コミュニケーション能力とは? 高い人と低い人の特徴・面接での見極め方
企業が採用時に求める人材の資質は、16年間連続で「コミュニケーション能力」が第1位となっています。同様に「コミュニケーション能力が高い人を採用したい」と思い、本記事にたどり着いた方もいらっしゃると思います。
ただ、「コミュニケーション能力の高い人を、面接でどのように質問して見極めればいいのか」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「コミュニケーション能力」とは何なのか?コミュニケーション能力が高い人とはどんな人なのか?などを改めて整理するとともに、面接でコミュニケーション能力を見極めるための具体的な質問例をご用意しました。ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
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目次[非表示]
- 1.コミュニケーション能力とは?
- 2.コミュニケーションをとるための2つの手段
- 3.コミュニケーション能力を構成する4つの要素
- 3.1.言語:自分の言いたいことを言葉で伝える力
- 3.2.言語:相手の言いたいことを聴く力
- 3.3.非言語:自分の言いたいことを言葉に頼らずに伝える力
- 3.4.非言語:相手の言いたいことを言葉に頼らず読み解く力
- 4.コミュニケーション能力が高い人の特徴
- 4.1.聞き上手で傾聴スキルが高い
- 4.2.相手にとってわかりやすく話す
- 4.3.相手に興味関心を持って接する
- 4.4.非言語コミュニケーションが得意
- 5.コミュニケーション能力が低い人の特徴と原因
- 5.1.相手の話を最後まで聞かない
- 5.2.相手の立場に立って話せない
- 5.3.他者に興味関心を持てない
- 5.4.ネガティブな発言が多い
- 6.コミュニケーション能力を面接で見極める質問
- 6.1.面接オープニングの質問
- 6.2.コミュニケーション能力を見極める質問 ①
- 6.3.コミュニケーション能力を見極める質問 ②
- 6.4.コミュニケーション能力を見極める質問 ③
- 6.5.コミュニケーション能力を見極める質問 ④
- 7.まとめ
コミュニケーション能力とは?
そもそもコミュニケーション能力とは、どのような能力を指すのでしょうか? まずは具体的な意味や定義などを解説します。
「コミュニケーション能力」の定義
コミュニケーション能力とは、自分と相手の双方向で意思疎通・情報共有・協調などをスムーズに行なう能力のことです。情報や意見を相手へ適切に伝えるだけでなく、相手の意図や感情を理解し、円滑なコミュニケーションを実現するために欠かせません。
ビジネスシーンにおいては、リーダーシップの確立やチームワークの促進、クライアントとの信頼関係の構築など、さまざまな場面でコミュニケーション能力が求められます。
「外交的=コミュニケーション能力が高い」ということではない
「コミュニケーション」というと、他者との会話を思い浮かべる方が多いでしょう。しかしコミュニケーション能力には、会話以外の要素も含まれます。
単に他者とたくさん会話できる外交的な人材だからといって、必ずしもコミュニケーション能力が高いとは限らないのです。
たとえば、物静かで内向的に見える人材であっても、傾聴のスキルが高かったり、相手の立場に配慮して話すスキルが備わっていたりするケースもあるでしょう。内向的だとしても、双方向の意思疎通がスムーズに行なえる人材ならば、「コミュニケーション能力がある」といえます。
コミュニケーション能力は「選考で重視する資質」で16年連続1位
「コミュニケーション能力が高い人を採用したい」と考えている人事・採用担当者は多いでしょう。そう考えているのは、貴社だけではありません。
以下の図は、日本経済団体連合会(経団連)が調査した「選考時に重視する人材の資質」を表すグラフです。
※参考:「日本経済団体連合会」が調査した、選考時に重視する要素の推移(2018)
上記の調査によると、選考時に重視する人材の資質で「コミュニケーション能力」が16年連続1位となっています。コミュニケーション能力が高い人材は、さまざまな場面で活躍しやすいため、引く手あまたです。
コミュニケーション能力がある人材を自社で獲得するためにも、「コミュニケーション能力が高いとは、そもそもどんな状態なのか?」を把握することが大切です。また、コミュニケーション能力が高い人材を面接で見極める方法も、以降で詳しく解説していきます。
コミュニケーションをとるための2つの手段
コミュニケーション能力は、大きなカテゴリーとして「言語」と「非言語」に分けられます。
言語(バーバル)コミュニケーション
言語(バーバル)コミュニケーションとは、言葉を発するコミュニケーション方法のことです。頭の中にある意見や考え、気持ち、価値観などを言語化し、言葉で伝えて他者と意思疎通を図ります。
言語コミュニケーションで、スムーズに相手と意思疎通をするためには、相手に誤解を与えないような言葉選びができなくてはなりません。また、相手が述べた言葉をきちんと正確に受け止められるスキルも、言語コミュニケーションに大切な能力のひとつです。
非言語(ノンバーバル)コミュニケーション
非言語(ノンバーバル)コミュニケーションとは、言葉以外の方法で相手と意思疎通するコミュニケーション方法のことです。たとえば目線・表情・身振り手振り・相づち・首肯・声のトーンなどが非言語コミュニケーションに当たります。
