ストレス耐性が低い人・高い人の特徴と採用選考でのチェック方法
近年、仕事によるストレスで離職を繰り返したり、精神障害と認定されたりする人が増えていることから、ストレス耐性への関心が高まっています。
本記事ではストレス耐性を決める6つの要素や、ストレス耐性が低い人・高い人の特徴、採用選考でのチェック方法などを解説します。
「ストレス耐性を見極めるにはどうすればいいの?」
「自社の業務負担に耐えられる人材を採用したい」
このようなお悩みのある方は、ぜひ本記事を採用選考にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.ストレス耐性とは?
- 2.ストレス耐性の6つの構成要素
- 3.ストレス耐性が低い人の特徴
- 4.ストレス耐性が高い人の特徴
- 5.採用選考でストレス耐性をチェックする方法
- 5.1.TALENT ANALYTICS(旧3Eテスト)
- 5.2.ストレス耐性DIST
- 5.3.面接で見極める
- 6.まとめ
ストレス耐性とは?
ストレス耐性とは、ストレスに耐えられる力のことです。ストレスの元となるものは「ストレッサー」と呼ばれます。
同じストレッサーから与えられたストレスでも、負荷を受けた側に出る諸症状は、人によって異なります。不眠や胃痛などの身体的な症状が出る人もいれば、思い悩み憂鬱な気分になるなど精神的な症状が出る人もいるでしょう。
近年、精神障害を原因とした労災補償件数が増えていることや、離職理由に「仕事のストレス」を挙げる人が多いことから、ストレス耐性への関心が高まっています。
ストレス耐性の6つの構成要素
ストレス耐性は、以下の6つの構成要素で決まるとされています。まずは、ストレス耐性を形成する要素を把握しましょう。
容量
容量とは、ストレスを受け止められる程度(精神的容量)のことです。容量が大きい人は、ストレスを受けても心身の不調が出にくく、容量が小さい人は少しのストレスで不調が出やすくなります。
処理
処理とは、ストレスに対処する力のことです。何らかのストレスを受けた際に、ストレスの原因となるストレッサーを取り除いたり、ストレスの影響を小さくしたりする能力を指します。
たとえば、業務量が多くてストレスを感じている場合に、「業務効率化を図る」「上司に業務配分を相談する」などの行動が起こせるならば、処理能力があると判断されます。
感知
感知とは、ストレスを感じる力のことです。感知する能力が高いほど、ストレスに敏感な状態となります。逆に感知する能力が低い人は、ストレスに対して鈍感で、気づきにくい傾向があります。
経験
ストレス耐性における経験とは、「過去にどのようなストレスを受けてきたか」「どれくらいのストレスを受けてきたか」といった経験値を指します。一般的には、似たような経験を重ねるほど経験値が高まり、ストレスに強くなる傾向があります。
たとえば「アルバイトの初日はとても緊張して、ストレスを感じていたが、数日経つと業務に慣れて緊張が和らいだ」などの状況が経験に該当します。
しかし、同じような経験を重ねるほどネガティブになり、ストレス耐性が低くなってしまう人もいるでしょう。経験への反応には個人差があります。
回避
回避は、ストレスを回避する力です。たとえば、ストレスの原因となる物事を深刻にとらえすぎず、楽観的に考えられるタイプは、回避力が高いと判断されます。
ストレスの回避力は、内分泌系や自律神経系などの身体能力にも関係があるといわれています。身体が健康で丈夫なほうが、ストレスを感じにくい傾向があるのです。
転換
転換とは、ストレスに感じる物事をポジティブに考え直す力です。気持ちの切り替えが上手な人や、発想を転換させるのが得意な人は、ストレス耐性が高いといわれています。
たとえば仕事でうまくいかないことがあったとき、「成長の機会だ」「気持ちを切り替えてまた明日から元気に頑張ろう」とすぐに考え直せる人は、ストレス耐性が高いといえるでしょう。
ストレス耐性が低い人の特徴
ここからはストレス耐性が低い人・高い人の特徴を紹介します。まずは、ストレス耐性が低い人の特徴を具体的に4つ見ていきましょう。
真面目で几帳面
真面目で几帳面すぎる人や、完璧主義的な考えをしてしまう人は、ストレスに弱い傾向があります。
物事に対して真面目に取り組めること自体は、素晴らしいことです。しかし几帳面すぎて、完璧主義のような考え方に陥ってしまうと、細かいことを気にしすぎるあまり、少しの失敗やミスが大きなストレスとなってしまいます。
協調性が高すぎる
協調性が高すぎる人も、ストレス耐性が低いといわれています。協調性があること自体は、組織に馴染みやすく良いことです。
しかし協調性が高すぎる人は、周囲の人々に対して敏感になってしまう傾向があるため、なかなか気が休まりません。緊張状態が長く続き、神経がすり減ってしまうでしょう。
神経質で思い悩む
神経質で思い悩みやすい人も、ストレス耐性が低いといえます。
