ジョブディスクリプションとは?│スグに使えるテンプレートあり

ジョブディスクリプションのイメージ


・ニュースでよく見るジョブディスクリプションって、何?
・何のために、ジョブディスクリプションを利用するの?
・ジョブディスクリプションを取り入れるメリットやデメリットは?
・ジョブディスクリプションを取り入れるためのテンプレートはない?

上記のような疑問にお答えします。

「職務記述書」と呼ばれるジョブディスクリプション。「言葉を聞いたことはあるけれど、詳細はよく分からない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。人事や採用に関わる方々にとっては、今後注目のキーワードです。ジョブディスクリプションを取り入れる目的や、注目されている背景、メリット・デメリットを詳細に解説しました。

採用担当の方をはじめ、「ジョブディスクリプションについて理解を深めたい」「自社でジョブディスクリプションを取り入れたい」という方に役立つ内容です。


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目次[非表示]

  1. 1.ジョブディスクリプションとは?
  2. 2.ジョブディスクリプションの目的
  3. 3.ジョブディスクリプションが日本で今、注目されている理由は?
  4. 4.ジョブディスクリプションを作成するメリット
    1. 4.1.1.求める人材を採用しやすくなる
    2. 4.2.2.入社後のギャップがなくなる
    3. 4.3.3.評価しやすくなる
    4. 4.4.4.スペシャリストの育成がしやすい
  5. 5.ジョブディスクリプションを作成するデメリット
    1. 5.1.1.仕事に柔軟性がなくなる
    2. 5.2.2.育成できる業務領域が限られてしまう
  6. 6.分かりやすいジョブディスクリプションのテンプレート
  7. 7.ジョブディスクリプションを活用してエン転職で精度の高い採用を!

 

ジョブディスクリプションとは?

ジョブディスクリプションとは、日本語で「職務記述書」と呼ばれます。

具体的には、社員に任せる業務について「目的」「業務内容」「業務範囲」「必要な能力」などを明文化し、詳細にまとめた書類です。

ジョブディスクリプションは、日本ではあまり浸透していません。ただ、欧米では以前から “業務遂行において必須” と言われるほど大切な書類。求人募集や人事評価の場面でもフル活用されています。

なぜかというと、担当業務について詳細に記載することで「求職者と出会いやすくなる」「ミスマッチが少なくなる」という効果が期待されるためです。さらに入社後、ジョブディスクリプションの内容と照らし合わせて、適切な人事評価を行なうこともできます。

日本で一般的な「募集要項」と比較すると、より分かりやすいでしょう。

募集要項は、簡単な仕事内容に加えて、勤務地・給与・勤務時間などをまとめたもの。日本の求人票に記載されている内容が良い例です。

一方、ジョブディスクリプションに記載される内容はより詳細。たとえば、職務内容とその目的・目標・責任・権限の範囲などをはじめ、関わりを持つ社内外の関係性・必要とされる技術・知識なども記載するものなのです。


ジョブディスクリプションと募集要項の違い


ジョブディスクリプションの目的

欧米の企業がジョブディスクリプションを作成する目的は、第一に「職務に関するあいまいさの排除」にあります。

ジョブディスクリプションを作成することで、社員の職務は明確になるでしょう。それぞれの職務に関して「目標は何か」「担当範囲はどこまでか」といったことがハッキリする分、仕事をする上での無駄・非効率が減少。

組織と個人の間で目指していることがズレてしまったり、「誰がその仕事をするのか」といったことで揉めたりすることがなくなります。それによって、組織全体の生産性を向上させられるのです。

また、あいまいさの排除は、適正な人事評価にもつながります。評価をする際には「ジョブディスクリプションに記載された目標を達成しているか」といった、客観的な基準を使用。それにより、「自分の成果が適切に評価されていない」「周囲と差があるのではないか」といった不満・不公平感が起こりにくくなるのです。

このように、それぞれの仕事を “見える化” することは、社員のモチベーション管理や人員計画にも役立つと言えます。


ジョブディスクリプションが日本で今、注目されている理由は?

