ケイパビリティとは? ビジネスでの意味や考え方をわかりやすく解説


「ケイパビリティとは」のイメージ画像


昨今、さまざまなビジネスシーンで「ケイパビリティ」という言葉が注目を集めています。ビジネスにおけるケイパビリティには、「企業の組織的な強み・他社と比べて組織的に優位性の高い部分」といった意味合いがあります。
 
本記事はケイパビリティについて、わかりやすく解説しています。ケイパビリティの詳細・向上させるメリット・把握する方法などを詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。自社のケイパビリティを理解して向上させ、市場での優位性を高めましょう。
 

目次[非表示]

  1. 1.ケイパビリティとは?
    1. 1.1.ケイパビリティが注目されている背景
    2. 1.2.コアコンピタンスとの違い
  2. 2.ケイパビリティを向上させるメリット
    1. 2.1.他社が模倣しづらいため市場での優位性が高まる
    2. 2.2.企業の独自性が強くなる
  3. 3.自社のケイパビリティを把握する方法
    1. 3.1.SWOT分析を行なう
    2. 3.2.バリューチェーン分析を行なう
  4. 4.ケイパビリティを向上させる方法
    1. 4.1.人材を育成する
    2. 4.2.ケイパビリティ・ベース競争戦略を行なう
    3. 4.3.ダイナミック・ケイパビリティ戦略を行なう
  5. 5.まとめ


ケイパビリティとは?

ケイパビリティ(capability)は直訳すると「能力・手腕・才能」といった意味がある言葉です。ビジネスにおけるケイパビリティは、「企業の組織的な強み・他社と比べて組織的に優位性の高い部分」などの意味合いで使われています。


1992年にボストン・コンサルティング・グループのジョージ・ストークス、フィリップ・エバンス、ローレンス・シュルマンが3人で発表した論文によると、ビジネスにおけるケイパビリティは「バリューチェーン全体での組織的な能力」と定義されています。


つまり特定の社員だけに、開発力や営業力などの強みがあったとしても、それらは企業のケイパビリティという扱いにはなりません。


ケイパビリティは個としての強みではなく、あくまでも「企業全体の組織的な強み」です。企業が事業において実施する研究開発・製造・営業・販売などの一連の流れにおいて、他社よりも優位性のある部分が、ケイパビリティとなります。


ケイパビリティが注目されている背景

近年、ケイパビリティが注目されている背景には、社会のグローバル化により、企業競争が激化している点が挙げられるでしょう。グローバル化によって、あらゆる市場の環境変化が激しくなり、なおかつ変化のスピード感も早まっています。


目まぐるしく変わる市場に対応し、多くの競合他社と自社を差別化するためには、自社のケイパビリティを明確に定義して、組織全体としての優位性を強化する必要があるのです。


コアコンピタンスとの違い

ケイパビリティと混同されがちな言葉に「コアコンピタンス」というものがあります。コアコンピタンス(core competence)の意味は、直訳すると「核となる能力・得意分野」です。


ビジネスにおいて、コアコンピタンスは「競合他社に真似されにくい強み・自社の核となる能力」といった意味合いで使われます。前述したジョージ・ストークスらの論文では、コアコンピタンスは「特定の技術力」とされています。


ケイパビリティが「企業のバリューチェーン全体での組織的な能力や強み」であるのに対し、コアコンピタンスは「企業の核となる特定の能力や強み」ということです。


言葉の意味合い

ケイパビリティ

バリューチェーン全体での組織的な能力や強み
(事業プロセス全体としての強み)

・組織としての研究開発力
・組織としてのマーケティング力 など

コアコンピタンス

企業の核となる特定の能力や強み
(事業プロセスの一部における強み)

・家電メーカーの液晶技術
・自動車メーカーのエンジン技術 など


ケイパビリティを向上させるメリット

自社のケイパビリティを向上させることには、以下のようなメリットがあります。

  • 企業の独自性が強くなる
  • 市場での優位性が高まる

各メリットについて、詳しく見ていきましょう。


他社が模倣しづらいため市場での優位性が高まる

ケイパビリティは、単なる製品やサービスとしての強みではなく、事業プロセス全体における強みです。事業プロセス全体における組織的な強みは、外部から見えづらく模倣しづらいため、市場での優位性向上に役立ちます。


