業務委託の求人を募集する方法5選! 求人掲載の注意点も解説
近年は労働者の働き方が多様化しており、企業と雇用契約を結ばずに仕事を請け負う「業務委託」にも注目が集まっています。業務委託は企業側にとって「専門性の高い人材に仕事を依頼できる」「雇用コストを削減できる」などのメリットがあります。
本記事では、業務委託の求人を募集する方法5選を紹介します。求人を掲載するときのルールや注意点もあわせて解説しますので、業務委託を募集する際の参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.業務委託とは?
- 1.1.業務委託契約の種類
- 1.2.雇用契約・派遣契約との違い
- 2.業務委託の求人を募集する方法5選
- 2.1.クラウドソーシングサービス
- 2.2.求人サイト
- 2.3.自社の採用サイト
- 2.4.リファラル
- 2.5.業務委託のマッチングサービス
- 3.業務委託の求人掲載ルール
- 4.業務委託の求人を募集するときの注意点
- 4.1.応募者に費用負担が発生する求人は掲載不可
- 4.2.仕事内容・業務範囲を明確にする
- 4.3.人材要件を明確にする
- 4.4.契約内容を書面で取り交わす
- 4.5.受発注管理しやすい体制を整える
- 5.まとめ
業務委託とは?
業務委託とは、企業がある特定の業務を、雇用契約を結んでいない個人または外部業者へ委託することです。
企業は「契約通りに成果物が納品された・役務が遂行された」など、委託した業務内容が問題なく行なわれたことに対して報酬を支払います。業務委託のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット |
|
デメリット |
|
業務委託契約の種類
業務委託契約には、「請負契約・委任契約・準委任契約」という3種類の契約があります。厳密に言うと、法的に業務委託契約という契約方法はなく、前述した3種類の契約方法が「業務委託契約」と総称されている状態なのです。
「請負契約・委任契約・準委任契約」それぞれの違いは、以下の通りです。
▼請負契約
企業が委託した業務内容を、請負人が完成/完遂させたら報酬が支払われます。請負契約で業務委託した際に「請負人が仕事を完成/完遂させられなかった」「納品物に瑕疵があった」などの問題が起きた場合、業務を委託した企業側には、請負人に修正を依頼したり、請負人との契約を解除したりする権利があります。
▼委任契約
委任契約は、依頼した業務の完成/完遂を報酬支払いの基準とせず、「業務を遂行したこと自体」に報酬を支払う契約です。
たとえば「10時~18時まで記事を制作する」という依頼をした場合、請負契約では請負人が記事を完成させたら報酬を支払いますが、委任契約では「時間中に記事を制作したこと」に対して報酬を支払います。
また、委任契約は外部へ依頼する業務内容が、法律行為に該当する場合にのみ適用されます。(例:税理士に税務の書類作成を依頼する など)
▼準委任契約
準委任契約も委任契約と同じように、「業務を遂行したこと自体」に報酬を支払う契約です。委任契約と異なる点は、準委任契約の場合、外部へ依頼する仕事内容が法律行為に該当しないことです。
雇用契約・派遣契約との違い
業務委託と雇用契約・派遣契約との違いを以下の表にまとめました。
業務委託 |
雇用契約 |
派遣契約 |
|
雇用主 |
なし |
就業する会社 |
人材派遣会社 |
報酬の対象 |
・成果物の納品 |
労働力 |
労働力 |
依頼主の指揮命令権 |
なし |
あり |
あり |
勤務時間・勤務場所の指定 |
なし |
あり |
あり |
社会保険の加入義務 |
なし |
就業する会社で加入 |
人材派遣会社で加入 |
業務委託と雇用契約・派遣契約との違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。業務委託のメリット・デメリットなども詳細にご説明していますので、業務委託への理解を深めたい方は、ぜひご覧ください。
▼業務委託とは? 契約の種類やメリット、契約締結時の注意点などを解説
業務委託の求人を募集する方法5選
ここからは「業務委託の求人を募集する方法5選」を紹介します。
クラウドソーシングサービス
クラウドソーシングサービスとは、業務を発注したい事業主と、業務を受注したい事業主をインターネット上で結ぶサービスのこと。業務委託の仕事を受発注したい人々が集うプラットフォームで、代表的なサービスには、クラウドワークスやランサーズなどが挙げられます。
クラウドソーシングサービスを利用して、業務委託するときの流れは、おおむね以下の通りです。
- 業務を委託する側(=発注側)が、プラットフォーム上に依頼したい業務内容を掲載する
- 業務を委託される側(=受注側)が、掲載された業務内容を確認・応募する
- 発注側は受注側のプロフィールや実績などを確認し、条件が合えば業務委託契約を結ぶ
求人サイト
求人サイトは正社員やパート・アルバイトなど、雇用契約の求人を掲載するイメージが強いかもしれません。しかしサイトによっては、業務委託の求人を掲載することも可能なので、確認してみるとよいでしょう。
知名度が高く、利用者の多い求人サイトであれば、依頼したい業務の知識・経験が豊富な人材を見つけられる可能性が高くなります。
利用者数が多く、業務委託の求人も掲載できる求人サイトをお探しの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。エン転職は1000万人以上の会員数を誇る、日本最大級の求人サイトです。
求人制作を採用のプロに任せられるため、業務委託にも多くの募集成功事例があります。業務委託の求人掲載にお悩みの方は、以下のエン転職お問い合わせ窓口より、お気軽にご相談ください。
自社の採用サイト
自社の採用サイトや、企業ホームページ内の採用ページなどに業務委託の求人を掲載するケースもあります。
自社の採用サイトに求人を掲載しておくと、自社に対する興味関心の高い人から、応募を得られる可能性が高くなります。そのため他媒体に比べると、意欲的な業務委託先を見つけられる確率が上がるでしょう。