ジョブスクリプションが注目されはじめた背景には、雇用の在り方の変化があります。従来の日本型雇用システム・メンバーシップ型雇用を残しつつも、今後は「ジョブ型雇用」の普及を進めようという動きです。

2013年頃から日本経済団体連合会(経団連)が提唱している「ジョブ型雇用」。2020年1月には、経団連の中西宏明会長が「新卒一括採用や長期・終身雇用、年功型賃金などを特徴とする日本型雇用システムは、メリットもあるが課題ある」と発言して話題になりました。

それでは、「ジョブ型雇用」とジョブディスクリプションの関連について、従来の「メンバーシップ型雇用」と比較しながら簡単にご説明します。

まず、メンバーシップ型雇用について。これは、日本で一般的な新卒一括採用型の雇用システムです。仕事内容や勤務地を限定せずに総合職として採用し、ジョブローテーションをしながら “会社にマッチする人材” として長期的に育成していきます。

対するジョブ型雇用は、“仕事(ジョブ)に合った人材” を採用するもの。学歴・意欲などより、顕在化した能力・スキルを重視した採用を行ないます。たとえるなら、欠員が出た際の即戦力採用に近いものですね。

ジョブに合わせた人材を採用するため、仕事の幅や勤務地は限定的です。また、一括研修などはなく、評価・報酬は個人のスキルや成果に紐付く形に。社員は業務外に自ら学ぶことが求められる一方、専門スキルを高めることでより厚待遇の環境を選ぶこともできます。終身雇用ではなく、様々な会社で働くことを通して専門スキルを高めていくことが一般的です。

このジョブ型雇用を推進していくためには、業務内容を明確にすることが欠かせません。よって、ジョブディスクリプションが重視されるようになったのです。


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ジョブディスクリプションを作成するメリット

日本では、まだまだ広く普及していないジョブディスクリプション。導入することによって何が得られるのでしょうか?

メリットは1つではなく、人材の採用・育成・評価などの側面で様々な効果が見込まれます。欧米での事例から分かったことなどをもとに、一例をご紹介します。抱えている課題と照らし合わせると、ジョブディスクリプションの効果を理解しやすいです。

1.求める人材を採用しやすくなる

第一のメリットは、求める人材を採用しやすくなるということ。事業を成長させるためには、自社に適した人材の採用が欠かせません。しかし、どのような人材が自社に合っているかを定義するには「能力」や「人物タイプ」など考慮すべき要素が多く、定義があいまいになるケースもあるのが実情です。

ジョブディスクリプションを活用すれば、必要なスキルや業務遂行能力など複数の側面から客観的に判断できるため、採用したい人物基準をより明確化できます。

採用したい人物基準を明確化することで、面接官による判断の差を減らせたり、応募者の書類上で見るポイントを決め、基準を設定しやすくなったりします。客観的な判断が可能になるとも考えられます。

2.入社後のギャップがなくなる

続いてのメリットは、入社者の入社後ギャップの可能性を減らす、という点です。転職希望者側も応募段階で細かい職務内容や評価の基準がわかるため、入社後のギャップを防ぎやすくなります。これにより、「想定外のミスマッチを防ぐ」「早期離職のリスクが減る」といった効果も期待できるのです。

3.評価しやすくなる

3つ目のメリットは「評価がしやすくなる」こと。ジョブディスクリプションは「人事評価の際の明確な基準」として活用することが可能です。ジョブディスクリプションにより具体的な業務内容や成果などのゴールをあらかじめ設けておくことで、そのポジションに求められる期待値と、現状の成果の差を比較しやすくなり、客観的で公平な評価をしやすくなります。

