人材育成に必要なスキルとは。成果につなげる3つのポイント
日本は少子高齢化の影響で生産年齢人口の減少が続いており、個々の企業においても人手不足が大きな課題となっています。
また、近年ではデジタル技術の進展やグローバル競争の激化など、企業を取り巻く環境が日々変化しています。企業が持続的な成長につなげるには、これからの時代に求められる新たな能力の習得も必要とされています。
人手不足や人材に求められる能力の変化に対応するには、“人材育成”に取り組むことが重要です。企業の人事・採用担当者のなかには「人材育成を行うにはどのようなスキルが必要なのか」「どのように取り組めばよいのか」などと悩まれている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、人材育成に必要なスキルと成果につなげるポイントについて解説します。
なお、中小企業における人材育成の課題についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
目次[非表示]
- 1.人材育成に必要なスキル一覧
- 1.1.情況把握力
- 1.2.目標管理能力
- 1.3.コミュニケーション能力
- 1.4.論理的思考能力(ロジカルシンキング)
- 1.5.批判的思考能力(クリティカルシンキング)
- 2.人材育成で成果につなげるポイント
- 2.1.①育成対象者のスキルを可視化する
- 2.2.②階層別に育成計画を組む
- 2.3.③フィードバックを繰り返す
- 3.まとめ
人材育成に必要なスキル一覧
人材育成における課題の一つに、“指導者の指導・育成スキルが不足している”ことが挙げられます。スムーズに育成を行い、従業員の能力開発を促進するには、指導者側にも一定のスキルが求められます。
従業員の能力開発をする指導者は、上司・管理者などの従業員を直接指導する人だけでなく、採用から研修までを担当する人事・採用担当者も含まれます。
ここからは、指導者に必要な人材育成のスキルを紹介します。
情況把握力
情況把握力とは、周囲や物事との関係性を客観的に理解して、自分に求められる行動・役割を実行できる能力のことです。
人材育成を行うには、育成対象となる従業員が持つ能力やパフォーマンスなどの現状を踏まえて、一人ひとりの強み・弱み、チームでの立ち位置などを理解する必要があります。
指導者が情況把握力を身につけることで、育成対象者に必要な能力を把握して、一人ひとりに適した育成方法を検討できます。その結果、より効率的に人材育成を進められます。
目標管理能力
目標管理能力とは、育成対象者の現状と求められるスキルのギャップを踏まえたうえで、ゴールへ向けた合理的な目標設定と具体的な取り組みをサポートする能力です。
現状の能力とかけ離れた目標を設定すると、達成が難しくなるほか育成対象者のモチベーション低下につながります。現時点での能力や習得スピードに合わせた目標を設定することで、納得感が生まれて成長意欲の醸成を後押しできます。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力とは、お互いに齟齬なく円滑な意思疎通を行ったり、相手の話を傾聴したりしたうえで自分の意見を伝えられる能力のことです。
人材育成を行う際は、育成対象者が持つ疑問・悩み・意見などを指導者が聞き出して明確な回答・指示を行ったり、行動を促す前向きな言葉をかけたりすることが求められます。
ティーチング・コーチングのコミュニケーション能力を身につけることで、育成対象者の理解が深まり、自発的な行動を促せます。
▼コミュニケーション能力の例
種類 |
内容 |
ティーチング |
|
コーチング |
|
論理的思考能力(ロジカルシンキング)
論理的思考能力とは、物事を体系的に捉えて、筋道を立てながら合理的な解決策を導き出す能力のことです。
論理的思考能力を身につけることで、人材育成の際に発生した課題や問題点を把握して、解決に向けた具体的な施策とプロセスを明らかにできます。
また、育成対象者に指導を行う際に、目的や手順などを体系立てて分かりやすく伝えるためにも役立ちます。
批判的思考能力(クリティカルシンキング)
批判的思考能力とは、物事の本質を見極めるための思考能力のことです。
