採用DXとは? メリット・デメリットと採用業務の変革につながる取り組み例

人材獲得競争が激しくなるなか、自社が求める人材を発掘して入社につなげるための採用手法は多様化しています。

そうしたなか、「競合他社にリードされてしまう」「選考途中に辞退されてしまう」「オンライン面接の普及で対面面接のときのように自社の魅力や雰囲気を伝えられない」などの新たな課題も生まれています。

このような状況のなかで、自社にマッチする優秀な人材を獲得していくには、“採用DX”の取り組みがカギとなります。IT技術やデータを活用することで、採用業務の変革につながると期待されています。

この記事では、採用DXの基礎知識やメリット・デメリット、取り組み例について解説します。


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目次[非表示]

  1. 1.採用DXとは
  2. 2.採用DXに取り組むメリット
    1. 2.1.①採用業務を効率化できる
    2. 2.2.②マッチング精度を向上できる
    3. 2.3.③企業価値を向上できる
  3. 3.採用DXに取り組むデメリット
    1. 3.1.①CXやEXの分析が必要になる
    2. 3.2.②新たな採用フローの定着までに時間を要する可能性がある
  4. 4.採用DXの取り組み例
    1. 4.1.Web面接の導入
    2. 4.2.面接日程調整の自動化
    3. 4.3.採用プロセスの一元管理
  5. 5.まとめ


採用DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術とデータの利活用を通して、新たな商品・サービスの開発や組織文化、ビジネスモデルの変革を図る取り組みのことです。変化が激しいビジネス環境に柔軟に対応して、新たな価値創出につなげることが目的とされています。


▼DXの概念

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の劇的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

引用元:総務省『デジタルで支える 暮らしと経済


上記を採用に置き換えた概念が、採用DXとなります。

採用DXは、採用活動にIT技術を取り入れたり、求職者や実績に関するデータを活用したりして、効率的な活動および優秀な人材確保につなげることを指します。

近年、採用手法が多様化しており、競合他社との人材獲得競争が激しくなっています。自社が求める人材を安定的に獲得するには、採用DXの取り組みによって新たなプロセスの構築や企業価値の向上を図ることが求められます。

なお、採用DXへの取り組みは、単なるITツールの導入にとどまらず、従業員体験(EX)※1と候補者体験(CX)※2の両方を高めることが重要です。


※1…「EX」とは、自社の従業員として働く期間におけるすべての体験
※2…「CX」とは、候補者が自社を認知してから選考終了までのすべての体験


出典:総務省『デジタルで支える 暮らしと経済


採用DXに取り組むメリット

企業が採用DXに取り組むことで、採用業務やプロセスに変革をもたらすことが期待されています。主なメリットには、次の3つが挙げられます。


①採用業務を効率化できる

1つ目のメリットは、採用業務の効率化です。

ITツールを活用して選考フローのデジタル化を図ることで、求職者のデータ管理やコミュニケーションが円滑になり、業務の効率化が期待できます。

例えば、履歴書の情報をツール上で管理・整理したり、電話での個別連絡をメールの自動配信に替えたりするなどの方法が挙げられます。

採用工数や時間を短縮することで、採用担当者の業務負担を軽減したり、選考スピードの向上につなげたりできます。


②マッチング精度を向上できる

2つ目のメリットは、マッチング精度の向上です。

採用活動で得た情報や過去の採用実績などをデータとして蓄積して分析を行うことで、的確な訴求内容を検討できるようになります。アプローチの精度が高まると、自社にマッチする人材からの応募につながりやすくなることが期待できます。

また、自社が求める人材の要件に沿って、自動で候補者をスクリーニングできるWeb媒体・ツールを活用すれば、マッチする人材を見極める一助となります。

採用担当者の勘や経験などによる主観的な判断ではなく、データを踏まえた客観的な判断が可能になることで、マッチング精度の向上につながります。


③企業価値を向上できる

3つ目のメリットは、企業価値の向上です。

ITツールとデータ活用を通して、求職者にとって利便性の高い採用手法を取り入れたり、課題・ニーズに応じた情報提供やフォローを行ったりすることで、CXを高められます。

CX(候補者体験)が向上すると、信頼できる魅力的な企業としてよい評価を得られるようになり、企業価値の向上につながります。その結果、「ここで働きたい」という求職者が増えて、優秀な人材を確保できる可能性が期待できます。


採用DXに取り組むデメリット

採用活動においてさまざまなメリットが期待できる採用DXですが、取り組む際にはデメリットもあります。


①CXやEXの分析が必要になる

1つ目のデメリットは、CX(候補者体験)やEX(従業員体験)の分析が必要になることです。

採用におけるCXは、求職者が企業の求人情報を見て、応募、選考、入社に至るまでの体験を指します。また、EXは従業員が自社で働くことを通して得られる体験や経験のことを指します。

