辞められたら困る人の特徴とは? 離職の理由や前兆、人材流出を防ぐ対策
企業にとって、優秀な人材が流出するのは大きな損失です。辞められたら困る人の特徴を把握し、手放さずに済むよう対策を講じる必要があります。
本記事では「辞められたら困る人」について、以下の情報を紹介します。
- 辞められたら困る人の特徴
- 辞められたら困る人が離職する理由と前兆
- 辞められたら困る人の離職が多い企業の特徴
また上記に加えて、優秀な人材の離職を防ぐ対策方法も紹介します。「人材の流出を防ぎたい」「優秀で頼りになる人材を確保したい」とお考えの方は、ぜひ本記事をチェックしてください。
目次[非表示]
- 1.辞められたら困る人の特徴9選
- 1.1.専門性の高い知識やスキルがある
- 1.2.重要なポジションを担当している
- 1.3.成長意欲や向上心が高い
- 1.4.物事を論理的に考えられる
- 1.5.高い実績を出している
- 1.6.失敗を成功の糧にできる
- 1.7.相手を思いやって行動できる
- 1.8.周囲からの信頼や人望が厚い
- 1.9.柔軟性が高い
- 2.辞められたら困る人が離職する理由7選
- 2.1.成長の見込みがないと感じるから
- 2.2.主体性や実力を発揮できる場がないから
- 2.3.評価が適切でないから
- 2.4.業務負担が多すぎるから
- 2.5.職場の人間関係が良くないから
- 2.6.新しい仕事に興味が湧いたから
- 2.7.他社から引き抜かれたから
- 3.辞められたら困る人が離職する前兆
- 3.1.モチベーションが低下している様子がある
- 3.2.定時退社や有給休暇の消化が増えている
- 3.3.仕事への不満や意見を言わなくなる
- 3.4.業務の引き継ぎやデスク周りの片付けに注力している
- 3.5.長期的な業務を避けるようになる
- 4.辞められたら困る人が離職する企業の共通点
- 5.辞められたら困る人の離職を防ぐ対策方法
- 6.まとめ
辞められたら困る人の特徴9選
まずは、辞められたら困る人の特徴を9つ紹介します。下記の特徴に当てはまる人材は、なるべく流出を防いだほうがよいでしょう。
専門性の高い知識やスキルがある
専門性の高い知識・スキル・業務経験などをもつ人材は、企業にとって辞められたら困る人の代表格といえるでしょう。後進を育てるにも時間がかかるので、同様のスキルをもつ人が社内にいない場合、離職されると大きな損失になってしまいます。
重要なポジションを担当している
部長・課長・マネージャー・チームリーダーなど重要なポジションの人が退職すると、組織をうまく回せなくなり、業績不振につながる可能性があります。
部下のマネジメントやプロジェクトの進捗管理など、業績に響きやすい重要な役割を、すぐにほかの社員へ引き継ぐのは、容易ではありません。
また、会社のなかで重要な役職を担っている人材は、企業理念や経営ビジョンなど、会社としての方向性を深く理解しているはずです。他者の見本となれる存在がいなくなることで、組織の士気が低下する恐れもあります。
成長意欲や向上心が高い
成長意欲や向上心が高い人材は、会社の業績だけでなく、周囲の人々にも良い影響を及ぼします。意欲のある人が辞めてしまうと、周囲のモチベーションも下がり、組織の雰囲気も悪くなる可能性があるので、なるべく引き留めておきたいものです。
また意欲のある人材は、社内の育成制度が整っていなくても、自主的に勉強をしたり経験を積んだりして成長していく傾向があります。自主性の高い人材は貴重であるうえ、周囲の見本になれる存在でもあるので、離職した際の影響は大きいでしょう。
物事を論理的に考えられる
物事を論理的に考えて行動できることも、辞められたら困る人の特徴のひとつです。論理的思考力が備わっている人材は、物事を矛盾なく筋道立てて考えられます。
そのため「どのような行動が成果につながるか」「トラブルを解決するにはどうすればよいか」といった問題の結論を素早く導き出し、的確に実行できるので、パフォーマンスが高い傾向があります。
また、説明や説得が上手であるため、チーム内の調整役を担っているパターンも多いでしょう。高いパフォーマンスを維持し、なおかつ調整役も担える人材がいなくなるのは、会社にとって大きな痛手です。
高い実績を出している
日ごろから高い実績を出しており、組織への貢献度が高い人材も、企業にとって手放したくない人といえます。「毎月の営業成績が良い」など、高い成果を上げている人材が離職してしまうと、会社の業績に多大な影響が出てしまうからです。
加えて、優れた実績を出していた人が離職することで、ほかの社員が会社の人事評価制度に不満や不信感を抱き、連鎖的に退職が発生する可能性もあります。優秀な社員の離職は、それだけ周囲に影響のある出来事なのです。
失敗を成功の糧にできる
失敗を成功の糧にできるポジティブな人も、企業にとって辞められたら困る人といえるでしょう。仕事で失敗したとき、ただ落ち込むのではなく「原因は何だろう?」「どうすれば改善できるのか?」と前向きに考えて対処できる人材は、成長スピードが早いため、組織への貢献度も高い傾向があります。
相手を思いやって行動できる