他者とスムーズに意思疎通を図るためには、言葉以外の情報も欠かせません。アメリカの哲学者ロバート・メラビアンは、人がコミュニケーションをとる際、「言語情報7%・聴覚情報38%・視覚情報55%」の割合で、各情報が相手に影響を与えていると提唱しました。
この法則はメラビアンの法則と呼ばれ、非言語コミュニケーションの重要性を物語るものとして世界的に有名となっています。他者と意思疎通を図るとき、相手に誤解を与えないようにするためには、非言語コミュニケーションにも十分配慮する必要があります。
コミュニケーション能力を構成する4つの要素
コミュニケーション能力を構成する要素には、以下の4つが挙げられます。それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。
言語
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自分の言いたいことを言葉で伝える力 |
相手の言いたいことを聴く力 | |
非言語
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自分の言いたいことを言葉に頼らずに伝える力 |
相手の言いたいことを言葉に頼らずに読み解く力
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言語:自分の言いたいことを言葉で伝える力
相手に分かりやすく、正確に、自分の言いたいことを言葉で伝える力です。ポイントは「伝える」だけでなく、相手に「伝わる」ことを重視していることです。
自分の言いたいことを一方的に話す(=伝える)だけの人を、コミュニケーション能力が高いとは言いません。専門用語をかみ砕いて誰でも伝わる平易な言葉に置き換えたり、時系列を整理したり、話の起承転結を明確にしたり、伝わりやすさまで意識したコミュニケーションを取れる人が、コミュニケーション能力が高い人と言えます。
言語:相手の言いたいことを聴く力
相手の言いたいことを、正確に聴く力です。「しっかりと話を聞いてもらえている」という印象を受けると、尊重されていると感じ、相手は心をひらきやすくなります。
聴く力を確認するポイントは2つ。1つは聞いた後に、話の要点を押さえていること。「つまり、こういうことですよね?」と自分の言葉に置き換えて話せる人は聴く力が高いです。
もう1つのポイントは、「相手に興味・関心を持っており、話を引き出す姿勢があるか」です。聴く、とはすなわち相手を理解しようとする姿勢です。相手に興味・関心を持ち、質問を重ねてくる人、話を深掘りしようとする人は、聴く力も身についている可能性が高いです。
非言語:自分の言いたいことを言葉に頼らずに伝える力
言葉に頼らずとも、表情、首肯、身振り手振り、目の動きなどで自分の意思を表すことができます。特に顕著に表れるのが聴く姿勢。
話を聞く際、相手に身体を向け、目を合わせ、うなづいたり、あいづちをしたり、表情で反応する人は、基本的な非言語のコミュニケーション能力にも秀でています。
非言語:相手の言いたいことを言葉に頼らず読み解く力
人の気持ちを推測し、理解する力です。機微を察すると言うこともあります。言葉というのは難しく、会話と本心がかみ合わないこともあります。
口では「申し訳ありません」といいつつ心からは反省していなかったり、口では「ありがとうございます」と感謝を伝えつつ本心ではありがた迷惑に感じていたり。こうした相手の本音を「観察」や「推測」で見抜ける人も、コミュニケーション能力が高いと言えます。
コミュニケーション能力が高い人の特徴
コミュニケーション能力が高い人の特徴をまとめました。コミュニケーション能力が高い人材を見極めたい場合は、以下の特徴に当てはまるかどうかを確認するとよいでしょう。
聞き上手で傾聴スキルが高い
コミュニケーション能力が高い人は、聞き上手で傾聴スキルも高い傾向があります。ただ単純に話を黙って聞くのではなく、適度に相槌を打ったり、共感のリアクションをとったりして、相手が安心して話せる状況をつくることが得意です。
傾聴スキルが高い人は、他者との信頼関係を構築しやすいもの。業務目標の達成に向けて、チームメンバーと協力しながら、スムーズに仕事を進められるでしょう。
相手にとってわかりやすく話す
コミュニケーション能力が高い人は、自分が話したいように話すのではなく、相手にとってわかりやすく話すことが得意です。相手の立場で物事を考えられるスキルがあるため、「相手が理解しやすい話し方」に考慮しながら話を進められます。
相手に興味関心を持って接する
コミュニケーション能力が高い人は、相手に興味関心を持って接することができます。「人と話すなどコミュニケーションを取るのがそもそも好き」という人も多いでしょう。
相手に興味関心があるので、「相手の伝えたいことや、相手が置かれている状況をきちんと理解しよう」という姿勢を持っています。会話が弾みやすくなるため、良好な人間関係を構築できるでしょう。
非言語コミュニケーションが得意
ジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションが得意な点も、コミュニケーション能力が高い人の特徴です。非言語コミュニケーションが得意な人は、相手の印象に残りやすく、話も伝わりやすい傾向があります。
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コミュニケーション能力が低い人の特徴と原因