採用DXに取り組むには、まずは現状の採用プロセスの問題点や、求職者が持つ課題・ニーズなどを把握することが欠かせません。そのためには、CXやEXの分析が必要になり、施策の検討・実行までに時間がかかることが考えられます。

CXの分析では、求職者による企業の情報収集から応募、入社に至るまでの思考・行動を設計する“キャンディデートジャーニーマップ”の作成が有効です。

また、EXの分析では、既存の従業員へのヒアリングや従業員サーベイなどを実施して、改善が必要な課題を明らかにすることが重要です。


②新たな採用フローの定着までに時間を要する可能性がある

2つ目のデメリットは、採用フローの定着までに時間がかかる可能性があることです。

採用DXによって採用フローやオペレーションが変わると、社内で定着するまでに時間がかかる場合があります。また、ITツールを導入する際は、マニュアルの作成や事前研修などが必要になるほか、使いこなせるようになるまで時間がかかることも考えられます。


採用DXの取り組み例

ここからは、人事・採用部門における採用DXの取り組み例について解説します。


Web面接の導入

採用DXの取り組み例の一つに、オンライン会議ツールやビデオ通話機能などを用いて、Web面接を導入する方法が挙げられます。

Web面接を導入すると、オフィスや面接会場に足を運んでもらう必要がなくなるため、遠方・地方の求職者との面接機会を増やすことが可能です。

また、外出先や自宅で面接を行えるため、日時の調整がしやすくなり、求職者・企業の双方にとって利便性が高まります。

なお、Web面接のメリットや実施時のポイントについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

  Web面接を採用活動に導入しよう! メリット・デメリットと実施のポイント Web面接とは、ビデオ通話機能やWeb会議ツールなどを活用して、パソコン・タブレット・スマートフォンを通してオンライン上で行う面接のことです。 これまでの採用面接では、応募者にオフィスや面接会場まで足を運んでもらい、対面で実施することが一般的でした。しかし、コロナ禍の影響を受けてWeb面接を導入する企業が増えています。 これから採用活動にWeb面接を導入しようとお考えの方は、「どのようなメリットがあるのか」「気をつけておく点はあるのか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、採用活動にWeb面接を取り入れるメリット・デメリットや実施する際のポイントについて解説します。 エン・ジャパン株式会社


面接日程調整の自動化

ITツールを活用して、面接日程調整のフローを自動化する方法があります。

応募者に対して、採用担当者が個別に電話・メールなどで面接日程を調整する場合、人数が増えるほど作業が煩雑化しやすくなります。複数回のやり取りが発生したり、日程連絡の漏れ・重複ミスが発生したりすると、面接の辞退につながる可能性も考えられます。

応募者に対してWeb上やメールで面接候補日を自動で提示したり、予約受付ができたりするツールを導入することで、スムーズに日程調整を行えるようになります。その結果、採用担当者の負担軽減や応募者の利便性向上につながります。


採用プロセスの一元管理

採用プロセスを一元管理できるツールを活用することも有効です。

採用活動における一連のプロセスを一元管理できるツールを活用すると、採用担当者間の情報共有が円滑になり、効率的に採用業務を進められるようになります。これにより、採用業務の工数削減や属人化の防止などにつながります。

ツールによって機能は異なりますが、一般的な内容として以下が挙げられます。


▼採用プロセスを一元管理するツールの機能

  • 採用サイトの作成
  • 採用活動の進捗管理
  • 求人メディアとの連携
  • 面接官による評価登録
  • 候補者の絞り込み
  • 連絡メールの自動送信 など

以下のような活用方法があります。


▼ツールの活用例

  • 選考過程での歩留まりを分析して、選考方法や評価基準を見直す
  • 過去の採用者の属性・性格特性などを分析して、人材要件を見直す
  • 応募者のなかから、自社の人材要件にマッチする人物を絞り込む

採用プロセスのなかで取得したデータを基に、分析やスクリーニングを行うことで、マッチングの精度を高められます。


まとめ

この記事では、採用DXについて以下の内容を解説しました。


  • 採用DXの概要
  • 採用DXに取り組むメリット・デメリット
  • 採用DXの取り組み例


採用活動にIT技術を取り入れたり、求職者や実績に関するデータを活用したりして採用DXに取り組むことで、採用活動の効率化や優秀な人材確保につなげられます。

ただし、採用DXの実施にあたっては、CXやEXの分析が必要になるほか、新たな採用フローの定着までに時間を要する可能性があります。


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