ChatGPTで採用業務を効率化! 活用方法と使いこなすためのポイント
少子高齢化による労働力不足の課題が顕在化している今、業務効率化や生産性向上を図る手段として、さまざまな分野でAIが活用されています。そうしたなか、新たに登場したサービスが『ChatGPT』です。
人事・採用担当者さまのなかには、「採用業務にどのようにChatGPTを活用できるのか」「ChatGPTをうまく使いこなすポイントはあるのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。採用に慣れている方だと、「ChatGPTで上手いこと求人を作れないものか」と本記事にたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。
本記事ではこの道9年の「求人専門のコピーライター」がChatGPTを実際に使った体験をもとに、採用業務におけるChatGPTの活用方法と使いこなすポイント、実際のプロンプト(指示内容)まで詳しく解説します。
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目次[非表示]
- 1.AI技術で会話ができるChatGPTとは
- 1.1.ChatGPTを採用業務に使うメリット
- 1.2.ChatGPTの得意分野・苦手分野
- 2.採用活動でChatGPTを活用する方法
- 2.1.求人票の作成をサポートする
- 2.2.スカウトメールの文面の作成をサポートする
- 2.3.多言語に対応して応募を受けつける
- 3.ChatGPTをうまく使いこなすポイント
- 3.1.①情報を具体的に入力する
- 3.2.②質問を重ねて学習を繰り返す
- 3.3.③ChatGPTの立場を指定する
- 4.ChatGPTを採用業務で使うときの注意点
- 4.1.出力された内容をそのまま活用するのではなく、たたき台として修正する
- 4.2.ChatGPTでは「他社の求人との差別化」は難しい
- 4.3.ChatGPTでは「ミスマッチの防止」は難しい
- 4.4.求職者の個人情報は読み込ませない
- 5.まとめ
AI技術で会話ができるChatGPTとは
ChatGPTとは、AI(人工知能)技術を用いて人間のような自然なチャットのやり取りができるサービスのことです。OpenAIより2022年11月30日にリリースされました。
ChatGPTの最大の利点は、「誰でも感覚的に触れる簡単さ」にあると思います。まるで人間と対話するようにチャットできます。ChatGPTに入力した質問または指示に対してスムーズに回答が表示されるため、外国語の翻訳や情報の検索、資料の生成などのさまざまなシーンで活用されています。
採用業務でChatGPTを活用すると、人事・採用担当者の工数が削減されて、業務の効率化やプロセスの改善などにつながることが期待できます。
以下はChatGPTを採用業務に取り入れる一例です。
ChatGPTを採用業務に使うメリット
- 求人作成などの長文出力して採用担当者の負担軽減
- 求人を要約してスカウトメール作成を効率化
- 業務の効率化による採用活動のスピード向上とコストの削減
- 面接日程調整などの自動化による採用プロセスの改善
- 外国人求職者との円滑なやり取りによるグローバル採用への対応
ChatGPTの得意分野・苦手分野
ChatGPTの得意分野は「文章作成」や「アイデア出し」です。特に「長文作成」の“スピード”は、人間ではとてもかないません。9年以上の経験を持つ求人専門のコピーライターである筆者よりも早いです。
「2000文字以上の文章を書いてください」と言われて、難しいと感じる採用担当者の方も多いと思います。しかし、ChatGPTであれば2000文字を出力するのに3分とかかりません。
一方で、ChatGPTにも苦手分野もあります。ChatGPTが回答してくれるのは、基本的には「一般論」。個社の状況を加味して出力するのは苦手分野です。(でいなくはありませんが。複雑な指示が必要になります)
例えば、ChatGPTで求人を書くことはできます。例えば、「1000文字以内で営業職の仕事内容を書いてください」とChatGPTに投稿すれば、「一般的な営業職の求人」は作成できます。しかし、貴社の商品・サービス・強み・魅力を加味して求人を作成するのは難しいです。こうした個社の状況を加味して 求人を作成するには、「今のところ人間の力」が必要になります。
ただし、これはあくまで本記事執筆時点の話。ChatGPT は膨大なデータから機械学習を続けているため、質問への回答制度も上がっており、今後ますます強化されていく見込みです。将来的には、今できないことが出来るようになっていくかもしれません。
採用活動でChatGPTを活用する方法
採用活動にChatGPTを活用すると、人事・採用担当者がこれまで人の手で行ってきた作業をサポートしてくれます。主な活用方法には、以下が挙げられます。
求人票の作成をサポートする
ChatGPTに自社の情報や人材の要件を学習・分析させて、求人票のベースとなる文章を作成することが可能です。
以下のような情報を入力することで、内容に沿った文章が自動で生成されます。具体的な採用ターゲット像を設定すれば、ターゲットに向けた文章を作成されやすくなります。
▼求人票を作成するために必要な情報
- 自社の業界や商材
- 募集する職種
- 業務内容
- ターゲットとする人物像
ChatGPTで求人票を作成することで、採用担当者が一から文章を考えるよりも効率的に求人票を作成できるようになります。
ただし、前述のとおりChatGPTで出力できるのは、あくまで一般的な内容です。出力したまま使えるということは、まずありません。「自社の仕事内容と合っているか」「記載する情報に誤りがないか」「自社の要件と異なる部分がないか」「表現は適切かどうか」などについては人がチェックする必要があります。
なお、採用につながる求人票の作り方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
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スカウトメールの文面の作成をサポートする
求人メディアのスカウト機能や、ダイレクトリクルーティングでのスカウトメールを効率的に作成するために、ChatGPTを活用することも可能です。
