Z世代の特徴9選|価値観や仕事での育成方法、NGな対応も解説
「Z世代」という言葉は、一般的に1990年代後半から2000年代前半に生まれた世代を指して使われます。Z世代の一部はすでに社会人となっているため、「Z世代の社員と一緒に働いている」という方も多いでしょう。
本記事ではZ世代について、以下の内容を解説します。
- Z世代の特徴9選
- Z世代のポテンシャルを引き出す対応
- Z世代にやってはいけないNG対応
「若手社員への接し方に悩んでいる」「Z世代の社員はどのように育成するのが効果的?」とお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.Z世代とは?
- 1.1.Z世代の年齢と由来
- 1.2.Z世代が注目されている理由
- 1.3.X世代・Y世代・α世代との違い
- 2.Z世代の特徴9選
- 2.1.やりがいなどの内発的動機を重視する
- 2.2.価値観を尊重し合える関係性を好む
- 2.3.保守的でリスクを避ける
- 2.4.「自分に合うもの」を選ぶ
- 2.5.ワーク・ライフ・バランスを重視する
- 2.6.ゼネラリストよりもスペシャリストを目指す
- 2.7.キャリアビジョンが明確な傾向がある
- 2.8.コミュニティ内での承認欲求が強め
- 2.9.コスパやタイパの高さを重視する
- 3.Z世代のポテンシャルを引き出す対応
- 3.1.安心感を醸成する
- 3.2.フラットなコミュニケーションを心がける
- 3.3.物事の理由をきちんと伝える
- 3.4.強みや長所をフィードバックする
- 4.Z世代にやってはいけない対応
- 5.まとめ
Z世代とは?
世代の区切りには明確な定義がないため、人によって認識は多少異なりますが、一般的にZ世代とは1990年代後半から2000年代前半に生まれた世代を指します。まずはZ世代の年齢や由来、近い世代との違いなどを詳しく見ていきましょう。
Z世代の年齢と由来
世代の区切りには諸説ありますが、Z世代は一般的に「1990年代後半から2000年代前半に生まれた世代」を指します。年齢でいうと2024年現在、20歳~28歳あたりの世代です。
Z世代という言い方は、1960年頃から1970年頃に生まれた人々が、アメリカで「ジェネレーションX」と呼ばれていたことに由来します。
ジェネレーションX(X世代)以降、世代が変わるたびに「X→Y→Z」とアルファベットをつけていったため、該当の年代に生まれた人々が「ジェネレーションZ(Z世代)」と呼ばれるようになりました。
Z世代が注目されている理由
近年、Z世代は「他世代に比べて価値観や考え方が特殊である」として、事あるごとにニュース番組やWeb記事などで取り上げられ、注目を集めています。
Z世代が注目されるようになった理由には、時代の流れによる社会の変化が関係しているといわれています。たとえばZ世代が育ってきた背景には、以下のような社会環境の変化がありました。
- 少子高齢化により日本社会の人口構造が変化
- SNSによるデジタルコミュニケーションの増加
- SNSなどで多様な生き方や価値観との接点が増加
終身雇用や年功序列が崩壊し、成果主義的な企業が増加
これらの社会環境の変化は、Z世代の価値観形成に大きく影響していると考えられています。上の世代にとっては身近でなかった出来事も多く経験していることから、Z世代には特有の価値観があり、他世代との考え方のギャップが大きいとされているのです。
Z世代には、もうすでに社会人となっている人材も多くいます。Z世代は今後、日本社会の中心を担う年齢となるため、Z世代の価値観や考え方を把握し、理解する姿勢をもつ必要があるといえるでしょう。
X世代・Y世代・α世代との違い
Z世代と近い世代はそれぞれ「X世代・Y世代・α世代」といいます。このうちY世代は2000年代に成人して社会へ出た世代であることから、「ミレニアル世代」とも呼ばれています。
世代の区切りには諸説ありますが、各世代が生まれた年代や、主な特徴を以下にまとめましたので参考にしてください。
名称 |
生まれた年代 |
年齢(2024年時点) |
主な特徴 |
X世代 |
1965~1979年 |
45~59歳 |
|
Y世代 |
1980~1995年 |
29~44歳 |
|
Z世代 |
1996~2012年 |
12~28歳 |
|
α世代 |
2013年~ |
11歳~ |
|
なお、Y世代(ミレニアル世代)については、以下の記事で詳しく解説しています。Y世代の特徴や仕事観などを知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▼ミレニアル世代とは? Z世代との違いや特徴、仕事観、採用のポイント
