早期退職制度とは? 目的や似た制度との違い、優遇措置の内容も解説


「早期退職制度」のイメージ画像


早期退職制度とは、社員が定年前に企業を希望退職できる制度のこと。早期退職制度は年齢や勤続年数、職位など一定の条件を満たす社員にのみ適用されます。
 
早期退職制度を使って定年前に希望退職する場合は、退職金の割り増しなどの優遇措置がとられます。早期退職制度退職は、企業が社員の退職を強制するものではなく、あくまでも自主的な退職を促す制度です。
 
本記事では早期退職制度について、わかりやすく解説します。早期退職制度の目的や似ている制度との違い、優遇措置の内容などをご説明しますので、「制度を導入しようか迷っている」という方はぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.早期退職制度(早期退職優遇制度)とは?
    1. 1.1.早期退職制度の主な対象年齢
  2. 2.早期退職制度の導入目的
  3. 3.早期退職制度と似ている制度との違い
    1. 3.1.希望退職制度との違い
    2. 3.2.選択定年制度との違い
    3. 3.3.リストラとの違い
  4. 4.早期退職制度優遇措置とは?
    1. 4.1.退職金の割り増し
    2. 4.2.再就職支援
    3. 4.3.特別休暇の付与・有給休暇の買い上げ
  5. 5.まとめ


早期退職制度(早期退職優遇制度)とは?

早期退職制度とは、社員が「退職金の割り増し」などの優遇措置を受けながら、定年前に希望退職できる制度です。通常の定年退職よりも手厚く優遇されていることから、早期退職優遇制度と呼ばれるケースもあります。
 
早期退職制度はリストラとは異なり、企業側が社員の退職を強制するものではありません。あくまでも退職を希望する社員に対して適用される制度なので、制度を利用して早期退職するかどうかは、社員本人の意思に委ねられています。


早期退職制度の主な対象年齢

早期退職制度は、社員の誰もが利用できる制度ではありません。年齢や勤続年数、部署、役職など一定の条件が設けられており、その条件を満たす社員のみ利用できます。
 
早期退職制度の条件は、企業により大きく異なりますが、対象年齢は主に40~50代とされるケースが多くあります。早期退職制度の対象年齢が、40~50代とされやすい理由は以下の通りです。

  • 「勤続年数が長い」「役職に就いている」などの理由で、給与水準が比較的高いため
  • スキルや経験値を活かして起業・再就職するなど、セカンドキャリアへ移行しやすい年齢であるため
  • バブル時代に大量採用した世代を対象とすることにより、自社の年齢構成比の偏りを改善するため

 
なお、早期退職制度の対象年齢を定めるときは、年齢差別とならないよう注意が必要です。合理的・客観的な根拠に基づいて、対象年齢を定めましょう。


早期退職制度の導入目的

早期退職制度の主な導入目的は、以下の3つです。

  • 人材配置の転換・人材の循環による組織最適化
  • 社員のセカンドキャリア形成の支援・仕事の選択肢拡大
  • ベテラン人材と若手人材の入れ替えによる組織の新陳代謝促進

 
早期退職制度は40~50代を中心に、一定以上の年齢・勤続年数・役職の社員を対象とするケースが多い制度です。早期退職制度を利用する社員が増えると、必然的に社内の人員配置が変化するほか、新たな人手を採用するなど人材の循環が起こります。
 
人材の循環が起こることで、「増えすぎた人件費を削減できる」「若手社員の育成が活性化される」といった変化も生じるため、自社の経営状況に合わせた組織最適化が行なえるでしょう。
 
また、早期退職制度には「退職金の割り増し」「再就職支援」などの優遇措置があります。優遇措置を利用することにより、対象となる社員のセカンドキャリア形成が促進されます。
 
今まで培ってきたスキルや経験値を活かしてセカンドキャリアを形成すれば、仕事の選択肢が拡大され、社員の自己実現にもつながるでしょう。


早期退職制度と似ている制度との違い

早期退職制度と似たような制度に「希望退職制度・選択定年制度・リストラ」などがあります。ここからは、早期退職制度と似ている制度との違いを解説します。


希望退職制度との違い

早期退職制度と混同されやすい制度に「希望退職制度」があります。早期退職制度と希望退職制度は、制度の導入理由や、利用者の募集期間などが異なります。
 
希望退職制度が導入される主な理由は、「業績悪化による事業縮小」や「組織再編成のための人員整理」です。あくまでも社員が希望退職する制度ではありますが、実際は本格的なリストラを実施する前の準備段階として導入されるケースが多いものです。
 
また、希望退職制度はリストラの前段階という意味合いが強いことから、制度利用者の募集期間は一時的です。明確に期間を区切って実施するケースが多く、希望退職者が企業の想定範囲まで増えた時点で、利用を締め切る傾向があります。
 
