日本の平均年収|人事・採用担当が知りたい年収の平均値を項目別に解説
年収は求職者が仕事探しをするうえで、重要視される項目のひとつです。労働者の生活水準や、企業の採用成功率にかかわる要素であるため、「日本の平均年収ってどのくらい?」「自社の年収は平均値に比べて低い?高い?」と気になる人も多いでしょう。
本記事では、日本の平均年収について詳しく解説しています。全体の平均年収だけでなく、年齢別・業種別・雇用形態別など、さまざまな観点から年収の平均値を紹介していますので、ぜひチェックしてください。
目次[非表示]
- 1.日本の平均年収は458万円
- 1.1.日本の年収の中央値
- 2.年齢別の平均年収
- 3.男女別の平均年収
- 4.業種別の平均年収
- 5.雇用形態別の平均年収
- 6.事業所規模別の平均年収
- 7.資本金階級別の平均年収
- 8.自社の年収が平均より低くても採用成功する方法
- 8.1.年収が業務内容に適している点をアピールする
- 8.2.年収以外の魅力をアピールする
- 9.年収が平均より低くても採用成功した事例
- 10.まとめ
日本の平均年収は458万円
国税庁が公表している資料「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本における令和4年の給与所得者の平均年収は458万円でした。
また、過去5年間の平均収入の推移は以下の通りです。
2018年(平成30年) |
439万円 |
2019年(令和元年) |
438万円 |
2020年(令和2年) |
435万円 |
2021年(令和3年) |
446万円 |
2022年(令和4年) |
458万円 |
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計 調査結果について」
日本の年収の中央値
前項で令和4年における日本の平均年収は、458万円であるとご説明しました。しかし平均年収は、年収が高い人の影響を受けやすいため、実際の中央値とは異なります。
たとえば、年収が200万円・300万円・500万円・2000万円の4人の平均年収は750万円ですが、実際に年収が750万円に達しているのは一人だけです。このように平均年収は、年収が高額な人の影響を受けやすく、国税庁の調査でも同様の傾向があります。
一般的な日本人の年収を知りたい場合は、平均年収だけでなく、年収の中央値も確認しておくとよいでしょう。
年収の中央値とは、年収を数値順に並べたときの「真ん中」の数値です。年収の上限と下限に差があったとしても、中央値では「真ん中」を見るので、実際の年収相場の参考になります。
厚生労働省の資料「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」より、年収の中央値を算出した結果、男女別の年収の中央値は、以下となりました。
性別 |
年収の中央値 |
男性 |
約301万円 |
女性 |
約237万円 |
参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」
※国税庁と厚生労働省の調査は計測・抽出条件が異なります。
年齢別の平均年収
年齢階層別の平均年収は、以下の通りです。50代までは年齢が上がるごとに平均年収も上昇しますが、60代になると徐々に降下する傾向があります。
年齢階層 |
平均年収 |
19歳以下 |
124万円 |
20~24歳 |
273万円 |
25~29歳 |
389万円 |
30~34歳 |
425万円 |
35~39歳 |
462万円 |
40~44歳 |
491万円 |
45~49歳 |
521万円 |
50~54歳 |
537万円 |
55~59歳 |
546万円 |
60~64歳 |
441万円 |
65~69歳 |
342万円 |
70歳以上 |
298万円 |
男女別の平均年収
男女別の平均年収は、以下の通りです。男性のほうが女性よりも約250万円高いという調査結果が出ています。
性別 |
平均年収 |
男性 |
563万円 |
女性 |
314万円 |
業種別の平均年収
業種別の平均年収は、以下の通りです。平均年収がもっとも高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の747万円でした。また、平均年収がもっとも低いのは「宿泊業・飲食サービス業」の268万円となっています。
業種により平均年収の差が大きくなる要因としては、「正規雇用・非正規雇用どちらも含んだ数値であること」「業種によって労働者の性別に偏りがあること」などが挙げられるでしょう。
業種 |
平均年収 |
建設業 |
529万円 |
製造業 |
533万円 |
卸売業・小売業 |
384万円 |
宿泊業・飲食サービス業 |
268万円 |
金融業・保険業 |
656万円 |
不動産業・物品賃貸業 |
457万円 |
運輸業・郵便業 |
477万円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 |
747万円 |
情報通信業 |
632万円 |
学術研究・専門・技術サービス業 教育・学習支援業 |
544万円 |
医療・福祉 |
409万円 |
複合サービス事業 |
506万円 |
サービス業 |
377万円 |
農林水産・鉱業 |
337万円 |
雇用形態別の平均年収
雇用形態別(正規雇用・非正規雇用)の平均年収は、以下の通りです。
雇用形態 |
平均年収 |
正規雇用 |
523万円 |
非正規雇用 |
201万円 |
事業所規模別の平均年収
事業所規模別(従業員規模別)の平均年収は、以下の通りです。事業所規模が大きくなるほど、従業員の平均年収も高くなる傾向があります。