Z世代の特徴9選
採用で押さえておきたいZ世代の主な特徴を9つ解説します。Z世代の特徴を押さえておくと、求人や面接でどのような点をアピールするとZ世代が魅力に感じやすいのかがわかるので、採用成功率を高めることが可能です。
ただし、本記事で紹介するのは、あくまでも一般的な傾向であり、すべてのZ世代に当てはまるわけではありません。一般的な傾向を把握しつつも、一人ひとりの様子をしっかりと見て接することが大切です。
やりがいなどの内発的動機を重視する
Z世代は仕事において、内発的動機を重視する傾向があります。内発的動機とは、やりがいや成長といった自分の内側から沸き起こる動機のことです。
以下のグラフは、リクルートマネジメントソリューションズが、全国各地で開催した新入社員導入研修にて行なったアンケート調査の結果です。
研修対象となる新入社員の多くが、「あなたが仕事をするうえで重視することは何ですか?」という問いに対し、「貢献・成長・やりがい」と回答しています。
▼「あなたが仕事をするうえで重視することは何ですか?」への回答
出典:リクルートマネジメントソリューションズ「ニューノーマル時代の新入社員の定着・早期立ち上がりに向けて 新入社員意識調査2022」
Z世代が生まれた時代は、社会にモノやサービスが溢れた時代であるため、金銭などの外発的動機を重視する度合いが、ほかの世代に比べてやや低めといわれています。
価値観を尊重し合える関係性を好む
Z世代は幼い頃からインターネットやSNSに慣れ親しみ、さまざまな人々の多様な価値観を目にしている世代です。多様性を重んじ、お互いに価値観を尊重し合えるような関係性を好む傾向があります。
保守的でリスクを避ける
Z世代は日本の経済低成長期を生きてきた世代であるため、物事に対して保守的・現実主義的な傾向があります。挑戦やリスクを避け、堅実な選択肢を好むのです。
こちらのグラフは、リクルートマネジメントソリューションズが、新入社員導入研修にて行なったアンケート調査のうち、「仕事をするうえで得意または苦手意識のあるスタンスは何か」についての回答です。
▼「仕事をするうえで得意または苦手意識のあるスタンス」への回答
上記のグラフで示されている、各スタンスの具体的な内容は以下の通りです。
出典:リクルートマネジメントソリューションズ「ニューノーマル時代の新入社員の定着・早期立ち上がりに向けて 新入社員意識調査2022」
グラフを見ると、得意なスタンスの最下位および苦手意識のあるスタンスの2位が「試行」となっています。「リスクを恐れず、思い切ってやってみることが苦手」と考えている人が多いとわかります。
「自分に合うもの」を選ぶ
Z世代には「自分に合うもの」を選ぶ傾向があります。幼い頃からインターネットを使いこなし、SNSなどで日常的に情報収集をしてきたZ世代にとっては、「多くの選択肢から自分に最適なものを選ぶ」という感覚が当たり前となっているのです。
仕事においても、社風や業務内容が自分に合わないと感じた場合は、より適した環境を求めて転職する傾向があります。
ワーク・ライフ・バランスを重視する
前述したように、Z世代は自分に適したものを好む傾向があります。ビジネスにおいても、私生活を犠牲にして仕事に注力する働き方は避け、自分に適したワーク・ライフ・バランスで過ごしたいと考える人が多くいます。
ゼネラリストよりもスペシャリストを目指す
Z世代よりも上の世代には、幅広い業務を担当する「ゼネラリスト」を目指す傾向がありました。対してZ世代には、専門性を高めて「スペシャリスト」を目指したいと考える人が多くいます。
特定の業務に対する経験を積んだり、専門資格を取得したりするなど、スペシャリストになるためのスキルアップを試みる傾向があるのです。
Z世代は「失われた30年」といわれるほど経済が低迷していた時期に生まれた世代であるため、「どの会社でも・何歳になっても通用するスキルを身につけたい」と考える人が多いのかもしれません。
キャリアビジョンが明確な傾向がある
前述したように、Z世代は専門性の高いスペシャリストを目指す傾向があります。そのため仕事に対して意欲的な層には、キャリアビジョンが明確な人が多くいます。
「なりたい姿・就きたい仕事・やりたいワークスタイル」などから逆算して、計画的にスキルアップを図る人も多いのです。
コミュニティ内での承認欲求が強め
数々のSNSに慣れ親しんできた影響もあり、Z世代にはコミュニティ内での承認欲求が強めな傾向があるようです。
