さとり世代とは? 年齢や特徴、仕事観、指導のポイントなどを解説
さとり世代とは、1980年代後半から2000年代前半にかけて生まれた世代を指す言葉です。さとり世代には特有の価値観があるため、人材採用や育成などの場面で、どのように接するべきか悩む人事・採用担当者は多いでしょう。
本記事はさとり世代の特徴や仕事観、指導するときのポイントなどを解説します。「さとり世代への接し方がわからない」「考え方の傾向は?」とお困りの方はぜひ本記事をチェックして、さとり世代の傾向を把握し、採用や育成にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.さとり世代とは?
- 1.1.さとり世代が育った背景
- 1.2.さとり世代とゆとり世代の違い
- 2.さとり世代の6つの特徴
- 2.1.デジタルネイティブ
- 2.2.堅実で現実主義的
- 2.3.安定性を重視する
- 2.4.他人との衝突を好まない
- 2.5.実用性重視でコスパ志向
- 2.6.アウトドアよりインドア
- 3.さとり世代の仕事への価値観
- 3.1.効率を重視するため処理が早い
- 3.2.指示に対して忠実に動く
- 3.3.組織への帰属意識は低め
- 3.4.プライベートを重視する
- 4.さとり世代を指導するときのポイント
- 4.1.合理的かつ具体的な指示をする
- 4.2.結果だけでなくプロセスも評価する
- 4.3.注意するときはPNP法を使う
- 4.4.プライベートに干渉しない
- 5.まとめ
さとり世代とは?
さとり世代とは、1980年代後半から2000年代前半にかけて生まれた世代を指す言葉です。さとり世代は社会が不景気な状況で生まれ育っているため、堅実で現実主義的な一面があり、物欲や出世欲を強くもたない人が多いという特徴があります。
そのような特徴が、ほかの世代から見て「悟りを開いているように見える」ため、さとり世代(悟り世代)と呼ばれるようになりました。
さとり世代が育った背景
さとり世代は2008年のリーマンショックなど、経済的な社会問題を目の当たりにして育ちました。また社会人となる前に、阪神淡路大震災や東日本大震災などの大きな自然災害を経験している世代でもあります。
厳しく不安定な社会を経験してきたことにより、夢を追い求めるよりも安定した暮らしを望む、現実的な価値観が育ったといわれています。
さとり世代とゆとり世代の違い
さとり世代と混同されやすい世代に「ゆとり世代」があります。各世代に明確な定義がないため、区切り方には諸説ありますが、一般的にゆとり世代は、1981年から1996年頃に生まれた世代のことをいいます。
ゆとり世代 |
さとり世代 |
|
生まれた時期 |
1981年~1996年 |
1987年~2004年 |
年齢(2024年時点) |
28歳~43歳 |
20歳~37歳 |
世代の意味 |
ゆとり教育を受けて育った世代 |
悟りを開いたように欲求の少ない世代 |
生まれた年代が被る部分もありますが、基本的にさとり世代は「ゆとり世代よりあとに生まれた世代」を指します。
なお、ゆとり世代については、以下の記事で詳しく解説しています。ゆとり世代の特徴や育成ポイントを知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▼ゆとり世代の特徴10選|年齢や価値観、仕事での育成のポイントも解説
さとり世代の6つの特徴
ここからはさとり世代の主な特徴を6つ紹介します。さとり世代の特徴を把握し、人材採用や育成にお役立てください。
ただし、本記事の内容はあくまでも一般的な傾向です。詳細な価値観や考え方は一人ひとり異なるので、個人と向き合う姿勢も忘れないようにしましょう。
デジタルネイティブ
さとり世代が生まれた1980年代後半から2000年代前半は、インターネットが急速に発達した時代でした。さとり世代はインターネット黎明期に育っており、学生時代からパソコンなどのデジタル機器に触れる機会が多かったので、デジタルネイティブといえます。
さとり世代は学生の頃から、日常的にデジタル機器を使いこなしているため、インターネットで情報収集することにも慣れています。ITリテラシーの高い人が多い世代ともいえるでしょう。
堅実で現実主義的
さとり世代は、バブル崩壊やリーマンショックなどを経験しながら育った世代です。厳しい現実を見てきた影響で、大きな夢や希望、強い欲求などをもたない人が多くいます。大きな夢や希望をもつよりも、堅実で現実主義的な考えをもとに行動する傾向があるのです。
また堅実である反面、「成功するかわからない挑戦をすること」「正解かわからない選択をすること」など、リスクがあることに対して消極的になりやすい一面もあるようです。
安定性を重視する
さとり世代には、安定性を重視する傾向もあります。子どもの頃から経済的に不安定な社会を経験し、企業の倒産や失業者の増加などを目の当たりにしてきたため、安定した暮らし望む価値観が育ったといわれています。
他人との衝突を好まない
さとり世代は、他人との衝突をあまり好みません。学生の頃からインターネットを通してさまざまな価値観や考え方に触れており、多様性を尊重する傾向があるからです。
他人と衝突して争ったり、誰かと競って優位に立ったりすることにはあまり興味がなく、お互いの価値観や意見を尊重して穏やかに過ごすことを好みます。
実用性重視でコスパ志向
堅実な一面のあるさとり世代は、商品やサービスを購入するときも、実用性とコストパフォーマンスを重要視する傾向があります。
背伸びをして高級なブランド品を購入するよりも、「安くて実用性があり、自分にとって価値のある商品・サービスを購入したい」と考える人が多いのです。
高級品を手にして、自身のステータスを上げることにも、あまり関心がありません。その代わりユーザーの口コミなどをチェックして、リアルなレビューを参考にしながら、本当に使いやすいと判断したものを選ぶ傾向があります。
