ゆとり世代の特徴10選|年齢や価値観、仕事での育成のポイントも解説
ゆとり世代とは1981年~1996年頃に日本で生まれ、ゆとり教育を受けた世代のことです。ゆとり世代には特有の考え方や価値観があるため、人事・採用担当者にとっては「どのように育成すればいいの?」「具体的な特徴は何?」と戸惑うケースも多いでしょう。
本記事では、ゆとり世代の特徴10選と、仕事で育成するときのポイントを解説します。ぜひ本記事をチェックして、ゆとり世代の傾向を把握し、人材育成や採用にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.ゆとり世代とは?
- 2.ゆとり世代の特徴10選
- 2.1.多様性を尊重する
- 2.2.競争意識が低め
- 2.3.効率を重要視する
- 2.4.心が繊細な傾向がある
- 2.5.コスパ志向が強い
- 2.6.転職に抵抗がない
- 2.7.IT技術に抵抗がない
- 2.8.社会問題への関心が高い
- 2.9.独自のアイデアや意見をもつ
- 2.10.ワークライフバランスを重要視する
- 3.ゆとり世代を育成するときのポイント
- 3.1.結果だけでなくプロセスも評価する
- 3.2.競争ではなく協力で成長を促す
- 3.3.指示はなるべく具体的に出す
- 3.4.感情的な言い方をするのは避ける
- 3.5.プライベートに干渉するのは避ける
- 4.まとめ
ゆとり世代とは?
ゆとり世代とは1981年~1996年に日本で生まれ、ゆとり教育を受けて育った世代のことです。年齢は2024年時点で28歳~43歳となります。
ゆとり世代はバブル崩壊や阪神淡路大震災など、社会が激変するほどの大きな出来事を多数経験しながら育ってきました。震災や経済問題などの厳しい現実を見て育ってきたため、堅実で社会問題への関心が高い傾向があります。
また、2002年度から始まったゆとり教育の影響により、「独自の考えやアイデアを大切にする」「競争意識がやや低い」などの特徴も有しています。
ゆとり世代の背景にある「ゆとり教育」とは?
ゆとり教育とは、1998年に学習指導要領で改定され、2002年度から施行された教育方法のことです。従来の詰め込み型教育は、学習内容が過密で「授業についていけないストレスが不登校などの原因になっているのではないか?」といった点が問題視されていました。
ゆとり教育は、そのような詰め込み型教育の問題点を解決する策として考案された教育方法です。学習内容にゆとりをもたせて子どもたちの個性や人間性を重視し、「生きる力」をはぐくむことを目的として、以下のような取り組みが行なわれました。
- 完全週休2日制の導入
- 学習内容の30%削減
- 授業時間の短縮
- 「調べ学習」の実施
上記のほかにも、成績のつけ方を偏差値重視の相対評価から、個人の習得状況に重きを置く絶対評価へ変更するなどの取り組みも実施されました。ゆとり世代は、子どもたちをむやみに「追い込まない・競争させない」教育体制のなかで、個性を尊重されて育ってきた世代といえます。
ゆとり世代の特徴10選
ここからは、ゆとり世代の特徴を10個紹介します。ゆとり世代の採用や育成にお役立てください。
ただし、紹介する特徴はあくまでも一般的な傾向であり、すべてのゆとり世代に当てはまるものではありません。世代としての傾向を把握しつつも、一人ひとりとしっかり向き合うことが大切です。
多様性を尊重する
ゆとり世代は、子どもたち一人ひとりの個性を尊重する「ゆとり教育」のもとで育ってきた世代です。そのため自分の個性だけでなく、他人の個性もきちんと尊重する傾向があります。
ゆとり世代の人材は、自分自身と異なる文化や価値観、考え方をもつ人たちに対しても寛容です。なるべく相手を理解し、共存しようと試みる姿勢があります。
競争意識が低め
ゆとり教育は、子どもたちをむやみに追い込まない・競争させない体制のもと進められてきました。個人の習得状況にフォーカスした教育を受けてきたこともあり、ゆとり世代は他世代に比べて、競争意識が低い傾向にあります。