たとえば企業の製品やマーケティング施策は、第三者の目に入りやすいため、模倣しやすいでしょう。しかし、製品を市場に出回らせるための開発現場や製造網、流通網、管理体制などは第三者から見えづらいため、同業他社であっても模倣するのは難しくなります。


事業プロセス全体における強みを明確化し、強化していくことで、他社が模倣しづらい部分での市場優位性が高まります。つまりケイパビリティを向上させると、自社が市場での優位性を長期間にわたって保ち続けられる可能性が高くなるのです。


企業の独自性が強くなる

ケイパビリティの向上は、企業の独自性強化にもつながります。ケイパビリティ(事業プロセス全体としての強み)は、コアコンピタンス(事業プロセスの一部における強み)と密接に関わっているからです。


ケイパビリティを向上させると、コアコンピタンスも高まるため、自社独自の強みがさらに強化されます。独自性が強くなることで優位性がさらに高まり、市場における自社のシェアを広めることにつながるでしょう。


自社のケイパビリティを把握する方法

自社のケイパビリティを把握するには、フレームワークを活用するのがおすすめです。ここからは、ケイパビリティを把握するための「SWOT分析」と「バリューチェーン分析」について解説します。


SWOT分析を行なう

「SWOT分析」とは企業の内部環境・外部環境それぞれにおける、プラス要因・マイナス要因を洗い出してケイパビリティを分析するフレームワークのことです。


強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の頭文字をとって「SWOT」と名付けられています。


SWOT分析では、自社の強みと弱みを以下のように4つのフレームに分けて分析します。自社の特徴を客観的に考えて振り分けることにより、事業における強みや課題を見つけられるでしょう。


内部環境

外部環境

プラス要因

強み:Strength

内部環境における自社の強み

機会:Opportunity


外部環境における自社の強み

強みを発揮できる環境・市場など

マイナス要因

弱み:Weakness


内部環境における自社の弱み

脅威:Threat


外部環境における自社の弱み
強みが失われる環境・市場など


自社の特徴を客観的に考えるためには、他社の製品やサービスを知り、比較することが大切です。競合調査を行なってみると、「自社の弱みだと思っていた部分が、実は他社より秀でていた」などの新しい気づきが得られます。


バリューチェーン分析を行なう

バリューチェーン分析とは、企業の活動を「主活動」と「支援活動」に分けて考え、どの活動で価値が生まれているかを調べる分析方法です。自社が事業プロセス全体を通して行なっている活動を洗い出して分類し、競合他社より秀でている部分を見つけましょう。


たとえば、自社のメインとなる事業が製造・販売である場合は、商品の製造や営業販売に関する業務を主活動とします。労務管理や経理など、主活動以外の業務は、支援活動へ振り分けましょう。


メインとなる事業が製造・販売である場合の例を以下にまとめました。以下の例を参考に、自社の主活動・支援活動における強みを分析し、ケイパビリティを見つけてみてください。

主活動

(事業のメインとなる活動)

主活動の強み

研究開発
独自の研究開発プロセスを保有している
新商品の開発スピードが早い
原材料の調達
原材料も自社でつくっている
商品の製造
熟練の従業員が多数在籍している
マーケティング
マーケティングノウハウが社内に蓄積されている
営業
営業担当を独自プログラムによって育成している
販売
日本全国に支店があり、供給網が強固である


支援活動

(主活動をサポートする活動)

支援活動の強み

経理事務

熟練の事務職員が多い

人事・労務管理

福利厚生が充実している

公正な人事評価システムが構築されている

人材教育・育成

各部門に最適な育成プログラムが用意されている

その他情報管理など

機密情報・顧客情報の漏洩対策が強固である


ケイパビリティを向上させる方法

最後に、ケイパビリティを向上させる方法について解説します。ケイパビリティを向上させるには、以下の3つの方法が有効です。


人材を育成する

人材育成は企業のケイパビリティ向上につながります。「各部署に熟練の作業員がいる」「各部署に配属された従業員一人ひとりのスキルが高い」などの従業員がもつ強みも、ケイパビリティの一部となり得るからです。


