フォローアップ研修の効果的なやり方|実施タイミングや内容を解説


「フォローアップ 研修」のイメージ画像


フォローアップ研修とは、入社から一定期間が経った社員を対象に行なう研修のこと。業務に関する研修やマナー研修、コミュニケーション能力研修など、さまざまなカリキュラムがあります。
 
本記事では、フォローアップ研修の効果的なやり方を徹底解説。フォローアップ研修の実施タイミングや内容、大切なポイントなどを紹介します。自社で行なうフォローアップ研修を有意義な時間にしたい方は、ぜひ本記事をお役立てください。



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目次[非表示]

  1. 1.フォローアップ研修とは
    1. 1.1.目的・メリット
    2. 1.2.フォローアップ研修を実施するタイミング
  2. 2.フォローアップ研修の実施方法
  3. 3.フォローアップ研修の内容
    1. 3.1.1.過去の研修内容・業務を振り返って課題を確認
    2. 3.2.2.プレゼンテーションやディスカッションを行なう
    3. 3.3.3.キャリアプランを作成する
    4. 3.4.4.コミュニケーション能力研修をあわせて行なう
  4. 4.フォローアップ研修を実施するときのポイント
    1. 4.1.研修の目的を参加者と共有する
    2. 4.2.目標設定シートなどを使ってPDCAサイクルをチェックする
    3. 4.3.話しやすい環境を整える
    4. 4.4.フィードバックをしてもらう
  5. 5.まとめ


フォローアップ研修とは

フォローアップ研修とは、入社から一定期間が経った社員を対象に行なう研修のことです。主に新入社員へ実施するケースが多いものですが、若手社員や中堅社員、管理職などを対象としたフォローアップ研修を実施する企業もあります。
 
フォローアップ研修では、業務内容に関する研修や社会人としてのマナー研修、コミュニケーション能力研修など、さまざまなカリキュラムを行ないます。下記のように、研修の対象者に合わせてカリキュラムを組むのが一般的です。

研修の対象者

フォローアップ研修の概要など

新入社員

新入社員研修後、一定期間を置いて実施する
新入社員研修後の業務の振り返りなどを行なう

若手社員

入社2~3年目の若手社員を対象に実施する
年次に適したスキルを身に着け、モチベーションアップにつなげる

中堅社員

入社5年以降の中堅社員を対象に実施する
業務ごとのスキルアップ研修・リーダーシップ研修などを行なう

管理職

管理職に就いている社員を対象に実施する
リーダーシップ研修・マネジメント研修などを行ない、チームをまとめながら人材育成するためのスキルを学ぶ


目的・メリット

フォローアップ研修は、社員の「スキル強化・モチベーションアップ・成長することによる自信強化」などを目的に行なわれます。また、フォローアップ研修には以下のようなメリットがあります。

  • 社員が自分の現状や課題を改めて認識し、解決策を考えられる
  • 仕事をするうえでの基本的な考え方や価値観、業務姿勢を再確認できる
  • 社会人としての常識やビジネスマナーを学び、業務円滑化に役立てられる
  • 仕事への悩みや不安を解消し、社員のモチベーションアップを図れる

フォローアップ研修は、社員が自分自身や仕事仲間、業務内容と改めて向き合う良い機会となります。社員を放置することなく、定期的にフォローアップ研修を行なうことで、現場の生産性向上などにも役立つでしょう。


フォローアップ研修を実施するタイミング

フォローアップ研修は、一定期間ごとに実施するのが望ましいです。たとえば新入社員の場合は、入社直後に受ける新入社員研修を終えてから「3ヶ月後・6ヶ月後・1年後」のタイミングで、フォローアップ研修を実施していくのがおすすめです。
 
以下のグラフは、エン・ジャパン株式会社が行なった「中途入社者が退職につながりやすいのは、入社後どれくらいの期間ですか?」というアンケート調査の結果です。

この調査によると、中途入社者が退職につながりやすい時期として、3社に1社が「入社6ヶ月以内」、半数以上が「1年以内」と回答しています。

中途採用者の退職しやすい時期



入社後、退職しやすい時期にフォローアップ研修を実施して社員をサポートすることで、早期退職を防ぎやすくなるといえます。
 
また、中堅社員や管理職にフォローアップ研修を行なう場合も、定期的に実施した方が、研修内容が身につきやすくなるため、さらなるスキル向上・モチベーションアップにつながるでしょう。
 
フォローアップ研修以外の社員定着につながる施策は、以下でもご紹介しております。社員の定着率にお悩みの方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
 
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フォローアップ研修の実施方法

フォローアップ研修の実施方法は、以下の2つです。

  • 自社で実施する
  • 外部の研修サービスを利用する

自社で実施する場合は、研修を受ける社員の先輩・上司などを講師として行なうケースが多いです。
 
研修で使う資料などをすべて自社で用意するため手間はかかりますが、研修を受ける社員と講師役の社員が普段から良い関係性を築けている場合、悩みや率直な意見を聞き出しやすいメリットがあります。
 
外部の研修サービスを利用する場合は、資料などを準備する手間は省けます。しかし、一人当たりの受講費用が高めなので、金銭的コストがやや多くなるでしょう。
 
また、受講費用は参加人数や日数などによって変動します。外部の研修サービスを利用するときは、申し込む前に見積もりを依頼し、受講するかどうか判断しましょう。


フォローアップ研修の内容

ここからは、フォローアップ研修の具体的な内容について解説します。フォローアップ研修の構成は、主に以下の4つです。下記をベースにしたうえで、研修の参加者に合わせて柔軟に変更しましょう。