周囲の人々と競い合った経験が少なく、順位への関心も低めです。他人をライバル視するよりも仲間として尊重する意識をもっているため、チームワークを重視して活動するのが得意な傾向もあります。
効率を重要視する
ゆとり世代は、子どもの頃からインターネットに慣れ親しんできた世代です。わからないことや疑問に感じたことがあった場合に、すぐインターネットで検索して情報収集し、最短で適切な答えにたどり着く習慣が身についています。
そのためゆとり世代は、さまざまな物事において効率を重要視します。書籍や紙の辞書で調べたり、詳しい人に質問したりするよりも、インターネットなどの技術を駆使して早く・最良な答えを見つけようと試みる傾向があります。
心が繊細な傾向がある
ゆとり世代は、個性を尊重するゆとり教育を受けて育ってきたため、他人から怒られる経験が少なかったといわれています。
そのため仕事で上司や顧客から怒られたとき、「怒っている相手に対してどう接すればよいかわからない」などの戸惑いを抱き、落ち込んだり疲弊したりしやすい傾向があります。
こうした心が繊細な傾向に、ネガティブなイメージをもつ方もいるでしょう。しかし繊細な心を持っているという点は「感受性が強い・他者の機微に敏感」とも言い換えられます。
ゆとり世代には「他者の機微に気づきやすく、相手の気持ちや考えを察して寄り添うのが得意な人が多い」とも言えるでしょう。
コスパ志向が強い
ゆとり世代は車や洋服などの物を購入する際、ブランドよりもコストパフォーマンスを重視する傾向が強いといわれています。
バブル崩壊や自然災害などの影響により、不景気な時期を経験しているため、背伸びをして有名ブランドの高額商品を購入するよりも、「実用性が高く自分にとって価値が高いものを現実的な価格で購入したい」と考える傾向があるのです。
転職に抵抗がない
転職への抵抗感が低いことも、ゆとり世代の特徴のひとつです。ゆとり世代は不況のなかで生まれ、子どもの頃にバブル崩壊などを目の当たりにしてきました。
社会人となってからも、従来続いてきた終身雇用制度や年功序列制度が崩壊しつつあるなかで働いてきたため、「ひとつの企業で定年まで働く」という感覚をもたない人が多いのです。
また「プライベートを重視し、自分に適した働き方をしたい」と考えている人も多いので、自分に合った労働形態や職場環境を求めて転職したり、働く場所を移しながらキャリア形成したりする傾向もあります。
IT技術に抵抗がない
ゆとり世代は子どもの頃から、パソコンや携帯電話などのデジタル機器に触れる機会が多かった世代です。学生時代にパソコンを使う授業もあったことから、IT技術を駆使することに抵抗がなく、自然とITスキルを身につけてきた人が多くいます。
また、社会のデジタル化が加速した時代を生きてきたため、新しいIT技術の導入にもあまり抵抗がなく、すんなりと受け入れる傾向があります。
社会問題への関心が高い
前述したように、ゆとり世代はバブル崩壊や震災など、社会が激変するような大きな出来事を目の当たりにしながら育ってきました。
また性別や人種、出生地による差別問題や、地球温暖化を原因とした異常気象など、物心ついた頃から数々の社会問題・環境問題を目にしてきた世代でもあります。
こうした背景により、ゆとり世代は社会問題への関心が高い傾向があります。子どもの頃からインターネットでの情報収集に慣れ親しんできたため、日本社会だけでなく、海外の社会問題に関心を寄せる人も多いようです。
独自のアイデアや意見をもつ
ゆとり教育では、画一的な知識を得るだけでなく、既存の枠にとらわれずに新しい発想や考え方を見出して、個性をはぐくむ方針がとられていました。
ゆとり世代は「Aの正しい答えはB」という断定した回答ではなく、「Aの答えは自分にとってはBだが、他人にとってはCやDもあり得る」といった柔軟な回答を良しとする教育体制のなかで育ってきたのです。
そのため、ゆとり世代は独自のアイデアや意見をもつ傾向が強いといわれています。また、自分自身の意見を大切にするだけでなく、相手の意見も尊重する人が多いので、「自分は自分・他人は他人」と考える傾向もあります。
