SNS採用のメリット・デメリット。効率的に採用につなげるポイントとは
コミュニケーションの手段としてのSNSが世界的に普及するなかで、採用活動においてもSNSを活用する企業が見られています。
求人サイトでの募集や転職イベントを行っているものの「応募がこない」「自社が求める人材となかなか出会えない」という課題を持つ企業では、採用力の向上を図るためにSNS採用を取り入れることも一つの方法です。
SNS採用の導入を検討している人事・採用担当者のなかには「SNS採用にはどのようなメリット・デメリットがあるのか」「SNS採用で効率的に人材を獲得するにはどうすればよいのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、SNS採用の基礎知識やメリット・デメリット、自社にマッチする人材を効率的に採用するポイントについて解説します。
なお、採用力を強化するポイントについてはこちらの記事をご確認ください。
目次[非表示]
- 1.SNS採用とは
- 2.SNS採用の主な手法
- 3.SNS採用を取り入れるメリット・デメリット
- 4.SNS採用で効率的に人材を採用するポイント
- 4.1.①採用ペルソナを設計する
- 4.2.②ターゲット層の含有率が高いSNSを選ぶ
- 4.3.③中長期的な視点で取り組む
- 4.4.④ほかの採用手法と連携させる
- 5.まとめ
SNS採用とは
SNS採用とは、SNSを使用して採用につなげる手法のことです。ソーシャルリクルーティングとも呼ばれます。
近年、SNSの利用者数は増加傾向にあり、求職活動の手段として活用する人も見られています。厚生労働省がまとめた『採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書』によると、求職活動にSNSを利用した理由として以下の回答が多く見られています。
▼求職活動にSNSを利用した理由
理由 |
割合 |
手軽に利用できる |
47.0% |
求人企業の詳しい情報を知ることができる |
28.9% |
求人件数が多い |
27.7% |
SNSは、インターネットの求人サイトや民間の職業紹介事業者の利用など、従来の手法と比べると活用されている割合は低いものの、求職者との新たな接点を創出する場としての効果は期待できると考えられます。
なかでも、10〜30代の世代においてはSNSの利用率が50%を超えており、20代は70%にも及びます。若い世代を採用ターゲットとする企業では、SNS採用は有効な手法と考えられます。
出典:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>』/厚生労働省『採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書』
SNS採用の主な手法
SNS採用では、SNSのプラットフォーム上での情報発信や求人の募集、メッセージ機能を利用したスカウトなどによって採用活動を行います。
▼SNS採用で用いられる代表的なプラットフォーム
SNS |
特徴 |
活用例 |
Facebook(※1)
|
実名登録による信頼性があり、長文の発信に適している |
採用専用ページを立ち上げて、情報の発信と求人の募集を行う |
X(旧称Twitter)(※2)
|
拡散力による認知拡大と親近感のあるコミュニケーションが期待できる |
採用の最新情報をリアルタイムで発信して、求人サイトへ誘導する |
Instagram(※3)
|
写真や動画を活用して、企業の魅力を視覚的に訴求しやすい |
採用ブランディングや採用広報によって魅力づけを行う |
LINE |
日常的かつ気軽なコミュニケーションが取りやすい |
募集要項の詳細通知や採用イベントの告知を行う |
LinkedIn |
ビジネスに特化した連絡先の管理やコミュニケーションを行える |
検索機能で候補者を見つけて直接スカウトを行う |
※1…Facebookの商標およびロゴは、Meta Platforms, Inc.の登録商標または商標です。
※2…Xの商標およびロゴは、X, Inc.の登録商標または商標です。
※3…Instagramの商標およびロゴは、Meta Platforms, Inc.の登録商標または商標です。
SNS採用を取り入れるメリット・デメリット
SNS採用にはメリット・デメリットがあるため、アプローチしたいターゲット層や運用のコスト、リソースなどを踏まえて検討する必要があります。
メリット
SNS採用には、以下のメリットがあります。
▼メリット
- 自社を知らない層や転職潜在層にもアプローチができる
- 運用コストを調整しやすい
- リアルかつ親近感のある情報を発信できる
SNSには、投稿をフォロワーに共有したり、関連する投稿を表示させたりする機能が備わっています。拡散性があることから、自社を知らない層や転職潜在層とも接点を持ちやすいメリットがあります。
また、アカウントは基本的に無料で作成できるため、効果に応じて採用担当者のリソースや広告費などの運用コストを柔軟に調整しやすくなります。
さらに、企業の公式なWebサイトと比べて、よりリアルで親近感のある情報を発信しやすいことから、入社意欲の醸成や採用ブランディングにも有効といえます。
デメリット
SNS採用のデメリットは、以下のとおりです。
▼デメリット
- 炎上のリスクがある
- 効果が出るまでに時間がかかる場合がある
- 運用のリソースが必要になる(配信するコンテンツ、運用担当者など)
