください。
企業理念の共有
エンゲージメントの本質的な要素として、企業の考え方やビジョンを共有し、理念への共感を促す方法があります。例えば、事業計画や今後の目標を発表し、優秀者の表彰を行なう全社イベント。従業員へのインタビューなどを掲載する社内報。最近はYouTubeや社内ラジオを活用するケースもあります。
働きやすい環境づくり
労働環境によって疲弊している従業員が、「会社のために」といった意識を持つことは難しいでしょう。残業時間の削減、休日の確保、ライフイベントとの両立、リモートワークの導入など、働きやすい環境を提供できるよう、環境整備を行なっていくことも大事です。
人事評価制度の再検討
従業員に「自分の頑張りがしっかり評価されている」という実感があれば、さらに「この会社のために頑張ろう」と思えるでしょう。正当な評価ができているか、評価について十分な説明ができているか、見直しを行なうこともエンゲージメント改善につながります。
キャリアパスの充実
例えば、昇進スピード・ステップを明確にする、新たなポジションや職種をつくり、活躍の場を増やすなど、従業員がキャリアイメージを描けるようにすることが重要です。そうすれば、従業員が「キャリアパスが見えない」と不安を抱えることなく、目標に向かってコミットできるでしょう。
スキルアップ支援の強化
セミナー・勉強会の開催、資格取得の支援など、スキルアップを目指せる環境づくりも大切です。従業員が事業や職場への貢献を目指す上でも、キャリアアップを目指す上でも、さらなるスキル習得が欠かせないからです。
称賛文化の醸成
例えば、従業員同士や経営陣が感謝を伝え合う「サンクスカード」の導入や、定期的な個人面談の開催、表彰制度の開設などが挙げられます。称賛の文化があることで、従業員に仕事の意義を理解してもらい、「役に立ちたい」と思える人間関係を構築することができます。
相談できる環境づくり
定期面談や交流会などでコミュニケーションの活性化を図り、周囲と話ができる環境をつくることで、仕事を進めやすくなります。人事担当やメンターなど「相談窓口」を設けて相談しやすくすることも有効です。仕事に対して真摯に取り組むために相談できる環境があれば、従業員は悩みを抱えたままにすることなくコミットできるでしょう。
採用の工夫でエンゲージメントを高める方法
自社にマッチした人材を採用することで、社員の活躍度・定着度を高める方法もあります。これまで筆者が4年間求人コピーライターとして経験してきた中で、大事だと感じたポイントをまとめました。よろしければご参考ください。
仕事のやりがいを求人でアピールする
(例)
- 少数精鋭のため頑張りが事業の数字に影響しやすく、自分の仕事の意義を感じられます
- お客様との距離感が近く、感謝の言葉をもらえるため、人の役に立っている実感があります
エンゲージメントを高めるには、従業員に「この会社で仕事をすることに意味がある」「会社や事業に貢献できている」と実感してもらうことが大切です。求人広告の段階から、仕事の意義をしっかり伝えることが、エンゲージメントの高い人材を採用するための第一歩となります。
求人で仕事の厳しい側面も伝える
(例)
- プロジェクトを進める上で社内調整が必要となるため、疲弊することがあります
- 屋外での仕事になるため、暑さや寒さに耐えながら作業をする中で体力的な負担があります
求人では魅力ばかりではなく、仕事の厳しさもきちんと伝えることが大切です。仕事の厳しさを正直に開示している企業は、「人を大切にしている会社だ」という印象を与えやすくなります。また、「大変な部分もあるけど、それでも入社したい」という志望度の高い人材を採用できれば、仕事に対しても意欲的に取り組んでくれるはずです。
求人や採用HPで企業理念などを伝える
(例)
- 従業員一人ひとりの主体性を大事にしており、大きな裁量をわたしています
- 活発なコミュニケーションが新たなビジネスを生み出すと考え、話し合いの場を多く設けています
企業の考え方や目指している世界観に共感できる人材であれば、理念や方針に沿って仕事にコミットしてくれるでしょう。求人や採用HPでは企業理念などを分かりやすく丁寧に伝えます。
エンゲージメント向上の成功事例
これまでエンゲージメント向上の必要性や取り組みをご紹介してきましたが、実際に成功している企業があるのか気になる方も多いと思います。そこで、ここではエンゲージメント向上につながった採用成功事例をご紹介します。
意欲が認められる社風をアピールし、主体的な人材からの応募増
Webアプリ・スマホアプリの開発を中心に手がける「株式会社アベリオシステムズ」。『エン転職』の自社求人への応募者の多くが「受け身姿勢の人材」であり、企業風土にマッチしていないことが問題でした。
そこで、『エン転職』への次の求人掲載では、意欲が認められる社風を大々的にアピール。自主的に「志望動機」を記載して応募する求職者が増えたなど、意欲的な人材からの応募を集めることができました。
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あえて仕事の厳しさを伝え、続きやすい人材を採用
人材紹介サービスを利用していた際、早期退職の多さに悩んでいた「エスティーティー株式会社」。初めて求人サイトを利用して経理職を募集したところ、社風にマッチした人材の入社が決定しました。
利用した求人サイトは『エン転職』です。「仕事の厳しさ」という項目で、早期退職につながるような同社の特徴を記載。入社者が「先に知っておきたかった」となりやすい部分を正直に開示することで、入社後のモチベーション低下を防ぎながら、意欲的な人材を採用できています。
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まとめ
エンゲージメントを高めることで、「従業員に定着してほしい」「より生産性を高めてほしい」と考えている企業も多いと思います。
そこで、「入社後活躍」まで見据えた採用を支援する『エン転職』がおすすめです。実際に、入社1年以内の離職率に関する調査を行なったところ、『エン転職』経由の入社者は他サイトより離職率が「半分以下」であることが判明しました。
求人専門のディレクター・コピーライターが入社後の活躍・定着まで意識した求人を作成しているからこそ、高い定着率を実現しています。エンゲージメントの向上につながる採用を支援しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ほかにも『エン転職』には採用を成功に導く様々な特徴があります。『エン転職』の料金表・パンフレットダウンロード、サービスの詳細確認はこちらから行なえますのであわせてご覧ください。
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