Z世代は自分自身が所属するコミュニティを大切にしています。そのため、コミュニティのなかで共感や称賛を得たり、頼られたりすることに喜びを感じる人が多いのです。
コスパやタイパの高さを重視する
Z世代はあらゆる物事に対し、コスパ(コスト・パフォーマンス/cost performance)・タイパ(タイム・パフォーマンス/time performance)などの「パフォーマンスの良さ」を求める傾向があります。
- 短い時間で楽しめる動画コンテンツ
- 安くておいしい物を食べられる飲食店
上記のように、使う時間や金銭に対するパフォーマンスが良いものを求める人が多いのです。良いモノ・コトを効率よく摂取できる状態を好み、できる限り無駄を避けます。
コスパ・タイパの高さを重視する傾向は、仕事においても同様です。非効率な作業は避け、最低限の時間と労力で、高いパフォーマンスを発揮したいと考える傾向があります。
Z世代のポテンシャルを引き出す対応
上記で紹介したZ世代の特徴を踏まえ、仕事において「Z世代のポテンシャルを引き出す対応」を4つ解説します。
安心感を醸成する
Z世代の社員が職場でパフォーマンスを発揮するためには、安心感のある環境をつくることが重要です。Z世代は保守的・現実主義的でリスクを避ける傾向があるため、以下のような職場環境では、十分な能力を発揮できない可能性があります。
- 失敗やミスを厳しく叱責される
- 新しい業務に挑戦するときのサポートが手薄である
- 若手社員が意見を述べた際、周囲から否定や批判の声が多く上がる
こういった状況になるのを避け、上長自らが積極的にポジティブな発言をしたり、手厚いサポートを行なったりして、安心感を醸成しましょう。
フラットなコミュニケーションを心がける
安心して働ける職場環境をつくるためには、フラットなコミュニケーションを心がけることも大切です。勤続年数の違いや、役職の違いなどはあまり意識せず、お互いに自然な会話ができる雰囲気を醸成しましょう。
定期的に1on1ミーティングの機会を設け、相談したいことや話したいテーマを若手社員が自由に決めて、上長とざっくばらんに話せる場をつくるのも効果的です。上長側が一方的に業務の指示や要望を伝えるのではなく、気軽に会話できる場を設けましょう。
物事の理由をきちんと伝える
多くのZ世代には、コスパ・タイパを重視する価値観があります。仕事においても無駄を避けたいと考える人が多いため、業務の意味や目的、意義、理由への関心が高い傾向にあります。
Z世代の社員へ業務指導をするときは、「その工程がなぜ必要なのか」「その作業をするメリットは何か」など、物事の理由をきちんと説明しましょう。
強みや長所をフィードバックする
Z世代には「新しいことにチャレンジする」「うまくいくか分からないことを思い切って試す」など、リスクのある行動に苦手意識をもつ人が多くいます。
仕事においても同様の傾向があるため、強みや長所を伝える「承認のコミュニケーション」を積極的に行ない、心理的安全性を高めて、自信をもってもらえるようにましょう。
また、新しい業務に挑戦してもらうときは、スタート地点から手厚くサポートすることが大切です。Z世代の社員が困ったときにすぐ相談できる体制を築き、未知の領域へ踏み出す不安感を軽減させましょう。
Z世代にやってはいけない対応
ここまでZ世代の主な特徴と、ポテンシャルを引き出す方法について紹介してきました。上記の特徴や方法を踏まえると、Z世代へ以下のような対応をするのは、避けた方がよいと言えるでしょう。
- 失敗を過度に責める
- 考え方や価値観を否定する
- カテゴライズやレッテル貼りをする
Z世代は基本的に柔軟な考え方を好むので、価値観や言動を否定されることに敏感です。また、多様性を重んじるため、性別や年齢でひとくくりにされたり、決めつけられたりするのを忌避する傾向もあります。
Z世代と接するときは、特徴や傾向を把握しつつも、一人ひとりと向き合う姿勢を忘れないようにしましょう。
まとめ
Z世代の特徴9選や、Z世代のポテンシャルを引き出す対応方法などを解説しました。Z世代には「保守的・現実主義的でリスクを避ける」「価値観を尊重し合える関係性を好む」などの傾向があります。
しかし本記事で紹介した特徴は、あくまでも少しの例にすぎません。同じZ世代であっても、人によって性格や考え方は異なるため、一人ひとりに向き合い、尊重する意識をもつことが大切です。
「Z世代を自社に惹きつけ、採用するにはどうすればいい?」
「Z世代を自社に定着させ、活躍してもらうにはどうするのが効果的?」
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