SNSは、気軽に情報発信ができる反面、さまざまなユーザーへ拡散されやすく、思わぬところで炎上が起きる可能性があります。一度炎上してしまうと企業イメージの低下につながるおそれがあるため、投稿する内容には十分に注意する必要があります。
また、自社が欲しい人材と出会えた場合でも、「今すぐ転職をしたい」という意思がないケースも考えられます。自社への入社意欲を高めるために、継続的かつ中長期的な運用が必要になることもあります。
さらに、SNS採用の運用には、コンテンツの作成や配信、コメントへの返信対応などのさまざまな作業が伴うため、社内のリソースが必要です。
SNS採用で効率的に人材を採用するポイント
SNS採用で人材の採用につなげるには、ターゲット層に適したプラットフォームを選び、自社に興味を持ってもらえる情報を継続的に提供することが重要です。
①採用ペルソナを設計する
SNS採用を取り入れる際は、自社が求める架空の人物像を詳細に定義した採用ペルソナを設計することがポイントです。
採用ペルソナを基に人材の要件を定めることで、ターゲットとする求職者が利用するSNSのプラットフォームや、興味関心を喚起できるコンテンツの内容を検討しやすくなります。
▼採用活動におけるペルソナ設計の例
項目 |
内容 |
氏名 |
転職 花子 |
性別 |
女性 |
年齢 |
35歳 |
学歴 |
大学卒(転職大学 国際学部) |
家族構成 |
一人暮らし |
居住地 |
東京 |
年収 |
450万円 |
経験・資格 |
海外留学経験あり・TOEIC600点 |
趣味 |
海外旅行、映画鑑賞 |
性格 |
明るく社交的で、初対面の人とのコミュニケーションを円滑にとれる |
希望する働き方 |
休日を大切にしたい、働く場所・時間を自由に選びたい |
応募企業に求めるもの |
プライベートと両立しながら働ける環境、チームで協力しながら取り組む企業風土 |
仕事での目標・挑戦してみたいこと |
ビジネスでの英語力を高めたい。海外転勤をしてみたい。 |
採用活動におけるペルソナ設計については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②ターゲット層の含有率が高いSNSを選ぶ
SNSによって、利用している年代や性別の主要層は異なります。
採用したいターゲット層が多く利用しているSNSを選ぶと、より多くの求職者との接点を創出しやすくなります。採用ペルソナを踏まえたうえで、年代や性別によるSNS利用率を確認することがポイントです。
▼各種SNSの利用率
画像引用元:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>』
また、SNSによって配信できるコンテンツの形式やコミュニケーションの取り方が異なることも考慮する必要があります。
出典:総務省『令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>』
③中長期的な視点で取り組む
SNS採用を通して人材の採用につなげるには、中長期的に視点を持ち、継続的にアプローチを行うことが必要です。
SNS採用では、情報発信や求職者とのコミュニケーションを通して興味関心の喚起、入社意欲の醸成を図る必要があり、すぐに応募につながらないケースがあります。また、SNSにはさまざまなユーザーによる投稿が並ぶため、少ない投稿では埋もれてしまうことも考えられます。
継続的な発信を続けると、SNS採用を始めたタイミングでは転職を考えていなかった潜在層が転職を視野に入れたときに、効力を発揮することが期待できます。
④ほかの採用手法と連携させる
SNS採用とほかの採用手法を連携させることで、SNS採用のメリットを生かしながら、より効率的に採用活動を行えるようになります。
SNSで求人や企業に関する情報を見たユーザーのなかには、企業のWebサイトまたは求人サイトを調べる人もいると考えられます。ほかのメディア・媒体と連携させることで、求職者によるスムーズな情報収集と行動を促せるようになります。
▼ほかの採用手法と連携させる方法
- SNSで求人情報の概要を記載して求人サイトのリンクを記載する
- SNSで発信した内容の詳細について解説しているオウンドメディアのリンクを記載する
まとめ
この記事では、SNS採用について以下の内容を解説しました。
- SNS採用の概要
- SNS採用の主な手法
- SNS採用を取り入れるメリット・デメリット
- SNS採用で効率的に人材を採用するポイント
SNS採用は、これまで接点が持てなかった人材と新たに出会える可能性が期待できます。親近感のある情報の提供やコミュニケーションが取りやすいため、入社意欲の醸成、採用ブランディングにも役立てられます。
ただし、投稿内容によって炎上につながるリスクがあるほか、効果が出るまでに時間がかかること、運用のリソースが必要になることには注意が必要です。
SNS採用を効率的に進めるには、採用ペルソナを設計したうえでターゲット層の含有率が高いSNSを選ぶことや、中長期的な視点で取り組むこと、ほかの採用手法と連携させることがポイントです。
また、SNSで興味を持ってもらったユーザーの応募を後押しするには、求人サイトで魅力をアピールすることも大切といえます。求人広告にこだわるのであれば、『エン転職』の活用がおすすめです。
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