アウトドアよりインドア
さとり世代には、インドア派が多いといわれています。学生の頃からインターネットで多様な情報を収集できたほか、家庭用ゲーム機や高性能なおもちゃなどにも多く触れている世代なので、室内で楽しむことに慣れているのです。
「わざわざ外出をしなくても、家の中で充実した時間を過ごせる」
「外出をするとお金がかかるから、室内で楽しく過ごしたい」
このように考える人が多く、自分のペースを大切にしながら、室内で過ごすのが得意な傾向があります。
さとり世代の仕事への価値観
続いて、さとり世代の仕事への価値観を紹介します。
効率を重視するため処理が早い
さとり世代は、物事の効率を重視するので業務処理が早めです。子ども時代からパソコンや携帯電話などのデジタルデバイスに触れ、インターネットでの情報収集も行なってきた世代なので、電子機器を使って効率よく動くことに慣れています。従来のやり方にとらわれず、より効率的な方法で仕事を進める人が多いでしょう。
指示に対して忠実に動く
さとり世代には、上長からの指示に対して、忠実に動く人材が多くいます。具体的な指示をすれば、スムーズに業務を遂行してくれるでしょう。
しかし「自己判断で動くと怒られるリスクがあるから怖い」といった考えをもつ人も多く、指示した仕事以外には消極的な一面もあるようです。上長側からすると、主体性がないように感じてしまうケースもあるでしょう。
リスクを恐れるということは、「慎重に物事を進められる」とも言い換えられます。仕事を丁寧に進められる人材が多いので、得意な部分を活かしながら、決断力もつけていけるように指導するとよいでしょう。
組織への帰属意識は低め
さとり世代はバブル崩壊やリーマンショックなどによって、日本社会が経済的に不安定となり、従来の終身雇用制度や、年功序列制度が崩壊しはじめた時代に生まれ育っています。
そのため「ひとつの企業で定年退職まで勤め上げる」という考えをもっておらず、企業への帰属意識が低い傾向があります。
組織のために仕事をするというよりも、「自分が安定した人生を歩むために仕事をする」「自分のキャリアアップのために働く」といった意識が強いので、転職にもあまり抵抗感がありません。
プライベートを重視する
前述したように、さとり世代は組織への帰属意識が低めなので、どちらかというと仕事よりもプライベートを重視する人が多いようです。「プライベートを充実させるため堅実に働く」という考えをもつ人も多いので、プライベートを侵害される場合は、職場から離れようとする傾向が強いでしょう。
さとり世代を指導するときのポイント
最後に、さとり世代を仕事で指導するときのポイントを4つ解説します。以下4つのポイントを念頭に置いて指導すれば、さとり世代の人材を効果的に育てられるでしょう。
合理的かつ具体的な指示をする
さとり世代の人材には、合理的かつ具体的な指示を出すのが効果的です。さとり世代には「物事の効率を重視する」「失敗のリスクを避ける」などの傾向があるため、あいまいで非合理的な指示はしないように心がけましょう。
さとり世代に対して、慣習にとらわれた非効率的な指示や、精神論・根性論をもとにした非合理的な指示をすると、「なぜこんなに非効率なやり方をするんだろう?」「こんなことに何の意味があるんだろう?」と感じ、仕事へのモチベーションが下がってしまう可能性があります。
結果だけでなくプロセスも評価する
さとり世代を指導するときは、物事の結果だけでなく、プロセスも評価することが大切です。安定性を重視してリスクを避け、他人との衝突も好まないさとり世代にとって、結果だけを切り取って評価されるシステムは「失敗したり怒られたりするリスクが高い」と感じる傾向があります。
失敗を恐れるあまり、評価システムがストレスの原因となる可能性も高いでしょう。失敗を恐れてストレスを感じたり、上長に対して委縮してしまったりする状態を避けるため、結果の良し悪しにかかわらず、プロセスも評価対象に含めるのがおすすめです。
プロセスのなかで良かった点・悪かった点をそれぞれ評価したほうが、さとり世代の人材を必要以上に緊張させることなく指導できます。プロセスも評価対象にすると、今後の目標や課題点をより冷静に洗い出せるようになるでしょう。
注意するときはPNP法を使う
PNPとは、Positive(ポジティブ)・Negative(ネガティブ)・Positive(ポジティブ)の頭文字をとったものです。PNP法とは、対象者の良い点を褒めてから悪い点を指摘し、最後に再び良い点を褒めるという話法を指します。
さとり世代に対して業務上の注意をするときは、PNP法を活用するのが効果的です。本人にとってネガティブな情報を、ポジティブな情報で挟んで伝えることにより、注意や指摘をすんなりと受け入れやすくなります。
プライベートに干渉しない
仕事観の見出しで述べたように、さとり世代には企業への帰属意識が低く、プライベートを重視する傾向があります。プライベートに干渉されることを嫌うので、さとり世代の人材に以下のような振る舞いをするのは避けましょう。
- プライベートな時間の過ごし方をしつこく聞く
- 恋人の有無や趣味などのプライベートな情報を詮索する
- 仕事終わりや休日に、飲み会や社内イベントなどの予定を強制的に入れる
上記のようにプライベートへ干渉するのは避け、あくまでも職場仲間として良い関係を築けるように心がけましょう。
まとめ
さとり世代の特徴や仕事観、指導するときのポイントなどを解説しました。さとり世代には「堅実で現実主義」「安定性を重視してリスクを避ける」などの傾向があります。
結果だけでなくプロセスも評価対象に含めたり、合理的な指示を心がけたりすれば、さとり世代の人材を効果的に育成できるでしょう。
「さとり世代の人材を採用したい」「さとり世代が定着・活躍できる職場環境をつくりたい」とお考えの方は、ぜひ『エン転職』にご相談ください。
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