企業内で仕事を進める場合、他者とのコミュニケーションは不可欠です。「相手の話を傾聴できる」「自分の意見を述べるとき言い方に配慮できる」など、相手を思いやった行動ができる人は、組織に必要な人材といえます。
立場に関係なく相手に優しくできる人や、相手への配慮を忘れない人が職場を辞めてしまうと、途端に組織内の雰囲気が悪くなり、殺伐とした状態に陥ってしまう可能性があります。
周囲からの信頼や人望が厚い
辞められたら困る人の特徴には、「周囲からの信頼や人望が厚い」という点も挙げられます。誠実でコミュニケーション能力が高く、信頼や人望の厚い人は、周囲から「この人と一緒に働きたい」と強く慕われている傾向があるからです。人望が厚く慕われている人が離職すると、ほかの社員も連鎖的に会社を辞めてしまう可能性があります。
柔軟性が高い
以下のような特徴をもつ柔軟性が高い人も、企業にとってなくてはならない存在です。
- 固定観念にとらわれない
- 自分のルールや考え方に固執しない
- ケース・バイ・ケースで対応できる
昨今は社会がグローバル化し、あらゆる変化が激しくなっています。変化の激しい競争社会で成果を上げ続けるには、時勢に合わせて柔軟に対応する力が必要です。
従来のやり方やルールにとらわれず、革新的なアイデアを出し、柔軟に対応できる人材が組織内にいれば、グローバル化した競争社会のなかでも一定以上の業績を維持できるでしょう。
辞められたら困る人が離職する理由7選
続いて、辞められたら困る人が離職する主な理由を7つ紹介します。企業にとってなくてはならない優秀な人材が、どのような理由で離職を検討するのか把握しておきましょう。
成長の見込みがないと感じるから
成長意欲や向上心が高い人材は、「これ以上この会社にいても成長できる見込みがない」と感じると、離職する傾向があります。
たとえば以下のような状態が続くと、自身がスキルアップできる環境や、成長できる機会を求めて他社へ転職してしまうでしょう。
- 裁量権が少なすぎる
- 新しい業務に挑戦できる機会がない
- 新しいスキルを身につけられる機会がない
主体性や実力を発揮できる場がないから
優秀な人材の主体性や、実力を発揮できる機会がない場合も、離職する可能性が高くなります。
- 決められた一定の仕事しか任せてもらえない
- 人材配置が不適切で本来の実力を発揮できない
- 自ら進んで行動すると「余計なことをするな」と怒られる
上記のように、主体性や実力をきちんと発揮できない環境では、優秀な人材が不満を感じやすくなります。その結果、より良い環境を求めて転職してしまうのです。
評価が適切でないから
「人事評価システムの精度が未熟・評価者の主観だけで判断されてしまう」などの理由で、適切な評価が受けられない場合も、離職する人が多くなります。
人事評価が適切でないと、優秀な人材に「成果を上げても評価されない・努力しても報われない」といった不満が溜まりやすくなるからです。社員の実力や上げた成果に対して、適切な評価とリターンを与えられるようにしましょう。
業務負担が多すぎるから
会社にとって辞められたら困るほどの人材は、業務の遂行能力に優れ、周囲からも頼りにされているケースが多いものです。しかし優秀であるがゆえに、業務負担が集中しすぎてしまい、激務でストレスを抱えやすくなる傾向もあります。
特定の人材に業務負担が偏っていると、残業時間や休日出勤の回数が増えてプライベートの時間を十分確保できなくなり、疲弊してしまうでしょう。業務配分を見直し、きちんとケアをしなければ、より働きやすい環境を求めて離職されてしまいます。
職場の人間関係が良くないから
協調性やコミュニケーション能力があり、周囲を思いやって行動できる人材は、チーム内の調整役を担うケースが多くあります。
異なる考えや価値観をもつ社員同士の間に挟まり、プロジェクトをうまく進めるために意見を取りまとめたり、折衝したりできるのは素晴らしい能力です。しかしチームの調整役として立ち回るうちに、人間関係に疲弊し、精神的に消耗してしまうことも珍しくありません。
揉め事の多い職場であれば、なおさら疲弊して離職しやすくなってしまうでしょう。調整役を担う人材が上長に相談しやすい環境をつくるなど、対策を講じる必要があります。
新しい仕事に興味が湧いたから
優秀な人材ほど自主性や知的好奇心、チャレンジ精神をもっています。新しい仕事や業界に興味が湧き、現職から離れようと決心をする人も多いでしょう。
好奇心やチャレンジ精神のある人材は、新しい環境に適応するのも早い傾向があります。要領が良く、新しい職場や仕事内容に順応するのも早いため、変化を恐れずに転職します。
「自分の可能性を試してみたい」「新しいことに挑戦したい」こうした考えをもつ優秀な人を手放さないためには、適度に新しい業務や新しいポジションを任せるなどして、退屈を感じさせない工夫が必要です。
他社から引き抜かれたから
自社にとって辞められたら困る人は、他社にとっても魅力的な人材です。他社からヘッドハンティングを受けて、離職を検討する場合もあります。
他社からヘッドハンティングされるときは、「現職よりも良い待遇を用意する」と声をかけられるケースがほとんどです。待遇や就労条件に魅力を感じると、引き抜かれてしまう可能性があります。