- ネガティブ思考で物事を悪い方向に考えてしまう
- 些細なことでも深く悩んでしまう
- 気持ちを切り替えるのが苦手
上記のような特徴がある場合、他人から言われたことや、仕事上のトラブルを引きずりやすいため、ストレスによって心身に不調をきたす可能性が高くなります。
ストレス耐性が高い人の特徴
続いて、ストレス耐性が高い人の特徴を見ていきましょう。
前向きでポジティブ
ポジティブ思考で前向きな人は、ストレスに対して強い傾向があります。たとえば、以下のような考え方のできる人は、ストレス耐性が高いといえるでしょう。
- 失敗やミスを「今後の仕事に活かそう」と考えられる
- 自分が不利な状況を「成長するチャンスだ」と捉えられる
- 難しい仕事を与えられたときに「期待されている」と前向きに考えられる
楽観的でマイペース
物事に対して楽観的であることも、ストレス耐性が高い人の特徴です。難しい状況であっても「まぁ、何とかなるだろう」と考えるタイプであれば、あまりストレスをため込まずに済みます。周囲の意見や感情を気にしすぎることもないため、マイペースに過ごせるでしょう。
集中力が高い
集中力が高く、今やるべきことに夢中で取り組める人も、ストレス耐性が高い傾向にあります。集中して物事に取り組む時間が長い人は、余計な心配事を考える時間が少ないからです。
集中力が高い人は、仕事で予想外のトラブルが起こっても、心配や不安を感じるより先に夢中で対処できます。業務効率が良い傾向もあるため、仕事と私生活を両方充実させやすいでしょう。
採用選考でストレス耐性をチェックする方法
ストレス耐性は個人差の大きいものです。自社の業務内容や人間関係に適した人材を採用するためには、選考方法を工夫する必要があります。ここからは、採用選考でストレス耐性をチェックする方法について解説します。
TALENT ANALYTICS(旧3Eテスト)
ストレス耐性をチェックする代表的な方法に、適性検査があります。適性検査はいくつかの質問に答えてもらうことによって、回答者の内面を数値的に可視化できます。
適性検査を実施するなら、総合人材サービスを展開するエン・ジャパンが開発した「TALENT ANALYTICS(タレントアナリティクス)」がおすすめです。以下の図は、TALENT ANALYTICSにおけるストレス耐性の項目です。
TALENT ANALYTICSでは、図のように回答者の傾向をグラフ化し、「どの項目に対する耐性が低い/高いのか」を可視化できます。面接だけではわかりにくい人材の内面を、より詳しく見極めたい場合におすすめです。
TALENT ANALYTICSの詳細を知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▼エン・ジャパンの適性検査「TALENT ANALYTICS」とは?人材の見極めで悩む方、必見!
ストレス耐性DIST
「ストレス耐性DIST(自社採点方式)」は、株式会社ダイヤモンド社が提供する、ストレス耐性の診断テストです。仕事上のストレス要因を4種類に分類し、各要因への耐性を診断します。
自社採点方式は、名前の通り受検から診断までを自社で実施可能です。また、DISTにはWeb上で受検できる「Web-DIST」や、コンピューター診断方式の「DIST-COM」もあります。
面接で見極める
ストレス耐性を面接で見極める方法もおすすめです。面接で行なう質問のなかに、ストレス耐性が測れるような質問を取り入れてみましょう。
たとえば以下のような質問をすると、応募者のストレス耐性を見極められる場合があります。
- 仕事に失敗したとき、どのようにして気持ちを持ち直しますか?
- プレッシャーの大きい仕事を抱えている場合、どのようにして冷静さを保ちますか?
- タイトなスケジュールのプロジェクトに参加した場合、どのようにタスクをこなしますか?
上記のように仕事でミスをしたときや、緊張した場面でどう対処しているかを確認するとよいでしょう。
「面接で使える質問をもっとたくさん知りたい」という方は、以下のリンクより質問集を無料ダウンロードしていただけます。見極めたい項目別に質問をまとめていますので、ぜひご活用ください。
▼「見極めたい項目別 面接質問集120選」を無料ダウンロードする
まとめ
ストレス耐性を決める6つの要素や、ストレス耐性が低い人・高い人の特徴、採用選考でのチェック方法などを解説しました。
ストレス耐性は「容量・処理・感知・経験・回避・転換」の6要素で決まり、それぞれに個人差があります。自社の業務や社風に耐えうる人材を採用したいときは、採用選考で適性検査などを実施するのが有効です。
また、自社に適した人材からの応募を増やしたい場合は、求人の書き方を工夫するのもよいでしょう。入社後に活躍・定着する人材を採用したいとお考えであれば、ぜひ『エン転職』をご活用ください。
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