「なぜ」「本当にそうなのか」のように疑いを持って考えることで、主観や先入観、感情に左右されず多角的な視点から物事を捉えられます。
人材育成においては、自社の教育制度を抜本的に変化させたり、新しいアイデアを採用したりするために必要な能力といえます。
人材育成で成果につなげるポイント
人材育成で成果につなげるには、現状のスキルを把握したうえで育成計画を組み、フィードバックを繰り返すことがポイントです。
①育成対象者のスキルを可視化する
人材育成をスムーズに進めるには、業務に求められるスキルと育成対象者が持つスキルとのギャップを可視化する必要があります。
育成対象者のスキルとそのレベルを数値化して一覧にした“スキルマップ”を作成することがポイントです。
▼スキルマップの作成手順
- 業務に必要なスキルを洗い出す
- 各スキルの評価基準を複数段階(4~6つのレベル)で定める
- 各スキルについて、育成対象者がどの程度習熟しているかを評価する
スキルマップを作成することで、育成対象者の業務遂行能力と不足している知識・能力・技術を客観的に把握できます。これにより、一人ひとりに合った具体的な教育計画を立てられます。
②階層別に育成計画を組む
新入社員と中堅社員、管理職などによって人材育成のアプローチ方法を変える必要があります。育成計画を組む際は、スキルマップで把握した育成対象者のスキルを踏まえたうえで、階層別に重視する項目を定めることがポイントです。
▼【階層別】人材育成計画の立て方
階層 |
人材育成で重視する項目 |
新入社員 |
|
中堅社員 |
|
管理職 |
|
③フィードバックを繰り返す
人材育成を効率的に進めるには、育成対象者へ定期的にフィードバックを行うことが欠かせません。フィードバックは、従業員が取った行動や考え方などを評価して、課題の認識と行動改善につなげることを指します。
指導者による的確なフィードバックを繰り返すことで、目標達成に向けた具体的な行動とその意義が明らかになり、習得スピードやパフォーマンスの向上につながると期待できます。
フィードバックの主な手法には、以下の2つが挙げられます。
▼フィードバックの手法
手法 |
詳細 |
ポジティブフィードバック |
|
ネガティブフィードバック |
|
フィードバックを行う際には、よかった点・悪かった点を具体的かつ客観的に伝えることがポイントです。特にネガティブフィードバックを行う場合、単なる批判にならないように伝え方に配慮する必要があります。
まとめ
この記事では、人材育成に必要なスキルについて以下の内容を解説しました。
- 人材育成に必要なスキル
- 人材育成を成果につなげるポイント
人材育成を行うには、指導者となる上司・管理者や人事・採用担当者にも一定のスキルが求められます。また、より効率的な人材育成によって成果につなげるには、育成対象者のスキルを把握したうえで一人ひとりに合った育成計画を組み、フィードバックを繰り返すこともポイントです。
しかし、積極的な人材育成を行っても早期離職されてしまうと自社の成長・発展につながりません。入社後に活躍・定着する人材を採用したいとお考えであれば、ぜひ『エン転職』をご活用ください。
エン転職は、日本最大級となる1000万人の会員を保有する中途採用向けの求人サイトです。エン・ジャパンが「入社1年以内の離職率」に関する調査を行ったところ、「エン転職」経由の入社者は「他サイト」より離職率が半分以下であることが判明しました。
現在世にある多くの採用サービスが「入社後活躍」の重要性を語るようになりました。ですが、口にするのは簡単でも、サービスにまで落とし込めるかは別問題です。エン転職は、サービス開始以来、この「入社後活躍」を信念として掲げ、実現するためのサービスを追求してきました。
入社後に活躍する人材の採用支援においてもっとも企業のお力になれるサービスは、エン転職をおいてほかにいないという自負があります。採用でお悩みの際は、以下のお問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
ほかにも、エン転職には採用を成功に導くさまざまな特徴があります。エン転職の料金表・パンフレットのダウンロードやサービスの詳細については、こちらからご確認ください。