また、評価における主観的な要素が排除されるため、従業員から見た評価に対する納得度も高まりやすくなります。

4.スペシャリストの育成がしやすい

最後のご紹介するのが、スペシャリストの育成がしやすくなる、という点です。ジョブディスクリプションに基づく雇用は、その職務に合った人材の雇い入れや、職務に合わせたスキル育成を基本としています。また、基本的にはジョブローテーションなどの人事異動がないため、一つの職務に長い時間をかけられ、深くスキルを磨くことが可能です。

そのため、専門分野やスキルに特化した、スペシャリスト型の人材を育成できるというメリットが期待できます。


ジョブディスクリプションを作成するデメリット

では、ジョブディスクリプションの導入は、良いことばかりでしょうか? もちろんデメリットもあります。欧米の企業でも、GoogleやFacebookなどの企業が、デメリットを考慮してジョブディスクリプションの作成をストップしました。

下記はデメリットの一例です。まずは、組織の運営において何を重視するかを明らかにし、ジョブディスクリプションが必要かどうかを考えることからはじめましょう。

1.仕事に柔軟性がなくなる

ジョブディスクリプションが作成されることで、従業員側は明確に「業務範囲」が定義されます。そのため、記載されたこと以外の業務を「自分の仕事ではない」と捉えてしまう、いわゆる「縦割り」となってしまい、結果的に組織全体で見た場合に生産性が下がってしまう、という可能性もあります。

関連する人や組織・顧客とのやり取りの中で過不足がないようにそれぞれの業務内容を決め、運用することが向いていない組織体制もあることを忘れないようにしましょう。

2.育成できる業務領域が限られてしまう

前述したメリットの4つ目「スペシャリストの育成がしやすい」の裏返しとなりますが、人事異動がなく、一つの業務に集中することを前提としているため、幅広く業務を遂行できるゼネラリストの育成には不向きです。

また、新卒採用や第二新卒など、個々の潜在能力に期待をした採用をする場合には、採用時に十分やスキルを持っていないという可能性があります。ジョブディスクリプションがあるせいで人事異動をさせづらく、育成出来る幅が少ないことがデメリットとなることを理解しておく必要があります。

 

分かりやすいジョブディスクリプションのテンプレート

実際に、ゼロからジョブディスクリプションを作成するとなったら? 下記は、必ず盛り込むべきとされている項目の一覧です。

<ジョブディスクリプションの必須項目>
■ポジションのタイトル(ポジション名)
■具体的な職務内容やそれぞれの業務の比重・職務の目的
■責任・権限の範囲
■期待される目標・評価される項目
■関わりを持つ社内外の関係性
■必要とされる技術・知識
■職務に必要とされるもの(知識・技術・学歴・資格 など)
■福利厚生を含む手当

特に詳細な記述が求められるのは、職務内容やその範囲に関する項目です。実際にその職務に就いているメンバーや、その部門を取りまとめる役職者などへのヒアリングを行ない、議論をしながら定義していくものだとされています。

また、自社の戦略や状況の変化への対応も忘れてはなりません。戦略や状況が変われば、職務内容が変わったり、新たな職種が増えたりすることもあるでしょう。それに合わせて、ジョブディスクリプションもまた見直しが必要。常に最適なジョブディスクリプションになるよう、更新し続けていくことが大切なのです。


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ジョブディスクリプションの概要について、ご理解いただけましたか? 雇用の在り方が変化している今、日本においてもさらに導入が進むでしょう。

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さらに、「採用して終わり」ではないのが『エン転職』の特徴です。入社後の活躍・定着まで見据えたサポートに力を入れているため、育成・評価に関してもお手伝いできることがあります。

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「エン転職 採用ノウハウ編集部」は、HR業界で活躍している複数のメンバーで構成されています。構成メンバーは、現役の人事労務、1000社以上の企業を支援してきた採用コンサルタント、10年以上の経験を持つ求人専門のコピーライターなど。各領域の専門的な知識に基づき、企業の経営者・人事・採用担当者のお役に立てるように記事を執筆しています。 ※「エン転職 採用ノウハウ」はエン・ジャパン株式会社が運営している情報サイトです。
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