事業所規模 |
平均年収 |
1~4人 |
340.1万円 |
5~9人 |
398.8万円 |
10~29人 |
424.8万円 |
30~99人 |
423.4万円 |
100~499人 |
445.7万円 |
500~999人 |
480.3万円 |
1,000~4,999人 |
520.8万円 |
5,000人以上 |
538.4万円 |
資本金階級別の平均年収
資本金階級別の平均年収は、以下の通りです。資本金の金額が大きくなるほど、平均年収も高くなる傾向があります。
資本金階級 |
平均年収 |
2,000万円未満 |
391.2万円 |
2,000万円以上5,000万円未満 |
425.5万円 |
5,000万円以上1億円未満 |
428.7万円 |
1億円以上10億円未満 |
473.0万円 |
10億円以上 |
648.6万円 |
自社の年収が平均より低くても採用成功する方法
ここまで、さまざまな項目別に平均年収を紹介してきました。年収は人材採用においても大切な要素なので、自社の年収が平均よりも低く、「採用活動で不利になってしまうのでは?」と不安を感じた方もいらっしゃるでしょう。
ここからは自社の年収が平均より低い場合でも、人材採用に成功しやすくなるポイントを解説します。採用活動をする際は、以下の2点を意識的にアピールし、求職者を自社の求人に惹きつけられるよう工夫しましょう。
年収が業務内容に適している点をアピールする
年収が平均より低めだったとしても、業務内容が年収に見合っていれば、求職者にとって魅力的な求人に見える可能性があります。たとえば「月給10万円×12ヶ月=年収120万円」の場合、額面だけを見ると「年収が低い」と感じる人が多いでしょう。
しかし、もしその業務内容が「毎日好きな映画を見てレビューを記述するだけ」だったとしたら、「年収と仕事内容が見合っている!」「簡単な業務でそこそこの給与がもらえる!」と感じ、応募を前向きに検討する人もいるはずです。
このように年収の額面だけを見て、応募するかどうかを判断するよりも、「年収と業務内容が見合っているかを重視して仕事を選ぶ」という求職者は多いものです。自社の年収が平均よりも低い場合は、業務内容に対して年収が適切である点をアピールするとよいでしょう。
年収以外の魅力をアピールする
年収以外の魅力を求職者へアピールするのも効果的です。ハローワークの調査によると「応募するにあたり求職者が重要視する求人票の項目」は、1位「仕事内容」、2位「就業場所」、3位「賃金」となっています。意外なことに、賃金が1位ではないのです。
この調査結果から、「給与は確かに重要な項目ではあるものの、数ある選択軸のひとつでしかない」という傾向が読み取れます。そのため以下のようなアプローチを試すことにより、年収が平均より低くても、自社求人への応募を増やせる可能性があります。
▼年収以外の魅力をアピールする方法の例
- 「仕事の楽しさ・おもしろさ・やりがいなどを重視する求職者」を狙って、自社の仕事における魅力を求人に記載する
- 「職場の人間関係を重視する求職者」を狙って、一緒に働く仲間の魅力を求人や採用サイトなどで伝える
- 「ワークライフバランスを重視する求職者」を狙って、残業の少なさ・休みの多さ・有給休暇の取りやすさを求人でアピールする
年収が全国平均より低かったとしても、仕事の選択軸の1位が給与ではない人を狙って採用活動をすることで、採用成功率を高められる可能性があります。まずは、自社の給与以外の魅力が何なのかを分析してみましょう。
会社の魅力を分析する方法や、効果的に伝える方法は、以下の記事で詳しく解説しています。「自社の魅力がよくわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
▼会社の魅力を効果的に伝える方法とは? 魅力の考え方・洗い出し方も解説
また、応募が集まる求人広告の書き方は、以下の記事で解説しています。求人をより魅力的にするための工夫を紹介していますので、あわせてご覧ください。
▼求人広告の書き方|求職者にアンケート調査して分かった効果を出す方法
年収が平均より低くても採用成功した事例
年収が平均値より低くても採用成功した事例を知りたい方は、以下のページが参考になります。こちらは中途採用向け求人サイト「エン転職」に求人を掲載し、採用に成功した事例を紹介しているページです。
実際に掲載された求人広告の内容や、その応募数・面接数・内定数・入社数を公開しています。参考になる事例をぜひ探してみてください。
▼「応募の数」を改善した企業の事例
▼「応募の質」を改善した企業の事例
まとめ
日本における項目別の平均年収や、年収が低くても採用成功するポイントなどを解説しました。年収は採用シーンで重視される要素ではありますが、待遇で魅力づけできなくても、求人の書き方を工夫すれば、採用成功率を十分高められます。
求人の書き方を工夫して、採用成功率をアップさせたいとお考えの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。エン転職は1000万人以上の会員数を誇る、日本最大級の中途採用向け求人サイトです。
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エン転職は求人広告の質が高いため、「求人広告賞」を2018年から2021年まで4年連続受賞中。過去18回の開催のうち、半数を超える通算10回を受賞しています。採用でお悩みの際は、以下のエン転職お問い合わせ窓口より、お気軽にご相談ください。
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