一見、個人主義が強いようにも見えますが、言い換えれば「周囲の意見や考えを尊重し、受容する姿勢がある」ということでもあります。
ワークライフバランスを重要視する
ゆとり世代には、ワークライフバランスを重視する特徴もあります。これは学生時代に、ゆとり教育によって「完全週休2日制の実施」や「授業時間の削減」などを経験し、学業以外の時間も多めに確保できる環境だったことが影響しています。
仕事においても、自分に適したワークライフバランスを整えることを重要視しているため、仕事とプライベートの両方を充実させられるように取り組む姿勢が見られます。
ゆとり世代を育成するときのポイント
ここからは、ゆとり世代を育成するときのポイントを5つ解説します。
結果だけでなくプロセスも評価する
ゆとり世代の人材を育成するときは、物事の結果だけでなく、プロセスも評価しましょう。
- 課題に対してどのように取り組んだのか
- その結果を出すまでに努力したことは何か
- どのような意欲・意識で課題に取り組んだのか
上記のように結果を出すまでのプロセスも評価し、仕事へのモチベーションを高められるようフォローしましょう。
また、評価をするまでの過程で定期的に声掛けし、安心感や信頼感を与えることも大切です。何か問題が起きた際、すぐに相談しやすい関係性を構築しておきましょう。
競争ではなく協力で成長を促す
ゆとり世代を指導するときは、他者との競争ではなく、協力で成長を促すよう心がけましょう。ゆとり世代は子どもの頃から、他者と競う機会が少なかったため、むやみに競争をあおられると戸惑いや不安を感じ、仕事へのモチベーションが下がりやすい傾向があるからです。
「同じ部署内で業績を競わせ、最下位だった人に罰則を設ける」などの方法で成長を促すのは避けましょう。競争ではなく協力をあおぎ、「チームで協力して高い成果を上げる」という方針にしたほうが、ゆとり世代のモチベーションアップにつながります。
指示はなるべく具体的に出す
ゆとり世代の人材へ指示を出すときは、抽象的な言い方を避け、なるべく具体的に指示しましょう。ゆとり世代は物事の効率を重視し、合理的な判断を好む傾向があるからです。
抽象的であいまいな指示や、必要性がわからない指示をされると、「なぜこの作業をやる必要があるのだろう?」「どうしてこの仕事に時間を使わなくてはならないのだろう?」と疑問に感じ、モチベーション低下につながる可能性があります。
その一方で、合理的かつ具体的な指示に対しては、しっかりと忠実に、一生懸命取り組む一面もあります。あいまいで非合理的な指示は避け、5W1Hを意識して、明確な指示を出すとよいでしょう。
感情的な言い方をするのは避ける
ゆとり世代の人材に対して、注意や指摘をするときは、感情的な言い方をしないよう気を付けましょう。むやみに怒ったり叱ったりするのではなく、「アドバイスする」という意識で接することが大切です。
感情的に物事を伝えると委縮してしまう傾向があるので、強い言葉で叱責するのは避け、「なぜそれをやってはダメなのか」「今後どう改善すべきか」を論理的に伝えるようにしましょう。
プライベートに干渉するのは避ける
ゆとり世代にはワークライフバランスを重視し、プライベートを大切にする傾向があります。「仕事とプライベートをきちんと分けたい」と考えている人が多いため、プライベートに干渉するのは避けたほうがよいでしょう。
- 休日の過ごし方をしつこく聞き出す
- 仕事終わりや休日に飲み会など会社の予定を強制的に入れる
- 恋人の有無や家族関係などプライベートなことを根掘り葉掘り聞く
上記のようにプライベートに干渉する言動は避け、あくまでも仕事仲間として信頼関係を構築できるよう心がけましょう。
まとめ
ゆとり世代の特徴10選と、育成するときのポイントを解説しました。ゆとり世代には「個性と多様性を尊重する」「競争意識が低くワークライフバランスを重視する」などの特徴があります。
他者との協力によって成長を促したり、仕事仲間として信頼関係を構築したりすることを心がければ、効果的に育成できるでしょう。
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