続いて、コミュニケーション能力が低い人の特徴を紹介します。
相手の話を最後まで聞かない
コミュニケーション能力が低い人は、相手の話をきちんと最後まで聞くことができません。
- 相手が話し終わる前に、途中で話を遮ってしまう
- 相手の話を聞いていないため、的外れな返答を繰り返してしまう
このような特徴がある人は、コミュニケーション能力が低いため、他者と良好な人間関係を構築するのが難しいでしょう。
相手の立場に立って話せない
コミュニケーション能力が低い人は、相手の立場に立って話すのが苦手です。コミュニケーションが自分本位であるため、他者との意思疎通が難しいでしょう。ビジネスシーンにおいては、相手の立場や状況に配慮した話し方ができないため、不要なトラブルを招く可能性があります。
他者に興味関心を持てない
他者に興味関心を持てないことも、コミュニケーション能力が低い人の特徴です。相手に興味が持てないため、話のポイントを聞き逃してしまうことが多いでしょう。
また、他者に興味を持てない様子が態度に出てしまい、「感じが悪い人だ」という印象を相手に与えてしまうケースもあります。
ネガティブな発言が多い
コミュニケーション能力が低い人は、ネガティブな発言が多い傾向もあります。他者と話をするなかで「でも・だって」などの否定的な言い方が多い人には、注意が必要です。相手の言動や意見を何かと否定しやすいため、周囲に不快感を与えてしまう可能性があります。
コミュニケーション能力を面接で見極める質問
「コミュニケーション能力が高い人」を採用するためには、面接でどのように見極めればいいのでしょうか?
コミュニケーション能力を面接で見極める方法としてよく用いられるのは、オープン・クエスチョン(自由回答)です。一問一答形式の質問では見極めづらい、表現力やプレゼン能力、表情や身振り手振りなど、基本的なコミュニケーション能力を見極めることができます。
そこでオープン・クエスチョンを中心に、具体的にどのような質問で、どんな点をチェックしていけばいいのかを解説します。
実際の面接でそのまま活用いただきやすいように、面接の流れに沿った質問サンプルをご用意しました。
面接オープニングの質問
面接の流れ |
質問例 |
自己紹介 |
これまでの経歴を含めて、自己紹介をお願いいたします。 |
職務適性 |
前職では、どのような業務を担当されていましたか?また、ご自身の仕事をスムーズに進めるためにどんな工夫をしていましたか? |
退職理由 |
退職を考えるようになったきっかけは何ですか?何が決め手になりましたか? |
志望動機 |
数多くある同業他社の中で、なぜ当社を選んでいただいたのか理由を教えてください。 |
面接のオープニングで確認する基本的な項目です。短時間で自分のことを整理して話せるか、面接官の知りたい内容を意識して自己PRができているか、相手の目を見て感じよく伝えられているか、初めて聞く人にとって分かりやすい内容になっているか等を確認しましょう。
コミュニケーション能力を見極める質問 ①
コミュニケーション能力を見極める質 |
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他者評価から自己分析させる質問です。コミュニケーション力が高い人は、他者から見られる自分を意識しています。他者からの評価を具体的、かつ客観的に捉えられているかをチェックしましょう。
コミュニケーション能力を見極める質問 ②
コミュニケーション能力を見極める質 |
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人間関係を円滑にする上で何を大事だと捉えるか。応募者のポリシーや考え方を知るための質問です。その考え方が、会社の社風と合うかどうかを確認しましょう。特に管理職候補の応募者であれば、この考え方がマネジメントスタイルにも影響します。
コミュニケーション能力を見極める質問 ③
コミュニケーション能力を見極める質 |
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苦手なタイプについて確認する質問です。苦手なタイプを聞くことで、コミュニケーションの傾向を知ることができます。また、私情に関係なく人付き合いができそうか、仮に人間関係が上手くいかない時に修復する力がありそうかを確認することができます。
コミュニケーション能力を見極める質問 ④
コミュニケーション能力を見極める質 |
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あえて、漠然とした質問をしてみてください。応募者から「前職の仕事の中で好きな業務のことですか?」など、質問者の意図を確かめたり、再確認して意図を正確にくみ取ろうとする姿勢をチェックすることができます。また、自己を客観的に理解する能力やプレゼン能力も確認できます。
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まとめ
コミュニケーション能力が高い人とはどんな人なのかを理解し、適切な質問をすることで、面接でコミュニケーション能力は見極めやすくなるはずです。
ただ、面接という限られた時間で自社に適した人材を見極めるのが大変なことは変わりません。面接時に人材を見極める負担を軽減するには、求人情報の出し方を工夫して、自社にマッチする人材からの応募率を高めることが重要です。
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