一方、早期退職制度の主な導入理由は、「人材の循環による組織最適化」「社員のセカンドキャリア形成支援」です。早期退職制度は、利用者への優遇措置も手厚いことから、福利厚生の一環として恒久的に実施している企業も多くあります。


選択定年制度との違い

選択定年制度とは、社員が自分で定年退職する年齢を設定し、その年齢になったら退職できる制度です。一般的には50~65歳の間で定年を設定できる企業が多く、早期退職できるように定年を設定すれば、退職金の増額などの優遇措置を受けられます。
 
通常の定年よりも遅く退職する場合は、勤務継続できる代わりに、「定年前までの役職から外される」「給与が減額される」といった雇用条件の変更が生じます。
 
対して早期退職制度は、企業が設定している条件に当てはまる社員であれば、いつでも退職可能であり、優遇措置が受けられます。選択定年制度の場合は、社員自身で設定した定年の年齢にならなければ制度を使えないため、利用条件に差があるといえるでしょう。


リストラとの違い

リストラは企業が何らかの理由で、社員を解雇することです。日本社会においては、経営不振による人員整理(整理解雇)という意味合いで使われる傾向があります。
 
早期退職制度と異なり、リストラには強制力が伴います。そのため、一般的にリストラは「会社都合の退職」という扱いになりますが、早期退職制度は「自己都合による退職」として扱われます。
 
ただしどのような条件であっても、会社側が一方的に社員を解雇できるというわけではありません。正当な解雇と認められるためには、一定以上の厳しい条件をクリアする必要があります。社員を無理にリストラすると、法律に抵触する恐れがあるので注意しましょう。


早期退職制度優遇措置とは?

前述したように、早期退職制度には利用者に対する優遇措置があります。ここでは早期退職制度の優遇措置について、主な内容を解説します。


退職金の割り増し

早期退職制度があるほとんどの企業で、優遇措置として「退職金の割り増し」が設けられています。
 
割増率や割増する金額は、企業により大きく異なります。なお、厚生労働省が発表した資料によると、「勤続20年以上かつ45歳以上の退職者(大学・大学院卒)の退職金平均額は、以下の通りとなっています。

勤続20年以上かつ45歳以上の退職者(大学・大学院卒)の退職金平均額


定年退職

1,896万円

早期退職

2,266万円

参照:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)の支給実態」

 

再就職支援

早期退職制度の優遇措置として、社員の再就職支援を実施している企業も多くあります。よくある再就職支援には、以下のような取り組みが挙げられます。

  • 再就職先の紹介
  • 採用面接の練習や対策
  • キャリアカウンセリング
  • 履歴書・職務経歴書の添削

 
再就職支援は、社内のリソースだけで実施するのではなく、公的機関や外部の人材紹介会社と連携して行なうケースもあります。外部機関と連携することにより、より充実した再就職支援を実施できるでしょう。


特別休暇の付与・有給休暇の買い上げ

早期退職制度の優遇措置として、特別休暇を付与したり、有給休暇を買い上げたりするケースもあります。制度を利用して退職する社員に特別休暇を付与すれば、各部署への挨拶や転職活動、起業準備に役立つでしょう。
 
また、再就職や業務引き継ぎのタイミングなどによっては、有給休暇を完全に消化するのが難しい場合もあります。休暇が少なくなったとしても、会社が有給休暇を買い上げて現金を支給してくれるならば、社員は安心して早期退職制度を利用できるでしょう。


まとめ

早期退職制度の目的や似ている制度との違い、優遇措置の内容などを解説しました。早期退職制度とは、社員が「退職金の割り増し」などの優遇措置を受けながら、定年前に退職を希望できる制度です。
 
早期退職制度は、社員の誰でも利用できるわけではありません。一定の「年齢・勤続年数・役職」などの条件を満たしている社員のみ、制度を利用して退職できます。


早期退職制度は、主に以下のような理由で導入されます。

  • 人材配置の転換や人材の循環による組織最適化
  • 社員のセカンドキャリア形成支援・仕事の選択肢の拡大
  • ベテラン人材と若手人材の入れ替えによる組織の新陳代謝促進

 
早期退職制度によって人材の循環が起こり、若手社員の育成も活性化されるでしょう。ただし、早期退職制度には「ベテランの人材が他社へ流出する」「優遇措置を実行するため一時的にコストがかかる」などのデメリットもあります。
 
単純に「若手人材の比率を増やしたい」とお考えの場合は、早期退職制度の導入ではなく、新たな人材の採用によって若手人材の比率を上げ、組織を最適化したほうがよいケースもあるでしょう。


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