ChatGPTの得意分野に文章の要約があります。ChatGPTに求人情報を入力して、重要なポイントを要約するように指示することで、短時間で簡単にスカウトメールの文章が生成されます。
生成された文章を参考に、スカウトメールの基本的な構成を作ったり、ターゲット層に応じてフォーマットを用意したり、採用担当者による文章のばらつきを防げます。
多言語に対応して応募を受けつける
ChatGPTを活用すれば、日本語の求人票を多言語対応に変換して外国人の求職者からの応募を受けつけることが可能です。
採用担当者に外国語のスキルがない場合でも、国籍を問わずに求人の募集を行えるため、グローバル人材の採用促進につながると考えられます。
また、ChatGPTの自動翻訳機能は多言語に対応しているため、選考過程や入社後にグローバル人材と円滑にコミュニケーションをとる際にも役立ちます。
ChatGPTをうまく使いこなすポイント
ChatGPTでは、プロンプトと呼ばれる指示文を入力することで文章が生成されます。より精度の高い文章を生成するためには、プロンプトを入力する際に以下のポイントを押さえておくことが重要です。
①情報を具体的に入力する
自社の情報や募集要項、求める人物像などの情報は具体的かつできるだけ多く入力することがポイントです。
ChatGPTは、入力した情報を基にして文章を生成するため、箇条書きで多くの情報を提供することで回答の精度が高くなるといわれています。
また、文字数や回答数などの条件を指定すると、回答内容の精度が高まるほか、生成された文章をチェック・修正しやすくなります。
②質問を重ねて学習を繰り返す
ChatGPTでのやり取りは1往復で終了するのではなく、質問を重ねて繰り返し学習させることがポイントです。
その際、採用担当者が情報を提供するだけでなく、ChatGPTに何の情報が不足しているかを質問することも有効です。生成された文章に対して修正・訂正・情報の追加を繰り返すことで、ChatGPTによる回答内容の精度を高められます。
③ChatGPTの立場を指定する
ChatGPTが「どの立場で回答するのか」を指定することもポイントの一つです。
採用担当者や求職者などの立場を指定すると、より求めている回答に近づけることが可能です。立場を指定する際は、「あなたは自動車部品メーカーの人事・採用担当者です」と指定するか、もしくは文頭に“role:”タグを使用して指定する方法があります。
ChatGPTを採用業務で使うときの注意点
ChatGPTは文章の作成・要約をするのに非常に便利なツールです。活用方法次第で求人票やスカウトメールの作成時間を大幅に短縮できます。ただし、ChatGPTを採用業務で活用するためには注意点もあります。
出力された内容をそのまま活用するのではなく、たたき台として修正する
ChatGPTによる文章生成は、発展途上の段階。出力された文章には誤情報を含むことが少なくありませんので、人の目によるチェックが必要です。
また、ChatGPTで出力できる文章は基本的には「一般的な内容」に限ります。例えば、「経理の仕事内容について教えてください」というプロンプトを入力すれば、ネット上で紹介されているような「一般的な経理の仕事内容」は出力してくれます。
しかし、会社や任せるポジションによって仕事内容は異なるはずです。ChatGPTを採用で活用する場合は出力された文章をそのまま使用するのではなく、自社の仕事内容や任せるポジションに応じてカスタマイズしましょう。
ChatGPTでは「他社の求人との差別化」は難しい
前述のとおり、ChatGPTで出力できる文章は「一般的な内容」に限ります。一般的な仕事内容を出力することはできますが、「自社ならではの魅力」をまとめてはくれません。
世の中には求人が無数にあり、採用活動を行なえば間違いなく他社と比較されます。その中で応募を集めるためには、「差別化方法」を検討する必要があります。自社が採用を行なうのと同じ時期に、同じエリアで、同じ職種を募集している企業が、求人でどんな打ち出しをしているのかは都度異なります。こうした差別化して応募を集める方法は、人間が考えるべき分野となります。
ChatGPTでは「ミスマッチの防止」は難しい
求人には「仕事の内容を伝える」だけでなく、「ミスマッチを防止する」という重要な役目があります。入社前にどんな仕事・会社の特徴を知っていないと、入社後にミスマッチが生じて早期離職が発生しやすいのかは企業によって異なります。
そのため、「一般的な内容」を出力するChatGPTでは対応できません。企業の人事・採用担当者が、ミスマッチが発生しやすいポイントを把握し、意図して求人に盛り込んでいく必要があります。
求職者の個人情報は読み込ませない
ChatGPTに応募者の情報を読み込ませるのは、推奨できません。応募者の履歴書・職務経歴書のデータは「個人情報」です。本人の許可なく、許可なくChatGPTに学習させるのは避けましょう。
まとめ
この記事では、ChatGPTを活用した採用業務について以下の内容を解説しました。
- AI技術で会話ができるChatGPTの概要
- 採用活動でChatGPTを活用する方法
- ChatGPTをうまく使いこなすポイント
ChatGPTは、求人票またはスカウトメールを作成する際や、多言語で採用活動を行う際などに活用できます。回答の精度を高めるには、情報を具体的に入力するとともに、質問を重ねて学習を繰り返すこと、ChatGPTの立場を指定することがポイントです。
ただし、ChatGPTには個人情報が漏洩するリスクがあるほか、誤った情報が含まれている可能性があります。利用する際は、個人情報の入力は控えるとともに、生成された文章をそのまま使用せずチェック・修正することが重要です。
また、ChatGPTは「一般的な仕事内容」を出力するのには適していても、「他社求人の打ち出しを踏まえて差別化する」ことはできません。こうした求人で応募を増やす工夫は、まだ、人間が行なう必要があります。
自社の魅力が伝わる求人票を効率的に作成するには、プロによるサポートを受けられる求人サイトを選ぶことも一つの方法です。「求人で自社の魅力を最大限アピールしたい」「求人で競合他社と差別化を図りたい」とお考えの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
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