書類選考の不採用理由はどう伝える? 注意点と伝え方のポイント
書類選考による合否の結果を応募者に連絡する際、不採用理由については明確に伝えないことが一般的とされています。
しかし、応募者のなかには「なぜ書類選考に通過しなかったのか」と気になり、不採用理由について採用担当者へ問い合わせる人もいます。
人事・採用担当者においては「不採用理由を伝えてよいのか」「応募者の理解を得るためにどのような伝え方をすればよいのか」と対応に悩まれるケースもあるのではないでしょうか。書類選考の不採用理由を伝える際には、応募者へ配慮した慎重な対応が求められます。
この記事では、書類選考の不採用理由を伝えるポイントや注意点について解説します。
なお、書類選考の合否連絡をメールで行うポイントについては、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
▼本記事をより詳細に、分かりやすく解説した「書類選考の不採用理由の伝え方| 注意点と例文」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます▼
目次[非表示]
書類選考の不採用理由は伝えてよいのか
書類選考が不合格になった応募者から、不採用理由について聞かれるケースがあります。
書類選考に限らず、選考の不採用理由については企業が告知する義務はなく、応募者に伝えなくてもよいとされています。
不採用理由によっては応募者が納得しなかったり、企業への印象を悪くしたりしてトラブルに発展するリスクもあるため、詳しい理由を伝えることは避けるほうがよいと考えられます。
不採用理由を伝える際はNGワードに注意
書類選考の不採用理由を聞かれた際は、応募者の気持ちに配慮しつつ誠実な対応をとることが重要です。
気をつけたいNGワードには、以下が挙げられます。
▼NGワードの例
- 「入社への熱意が感じられなかった」
- 「スキルや経験が低かった」
- 「業務への適性がないと判断した」
横柄と感じられるおそれのある言葉や応募者を否定するような言葉は、企業のイメージ低下を招いたり、トラブルにつながったりする可能性があるため、使わないように注意する必要があります。
不採用理由を伝えるときのポイント
不採用理由について伝える必要性がある場合には、「お答えできません」と頭ごなしに拒否をせずに、言葉を選んで回答することが求められます。
①自社の人材要件と合致していなかったことを伝える
不採用理由を伝える方法の一つに、今求めている人材要件に合致していなかったという理由にとどめる方法があります。
応募者の経歴やスキルなどに触れない表現を用いることによって、相手を否定していると捉えられるのを防止できます。
▼伝え方の例
「〇〇さまの経歴やスキルはとても魅力的でしたが、大変恐縮ながら弊社が現在求めている人材像とは相違を感じました。」
②相対的な評価の結果に基づくことを伝える
書類選考の不採用が相対的な評価の結果であることを伝える方法もあります。
応募者自身の経歴やスキルが原因ではなく、採用枠に限りがあることが関係していると伝えるのがポイントです。
▼伝え方の例
「採用枠が限られるなかで今回は多数のご応募をいただいた結果、やむなく不採用という結果となりました。」
③慎重に判断した姿勢を伝える
不採用理由を伝える際は、慎重に判断した結果であることが伝わるような言葉を添えることがポイントです。
応募者のなかには、「応募書類にしっかり目を通してもらえたのか」と不安を抱く人もいると考えられます。不採用の結果に納得感を持ってもらうには、企業が一人ひとりの応募者と真摯に向き合い、慎重に考えた経緯を伝える必要があります。
▼伝え方の例
「頂戴した応募書類を踏まえて社内で慎重に選考を重ねた結果、残念ながら今回は採用を見送らせていただくことになりました。」
④応募者に対する前向きな言葉を添える
書類選考の不採用理由を伝える際は、同時に前向きな言葉を添えることがポイントです。
書類選考に応募いただいたことへの感謝の気持ちや、今後の活躍を願う気持ちを伝えると、誠実な印象につながりやすくなります。
▼伝え方の例
- 「先日はご応募いただきまして誠にありがとうございました。」
- 「多数の企業のなかから弊社に応募いただいたこと、感謝申し上げます。」
- 「〇〇さまの今後のご活躍とご発展を心より願っております。」
【例文】応募者に配慮した不採用理由の伝え方
ここからは、応募者へ書類選考の不採用通知を行う際や、不採用理由について聞かれた際の伝え方について例文を紹介します。
▼不採用理由の伝え方
お世話になっております。〇〇株式会社の採用担当〇〇です。
この度は、弊社の求人にご応募ありがとうございました。
頂戴した応募書類を踏まえて社内で慎重に選考を重ねた結果、
誠に残念ながら今回はご希望に添えない結果となりました。
今回多数の方からご応募をいただいており、採用枠に限りがあるなかでの
やむを得ない判断となったことをご理解いただけますと幸いです。
数ある企業のなかから私たちの会社にご興味をもっていただき、
応募いただいたことを深く感謝申し上げます。
〇〇さまの今後益々のご活躍を心より願っております。
|
なお、採用連絡の方法についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、書類選考における不採用理由の伝え方について、以下の内容を解説しました。
- 書類選考の不採用理由は伝えてよいのか
- 不採用理由を伝える際に注意するNGワード
- 不採用理由を伝えるときのポイント
書類選考の際、応募者に対して不採用理由を伝える義務はありませんが、どうしても伝える必要がある場合には、NGワードに注意しながら言葉を選んで回答することが求められます。
誠実な対応で納得感を持ってもらうには、応募者の経歴・スキルなどに触れずに、人材要件との合致度や相対的な評価の結果を理由とすることがポイントです。また、慎重に判断した経緯や、応募者に対する前向きな言葉を添えることも重要といえます。
なお、求人募集を行う際に、求める条件に合わない人材まで無作為に応募を集めてしまうと、書類選考や面接の負担が増加してしまいます。自社にマッチする人材からの応募につなげるには、求人情報で正直な情報を伝えることが重要です。
『エン転職』では、求人に「仕事の厳しさ」「向いていない人」という項目を設けることで早期離職の防止や入社後のミスマッチの軽減を行っています。早期離職の原因の一つは、入社後のギャップです。「思ったよりキツイ…」「求人には書いていなかった…」という不満が退職につながる可能性があります。
求人であらかじめ仕事の厳しい側面を伝えることで、それでも働きたいと思わせる意欲を醸成できます。こうした取り組みにより、エン転職経由の入社者の定着率は格段に高いとご好評いただいております。
採用でお悩みの際は、以下のお問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
ほかにも、エン転職には入社後の活躍・定着を促進する機能が多数備わっています。詳細はこちらの記事をご確認ください。
▼本記事をより詳細に、分かりやすく解説した「書類選考の不採用理由の伝え方| 注意点と例文」の資料を以下から無料でダウンロードいただけます▼