従業員を育成し、スキルや能力を向上させることで、自社のケイパビリティがより強固となります。自社の事業内容や、従業員規模に適した人材育成プログラムをつくって実施しましょう。


ケイパビリティ・ベース競争戦略を行なう

ケイパビリティ・ベース競争戦略とは、ケイパビリティを経営戦略の中心に据えて、他社との市場競争を優位に進める戦略のことです。ケイパビリティ・ベース競争戦略を行なうことで、自社のケイパビリティがより明確となるほか、強化すべき点も見えてきます。


ケイパビリティ・ベース競争戦略には4つの原則があります。以下の4つの原則にしたがって、ケイパビリティを強化しつつ経営戦略に組み込みましょう。


1.ビジネスプロセスを重視して進める
 
通常、経営戦略は製品や参入市場に注目して策定します。しかしケイパビリティ・ベース競争戦略の場合は、企業価値を高めるための組織力や、ビジネスプロセスを重視して策定します。


2.主要なビジネスプロセスを変換する
 
自社のビジネスプロセスのうち、主要なものをケイパビリティへと変換します。自社の主要なビジネスプロセスの強みをケイパビリティへ変換することで、限られた経営資源を有効活用できるほか、他社よりも秀でた価値を提供できるようになります。


3.部門間のインフラを整備する
 
部門同士の連携をスムーズにするため、部門間のインフラを整備します。部門同士で連携しやすくなると、各部門が最大限の力を発揮できるようになります。
 

4.経営層が積極的に推進する
 
ケイパビリティは組織としての強みなので、企業全体のマネジメントを行なう経営層がリーダーシップを発揮し、積極的に推進しましょう。経営層が推進することによって、部門をまたいだケイパビリティの強化・経営戦略の実行がスムーズになります。


ダイナミック・ケイパビリティ戦略を行なう

ダイナミック・ケイパビリティ戦略とは、目まぐるしく変わるビジネス環境に対応するため、企業が保有する人材・資金・情報などの資産を組み合わせて組織変革し、競争優位性をつくる戦略のことです。


ダイナミック・ケイパビリティ戦略を実施するときは、社内だけでなく社外の環境にも注目し、時代に適した組織変革を行なっていく必要があります。ダイナミック・ケイパビリティを構成する能力は、次の3つです。


1.感知(Sensing)
 
社会情勢・競合他社の動向・顧客ニーズの変化などを察知し、自社の脅威となる要素を感じとる能力です。ITツールの活用によるニーズ調査や、協力体制のある企業との動向調査などを行なうことにより強化されます。
 

2.捕捉(Seizing)
 
環境の変化に対応して、社内外の資源や知識を再利用し、新たなビジネスモデルなどを生み出す能力です。
 

3.変容(Transforming)
 
社内外の資源を再構築し、組織変革する能力です。組織の柔軟性を高めることによって強化されます。変容の力がある企業は、市場に合わせた組織の再編成や、社内ルール改定などを臨機応変に行なうことが可能です。

 

ダイナミック・ケイパビリティ戦略を構成する3つの能力を高めると、自社のケイパビリティ自体が向上します。変化が激しい市場のなかでも、長期的に優位性を保つことができるようになるでしょう。


まとめ

ケイパビリティについて、定義や向上させるメリット、把握する方法などを解説しました。ビジネスにおけるケイパビリティには、「企業の組織的な強み・他社と比べて組織的に優位性の高い部分」などの意味合いがあります。


自社のケイパビリティをフレームワークによって把握し、戦略的に向上させることで、市場での競争優位性を高められるでしょう。


また、ケイパビリティの向上は、企業の採用力強化にもつながります。社員個人だけの力に頼らず、組織として成果を出す仕組みが整っている企業は、求人の応募資格を緩和しやすいからです。
 

近年は少子高齢化による労働人口減少の影響で、採用難が叫ばれています。ケイパビリティを向上させ、求人応募の間口を広げることができれば、自社に適した人材を確保しやすくなるでしょう。
 

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