しかし、自社の採用サイトだけで業務委託先を探そうとすると、人材確保に時間がかかる恐れもあります。自社の採用サイトと他媒体を併用し、効率よく委託先を探すのがおすすめです。
リファラル
リファラルとは、自社の既存社員から友人・知人を紹介してもらい、業務委託先を選定する方法のことです。リファラルで業務委託先を見つけられれば、求人サイトやクラウドソーシングサービスなどを利用する際にかかるコストを削減できます。
リファラルで業務委託先を探すときは、委託したい仕事内容や報酬などを社員へきちんと周知することが大切です。自社社員からの紹介であれば、ある程度は相手のスキルや経験、人柄などを把握した状態で仕事を頼めるので、安心して業務委託できるでしょう。
業務委託のマッチングサービス
業務委託先を早く見つけたい場合は、業務委託のマッチングサービスを利用するとよいでしょう。「業務委託で働きたい」と考えている人材のみが登録されているサービスなので、効率よく委託先を見つけられる可能性が高くなります。
業務委託のマッチングサービスには、エンジニアやデザイナーなど、特定の職種に強いサービスもあります。自社が依頼したい業務のマッチングに強いサービスを利用すれば、より早く業務委託先を見つけられるでしょう。
業務委託の求人掲載ルール
業務委託の求人を掲載するときは、以下のルールを守りましょう。
項目 |
注意点 |
給与 |
※業務委託契約の報酬は給与(雇用契約に基づいて雇用主から従業員へ支払われるもの)ではないため、月給や時給などの「〇給」という書き方は適切ではない |
勤務地 |
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勤務時間 |
|
休日 |
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福利厚生 |
|
業務委託の求人を募集するときの注意点
業務委託の求人を募集するときの注意点を5つ解説します。以下の5点を押さえて、トラブルなく業務委託できるようにしましょう。
応募者に費用負担が発生する求人は掲載不可
応募者に何らかの費用負担が発生する求人を掲載してはいけません。求人に以下のような条件が含まれる場合、法に抵触しているとして罰則の対象となる可能性があるので注意しましょう。
▼応募者に費用負担が発生するNG例
- 業務委託契約後、研修として〇万円をお支払いください
- 業務委託契約後、当社指定のパソコンをご購入いただきます
- 食品の配送を業務委託したいので、専用の業務用冷蔵庫を購入してください
仕事内容・業務範囲を明確にする
業務委託の求人を募集するときは、依頼したい仕事内容や業務範囲を明確に記載しましょう。仕事内容や業務範囲が明確に書かれていないと、委託側と受託側に認識の相違が生じてしまいます。
たとえばデザイン業務を委託する場合、「修正対応は何回まで」などの記載をきちんとしておかないと、「委託先に数ヶ所修正をお願いしたが、『修正対応までは依頼されていない』と言われ断られてしまった…」などのトラブルが生じる可能性があります。
仕事内容や業務範囲を求人へ明確に記載し、お互いが業務終了まで気持ちよく取引できるようにしましょう。
人材要件を明確にする
人材要件とは「必要な人材の人物像」のことです。業務委託の求人を募集するときは、「どのようなスキル・知識・経験などをもった人材に業務委託したいのか」を明確にしましょう。
あらかじめ人材要件を明確化し、業務委託の求人にも「どのような人材に委託したいのか」を記載しておくと、求める人物像に近い人材からの応募を獲得できる可能性が高くなります。
人材要件の決め方は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらの記事は雇用契約を結ぶ採用時の記事ですが、業務委託を募集する際にも共通して使える人材要件の設定方法をご説明していますので、ぜひお役立てください。
▼人材要件とは? 設定項目や設定時の流れ、便利なフレームワークも解説
契約内容を書面で取り交わす
業務委託の契約内容は、必ず書面で取り交わし、証拠を残すようにしましょう。契約内容を書面で残しておけば「言った/言わない」のトラブルを回避することに役立ちます。
- 報酬金額
- 秘密保持契約
- 契約期間・契約形態
- 賠償請求の義務について
- 知的財産権の帰属はどちらか
- 契約を途中解除する場合の条件
- 交通費など経費が発生する場合はどちらが負担するか
上記のような内容を慎重に確認し、証拠が残るようにして取り交わしましょう。また、業務委託契約を結ぶときの注意点は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
▼業務委託とは? 契約の種類やメリット、契約締結時の注意点などを解説
受発注管理しやすい体制を整える
業務委託をするときは、受発注管理しやすい体制を整えておきましょう。「委託先と連絡のやりとりをする担当者は誰か」「納品された成果物を誰がチェックするのか」などを事前に決めておき、受発注管理しやすい体制をつくれば、委託先とスムーズに取引できるようになります。
また、管理体制は一度決めたらそのまま運用し続けるのではなく、定期的に見直して改善する必要があります。業務委託先や自社で発注管理をしている担当者が、やりづらさを感じていないかヒアリングする機会を設け、定期的に体制を見直しましょう。
まとめ
業務委託の求人を募集する方法や、求人を掲載するときのルールなどを紹介しました。業務委託契約は、求人の掲載先や求人の書き方などが、一般的な雇用契約とは異なります。
業務委託の求人を掲載するにあたり、ある程度は法律の知識がいることに加えて、委託先とのトラブルを回避する工夫も必要です。
「業務委託をしたいけど、自社だけで求人掲載などを進めるのは不安…」という場合は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
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