辞められたら困る人が離職する前兆
ここからは、辞められたら困る人が離職する前兆を紹介します。離職の前兆を把握し、当てはまる社員に適切な対応をとれるようにしましょう。
モチベーションが低下している様子がある
下記のように、仕事のモチベーションが低下している様子が見られる場合、離職を検討している可能性があります。
- いつもより元気のない様子が続いている
- 周囲とコミュニケーションをとる頻度が減っている
- 発言や業務態度から以前と同じような意欲が感じられない
このような状態が何日も続いている場合、「一時的な体調不良や疲労で調子が悪いのだろう」と見過ごすのではなく、適切なケアを施す必要があるでしょう。
定時退社や有給休暇の消化が増えている
今まで意欲的に働いており、必要があれば残業をしていた社員が、定時退社にこだわるようになったときにも注意が必要です。また、社員が積極的に有給休暇を消化するようになった場合も、退職を検討している可能性があります。
なかには、ただ単純に「用事がある」「疲れを癒したい」という目的で早く帰宅したり、休みを増やしたりしているケースもあるでしょう。
しかし、仕事への意欲が低下している可能性もゼロではないため、慎重にコミュニケーションを図り、どのようにフォローすべきか見極める必要があります。
仕事への不満や意見を言わなくなる
仕事への不満や意見を言わなくなるのも、離職を考えている人の特徴です。マイナスな意見を言わない状態は、一見良いことのように思えるでしょう。
しかし、なかには「会社に対してすでに見切りをつけており、改善を諦めているから言わない」「もう会社に期待できないから何も言わない」というケースもあります。
- 今まで会議で積極的に発言していた社員が何も言わなくなった
- 業務の改善案などを積極的に提案していた社員が何も言わなくなった
上記のような状態が続いているときは、該当の社員が離職を考えている可能性があるので注意しましょう。
業務の引き継ぎやデスク周りの片付けに注力している
- 業務の引き継ぎを積極的に行なっている
- 自分のデスク周りを頻繁に片付けている
上記のような行動が目立つ場合、「すでに転職の当てがある」「退職のスケジュールを立てている」などの状況が考えられます。
離職の決意が固まってしまうと、説得するのは難しくなります。辞められたら困る人がいる場合は、この段階に至る前に適切なケアを施しましょう。
長期的な業務を避けるようになる
社員が長期的な業務を避けるようになったときも要注意です。離職を考えている人は、自分が長期的なプロジェクトに関与して、周囲に迷惑をかけてしまうことを懸念しています。
長期的な仕事を避け、スムーズに今の職場を辞められるよう取り計らっている可能性があるので、こうした兆候を見かけたらすぐにフォローしましょう。
辞められたら困る人が離職する企業の共通点
辞められたら困る人が離職する企業には、以下のような共通点があります。
- 人材配置が適切でない
- 教育制度が整っていない
- 社員の労働環境や待遇が悪い
- 評価制度が公正・公平でない
- 人間関係が悪く風通しが悪い
- 仕事のことを周囲へ相談するのが難しい
上記のような特徴がある企業は、優秀な人材が流出しやすくなります。このほかにも離職率の高い企業の特徴を詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
▼離職率が高い会社の特徴とは|離職率を下げる対策8選も解説
辞められたら困る人の離職を防ぐ対策方法
辞められたら困る人の離職を防ぐには、以下のような対策が有効です。
- 従業員の待遇を改善する
- 人材教育システムを整える
- 多様なキャリアパスをつくる
- 定期的にストレスチェックを行なう
- 柔軟な働き方ができる体制をつくる
- 上司と定期的に面談する機会を設ける
- 公正・公平で納得度の高い人事評価制度にする
対策のすべてを実行するのは難しくても、ひとつずつ実施して徐々に社内環境を改善していけば、優秀な人材の離職を防げる可能性が高くなります。まずは、出来るところから対策を講じてみましょう。
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まとめ
「辞められたら困る人の特徴・辞められたら困る人が離職する理由と前兆」などを紹介しました。一般的に、企業にとって辞められたら困る人材には、「専門性の高い知識やスキルがある・成長意欲や向上心が高い」などの特徴があります。
意欲的でスキルのある人材は、成長できる機会が無かったり、実力を過小評価されたりすると、離職を検討する可能性があるので注意しましょう。
本格的に離職を検討しはじめ、転職の目途が立ってしまうと、引き留めるのが難しくなります。その段階に至る前に、適切なコミュニケーションを図り、ケアすることが大切です。
また、「自社にマッチする優秀な人材を確保したい」とお考えの場合は、採用の時点で定着する人材をしっかりと見極めることも重要です。
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