1.過去の研修内容・業務を振り返って課題を確認

フォローアップ研修は、参加者が自分自身の現状と、課題を把握することが大切です。まずは、参加者が過去に受けてきた研修内容の振り返りや、担当した業務の振り返りを行ない、現状の課題点を明確にしていきましょう。
 
過去の研修や業務の振り返りを行なうと、「○○がうまくできなかった」「もっとこんなふうに行動できたらよかった」など、解決すべき課題が浮き上がってきます。


2.プレゼンテーションやディスカッションを行なう

現状の課題をひと通り洗い出したら、プレゼンテーションやディスカッションを行ないます。プレゼンテーションやディスカッションの内容は、企業によってさまざまですが、「洗い出した課題点・今までの取り組み・今後実施したい解決策」などを発表したり、話し合ったりする時間を設けるのが一般的です。
 
業務を進めるうえで、自分の考えをプレゼンする能力や、他人と話し合う能力は欠かせないもの。フォローアップ研修を通して、両方のスキルアップを図りましょう。また、ほかの参加者の意見を聞いて、新しいアイデアを吸収したり学んだりする良い機会にもなります。


3.キャリアプランを作成する

次に、キャリアプランを作成します。現状の課題を解決し、3年後・5年後・10年後にどのようなキャリアを形成していきたいのか考え、目標チェックシートなどにまとめていきます。
 
キャリア形成の目標や、理想の生活を自分で考えてみることで、目的意識をもって前向きに仕事へ取り組めるようになります。講師は適宜フィードバックを実施し、研修の参加者が具体的に将来像を思い描けるようサポートしましょう。


4.コミュニケーション能力研修をあわせて行なう

コミュニケーション能力研修をフォローアップ研修とあわせて行なう企業が増えています。コミュニケーション能力は業務遂行の基礎となるスキルなので、別枠で研修を行わないのであれば、フォローアップ研修に組み込んでおくとよいでしょう。
 
コミュニケーション能力研修では、以下のようなマナーやスキルを育成します。

  • 基本的なビジネスマナー
  • 相手の話を傾聴する力
  • 自分の意見を端的・論理的に話す力


フォローアップ研修を実施するときのポイント

最後に、フォローアップ研修を実施するときのポイントを4つ解説します。以下の4点を意識しておくと、より効果的なフォローアップ研修が実施できるでしょう。


研修の目的を参加者と共有する

参加者と講師の間で認識にズレがあると、研修の効果が薄れてしまいます。各ワークに取り組む前に、研修の目的を参加者と共有しておきましょう。
 
フォローアップ研修の主な目的は、社員の「スキル強化・モチベーションアップ・成長することによる自信強化」です。そのために現状の課題点を確認し、課題の解決方法と、今後のキャリアプランなどを考えていきます。
 
ワークを始める前に、まずは全体の目的と流れを参加者と共有し、参加者と講師が同じ目的意識で研修に取り組めるようにしましょう。


目標設定シートなどを使ってPDCAサイクルをチェックする

PDCAとはPlan(計画)Do(実行)Check(測定・評価)Action(対策・改善)の頭文字をとった用語。PDCAサイクルとは、計画の立案から実行、評価改善までを循環させ、業務品質を向上させる取り組みを表す言葉です。
 
フォローアップ研修は「3ヶ月後・6ヶ月後・1年後」といったスパンで定期的に実施し、社員をサポートしていきます。そのため、立てた目標に対するPDCAサイクルをチェックできるようにしておく必要があるのです。
 
Plan(計画)Do(実行)Check(測定・評価)Action(対策・改善)それぞれに該当する行動や考えなどを記録しておける目標設定シートをつくり、参加者に記入してもらいましょう。講師はシートをチェックし、目標の達成方法などを適宜アドバイスします。


話しやすい環境を整える

フォローアップ研修を実施するときは、参加者が話しやすい環境を整えるようにしましょう。プレゼンテーションやディスカッションで発言するときに、参加者が自身の不安・悩み・失敗談などのネガティブな内容を話しやすい雰囲気にしておくことが大切です。
 
「参加者と年齢が近い先輩社員を講師にする」などの工夫を行ない、研修の参加者が率直な意見を述べやすいよう配慮しましょう。


フィードバックをしてもらう

フォローアップ研修はフィードバックをしてもらうことで、より効果的なものとなります。フィードバックには、「参加者同士で行なうフィードバック」と「参加者が講師へ行なうフィードバック」の2種類があります。
 
参加者同士でお互いのプレゼンなどへフィードバックを行なうと、客観的な意見によって、自分の新たな課題点や良い点に気付くことが可能となります。
 
また、参加者から講師へフィードバックをしてもらうと、次にフォローアップ研修を実施する際の改善点が見えてきます。しかし、参加者が講師へ直接意見するのは心理的ハードルが高いため、匿名のアンケートツールなどを使ってフィードバックしてもらうとよいでしょう。



まとめ

フォローアップ研修とは、入社から一定期間が経った社員を対象に行なう研修のこと。主に、社員のスキル強化・モチベーションアップ・成長することによる自信強化などを目的として実施されます。
 
フォローアップ研修では、以下のようなカリキュラムを行ないます。
 
1.過去の研修内容・業務を振り返って課題を確認
2.プレゼンテーションやディスカッションで発表
3.キャリアプランを作成
4.コミュニケーション能力研修をあわせて実施
 
研修内容は、研修の対象者に合わせて柔軟に変更しましょう。フォローアップ研修を定期的に行なうことで、社員の定着を図るとともに、活躍してくれる人材を育成できるでしょう。


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